溶けるカフカ 公演情報 カトリ企画UR「溶けるカフカ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    好奇心は止まらない
    ジャンル的には朗読劇に近い。カフカのテキストの概説。作演出担当者の解説のようにはなっていないと観客は大半感じたかも。構成力と題材咀嚼力、再構成センスが不足だ。演劇としてやるかぎり、いかにわかりやすくつたわるように造るのは仁義だし、カネをはらう、遠方からつらい労働のあと観劇に時間かけてきてくれる観客にたいする義理がある。演劇というのは造ってみてわかりにくいところ、不明な構成はクリニックしながら初日をむかえるものです。一粒のギモン、一滴の関心、こだわりに執着することがいけないとは云わないがこの公演は「主催者の好奇心は止まらない」公演でした。人間に生と死があるかぎり、人間の葛藤は不変だ。叫喚も絶望も自殺も原始共産制の社会でも不変だ。あと2億年後もそれは消えない。たとえ、人間から絶望や叫喚が失せたとしても、当然のように新しいアンチテーゼが生まれるわけだし、永遠にくりかえされる営みだ。一般民衆は作家や文芸アナリストと心中はしない。民衆がもとめるのは「救済」「救い」である。中身のない作家、表現者、アナリストと心中しないかわり「救い」をもとめている。現代作家、アナリストには民衆を救済するコンセプトが無い。その作品のストラクチャーにもアンチとなる呼びかけも無い。当該公演はカフカテキストの概説、アナライズだったが、一般民衆に「死ね」か「たちなおれ」かつたわらない。伝わらない芸術家か?態度を決めてほしい。こういった覚悟を決めていない作家やブンガクもどき、小劇場がはびこる平成日本が気になる。私は日本人は世界にさきがけて、大戦被曝国、施政権植民地状態から独立再出発した民衆民族だという自覚をもっている。世界に「平和と救いを発信する推進力」の文化形成の義務を忘れてはならないとおもっている。日本民族の失地からの推進力という視点が全表現者的に欠如しているところがむなしい。世界の恥だ。がんばれ小劇場。

    ネタバレBOX

    シャドウは多いが、ヒントくらいはいれていかないと、折角の舞台美術がむだになる。

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    2011/12/10 17:29

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