セントの観てきた!クチコミ一覧

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マナナン・マクリルの羅針盤 2018

マナナン・マクリルの羅針盤 2018

劇団ショウダウン

船場サザンシアター(大阪府)

2018/07/28 (土) ~ 2018/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

林遊眠さんの2時間を超える一人舞台。ト書きまで自分でやってのけるので、ストーリーが分かり易い。
それにしても一人で10人以上、それもほとんど男の荒くれ男を演じ切るのだから熱演というより、猛演です。その彼女、まだうら若き美しい女性なんです。
話は大航海時代、カリブの海、海賊の話です。怖いし楽しいし、夢やロマンがいっぱい。けれどしっかり確かな人生を見せてくれる。そこが素敵です。ラストなんかちょっとした映画を見てるようで、ジーンとくる。
一人芝居あまり好きでははなかったんだけど、そんなものどこかへ行ってしまったよ~~ん。充実した演劇日和。台風一過だったけど、心はルンルン。

ほたえる人ら

ほたえる人ら

ばぶれるりぐる

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2018/07/13 (金) ~ 2018/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

旗揚げ公演だという。しかし、なんのなんの脚本がしっかりしてるし、うまい。そして何気ないとある田舎の出来事が、現代社会の光と闇を明確に浮き彫りにしている。雇われ区長が一人籠もる辺りから俄然面白くなる。ユニークである。

いやあ、観客をわしづかみにするテクはかなりの才能があると見た。モモコさん、見た目普通の可愛い女性としか見えない人だが、人は見かけに寄らないものですね。

俳優陣もみんな的確に演技をこなしている。特に得田晃子さん、籠もっているときのセリフの掛け合いがタイミング的に難しいと思うが、見事こなしている。

みんな演劇が好きなんだろうなあ、そんな意気込みがすごく感じられた。これからも伸びてゆく劇団だと思う。こういう劇を見た日はルンルン気分になります。真夏で37度の日でしたが、そんなの忘れてしまいました。

最後の晩餐

最後の晩餐

ThE 2VS2

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2018/06/29 (金) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

12年の長きにわたり活躍していた劇団の解散公演である。20歳過ぎで始めた彼らもももう30歳半ば。色々考えたんだなろうなあ。このまま演劇を続けるにも一大決心がいる年齢である。青春の時は過ぎ、今からは何をするにも責任が重くのしかかる年齢である。

劇は6編のコメディ劇。というより寸劇。下ネタもありめちゃ面白い。千秋楽なのに子供がやけに多い。大人と同じように笑ってる。内容がそれほど分からなくても、年齢にかかわらず本能的に面白いものは面白いのだろう。彼らと観客との一体感が素敵だ。

そしていよいよ出し物が過ぎて行き、最後のアドリブ劇。一瞬が劇を決めてしまう難しい技術と力量が要求される。しかし、何とか彼らは切り抜ける。

最後なので、一人一人挨拶がある。実力はあるけれど、興行的には駄目だった、と。小劇場で、興行的に常に安定している劇団なんか、一握りしかないような気もする。ましてや、演劇だけで食べていける劇団があるのだろうか、、。

劇そのものは面白かったけれど、なんだか演劇をただ追っている僕のような一観客は、ひょっとしたら彼らにたいして何かの責めをかけていたのだろうか。

僕らは彼らの演劇から明日への活力を得る。彼らも発表する喜びなどを得、さらに明日へと向かっていると信じてた。

でも現実は、僕らが彼らをただ縛っていたのかもしれなかった。そうだとしたら彼らに申し訳ないなあ、、。考えさせられる解散公演だった。

となりのところ

となりのところ

空晴

HEP HALL(大阪府)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/12 (火)公演終了

満足度★★★★★

上演時間いつもきっちりと90分。これ、映画もそうですが、人間の見られる時間の基本タイムです。そしていつも人間の、人と人の機微を忘れ去られた時を遡るかのようにじっくり見せてくれる空晴ワールド。いつもいつも感心して見てしまいます。

今回はいつもの勘違いからくる挿話が淡く、いつもほど強調していない。さらりと描いて、爆笑には持っていかない工夫がされていると思った。前作を経て、山を越えたのか、ちょっと方向を変えた感がする。

それが真実だったら、それは正解だと思う。いつまでもいつもの空晴でいる必要はなく、空晴一同も観客もそれぞれ時間とともに変わっていくのだから、、。

3軒の隣近所の話だが、この小さな町に20数年ぶりに帰って来るもの(上瀧昇一郎)、夜逃げ同然出ていくもの(孫高宏・駒野侃),娘はいるもののなかなか会えない元教師(山本ふじこ)、そして訳あり中年新婚者2人(絶妙岡部尚子・小池裕之)の家族を通して、自分と隣という他人との関係を庭という親近感のあるものを通して考えてゆく、、。

ひょっとしてそこに仕切りは要るのか要らないのか。

岡部の脚本は最近特にじっくり描いた女流小説風である。きめ細かく、劇を見ている時より、終わってからその余韻を辿っていくと、空白の間というものを考えさせてくれる稀有な作家である。そう、文学的なのである。

相変わらず今回も素晴らしいと思う。彼女はどこまで進歩してゆくのか、、。

ひなんくんれん

ひなんくんれん

うんなま

AI・HALL(兵庫県)

2018/06/09 (土) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

今回は避難訓練の話。マジ、30年以内に遭遇するという南海トラフの話から始まり、両親は外国へ旅行するがテロにも遭遇する。地震対策として、水、電気、ガスなどどれが一番重要か、など問われる。
今回はテーマがありそうで、そうでもなく、マジ、避難訓練を観客に考えてほしいわけでもなく、繁澤氏の意図するところははっきりとは分からないが、現代を、現代が直面する危機管理について何か言いたいのかは、何となくわかる。
登場人物から発せられる言葉から、いたく人生って、容易く、しかしあっけないものなんだという印象は受けたが、人間って、常に死と向き合っているんだね。
とか、こんなことを考えながら見ていた劇でしたが、繁澤氏の思う壺にハマってしまったのでしょうか、、。

妄想恋愛小説家 6月10日(日)当日券あります!

妄想恋愛小説家 6月10日(日)当日券あります!

THE EDGE

ライブハウス地下一階(大阪府)

2018/06/08 (金) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

まあ、よくあるパターンの恋愛論劇ではあるが、狭い劇場に大勢の俳優たち。しっかりお作った観客席。手作り感が漂い、親近感がある。盛井氏ワールドをどれだけ堪能できるか、それがこの演劇の決め手である。彼の一人パワーでは行き届かないところを他の俳優陣が見事手助けしてる。このチームワークがシンプルな恋愛群をしっかり締めている。

セレンディピティ

セレンディピティ

SHOW-COMPANY

クレオ大阪中央(大阪府)

2018/06/02 (土) ~ 2018/06/02 (土)公演終了

満足度★★★★

ハートフルな物語とオオサカを結び付けたユニークな脚本が地元ファンに人気のある原因なんだろうなあ、なかなかしっとりして読後感も素晴らしい。稽古も十分しているようで、セリフのトチリは見られない。みんなマジメなのだ。
2時間を超す長丁場だけど、途中休憩もあり、観客に対するサービスもハートフルだ。

(Let's) Take it easy at home??

(Let's) Take it easy at home??

猟奇的ピンク

ウイングフィールド(大阪府)

2018/05/26 (土) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

この劇団の醸し出す雰囲気が好きだ。どんな劇でもバックに流れているのは人間の孤独、喜び、哀しみ、諦観すなわち人生そのものすなわちポエムである。

みず色の空、そら色の水

みず色の空、そら色の水

the nextage

ウイングフィールド(大阪府)

2018/05/10 (木) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待以上の作品でした。チェホフの世界と、演劇をすることにより現実の苦悩に立ち向かう若人たち。そのリンクが世代を超えて青春というものを鮮やかに映し出す秀作でした。

幾望

幾望

真紅組

近鉄アート館(大阪府)

2018/05/11 (金) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★

江戸時代の身分の違う淡い恋愛。淡過ぎて最後の出家に少々驚き。俳優陣は相変わらず素晴らしい。

Bar月光~それぞれのペーパームーン

Bar月光~それぞれのペーパームーン

魚クラブ

アートギャラリーフジハラB1(フジハラビルB1ギャラリー)(大阪府)

2018/05/04 (金) ~ 2018/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

女性版、男性版(女装版)の2編を見る。3時間。満席むんむん、久々に窮屈な環境で鑑賞。やはり女装版が迫力があり、見ていて演劇的にも惹きつけられる。同じようなホンなんだけどね、やはり役者の個性が花火のように打ち上がってる。
偽夜間金庫事件、大丸、グリコ、森永と怪しき事件が続いた当時の時代が垣間見える。
懐かしいなあ、、。そんな年齢になったんだなあ、とほくそ笑む。
俳優陣も楽しんでる。観客と空気感が一致するその醍醐味。そのために演劇を見に来ているファンも多いだろう。そんな素晴らしいひと時。
中村ゆりと出本雅弘が圧巻。特に出本は女装が続き、癖になってしまわないか、と心配する。秀作。

フェアリーテイル

フェアリーテイル

オリゴ党

天満天六・音太小屋(大阪府)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

3つのオムニバスと一つのインターミッション。Bバージョンです。二人芝居です。じっくり劇を見られます。今までの岩橋の毒が意外と抜けていて、いかにもフェアリーといった感じ。こんな演劇空間を創造できるんだね。素敵でした。

最初の「とんがり帽子」も力作でしたが、2番目の「食前酒」がなかなかいい味わい。引きこまれる展開に唸ります。一番、分かり易いのは「シヌノラ」でしょうな。笑えるし、ノスタルジーまで感じます。観客に大サービスです。

そして最後に、このオムニバスを収束するラストが待ちかかえていて、ほんのりといい雰囲気で観客は演劇鑑賞を終える。フェアリー、すなわち妖精たち。萩尾望都の「ポーの一族」を思い起こさせるイメージだ。岩橋は萩尾とは違い、永遠に死ぬことのない一族の哀しみを描くことはなかったけど、、。

岩橋さんのしっとりとした筆さばき、素敵でした。早く次作が見たいと思います。

愛と哀の間で

愛と哀の間で

劇塾!S.W.S

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2018/03/31 (土) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

おお、これは今や懐かしき火曜サスペンス劇場そのものであります。この劇の中で殺人が3件、二重人格、オフィスラブ、近親相関的愛情など詰め込み過ぎともいえるほど、ごった煮であります。ストーリーが広がりすぎて、ちょっと観客がついていけないほどになってきたところで、ジエンド。楽しかったです。エンタメです。

青のマクベス

青のマクベス

無名劇団

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2018/03/23 (金) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

この劇団では久々のエンターテイメント。客演も多く、総勢15名で、いつもの倍近い俳優陣。凝った位置の舞台づくり。あの陰鬱なマクベス劇が絢爛豪華、人間の欲望に彩られ、一挙春を越えて、夏そして奈落の秋を駆け巡る。

衣装が独特で、いかにも豪華。一人一人凝っている。それぞれの役者に考えさせたのだろうか、見ているだけで面白く、いつもの劇鑑賞とはちと違う視点から見ている自分に気づく。

展開としては、いかにもマクベス劇なのだが、悲劇に見せないところがユニークで、よくぞこれほど人間の悪を面白、おかしく、楽しく見せてくれたことよ。

今までの無名劇団の抑え込んできたところを一挙解放し、拡散させた喜びさえこちらに伝わってくる。

役者としては男になり切っていて楽しく演技していたマクベスの島原さん始め、マクベス夫人となる今井さんの妖気漂う色香、そして父を殺され愛するマクベスを敵とする難しい演技を見事こなした東田さん、夫に裏切られながらも愛して、そして憎むマクダフ夫人の中谷さん、それぞれ見事でした。

いつも狂気を見せてくれる泉さんがアッという間に出番がなくなり、ちょっともったいなかった。それと、例のあの3人の魔女たち。ある意味この劇の主人公たちでもありますね。この劇のエンタメ盛り上げ隊でありました。

いやあ、とにかく楽しい無名劇団。みんな、みんな花開いていました。

ひとり語り芝居『土神ときつね』

ひとり語り芝居『土神ときつね』

お茶祭り企画

Cafe Slow Osaka(大阪府)

2018/02/09 (金) ~ 2018/02/11 (日)公演終了

満足度★★★★

一人語りなんですが、いわゆる宮沢もののワンマンショーです。本当に宮澤が好きなんですね。一つ一つの言葉にそれが見えています。僕も宮澤が好きだけど、彼女には遠く及ばない、、。

80分ほど、一人で熱演。さりげなく観客にささやきながら、宮沢の世界をきらびやかに現代によみがえらせる。素晴らしい。あまり知らなかった「土神ときつね」を分かりやすく表現する。実に印象的な宮澤の世界が目の前に現れる。至福の時間だ。

サヨナフ

サヨナフ

くじら企画

ウイングフィールド(大阪府)

2017/12/15 (金) ~ 2017/12/17 (日)公演終了

満足度★★★★

脚本、演出もウイングフィールドという小さな劇場を十分に意識し、これ以上ない出来の劇である。演劇的には本当に素晴らしい出来で、目を見張る思いである。
ただ僕は、犯罪を犯した当時の19歳の青年に、女優を配したのがちょっと解せない。やはり男優の方がよかったのではないかと思っている。何故殺戮したのかという問いには、ストレートに男優を配しなければその問いには答えられないと思うからである。

既読アリ

既読アリ

黒田たもつPresents

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

関西で有名人のタレントである黒田有率いる劇団といっていいんでしょうか、想像していた以上に面白かった。きちんと喜劇を創作し、練り上げている。しかも、題材が、現人のほとんどが使用しているという「ライン」を基本軸に、なかなか辛辣な作品に仕上げている。立派である。

サンタクロースが歌ってくれた

サンタクロースが歌ってくれた

演劇ユニット百酔sya

ウッディシアター中目黒(東京都)

2017/11/30 (木) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

12月に見るには俄然素敵な劇だった。中目黒という土地柄もうまく生かし、楽しい舞台で、充分2時間の長尺を退屈させない。
劇場を出ると東京の風が頬を冷たく打つが、それも苦にならない。いい劇を観たら心は晴れやか、ルンルンだ。

未来へつむぐ

未来へつむぐ

つむぎジャパン

大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)ホール(大阪府)

2017/12/02 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★

決してあの時の話だなんて思えない作り込みである。大人数で出演の、誰もがセリフをきちんと自分のものにしている。リアルな劇である。まさに、命の尊さと権力の異常さを前面に突きつける。
そう、この題材だけは未来へ、若い人を通して、語り継がなければならない。それは人間として当然の行為だと思います。力作です。

戰御史 -Ikusaonsi-

戰御史 -Ikusaonsi-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了

満足度★★★★

劇団壱劇屋そのもののいつものスタイリッシュな造形感はあまり感じられないが(大熊と竹村との違いか)、それでも殺陣が実の迫力にみなぎり美しい。これもスタイリッシュといってもよいのかもしれない。
とにかく、あっという間の60分。途中サリngROCKが出演し、劇のイメージを怪しげに彩っている。これもまた、現代の演劇なのである。

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