オフィス座の怪人
劇団レトルト内閣
近鉄アート館(大阪府)
2017/03/10 (金) ~ 2017/03/11 (土)公演終了
満足度★★★
こみたおさんのサラリーマン講座の雰囲気を出しつつ、ちゃんとオペラ座の怪人らしさも。怪人と共にビルの地下に降りる場面はまんまやったが、あれ誰やねんw アクロバティック土下座、素晴らしかった!生演奏の腹にズンズン響く迫力はいいな。
陥没
Bunkamura/キューブ
森ノ宮ピロティホール(大阪府)
2017/03/03 (金) ~ 2017/03/06 (月)公演終了
満足度★★★★★
東京オリンピックに向けて開業目前のホテルが舞台。内装のレトロな雰囲気がいい。KERAさんの舞台はプロジェクションマッピングや舞台美術が作り込まれていて、お芝居の世界にすんなり入っていける。テレビの中のミイラは近くでじっくり見たかった。
いつもは大倉さんが演じそうなキャラを瀬戸康史さんが演じていて、それがキヨハルの愛され感にとてもしっくりハマっていた。山内圭哉さんとのコンビも笑った。凛々しい青年役のイメージが強かったが今回で大きく変わった。カテコでもまだ役のままだったのも印象的。いろんな役を観てみたい。
生瀬さん演じるただただゲスいだけの男がいい。ゲスっぷり最高。緒川たまきさんの掴みどころのない女性役が好きで、今回も地面から5センチくらい浮いてそうなとりとめのない会話がいい。レトロな制服がとても似合って昭和感が溢れ出している。
筋肉少女17
石原正一ショー
HEP HALL(大阪府)
2017/02/22 (水) ~ 2017/02/23 (木)公演終了
満足度★★★★
劇中のキン肉マンネタがどストライクな世代なので心の中ではニヤニヤにつしながら観てたが、知らぬうちに顔に出てたかも。
毎公演キッチリ29分に始めたり、登場人物にプロレスラーの名前をもじってたり、ラーメンを熱く語ったり、随所に石原正一さんのこだわりが感じられる。各キャラの衣装にも凝っていて、山浦徹さん演じる晴さんのジャージが緑色なのも芸が細かい。好きです、そのこだわり!
オープニングのダンスは見逃せないので、29分に遅れないよう!金髪の丹下真寿美には驚いたが、色香あふるるダンスに魅了された。が、本編後半ではそんな可愛さはかなぐり捨てた演技で、もう驚かされてばかり。前回のひろみ役も良かったけど、今回の役も良かった。
オープニングダンスでは、東千紗都さんや高安智美さんの上手さに惹かれた。特に高安さんの華麗なジャンプ!本編での連続ターンでもその上手さがわかる。美津乃あわさんが登場した時には「!!!」って気分に。
キン肉マン原作のエピソードがホント盛りだくさんで、冒頭Sun!!ちゃんが竜崎だいちさんにされたハリケーンミキサーとか、大会での川端優紀さんのテリーマンが新感線を止めるエピソードとか超有名。解説しながら観たいくらい。必殺技の再現にも工夫をこらし東千紗都さんが山浦さんに綺麗にキメたパロ・スペシャルは大したもんだ
Actor,Actress,and more
GPP
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2017/02/10 (金) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
役者が主人公の芝居が3本。単なるオムニバスではなく入れ子構造で、外枠の芝居にも仕掛けがあり複雑な構成。東千紗都さんのグダグダな開演前の諸注意からすでに物語が始まっていたのかと気付き、面白さが増した。
お嬢様女優役の一瀬尚代さんが、おしとやかな雰囲気を醸し出しつつ毒を吐きフェードアウトしていくのにはめっちゃ笑った。イケメン女優卯津羅亜希さんのヒィ~ァはBKB好きの自分にはハマった。
Sarahさんのアンチ小劇場な台詞ってわからんでもないところがある。「小劇場公演」ってふわっとしたくくりはなんなんだろうな。けどそんなふわっとしたとこも含めて、小劇場のお芝居が好きだし、玉石混交から自分にとっての玉を見つける楽しさがあると思う。
『ホーンテッドガール』
観てると丹下真寿美さんに滑舌よくツッコまれたくなる。袖に入りぎわの佐々木ヤス子さんの一言がツボに入ってオモロかった。あれも台本なんかな?
『KNIGHT OF THE PLANET』
小劇場あるある的な要素があり面白かった。
Patch三好さんが完全に関西小劇場に馴染んでるなと改めて思った。今後も機会があればどんどん出て欲しい。
夕
Theater Project Koa
HEP HALL(大阪府)
2017/02/11 (土) ~ 2017/02/11 (土)公演終了
満足度★★★★
全体的にラブコメテイストの話だったが、宅間孝行さんの脚本だしわかってはいてもラストには泣かされた。基本笑い顔なみどりこさんの号泣にはグッときて胸を打たれる。
布団屋さん協賛でカテコにマットのプロモーションタイムがあったけど、そこでその製品のある時ない時みたいなみどりこ劇場が勃発。ついさっきあんな号泣のお芝居されてた方ですよねww
ミュージカル『キャバレー』
パルコ・プロデュース
フェスティバルホール(大阪府)
2017/02/03 (金) ~ 2017/02/05 (日)公演終了
満足度★★
長澤まさみさんのセクシーな歌とダンスにひたすら魅了されるミュージカルだった。石丸幹二さんのMCも歌って踊り、女装したり神出鬼没でメタ台詞もある狂言回し的な役割で、キリッとした二枚目役の印象を持っていたがこういう役もありなのかと面白かった。
ただ、物語的には特に大きな盛り上がりを感じられず、劇中にて歌とダンスを楽しむ店の客と同様に、客席から同じようにショーを楽しむだけだった。なので2時間半の長い芝居では、ショー以外は退屈な場面も結構多かった。
覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】
劇団ZTON
ABCホール (大阪府)
2017/01/27 (金) ~ 2017/01/29 (日)公演終了
満足度★★★
三国志モノだが独自の内容がふんだんに盛り込まれるので、無料配信していたシリーズ1、2作を事前に観ておいてよかった。為房さんの劉備が悪党過ぎて「いいぞ、もっとやれ!」って気分で観てた。
タトゥー
エレベーター企画/EVKK
自由表現空間 シアターカフェNyan(大阪府)
2017/01/28 (土) ~ 2017/01/29 (日)公演終了
満足度★★★★
狭い会場の壁際にぐるりと椅子が置かれ、その囲まれた中が舞台。演者さんとの距離が近い。近親相姦を扱った芝居だが、性的にエゲつない場面はないんだけど観ちゃいけないものを観てる気分。物語に引きずりこまれ、また突き放されて翻弄されっぱなし。
当日パンフに「役者が観客を触ります」と記載。始まってすぐ足元に倒れ込んだ澤井里依さんに膝をそっと触れられ続ける。平静を装ってたけど、すごい緊張感であと30秒触れられてたら呼吸ができなくなりそうだった。「触れる」って感覚に訴える凄さと怖さを味わった。
アフタートークに出演された先生の解説がとても興味深かった。物語の構造や登場人物の名前、父親の職業など、いずれもキリスト教の教えがモチーフになっていることが読み取れるんだそうで、それを聞いてもう一回観てみたくなった。とても有意義なアフタートークでした。
虚仮威
柿喰う客
ナレッジシアター(大阪府)
2017/01/19 (木) ~ 2017/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★
劇団員が全員が揃った本公演。新しく加入した方が多いけど、それでもちゃんと柿の舞台になってるから面白い。最初「無差別」っぽいと感じたがあれほどシリアスではなく、ダークファンタジーのような雰囲気。
葉丸さん自ら「これまでのパンフの中で一番よく撮れているから是非観て欲しい」と言うだけあって、実にイイ女に写ってるから一見の価値あり。アフタートークではいつもの小動物的な愛くるしいさ。劇伴に使われたザッハトルテの曲が実によく合っていた。ライブ観にいきたくなった
戰御史 -Ikusaonsi-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
これまでのノンバーバル殺陣芝居の中で断トツで戦ってた!その中でも赤星さんの運動量ときたら物凄い。物語が前作「心踏音」以上にややこしいので物販で買った台本を読むのが楽しかった。
笑顔で斬りまくるバーサーカーモードの赤星さんの通りすがりに 屠っときました的な容赦なさ。そうそう、これが観たかった!
サリngさんの衣装がめちゃくちゃ似合ってて、戦う姿がエボシ様だった。
巨体の満腹さんがあんなに動けるとは!パワー系の極み!
OPの軍勢の場面から完全に大熊ワールドで、不気味なマイムからの不穏さときたらもう!
赤星さんと満腹さんの対決。赤星さんのあのスピードで体格差をものともせずに攻撃を避けながら至近距離まで近よって、下から顔と顔を寄せてくる相手をナメ切った挑発ポーズ。満腹さんがまるで牛若丸に翻弄される弁慶のようだった。
心踏音 -Shintouon-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/10/27 (金) ~ 2017/10/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
話の構造が複雑で謎めいたところもあり、途中で「?」となったところの謎が明かされた時の「!」とその切なさの振り幅が物凄い。台詞無しでこういう複雑な見せ方をするのは、かなり挑戦的なのではと感じた。
セットの組み方がちょっと変わっているので、役者さんが舞台手前ギリギリを駆け抜けたり、奥から飛び出してきたりとかなり客席に近いところで演じることが多くとても迫力があった。
雨音がまるで雨降りのテント小屋の中で芝居を観てるかのように立体的に聞こえた。雨降りで盲目の殺陣ときたら北野たけし氏の映画「座頭市」を思い出す。あの映画にもタップダンスの場面があったが、今作ではあれほどエンタメ感を出さず、二人が心を通わせるいいシーンだった。
久しぶりに坂口修一さんの殺陣を拝見できたが、若手に全く引けを取らないスピード感と迫力ある殺陣だった。後ろ回し蹴りがめちゃめちゃ格好よかった!吉田青弘さんの盲目の殺陣は独特な動きでかなり大変だったろうな。
賊義賊 -Zokugizoku-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/09/22 (金) ~ 2017/09/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
序盤コミカルな雰囲気から、KATSUさんが出てくると途端に不穏な空気が出まくってた。KATSUさん演じる敵役の得体の知れなさが凄い。アレはどう見てもイカれたヤバいヤツだった。
主演の中村るみさんの動きがとてもしなやかで、特にハイキックは美しかった。小柄ながらバスケやバレーボールの選手みたいな俊敏でバネのあるアスリートっぽい雰囲気があった。
新谷佳士さん、あまり拝見したことのないコミカルな役だが銭形のとっつぁんだった、首から上は次元大介だけど。最近の藤島望さんが醸し出す女将さん感はなんなんだろうか。岡村圭輔さんの慟哭にグッときた。
KATSUさん演じる頭領と、藤島さん演じる商人の妻はどういう関係なんやろう。頭領とその女っていうより、並んだ感じが姉と弟みたい。あれだけ残虐な男でも決して頭があがらない姉っていう感じ。とっても憎らしくて悪いオーラ出てました!
憫笑姫 -Binshouki-
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/08/25 (金) ~ 2017/08/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
台詞ナシ75分の殺陣芝居。
王様の気まぐれ?で戦場に出される女性たちが、最初は足手まといだったが、鍛えられて徐々に戦力になっていき、主演の西分さんがフルメタルアルケミスト的な衣装で登場する場面に鳥肌。彼女たちの勇ましい姿をみて涙腺決壊寸前。
全編を通してがっつり殺陣してて目が足りない。
末満さんの悪役は容赦がなくてすごくいい。末満健一さんの両手を広げた構えが、まさに王の剣術って感じで、あんなんで迫って来られたらそりゃ恐れおののく。
クライマックスに女隊三名が姉妹を助けにきたとき、包帯姿の西分さんに触れる川端優紀さんの手つきがとても優しくて泣きそうになる。
久代梨奈さんの殺陣が、最初へっぴり腰だったのがどんどん成長して、最後にはターンしての剣さばきがとても美しくなるほど。あの戦士はもっと強くなるぞ
新しい生活の提案
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/05/26 (金) ~ 2017/05/31 (水)公演終了
満足度★★★★★
今の生活を変えてみたいと望む男の奇妙な物語。生活を変えるために、一度文明を破壊し爆発的進化を促進してアナザーワールドを産みだす行政の力、恐ろしや。藤子不二雄A先生的なダークな展開と劇伴がとてもマッチしていた。
皆さん一人で何役もされているが、なかでも小林嵩平さんの役の振り幅ときたら凄かった。素直なセクハラ男が一番好き。膝をすり減らしながらの移動はぬらぬら動いててとても気持ち悪かった(賛美)。
全編関西弁(一部鳥取弁)で演じる特別回では、受ける印象がより身近になって面白い。
人恋歌~晶子と鉄幹
壱劇屋
吹田市文化会館 メイシアター・小ホール(大阪府)
2017/01/19 (木) ~ 2017/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★
これまでの劇団の公演とはかなり趣きの違う内容だが、随所にパフォーマンスが盛り込まれ壱劇屋らしさが溢れ出ていた。与謝野晶子役の西分さん、長台詞でどんどん感情が高ぶっていく場面は圧巻だった。
平塚らいてう役の湯浅春枝さんが、晶子と議論を吹っ掛ける場面などとても印象的で、実にらいていにハマっていたと思う。劇団の動画日記のときとは醸し出す雰囲気や顔つきがガラリと変わっていて素晴らしかった。
姐御っぽい役の印象が強い安達さんの"えぇとこのご婦人"も新鮮だった。以前かのうとおっさんの公演で演じた"イケメンにハマる看護婦"くらい意外だったが、朗らかで上品に笑う姿がしっくりきてる。
荒人神 -Arabitokami-【2018年6-7月wordless殺陣芝居シリーズで東名阪ツアー決定!】
壱劇屋
HEP HALL(大阪府)
2017/12/22 (金) ~ 2017/12/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
8月から五ヶ月連続でのノンバーバル殺陣芝居。どれも雰囲気が違うもので、12月の「荒人神」はまさにその集大成と言える作品でした。前4作品を観てきたからこそ心に響くシーンも多く、人間の闇と光を描いて大いに揺さぶられました。
殺陣がふんだんに盛り込まれ、その段取りを想像しただけでも気が遠くなりそうなくらい。短い稽古期間にも関わらず、あれほど満足度の高い作品にまで仕上げるのは素晴らしいことだと思います。
SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】
壱劇屋
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2016/02/10 (水) ~ 2016/02/16 (火)公演終了
満足度★★★★★
多面な四面舞台
とにかく舞台を四方から囲む客席と演者との距離が近い!
激しく動き回るパフォーマンスで巻き起こる風が感じられるほどの距離。
縦横無尽に動き回るので、もう目が2つじゃ足りない!
舞台から下に飛び降りる役者さんが、まるで客席に降ってくるような錯覚を起こす。そんな迫力満点の場面がある一方で、緻密に計算され息の合ったパフォーマンスもある。
冒頭からズンズンと腹に響く音響もまた気分を揚げてくれる。
さらに客席が四方向にあるので、座る席によって演者さんの観え方がまるで違うし、ライティングの具合も変わるため、芝居の印象も変わる。観るたびに次々と新しい発見がある多面的で楽しい舞台でした。
物語は映画「cube」のような謎だらけの始まり方だが、次第にそれぞれの関係性が見えてきて、パズルを解くように怒涛の展開をみせるクライマックス。
これは病みつきになるわ!
残念ながら今回は3面しか観れなかったけど、もしまた再演するようなことがあれば、4面制覇して、さらに上から観る「5面目」があっても面白いかもしれないな。
愉快犯
柿喰う客
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2011/01/21 (金) ~ 2011/01/25 (火)公演終了
満足度★★★★
観ないとわからない
傾斜のついた狭い舞台で5人が動きまわり、
爆笑の連続って訳じゃないけど、
小ネタ入れまくりの楽しいお芝居でした。
観客に一人だけ異常にウケてる方はいましたけど。
普通の会話劇とは全く違うスタイルなので、
これを説明するのは非常に難しい。
いっぺん観てみてほしいなぁ。
乱痴気では、玉置さんがお母さん役になっていて驚きましたw
七味さんは露出の多いセクシー刑事で、スタイルの良さに関心、
露出狂でのマネージャー役を思い出しました。
舞台版『千年女優』(大阪凱旋公演は5/11)
TAKE IT EASY!
HEP HALL(大阪府)
2011/01/20 (木) ~ 2011/01/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
想像以上!
全員が千代子を演じており、
疾走シーンで中心になる女優さんが入れ替わることで
千代子の女性として、また女優としてのいろんな感情が表現されて、
場面をより盛り上げていたと思います。
あんな手法があったのかと目からウロコでした。
役者が少ないなりのうまい工夫で、逆に全配役に役者を立てた芝居では
表現できない疾走感だったのではないかなぁ。
観客の想像力に大きくゆだねる芝居ではあったが
それが全く苦でなく、シンプルなセットや音楽や照明との相乗効果でより物語にのめり易くなってたと思いました。
観客は同じ芝居を観てはいたけど、一人一人のなかでは別の物語として
それぞれ記憶に残っていくのではないかと感じるようなお芝居でした。
5月にはドラマシティで凱旋公演があるらしいので、
ぜひまた観にいきたいと思いました。