第63回東京都高等学校演劇コンクール中央発表会 公演情報 東京都高等学校演劇連盟「第63回東京都高等学校演劇コンクール中央発表会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    夏の庭~風に吹かれて・・かすかに揺れて・・~(都立第四商業)
    小学生3人のうちの一人、山下のおじさんが死んだことによって、彼らは死について興味を持つようになる。河辺は複雑な家庭の事情によってかつて自殺も考えたが「死んじゃったら、おまえらに死の世界はこうだって教えられないだろ?だからやめた。」といいながらも、彼らは一人の老人に目をつける。

    以下はねたばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    死ぬということに興味を持った3人は近所の年老いたおじいさんに目を付ける。死ぬ瞬間の様子を観たいのだ。彼らはおじいさんの死が訪れるその日を待ち焦がれて毎日、おじいさんの家の玄関を見張る。しかし、中々死にそうにないおじいさんに早く死んでもらいたいと願う一方で、彼らは徐々におじいさんに対して情を抱くようになる。

    彼らは口では「早くじいさんの死ぬところを観たい。」といいながらも、見張りの時間を持て余し、おじいさんの家の前に放ってあったゴミを出してやったり、庭の草むしりをしたりと甲斐甲斐しく働きだす。その様子をにやにやしながら覗くおじいさん。いつの間にか立場は逆転し、何かと手伝う3人。笑

    そうこうしているうちに今度はおじいさんの庭に花の種を蒔こう。という話になってくる。そんな経緯を重ねながら彼らはおじいさんと仲良くなって縁側で西瓜を御馳走になる。彼らはおじいさんの昔話を聞かされるうちに、「年をとると思い出が多くなるから楽しい。」と考えるようになる。

    いつものように学校が終わっておじいさんの家に来た3人はおじいさんが縁側で眠っているのに気がつく。「おじいさん、こんなところで寝ちゃだめだよ。」と動かすと、おじいさんは死んでいたのだった。

    3人は「自分が将来、何になるのかも解らない。何をしたいのかも解らない。そういったことをもっともっとおじいさんに聞いて欲しかった。」と嘆く。
    「だけど、それは結局自分の問題なんだ。おじいさん、本当にめいいっぱい生きたんだね。僕も頑張るから。」
    こうしてコスモスが揺らぐ庭で夏の思い出をかみしめ、ちょっぴり大人になった彼らは、生と死について学習できたのだった。


    おじいさんはろくなものを食べてないんじゃないか?といいながら玄関先に焼き魚を置くシーンは笑えた。まるで猫に魚をあげるような風景。笑
    おじいさんと3人の奇妙だけれど深い友情が嬉しくもあり切なくもあり物悲しい。心温まる舞台でした。

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    2009/11/18 14:02

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