第63回東京都高等学校演劇コンクール中央発表会 公演情報 東京都高等学校演劇連盟「第63回東京都高等学校演劇コンクール中央発表会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    見よ、飛行機の高く飛べるを(都立井草)
    原始、女性ハ実二太陽デアッタ。今、女性ハ月デアル。病人ノヨウナ蒼白イ顔ノ月デアル__平塚らいてう


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    時は1911年(明治44年)。今よりもっと女性の地位が低い時代。女子師範学校の寄宿舎が舞台となる。光島延ぶは優等生。先生にも生徒にも人気があり,閉ざされた学校生活を充足していた。だが,下級生の杉坂初江と親しくなり,未知の世界に目を向けるようになる。

    初江は学校でただ一人新聞を読み,小説が禁じられていることに疑問を持つ人であった。初江の影響で延ぶは自然主義文学に触れ、「青踏」の女たちを知り、女性の地位確立のために、あの空高く飛ぶ飛行機のように羽ばたきたいと願い、生徒たちに読ませる回覧雑誌「バードウイメン」を出そうと計画する。折しも、日露戦争後の富国強兵政策や、大逆事件のあおりから学校はますます生徒に強圧的となり、良妻賢母教育への傾きを露に仕出した。

    友人の退学処分もからみ,延ぶと初江は仲間を慕ってストライキを企てるが、今まで彼女らと共に親身に教えてくれていた安達先生がこれに反対する。「この世は力で動いてるんだということをあなた達に言わなかったのを後悔しています。ストライキをすると参加した生徒は退学になり、憲兵に捕まるかもしれません。」

    一方でその言葉に驚いた生徒たちは次々とストライキの決意が鈍くなり、最終的に初江が慕う延ぶと二人だけのストライキとなってしまう。しかし初江は「うちね、あんたさえおってくれたら何も恐いものはないんだわ。」と話すも、延ぶ自身も新庄先生への想いが今後の雑誌「バードウイメン」の編集の決意を鈍らせる。

    延ぶは「杉坂さん、急ぎ過ぎじゃあないかしら。卒業してから地盤を固めてゆっくりやったらいかが?」とアドバイスする。
    しかし、初江は一人で雑誌の編集にとりかかる。強さと高潔を貫くために・・。

    衣装、セット、演技、その時代の言葉どれをとっても素晴らしい!に尽きる。
    生徒達に新しい風の自然主義が吹いた時、少しずつ革命は起きる。新しい時代は私たちが創る。少女が夢と希望で胸ふくらませる熱い時代があった時のお話。菅沼先生役の浅見佑花があまりにも見事な演技でのけ反った!どのキャストもプロに近い演技力で圧倒された芝居でした。

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    2009/11/18 17:40

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