SIS(エスイズ)-僕の彼女は多重人格-【全日程終了致しました。ご来場ありがとうございました!】 公演情報 劇団三年物語「SIS(エスイズ)-僕の彼女は多重人格-【全日程終了致しました。ご来場ありがとうございました!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    物語の構成が見事
    多重人格障害のさまを忠実に描いていたと思う。水沢深雪が他の人格に転換する時の描写が上手い。その演出もお見事だった。後半はただただ泣けた。素晴らしい舞台だった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    宮沢幸は6歳の頃、交通事故で両親を亡くし、施設へ移る。そこで水沢優一郎に引き取られ養子になり水沢深雪となるも、6歳の深雪はロリコンだった優一郎から性的虐待を受けて育つ。この頃から、深雪は色んな人格を引き起こし嫌なことを引き受けてくれるそれぞれの人格が育ってゆくことになる。

    やがて深雪は妊娠中絶を繰り返し、それに加味するように多くの人格が乖離して主体であるはずの深雪そのものよりも、深雪の体を多くの時間、乗っ取ることで主体が不明瞭になっていってしまう。

    深雪の過去を遡って紐解いてゆくドクターらの治療の進ませかたと梟の語りは観客にナビの役割を果たし絶妙だった。また物語をシリアスのみで進行させず、笑いを含めながら持っていくさまは流石に上手い。

    深雪の人格統合を行う際のそれぞれの人格の深層心理にもメスを入れ巧みな描写だった。そして終盤は深雪を支える長谷川雄太が深雪の全てを受け入れることで丸く収めていた。
    それぞれの乖離した人格を演じたキャストらの演技力も抜群で、更に別の人格を演じる際の深雪との二重構造の演出は素晴らしい。終盤は涙、涙、涙だった。

    構成、舞台美術、演出など、全てにおいて秀逸だった。大満足。

    0

    2011/03/11 12:27

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大