地下室 公演情報 サンプル「地下室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    関係の歪み
    舞台美術が凝った作りになっていて、
    それを見た複雑な印象以上に、
    人々の歪みが気味の悪い感じになっていた。

    ネタバレBOX

    店を舞台として、血のつながりは無くても
    集まったものたちで家族のような共同体を作っていて
    一見すると、誰もが穏やかな印象。

    ただ視点を変えると、
    この共同体の関係の歪みが徐々に分かってきて、
    良い意味で気持ち悪さや怖さを感じた。
    隔たりが大きいからこそ、笑いも度々起きたように思える。

    共同体の要である森男(奥田洋平)と彼の作る水が
    外部から入ってきた酒井エリ(富田真喜)という女性によって
    徐々に変化し、みんなの関係が壊れ、
    これまで穏やかに見えた人々の別の一面が表れてくる。

    店長の相川(古舘寛治)がいう、
    「毒を出す」という意味の懺悔のような仕組み、
    立派な家族の一員となるための店長と繋がる儀式。
    最初から少しずつ感じてはいたが
    まさにカルトなどの新興宗教に繋がる。
    個人的にビリビリと警戒感が走った(笑)
    執筆当初は、オウムなどのカルトが意識されていたという。

    ただここで普段から、
    どれだけ曖昧な言葉を多用しているかは身に染みた。

    あと巷で聞こえの良い、
    「リサイクル」「毒を出すこと(≒デトックス)」
    「自然食品」などを扱って別の解釈で表すこと自体が
    痛烈な皮肉であるように感じた。

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    2013/02/05 08:34

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