untitled 公演情報 shelf「untitled」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    挑戦的試み
    まずワタクシには解り辛かった。さまざまなテキストから抽出しそれを断片的に繋げて一つの作品に構成したものだったから、全ての本を読んでるならば容易に解釈出来たのだろうが・・。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    引用文献として「FOCUS]、「小さき者へ」有馬武郎著、「小さなエイヨルフ」イプセン著、「しあわせな日々」「ロッカバイ」サミュエル・ペケット著、「欲望という名の電車」ウィリアムス著だったが、これらの著書の一部分をキャストらのセリフで吐かせ、静寂なうちにスローモーションで動かせる、という演出方法だった。

    「FOCUS]ではまさに原発のネタだったし、「小さき者へ」では、お前達の父なる私が未来の君達に向けて吐くセリフが神がかりだったし、「小さなエイヨルフ」でも前公演を彷彿とさせる記憶の蘇りもあった。

    しかしながら、それらはほんの断片に過ぎず、こちらの感性に訴える何かが不足していた。今回の舞台は演出家・矢野の言う「素直に今の想いをかたちにしたい結果の積み重ね」らしい。しかしそれらはあくまでも演出家のしたいこと、見せたいことであって、観客が観たいものなのだろうか?

    演劇の基本に戻って考えたとき、やはり観劇後、観客に満足感がなかったなら、それはただの自己表現のみの場となってしまう。個人的に矢野の演出は高く買っているが、今回の舞台に関しては理解の範疇を超えていたのだった。つまり、ワタクシには短編集の名ゼリフの羅列としか見えなかった。断片の繋がりは身体表現でカバーしていた。

    初心者向きではない。

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    2011/06/04 18:02

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