満足度★★★★
圧倒させられました
テーマはズッシリと重く、非常に凝った作品で圧倒させられました。見応え十分なのだけど、かなり疲れます。中盤のなりきりショー(?)では、ほっと一息。
満足度★★★★
ボスニア紛争時の
レイプ被害者の話だが、被害者と精神科医という二人芝居のシリアスな展開の中にもいくつもの見せ場があり、惹き込まれる要素が盛りだくさん。また、胎児からの母親への呼びかけなど、強いクリスチャニズムを感じる展開だ。しかし、全体にかなりマニアックな感じで、この紛争の歴史に相当詳しくないと入り込めないのではないだろうか。日本ではそんなによく知られていないのではと思うのだが。また、頻出する医学用語、哲学用語など、かなり観客を選んでしまう感じが残念。原作には無いのだろうが、もう少しこの地方の歴史的背景や宗教問題、民族問題や浄化主義などについて説明が欲しかったです。翻訳物の難しいところですね。
満足度★★★★★
秀逸な演技力
アメリカ人のケイト(精神科医)と、民族間のレイプ被害者ドラとの会話劇。舞台中で開けられるワインとシャンパンは本物で二人とも踊りながらの演技は見事だった。また、ドラはひじょうに頭のいい女性で、ケイトがボスニア紛争の死体置場の発掘に参加し、後にドイツのNATO医療センターに配属された経緯を暴き、患者と精神科医が逆転する立場の描写が絶妙かつ素晴らしかった。ケイトを演じた篠崎さんは利発そうなマスク。一方でドラを演じた工藤さんは神経質そうで痩せっぽちで手の筋が浮かんで見えたのもリアルだった。的確なキャスト配置だったと思う。