01272125★たくさんのご来場ありがとうございました。★ 公演情報 ソテツトンネル「01272125★たくさんのご来場ありがとうございました。★」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    様々な対人関係が織り成す鬱の描写が上手い!
    菊地奈緒(elePHANTMoon)が出演されてるからではないが、物語の紡ぎ方がelePHANTMoonのソレと似ている。それぞれの離れられない人間関係の深さの捕らえ方が絶妙だった舞台。個人的には河本家の模様が面白い。キャストらのポジションの取り方も素敵だった。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    恋人にDVを繰り返す弱い精神の三島。殴られて鼓膜が破れても彼を捕らえて離さない愛美。

    河本順姫は実子の小学生・まやを連れて再婚し河本になった韓国人。まやの愛想のない言動に対して「私たち親子の幸せの為には多少の愛想ぐらいつきなさいよ、減るもんじゃないんだから。」とのたまり、再婚相手とその息子に愛情のかけらも示さない順姫。そのまやの義理の兄になった剛。

    かつて剛に苛められ今でも剛のポストからDMを抜きとる茨木栄子。彼女の陰鬱とした仕返しの描写が上手い。

    皆から嫌われ者の栄子を利用するかのように友達を演じていい人ぶる藤川素子。素子は学生の頃から男子や先生からの人気を独り占めして自分を特別だと信じ込み、また、自分を特別扱いしてくれる友人をはべらかしたい性質。その素子の彼・茂。

    その素子を学生の頃から好きな阿南。阿南は癌にかかっていて、あと3ヶ月くらいしかもたない。命の限りを知って素子に告白するも、あっさりとフラレル。その阿南と親友の原。

    これらの15年前に同級生だった人たちの進行役を担う神林。そしてモスクワのテロに巻き込まれて帰れない富山先生。


    それぞれのキャラクターが絶妙に繋がりながら離れたくても離れられない強い輪廻のようなものを感じさせる舞台だった。彼らが30歳になって思うこと。感じることの映しが巧みで、尚且つ、内に秘めた本当の自分と建前の自分との対比の描写が実に巧妙で、観ていてドキッ!!としたほど。

    特に藤川素子の自分を「もっと特別だと思っていた」と感じるところや、素子が阿南に吐く本音のセリフが凄まじい。つまりは素子にとって阿南は自分の下の存在だったのだ。

    15年前の虐めを根に持つ栄子やその15年前の事柄をいちいち覚えていない同級生ら。数式の「ママコダテ」を織り交ぜながら、キャラクターに吐かせるセリフがいちいち面白いんだよね~。結局、数字は電話番号だったわけだけれど、最終的に素子がはく「人に嫌われていたとしても大丈夫だわ、茂がいるから。」という強い側面が素敵だった。

    今回は一人も脇役は居ない。どのキャストも演技力で魅せた。好みの舞台だった。素晴らしい。

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    2010/08/15 17:46

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