満足度★★★★★
久々に才能を感じる作品・・
久々に「才能」というものを感じた・・。
世間と隔離された人格矯正施設、まずのっけから異次元の世界へ、ぐっと引きずり込まれる。
そこには、自身の人生をスピンアウトした人間が、「擬似」家族として生活している。
様々なルールに縛られ、それぞれ集められた他人が、家族として生活することを強いられる。
何とも不思議な発想・・。
日本の法律に触れて塀の内側に入れられたとしても、こういう生活にはならないだろう。
ただでさえ自分の社会ではみ出た個性が集まり、時折、痛々しい風景も描写される。
社会的な動物として、感情を有した人間と言うのは、何と厄介な生き物なんだろう。
それぞれが内包する問題を抱えつつ、やがて物語は急転する。
中盤から一挙に加速したストーリーは、一転ミステリアスでおぞましい世界を垣間見せる。
社会で抹殺された人間をモルモットに、新薬投与の人体実験。
健康な若者が、匙加減一つでどんどん衰弱していく姿に戦慄を覚える。
実験の果て、スクラップと成り果てた生身の人間の臓器提供。
そこには、現代社会のブラックマーケットなら或いは・・・、と思わせる妙なリアリティがあり、観るものを凍らせる。
フミヤが地下室の鍵を受け取った辺りから、物語はどんどん緊張感を増し、最後の最後でこの施設のほんとの姿が浮き彫りにされる。
人間の精神の病にスポットを当てた秀作。
よく練られた構想と相まって、最後までドキドキさせられた。
目の付け所、発想の大胆さ、緻密に練られた構想・・。
久々に凄い才能だな、と唸らされた。
今後の作品も注視して行きたいと思う。
2008/03/17 01:41
2008/03/17 01:11
色んな点で、よく考えられた作品だったと思います。
あ、いえいえ・・。
自分の方こそ、いつもみささまのレビューを、とても楽しみにしていますし、また「観たい」の作品に、とても影響を受けている者です。
同じ作品を観たときは、特にイメージを共有できますしね・・。
自分にとっては、とても楽しいひと時を頂いています。
最後の一行・・。
先日、アルコールに飲まれ中途半端に果てた「Wilde BEATY」の件ですね・・。
何ともまとまりがなくて、後日読み返して、我ながら恥ずかしい思いをしました。
最近、ちゃんとご飯を食べるようにしているので、まあ多少遅い時間でも、シャンとしてます・・。
とことんダラシない自分ですから、せめてここではちゃんとしていたいな、と思ってます。