ACT泉鏡花
アトリエ・ダンカン
東京グローブ座(東京都)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
いい、千秋楽でした。
こんなにも、十人の役者がいれば十色の、思いを乗せて走った舞台は、なかったと思う。
カーテンコール。三浦涼介、顔を真っ赤にして、ボロ泣き。
三浦と宮の二人は、なんと演出家任せではなく、自分たちの動きを自分たちで考えて(!)、スタジオの隅で練習し続けていたのだそうだ。(ダンスは躍動感あふれて、とても素敵だった!)
二人とも、大泣き。
一見、今どきのクールなイケメンにしか見えない三浦が、こんなにも熱いハートの人だったことに驚かされる。もらい泣きする観客、多数。
初日、あんなに固かった観客が、要所要所できっちり拍手をする!
三浦と宮の鮮やかな一輪車にも、ベテランの場面にも、すぐさま大きな拍手が沸いた。
観客が舞台設定を飲み込み、緊張が解けたのだ。
13回の公演を経て、観る側も、変わったのだ。
鏡花さんに呼ばれて、渋々舞台に上がった演出の加藤直。(出たがりの劇作家が多い中で、なんという新鮮!)
「最初は〝絶句するような〟メンバーで、戦々恐々として稽古が始まった。自分が言ってはいけないけど、正直ここまでやれるとは思わなかった・・・」
少ない言葉に苦労が滲み、逃げるように舞台から下りていった(笑)
〝このキャストで、この世界観で〟鏡花をやりたい。とプロデューサーが語っていた意味が、やっと少しだけ判った気がする。贅沢を言えば、そのコンセプトをもっと説明していたら、観客に伝わるのも早かっただろうと思う。説明なんて野暮ったいのは判っているけど・・・
司会の鏡花さん、カップルごとや「卯酉」など、二人ずつのくくりで全員を紹介し、舞台上の全員が一人のもれもなく、マイクを持って自分の言葉を話す。
何人かが「あったかいカンパニー」という、同じ表現をしているとおり、初顔合わせばかりなのに、とても仲のよいのが伝わってくる。
ひたすら、〝きもちの良い〟カーテンコールだった。
この日のカーテンコールは、あまりに楽しすぎて、それを伝えきれない自分の筆力不足を申し訳なく思います。ゴメンナサイ。
ACT泉鏡花
アトリエ・ダンカン
東京グローブ座(東京都)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/10 (日)公演終了
満足度★★★★
自分の感受性には責任を持って・・・(茨木のり子風?に)
簡単に補足だけします。
※とある演劇口コミサイトで、(なんと、他人の書き散らかした感想を見ただけで、確認もせず)、初日の120分からどんどん時間が減っていった、アラ隠しのために場面を削っていってるのは容易に想像がつく、などと仰っておられる方がいました。かなり驚きました。
当方は全部、終了時間を確認してますが、初日は100分。そして5日も100分。そして、この日も100分。なんの違いもございません。
場面が無くなっているなどということも、ない。というか不可能。
元々が、たった5幕の芝居。膨大な長編をこの分数に、可能な限り、凝縮しているのです。
減らしたりしたら、直ちに判ってしまう。憶測だけで、よく書けるよなあ・・・
そのサイトは、こりっちよりも登録方法が安易で、全体的に書き散らかした投稿が目立つ。そんな投稿をチェックする機能がないのを、悲しく思う。
しかし驚くのは、演劇誌が主体のサイトなのだ。こんな調子では、その雑誌も信憑性が疑われると思うけど。いいのかな?
「批判する」ことが「評論」だと思い込んでいるのが、責任を持たずに書く人間の特徴。客を100人減らすのは子供でもできる。簡単です。けれど、1人の客を引っ張ってくることは、尋常じゃない才能を必要とするのです。
それが出来る人間だけが初めて、批判もする資格を与えられる。批判するには、資格が要るのです。当方としては、そう思っております。
終演後、声をかけた木の実ナナは、子供のように無垢な人だった。たった一言の感想に、嬉しさがあふれるようで、子供のように喜んでくれた。
芝居は、生きた人間が作っている。来てよかった。と思った。
ACT泉鏡花
アトリエ・ダンカン
東京グローブ座(東京都)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/10 (日)公演終了
満足度★★★★
グローブ座の『3B』に入りたい・・・(涎)
カーテンコール。ごきげんナナちゃん、手ヒラヒラ、腰くねくねダンス踊り出し。それを見た鏡花サン。仏頂面でヒラヒラ(笑)。
そしたら後ろの若手、即座にヒラヒラ、くねくね全員で!
ぬおおお・・・!なんなんだ、このノリの良さ!何でもみんなで一緒にやろうね♪的な連帯感!
お前ら3年B組かー!(嫉妬)きしょおおお。しかし若いってすごいなー。ためらいがないもんね。
帰途。2人のご婦人。「ほんとにイケメン揃いだったわね~♪」と大喜び。(苦笑)見てたのそこか。でも良いではないか。皆が幸せならば。
このキャストの広さは、いわば「文化」だと思う。いろんな価値観があって良く、それが「同居」しているのが、「世界」だということ。
こんな公演がなかったら、一生、隣席で芝居など見なかったかもしれない。
それぞれが見たい方法で、見たい人を追ってたらいい。他人の口コミを「先入観」にしないこと!
自分の「感受性」に、『責任を持つ』こと。それがコツ。
宮菜穂子。台詞が力強く、脇を締めていた。
追記 中盤・戦さの場面の近藤正臣の口上、掛け値なしに見事。
ACT泉鏡花
アトリエ・ダンカン
東京グローブ座(東京都)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
A・合わないと K・食わず嫌いは B・バツ!
※恐らくためらってる貴方へ。鑑賞のポイント!
第1幕、いきなりコンサートが始まっても、年寄りよ、面食らってはイケナイ。
身を任せていれば、次の幕、ベテランが登場して、一気に場が締まる!
演者より、客のほうが圧倒的に硬かった!若手ファンVSベテラン俳優、そしてその逆・・・いわば「お見合い」をしてるわけで、お互い遠慮しすぎ!
「拍手していいのか・・・」「笑っていいのか・・・」 声を出したいのにモジモジしまくり!
ところが、満月をバックにした近藤・木の実の美しいシーンで、後方からジワジワと、この日最初の拍手が起こるやいなや・・・!
それをきっかけに、あとはまさに、「演者の力」で、客をリラックスさせた・・・役者ってすごい!次第に客も声を出して笑い始め、何より、ラストの惜しみない拍手がそれを物語り。(ナナちゃん嬉しそう!)
リラックスまで時間がかかったのは、構成の責任。役者は本当によくやってた。グループに属さない若手俳優に、男女とも、台詞がとても聞き取りやすい、実力者がいた。新しい発見が必ずある。
老若双方に伝えたい。食わず嫌いしてるだけ!と。
(肌に)A・合わぬと K・食わず嫌いは B・バツ!
願わくば、芝居の部分をもう少したくさん見たかった・・・鏡花が傍らで、物語の世界(若手が演じている)を見守っている。それだけで繋いでも、良いと思ったなあ・・・。照明が暗くて俳優の顔が見えにくい部分あり(当方乱視なので・・)検討を宜しく!