記憶の通り路 公演情報 東京演劇集団風「記憶の通り路」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    いろいろと想像力を掻きたてられるすばらしい作品でした。
    一つの作品でありながら、いくつものイメージが次から次へと湧き上がってきます。
    登場する人形たちも本物以上に表情を現します。
     お薦めです。

    ネタバレBOX

    これは、波に飲み込まれてしまった男自らの記憶の断片なのか、老婦人の幻想、夢の世界の中なのか、、
     プロローグ...私は「大潮」だと少女はいう。これは彼女自身「海馬」であることを意図しているように思えた。

    この短編の戯曲中で特に印象的だったのは、

     星や月を見上げる人がいなくなってしまった。ねえ、皆は星や月も見みないで何に夢中になっているの、領地の奪い合い、侵略、殺し合い、金銭欲、物欲、独占欲、、そんなことより自然を楽しんでもっと大らかな気持ちになろうよ、と。
     万国人権領土の国境、紙切れ一枚で国籍が決められてしまって、どこにも行けないの、鳥のように自由にどこにでも行ける、住みたいところに自由に住める争いのない世界を創ろうよ。そしてそういう世の中を次の世代に引き継ぎましょう。と言っているかのよう...
     また、入力のために用紙に記入さしたものは詩的で今までにない新しい考え方、発想のもの、そのようなものに対する知識も処理方法も知らないコンピュターは煙を出し機能しなくなった、これはコンピューターシステム等による管理(支配)されていることで合理的で手間は掛からないが機能を停止した時や間違った判断をした時、暴走し人間に対応できなくなって社会も機能停止してしまう...大丈夫なの...
    AIの利便性に突き進む現代社会への風刺ともとれるもののように...
     そんなメッセージが籠められていたように感じました。
     
    役者の皆さん個々に魅力的で、人形もまるで生きているかのように演じられていました。
    幻想の世界に迷い込んだような不思議な体験をしました。

      現実の世界はエピローグのみ...  しかし、ここにも幻想を漂わせて...

    すごく面白かったです。


    0

    2018/09/01 12:09

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大