夜組 公演情報 The end of company ジエン社「夜組」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ジエン社初観劇。劇の構成(縦及び横)から来る晦渋さと、ある「気分」が全編を貫く事から来る蠱惑的な芳香。
    一貫した「何か」は、劇のルールを解読せねば見えない俯瞰図が結局は解き切れないにも関わらずこの芝居にある彩りを与え、意味深長による「惹き付け」には恐らく失敗しているが、魅力を保たせていた。

    ネタバレBOX

    踏まえられている「何か」は実は昨年の「15Minutes Made」(Mrs.Fictions) で披露された短編だとの事。
    劇では死者が登場し、その姿が見える生者と見えない生者がいて、しかも誰がそうで誰がそうでないと必ずしも確定している訳でないようである。従って同じ場面で2組以上の者同士の会話が同時進行するという事が平然と起きる。下手に去った人に言葉を投げていた者が言葉を次いだ時、それはその直後下手から登場した別の人に掛けた言葉だった事が判る、といった具合。
    対話は短めに切り上げられ、関係が見える前に邪魔が入る。
    一人の人物に対し、親密な相手が二人おり、恐らくは死者と生者のどちらかであり、どちらかが過去でもう一方が現在だ、と見えて来た時には劇は終盤に差し掛かっていた。
    しかし・・前作の関連作という点は脇に置くとして、異次元の会話が複数同居する場面が、ある特殊な効果を狙ってでなく「常態」である形はあまり見ない。相当高度な演劇的リテラシーを当てにしている(事になっている)のは確かである。この形態に「慣れた」観客が増えて行く事を考えると興味深い。

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    2017/01/16 01:21

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