満足度★★★★
ボスニア紛争時の
レイプ被害者の話だが、被害者と精神科医という二人芝居のシリアスな展開の中にもいくつもの見せ場があり、惹き込まれる要素が盛りだくさん。また、胎児からの母親への呼びかけなど、強いクリスチャニズムを感じる展開だ。しかし、全体にかなりマニアックな感じで、この紛争の歴史に相当詳しくないと入り込めないのではないだろうか。日本ではそんなによく知られていないのではと思うのだが。また、頻出する医学用語、哲学用語など、かなり観客を選んでしまう感じが残念。原作には無いのだろうが、もう少しこの地方の歴史的背景や宗教問題、民族問題や浄化主義などについて説明が欲しかったです。翻訳物の難しいところですね。