續・河をわたる 公演情報 菅間馬鈴薯堂「續・河をわたる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    憎らしいほどに温かい物語
    セットといい、蚊取り線香やうちわなどの小物の使いからが絶妙です。

    私たちが忘れかけた何かがここには存在する。

    そんな優しい物語。



    以下はネタばれBOXに。。

    ネタバレBOX


    東京隅田川の佃島の勝どき橋あたりに、ホームレス達が住んでいるバラック小屋があった。
    名を「蛍茶屋」という。

    ここでは社会に適合出来ない人達がおばちゃんを中心に自分たちの秩序の下、ちっさな社会を築いているのだった。

    そんな折、区役所職員の月島が、バラックの立ち退きの話を持ってくる。
    町の美観と風紀が損なわれるとして地域住民が反対しているからだ。

    月島は、ホームレス達と関わるうちに、彼らの人間の温かさに触れ、すっかり仲良くなっていた。
    更に、月島の父親が「関東自動車道の勝っちゃん」と呼ばれていた流浪のホームレスだったという過去も解る。

    月島のそんな状況がここのホームレス達を親切にしている理由の一つだった。

    月島が語る父親の思い出は、涙なしでは見られません。
    タオルで顔(涙)を拭く仕草など、涙をこらえてる芝居が涙を誘います。


    ここで一番の長老のおばちゃんが絶妙な味わいを出しながら、ホームレス達の相談相手になったり、癒しになったりしています。

    現実の社会で傷ついた彼らは、「俺たち二本足で生まれた者は生まれる前から傷ついてる。」と吐くシーン。

    美しいセリフです。


    ここまで、音の導入はありません。
    しかし、この状況で音は必要ないです。
    むしろ、ない方が心地いい。。

    静かで暖かい温度のある物語です。


    ホームレス達は自分の心の闇を隅田川に向かって叫びます。
    心の暗闇を吐きだすように。

    ときえは「何も言うことがない。」といい、何もなければ「かあちゃん」と叫べ。と教えられ、

    「かあちゃーーーん!」と叫ぶシーン。
    前後のやりとりの合間のこのセリフ、泣けます!

    仕事を首になったリーマン。
    夫に暴力を振るわれて逃げてきた女。
    一人で頑張ってみるといって家を出て来た女。

    それぞれが辛くなったり悲しくなったりすると隅田川を向こう岸まで泳いで渡ろう!と水泳大会を開きます。



    なんだろ・・なんでこんなに温いのに涙がでるんだろ?


    後半の導入音楽も素敵です。


    そう、、ワタクシはこの芝居で忘れかけたものを思い出したのです。


    2

    2008/09/22 22:29

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  • おーじ>
    いあいあ、貴方の文章には敵いませんよ(^0^)
    褒めてくれて有難う!

    月島は名前です。
    作者はその辺の事も含めて作ったのでしょうね。
    はい、もんじゃですわね。(^0^)

    ここに暮らしてるおばちゃんが主軸となって、冒頭から、柔らかく優しい雰囲気を醸し出していました。
    そのふんわりとしたセリフの間は十分にとられていて、会場に漂う空気もなんですか・・春の風のように温かく優しかったです。なので、そんな空間に音楽は必要なかった。
    全体像をよく考えられて作りこまれていました。
    とても素敵な作品でした。

    スタッフが会場で説明しますね「携帯電話等・・・・」など。
    説明後に主催はスタッフに「いや、有難う。自分でやればいいんだけれど、どうも・・・苦手で・・。」なんて裏で話しておりました。
    人柄も温かい方なんですね(^0^)

    2008/09/23 10:55

    忘れかけた何かがここには存在する・・。
    相変わらず、秀逸な表現です。
    思わず、先を読みたくなりますね・・。


    隅田川、佃島、そして勝どき橋・・。
    連なる地名だけで、何やら郷愁が漂います。
    極めつけは職員の月島・・。
       (地名ではなく名前なんですよね・・)

    まぁ何とも・・、絶妙のネーミングかと・・。
    もんじゃ焼きの香ばしいかおりがしてきそうな・・。


    下町情緒豊かに、それこそ、何とも温かい話・・。
    溢れる情感がこぼれ落ちるようなレビューも、とても素晴らしいですね・・。

    2008/09/23 03:07

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