Don’t say you can’t 公演情報 一般社団法人グランツ「Don’t say you can’t」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2021/03/14 (日) 13:00

    知的障害者の演劇集団である横浜桜座が、青年座やテアトルエコーなどプロの役者たちを集めて一緒に公演するプロデュース公演。障害のあるなしにかかわらず、同じ役者として一緒の舞台に立つ。障害者が舞台に立つことが当たり前の世の中を目指す、劇団のパフォーマンスだ。これは障害者福祉ではない。舞台芸術なのである。

    物語は、障害者施設を舞台に進行する。コロナ禍で自宅のパン屋が休業に追い込まれたシングルマザーが障害者施設で働き、そこでかつての恋人であり、演劇仲間であった男性に再会する。男性は頸椎損傷で車いす姿で、息子に付き添われて施設に来ていた。人生を投げているところがあった男性だが、施設内で演劇会を開いてはどうかという提案に盛り上がり、生き方が変わっていく。演出は青年座の磯村純。

    出演する桜座のメンバーは、オーディションで選ばれた。自分の持ち場をしっかりこなしているという印象だ。主演のシングルマザー役は小飯塚貴世江。彼女は桜座の舞台を見て、「頭をたたかれるような衝撃を受けた」という。「自分は役者をやっていて、どこか上手に見せようという雑念がくっついていた。演劇をやるのに必要なものを、教えてもらったから」と話した。障害者とそうでない役者たちがお互いをインスパイアする存在として、今回の舞台に立っている。

    自分は横浜ラポールシアターで見た。シモキタで多様性を体現した役者たちの舞台があるということが、小劇場文化の一つのエポックメーキングになってほしい。

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    2021/03/19 19:10

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