アザミ 公演情報 弘前劇場「アザミ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    破滅への愛
    とにかく素晴らしいです。
    全てが大学准教授の平井の研究室での会話劇。
    初盤、講師と大学生との青森弁での会話劇はゆるゆるとのどかな雰囲気から始まり、この二人の会話が絶妙!

    しかし、次第に物語の真実が見えてくる。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    妻も子も居ながら生徒の女子学生を愛してしまった講師。
    2年前から講師とも同じゼミ生の青年とも関係を持っていた女子学生のふゆ。
    はっきりしない今時の青年だと思い込んでいた野口は実はふゆのストーカーで、ふゆと平井の関係も全てを知っていながら、ふゆと結婚するという。
    一方、本を書けない講師を書かせようとやってきた久美子。彼女は平井とふゆの会話から二人の関係を察知する。

    物語はふゆの結婚を認めたくない講師と中途半端な関係を一掃したいと考えながら講師の心理を揺さぶり試すふゆ。その全てを知る野口。

    4人の深層心理を探りながらのストーリーの進み方が理屈っぽいけれど、響く。こちらの感情に小気味良く響くのだ。

    平井はふゆの結婚に刺激されて小説が書けるようになる、というスパイスもニクイ。

    少女の不思議な旅を巡る劇中物語の主人公はふゆなのだと思う。この劇中物語を集中して聞いているとすっごく楽しめる。凍りつくような寒さの中で鼻が凍りついた音が、「鈴のように鼻の中でちりんと音がする。」と表現する。
    ここに作家のおちゃめな感受性を覗いたような気がして嬉しくなる。

    芝居は不条理劇だと思う。
    愛するがあまりふゆを刺した野口。その野口を詰る平井。野口に浴びせた言葉が同じように自分に振りかかってきて苦しむ平井。

    物語は絶望で終わる。

    久美子は全てを知っていたのだろうか?このようになることを・・。
    だから、先生は今後書けなくなる、と言ったのか?


    とにかく素晴らしい芝居でした。平井演じる高橋淳の膨大なセリフの暗記は、神がかりでした。

    好きです。こうゆう芝居!

    2

    2009/02/15 16:37

    0

    0

  • おーじ>
    はい、方言は素敵です。東京以外の劇団が遠征にやって来たらなるべく観るように心がけています。何しろ遠方までは観に行けないですからね~(^0^)

    ぐはっ!身近に?身近にそんな出来事があるとなんとも・・・本人じゃあないから感情が理解出来ないけれど・・独身が既婚者を好きになるって、馬鹿じゃね?と思ってしまう(あっさり否定!)

    はい。芝居自体はすんごく好きな分野でした。集中して観ている分、流石に疲れました。(^0^)

    2009/02/16 15:07

    お、フルマーク!!、久々ではないですか・・?
    方言のお芝居って、それだけでなんか温かい雰囲気があっていいですね・・。
    劇団名にも地名を採り入れてますし、地元にかなりこだわりがある劇団なんでしょうね、なんかいい感じです。


    さて、お芝居の方ですけど、倫理観からするとやはりイケないことなんでしょうけど、こういう情景ってあるんでしょうね・・。
    現実に自分の周囲にもありましたし・・。

    こういうストーリーを見ると、人間って厄介な生き物だな、と思ってしまう。
    頭で考える理性と感情は別物と言うか、それは知的レベルに関係ないようだし・・。
    でも、古来こういった絡まった愛憎のテーマを採り上げてきた文豪も多いことですし、それだけ書き手にとって創作意欲をかきたてる題材なのかも・・。

    深層心理を探りながらのストーリー、いかにもみささまの好みそうな・・。
    素晴らしい時間を過ごせたようで、何よりです・・。

    2009/02/16 12:15

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