セントの観てきた!クチコミ一覧

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無名劇団第27回公演「私戯曲 りんごのうた」

無名劇団第27回公演「私戯曲 りんごのうた」

無名劇団

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2017/11/13 (月) ~ 2017/11/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

昨年クリスマスイブにみた「ハッスルライフ」の実質的再演である。前作では血縁の祖母に対する憎しみまでを沸々と凝縮し、そしてビッグバンごとく爆発させたが、今回は多少島崎の心情の変化もあったのか、後半からラストになるにつれ、祖母への赦し、また自分自身への赦しが色濃く出ていた。

かなりの変化である。それが島崎の人間的成長でもあり、それをばねにして再出発を図ろうとする意図もあったのだと思う。そこがよく理解でき、ファンとして安心もする。

ただ、前作と本作の祖母と彼女との関係性を考えるに、この独特の執着心と愛憎はやはり異様である。

通常の母娘の愛憎は文学等にもかなり描かれており、納得はできるのだが、この祖母・孫の関係においては、母親(祖母においては娘、孫からすれば母親)の存在がキーであるべきなのに、ほとんど語られることはないのである。ある意味、空白が存在するのである。

だから、祖母からすると孫を育てるということは疑似母親になっているわけだから、2回目の子育てをする羽目になるということになる。責任感を重度に感じ、プレッシャーも強くあったはずだ。

一方孫からすれば、肝心の母親はおらず、慈しみ優しく接してくれるはずの祖母の姿は全く見られず、異様に母親たろうとする力んだ疑似母親が自分を支配しようとしているのである。

そこに見られるのは如何にも不幸な関係性である。お互いに真の「娘&母親」の不在が、お互いの関係をぎこちなくしているのみである。それはやはり不幸であるというしかないのであろうか、、。

でも、熱い血というものが二人を結びつける。彼らの関係は不幸ではあったが、お互い血縁という絶対的なものから逃れることはできず、それは本能的にも孫の方から赦しという特別の感情が湧き出てくるのだ。

祖母も赦し、そしておのれを許すことで孫は次の人生のステップに立つことができる。それは彼女の大いなる再出発の時でもあるのだ。

島崎は若いのに、自伝ともいえるこの題材を正直に真正面からストレートに描いている。立派だ。彼女の誠実さにやはり拍手を送るべきだろうと思う。秀作です。

女と男のしゃば・ダバ・だぁ ~スタンド by ミー~

女と男のしゃば・ダバ・だぁ ~スタンド by ミー~

あみゅーず・とらいあんぐる

ウイングフィールド(大阪府)

2017/11/10 (金) ~ 2017/11/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつも年度末に開催される劇です。今回も3話の短編集。すべて、人間の営みが確かに描かれていて、渋い。淡い。深い。すなわち人生そのものです。

洞察力が並大抵ではない。特に、3話の、人生を上から、真下から、斜めから見透したような鋭さにはっとする。

僕も、人生を十分語ることのできる年齢になり、この語られている人の移ろいゆくはかない歩み(それを人は人生という)がまるで自分を写しているがごとく思えてしまう。つまり、主人公の女性は僕自身でもあり得るのだ。すべての観客であるのだ。

若くないことがこれほど素晴らしいことなのだと教えてくれるのである。そんな人生の挽歌ともいえるこの演劇。素晴らしいです。演じる条あけみさんも、持っているすべてをこの舞台にぶっつけている。ほとばしる演技。凄い。

ハコがまゑ

ハコがまゑ

ハコボレ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2017/11/03 (金) ~ 2017/11/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

二人芝居だ。彼らはカエル。彼らの切実な日常が我々人間にもぐんぐん押し寄せてくる。その力量たるや、並大抵ではない。脚本が練られているのだろう、セリフの一つ一つにまったく無駄がない。まるで全編がポエムのようである。

彼らの生きるつらさ、悲しさ、喜びが手に取るように分かる。65分光り続ける彼らの芝居。手作りの凝縮した彼らの知性に乾杯。秀作です。

何といっても、このチラシが素晴らしい。そのまま文庫本カバーになる。悪いけど、待ち合わせの時間の2階にいるとき、3枚だけもらっちゃいました。

伊藤えん魔プロデュース「イカロス戦記」

伊藤えん魔プロデュース「イカロス戦記」

ファントマ

近鉄アート館(大阪府)

2017/11/03 (金) ~ 2017/11/05 (日)公演終了

満足度★★★★

いつも通り多数の演者。そして子供から大人まで安心して楽しめるエンタメ。何よりけれん味たっぷりの舞台演出が見ていて惹きつけられる。大人でもぐいぐい惹きつけられ、先ほどまで気にしていた現実の厭なことをすぐ忘れてしまうほどだ。これが伊藤氏の劇の一番の魅力である。

今回はいつもより、年齢を問わないオールラウンドものになった。多少、子供を意識し過ぎかなとも思うが、それでも僕のような嫌な老人でも童心に戻ることができる。恐らく見てくれとは違い、伊藤氏はかなりピュアな心の持ち主なんだろう、テーマ的には壮大な「世界の終わり&世界の始まり」を2時間で片づけてしまう。

そう、何となく見てしまう演劇のようでいて、テーマは宗教的、小哲学的でもあり、実は深淵なのである。生物をすべて廃し、一部の生き物だけを生き延びさせる、まさに「ノアの箱舟」のような展開は、さすがだと驚嘆する。あの金ピカの3人の神が降誕し、生き物をほぼ殺戮するシーン。観客はアッと驚く。なぜ、善人も悪人も殺戮させられなければならないのか。

それは神の意志だからだ。

エンタメに流されてしまう展開のようでいて、実に深いテーマが奥深い所で流れているんですな。いや、素晴らしかったです。

バグリン・ファイブ

バグリン・ファイブ

KING&HEAVY

HEP HALL(大阪府)

2017/09/29 (金) ~ 2017/10/01 (日)公演終了

満足度★★★★

RPGというゲーム感覚で話が展開する。これが結構、謎が謎を呼び、ワクワクする。ストーリーの先が読めないのだ。だから面白い。ゲームにはミステリー感覚が重要なんだなろう、それが分かる。
確かに観客をハラハラさせる展開は素晴らしい。劇を見ていてよかったと思わせる瞬間である。何よりみんな、めちゃ稽古をしている感も伝わっている。発声も確か。楽しめる劇団である。

同じ窓の者たち

同じ窓の者たち

演劇企画 無有場

ウイングフィールド(大阪府)

2017/09/23 (土) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

満足度★★★★

身近で、どこにでもある、そして若者たちが常に内面に潜めている思いを自然体で表現している。
始めはなんだか、安易な学園の話だろうと思っていたら、7人の若者たちの純真な心にぐいぐい入ってゆくある意味シリアスな展開に、年齢の離れた吾輩でもぐんぐん引き込まれて行った。
6年後に再会した彼らが、求め苦しみもがいた後に見たものは、、。いいラストです。
いやあ、久しぶりに何かきれいな一筋の光を見た感がしますね。これぞ収束する青春のきらめきとも言える。そんなひと時の時間を切り取った佳作であります。
ひとりひとり頑張った甲斐がありました。でも、次作が3年後なんて、どういうことなのかい?

第4回大阪短編学生演劇祭

第4回大阪短編学生演劇祭

大阪短編学生演劇祭

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2017/09/23 (土) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

満足度★★★★

劇燐「花に荒らし」『あさきゆめみしワンダーランド』
これは男女のカップル。演劇はしたいが、何をやりたいかというのはそれほどでもなかったという、正直者である。でも全編、アドリブで構成しているのではないか、と思わせるほどこの二人、度胸がある。大したことはしていないのだが、余裕があるので会話が面白い。かなりの才能があると見た。将来が楽しみだ。80点。

元気の極み 『せかいのはじめ』
今回の極みはこれでしょう。女性の一人芝居。宇宙の始まりから、体内への始まりへとつなぎ、「私とは何か?」と本質的な難問に臨む。この問いは古今東西、哲学者たちが常に我に問って来た基本的命題であります。スゴイです。感心! 85点。

2団体だけ感想を書いたが、4団体ともみんな若い。全体にもっと荒々しくてもいいかなと思った。才能はとても感じる。

山人(やまんど)のリア

山人(やまんど)のリア

劇団五期会

ABCホール (大阪府)

2017/09/21 (木) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

満足度★★★★

この劇はリア王の輻輳劇でもあり、名家のうち、分家の家もリア王のごとく、内部分裂している。これがシェイクスピア劇の退屈を救っている。

そのため本家の内部紛争も面白いが、分家の次男が実力でのし上がってゆくさまが一つのポイントとなる。躍動感があり、とても奥行きのある作品となった。

この父親を演じる牛丸氏が実にうまく、両目を失明させられ(実は実の息子と)放浪するシーンは、オイディプス王と重なり重層感をもたらした。ある意味この父親がこの劇の主役ではないかと錯覚するほどだ。

登場人物実に20人以上。みんなさすが、発声が見事で、久々に基本的な朗々たる演劇を見ることができた。たまにはこんな本格演劇を見ることも必要ですね。

伊藤えん魔プロデュース「百物語」

伊藤えん魔プロデュース「百物語」

ファントマ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2017/08/11 (金) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★★★

夏の夜はホラー。これは定番ですよね。それは後半の映像で楽しむが、前半はゾンビもどきがわんさか出てくるコミカルホラーであります。しかし、美人女子大生たちが主人公なもんで、全然楽しいです。

彼女たちの目指す場所はなぜか三井アウトレットパーク なんですよ。何故だか分かりまへん。たくさんのファッション服も出てきましたが、伊藤さんはこのうら若き女性たちの意見を聞いたのかもしれません。

まあ、それこそたくさんの登場人物です。20人は越えているのではあるまいか。みんな芸達者な人たちばかりなのに、それこそめちゃ楽しんで、殺陣をしてるって感じですなあ。観客も自然楽しめます。

しまうまの毛

しまうまの毛

劇団ポスト加糖

STAGE+PLUS(大阪府)

2017/08/11 (金) ~ 2017/08/12 (土)公演終了

満足度★★★★★

我が愛するサリngROCKさんの名作の上演である。この劇団は知らない劇団ではあるが、見てみるとみんな若く、まるで僕には高校生ぐらいにしか見えなかった。それほど初々しく素敵だ。

彼らはまさに青春の息吹をまともに感じる年齢で、今、人生に一番悩み、一番楽しんでいるそんな世代の人たちだ。この難しい劇をえいっと勢いでやってのけてしまうぐらい、若いってホント素晴らしい。

常に包帯を腕にしている女の子が主人公だ。包帯を取るとシマウマのような傷跡が歴然とする。こんな設定からも若者たちの生きる上での、苦しい遠吠えが強く弱く聞こえてくる、、。

てんびん座のあなたとうお座のわたし

てんびん座のあなたとうお座のわたし

斜彼女<SHA-GIRL>

船場サザンシアター(大阪府)

2017/07/22 (土) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

サザンシアターの支配人の当麻氏が脚本を書いた劇であります。でもこれが期待以上に結構面白い。何かヨーロッパの女性映画を見ている感もある。

結婚願望の強い女性が周囲を惑わしていくコメディである。男もいないのに結婚をしたくて式場を予約する。さて彼女は言わずもがな、あわてふためく婚活をせざるを得なくなる、、。

話の展開がベタでなく、最後に一つ二つ、ひねりを利かしてアッと驚くラストとなる。ストーカーの男たちの使い方もしゃれていて、当麻氏はなかなかエスプリの効いた劇作家だということが分かる。

面白かった。ただ脚本の面白さに連なって観客は余分なことを考える隙もない。だからこそ最後の逆転劇がうねりをもつ力強さとなる。

パーティーをはじめよう!

パーティーをはじめよう!

吉田商店

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2017/07/21 (金) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇公演というよりファンへの感謝祭といったプログラムです。そこにはダンス、コント、唄あり、もちろん愛すべき娘の思いを綴った芝居もあります。全部で10篇。とてつもなく楽しいです。愉快です。舞台がファンと一体となっております。

子供も劇に参加していて観客も実際子供たちがいる。珍しい光景である。なにか、昔子供たちとよく行った百貨店の屋上での怪獣ショーの面影もあります。
充実した2時間20分。やはりファン感謝デーでしょう。

楽屋ちゃん2017

楽屋ちゃん2017

中野劇団

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2017/07/21 (金) ~ 2017/07/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

これは面白いです。楽屋落ちの話もそうだけど、ちょっとした勘違いがどんどん大きくなって、もう爆笑の渦。2幕なんだけどそれらは相似形というか、いわば同時進行のパラレルワールド風で、とてもイカしてた。
3回目のリメイクらしいが、人気のあるのが観るとすぐ分かる。断然楽しい!

座・塾「さいかい」

座・塾「さいかい」

座・一座

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2017/06/30 (金) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

50分の中編劇だが、この題名の意味を考えるとき、ジーンと来ちゃいます。そういえば、フライヤーは桜の花だったからなあ、、。
90歳の老婆と20歳の青年が70年ぶりに再会するシーンが印象的だ。お互いに名を名乗り、それぞれ確認する。涙なしには見られないシーンである。美しいシーンである。残酷なシーンである。けれど、見なくてはならないシーンでもある。秀作。

レ・ミゼラブルin西宮2017

レ・ミゼラブルin西宮2017

スイング西宮♪

兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)

2017/06/28 (水) ~ 2017/06/29 (木)公演終了

満足度★★★★

今日行ってきました。ミュージカルかなと思っていたら、クラシックの匂いが強い声楽劇でした。実質2時間40分、大勢の方が歌い、歌詞も全部暗譜し、それはスゴイ迫力です。
本当にご苦労様でした。人間業ではない感じがしました。

ずぶ濡れのハト

ずぶ濡れのハト

劇団未来

未来ワークスタジオ(大阪府)

2017/06/16 (金) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★★

大まかな話はだいたい想像通りだったが、小道具の使い方とか、音の使用が実に繊細だ。舞台切り替え時の細工も、あれだけの時間でなかなか凝っている。早い。こなれた劇団だと思う。

けれど、何ともこの劇には、希望というものがほとんどない。人間、希望がなくても生きて行けるものなのか。時代がそうさせるから仕方がないというのは、現実的ではあるが、劇では何か新たな誘発エネルギーもほしいと思ったのは僕だけだろうか、、。

無名稿 侵入者

無名稿 侵入者

無名劇団

AI・HALL(兵庫県)

2017/06/10 (土) ~ 2017/06/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回はいつもより大きな劇場での公演だ。というか、あのアイホールが巨大に見える。これが美術のすごさだろう。まずそのことに驚く。

この劇団の特性は日本人に忘れられかけている作家の復権を題材にしているということだろう。

横光利一の「機械」、倉田百三の「出家とその弟子」、そして今回の梅崎春生の「侵入者」「桜島」、これらの作品は今やよほどの愛読者でない限り読むことのかなわない作品群であります。これらを現代によみがえらせようとする、まずその意気込みが美しい。素晴らしいと思う。ここをまず褒めたい。

今回の劇は最初、原作が「侵入者」だけだと思っていたので、あの桜島の終戦前後の話が妙に不思議だったのだが、途中で二つの話が交互に挿入されていることに気づく。そして、この二つの話がどう結びつくのだろうと思っていたら、何と、ナンと、主人公の二人が入れ替わってしまうのだ。

これは凄い。面白い。度肝を抜かれるとはこのことを言うのだと思う。いやあ、参りました!

現代での「侵入者」と戦争において人を殺さなければならないという「真空感」。すなわちこの両者に共通する者はまさに「不条理」である。

カミュの「異邦人」然り、カフカの作品群然り、現代における生きることの不安と、戦時中の国家の強制による殺人行為はまさに同一であり、不条理と言えるのである。

これを嗅ぎ分けた中條岳青と島原夏海さんは偉い。大したものだと思う。

劇は不条理劇という宣伝が大きかったが、この二つの話が結びつくことによって、より分かりやすくなる仕掛けとなっており、若い人でも理解しやすい作品となっている。僕たちが生きていること自体、不条理であるのだから、それほど構える必要はないのである。

俳優的には中西邦子さんの、大きな包み込むような大きな演技が目を引く。そして堀内充治さんの的確な広い演技。彼は安定感のある俳優である。そして「ハッスルライフ」から突如進歩してきた泉侃生の熱演。(今回は彼の目がまさに点となっていて凄みを感じました。)

ポエムを感じさせるセリフさばき、雰囲気のある駒野侃(何と空晴ではこれほどの人とは気づかなかった新人だ)。ユニークな木本牙狼の個性。みんな素晴らしい。

そして今回は座長の島原夏海さんの舞台に溶け込むような存在感が凄みを放っている。今回、彼女の身体は本当に美しい。蛹のようでもある。

今までこんなに細いと思ったことはなかったが、あの白いバレエ衣装のようなものがそうさせるのか、まるで妖精のようにも思われた。あの衣装のまま、通信兵に乗り移った島原は本当に圧巻でした。

「ハッスルライフ」でベストを尽くした島原、今回で見事それをも乗り越えた感があります。これからどこへ向かって進むのでありましょうか。とても頼もしく、そして興味が尽きないです。

『にくいやつら』

『にくいやつら』

ThE 2VS2

AI・HALL(兵庫県)

2017/06/02 (金) ~ 2017/06/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

もう29回公演だという。でも、初めて見る劇団だ。こういうこともあるのだ。とても芸達者な役者陣で、見ていて楽しい。実に楽しい。客に何が受けるか徹底して研究しているかのよう。そんな嬉しい劇団なのである。

ところがよく見てみると、何と「アマサヒカエメ」の山咲和也がいるではないか。彼こそ最近では若く才能のある役者で、僕が一目置いていた人である。一方長橋秀仁という才気煥発コント芸人の最たる人がいる。6編の短編集であったが、めちゃ面白かった。

自由に動いて、駆け回り、跳ね回り、びしびし小気味いいセリフの連続。これぞコントなんだ。

いやあ、一度でファンになってしまいましたよ。これからもどんどん見るぜ。

新選紀IVA!

新選紀IVA!

さくらさくらカンパニー

TORII HALL(大阪府)

2017/05/26 (金) ~ 2017/05/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/05/27 (土) 18:00

初めて見る劇団です。宝塚のレビューのような、それでいて時代劇、しかも新選組を信望する女性群。なかなか大変だろうと思います。

何が大変だって? 通常の劇の練習の何倍もしなければいけないのではと思ってしまいます。それぐらい立ち回り、歌、セリフなどてんこ盛りでした。

最初は固そうに見受けられたんだけどそのうち乗って来て、あのトリイの舞台が広く感じられました。全然面白かったです。

彼女たちの思いがずしんと観客に伝わって来て、それだけでこの劇は成功だと思います。自分たちの思いを脚本にして、観客に伝える。これは演劇の基本ですよね。見事でした。

『明日☆りのべぇしょん』

『明日☆りのべぇしょん』

劇団伽羅倶梨

KARAKURIスタジオ(大阪府)

2017/05/19 (金) ~ 2017/05/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/05/22 (月) 14:00

入場するとき、劇団代表ナオミさんからのきれいな文字のあいさつ名刺が手渡される。いつもファンを大事にする人なんだなあ。今回もファンとの飲み会を入れている。残念ながら今回僕は参加できなかったが。以前に、ビールを片手に俳優さんと談笑した想い出が今でも強く残っている。あまり例のない劇団のファンサービスであり、嬉しい。
なかなか面白かった。ずっと見ている劇団だが、安易な人情ものではなく、シビアな人情ものになってきている。そのため、脚本の掘り下げはきびしく、そして俳優の演技もキレが必要になってくる。観客を引き込むテクがこの劇では特にうまいと唸る。90分、目が釘漬けです。
ただ望むべくは、岩本正治さんを除き、客演の辻登志夫さん・川畑七海さん・吉永真也さんなどが主要な役を演じている。確かに、辻登志夫さんの演技は際立つものがあり見事だったが、劇団員が脇役の脇役ばかりでは、劇団としての成長は見込めないのではと少し気になった。

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