ヨウの観てきた!クチコミ一覧

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ストロベリー

ストロベリー

国分寺大人倶楽部

王子小劇場(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

超正統派直球ラブサマー
18歳以上の人全員が観に行けばいいと思う。むしろ18歳以下が大人の階段登っちゃえばいいと思う。20円だし。『男女7人夏物語』と聞いて鼻で笑ってしまう人にこそすすめたい。
軸はストレートな恋愛劇で手段は変化球というズラし感覚がビビットに異化効果として現れている。イメージとしては『大きく振りかぶって』の主人公三橋の「まっすぐ」みたいな球種かなと。
あと10分は短く出来そう。
日時限定の、30分で書き上げたというおまけ公演のいい加減さといったらなくて爆笑。
ポロリもあるよ。

ネタバレBOX

昨日観た鵺的の『クィアK』よりもかなり健康的な、セクシュアルマイノリティのあたりまえさがほほえましい。舞台を観たほとんどがこれが変化球であるという意識が実感として分らなくなる時があと10年もすれば来そうな気もする日本という脅威。すばらしい。
視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

ある視点
☆は企画自体への評価ということで。公演の位置づけがはっきり自覚的だったので、予め観方を準備できたのがよかった。もちろんただ観るだけでも楽しいけれども、せっかく『トランス』との関係を示してるのだから、なるほどふむふむと考えながら観るのがやっぱり面白い。
今回の公演は「トランス」と「スタンダード」というキィが具体的でかつ解釈の幅が広かったのがいい方向に働いていたように思う。『トランス』のどの面を切りとり返答として提示するのか、三者三様の視点が楽しめた。
逆に三者三様の視点でそれぞれ良さがあっために、多元的な評価基準を採用しないと単純でつまらない気もするので、結果発表ってどういう感じになるんだろ?とか思ったりも。
例えば様々な場所で上演されうるスタンダードなバランス感覚は『無い光』が一番ではなかったかと思うが、2010年の立場からの『トランス』への返答を最も抉って表現していたのは『クィアK』ではないかと。ちなみに自分の一番の好みは『クィアK』。
またあとでネタばれに書く予定なのでとりあえずこれで。

ネタバレBOX

舞台とは関係ないけど体調不良で途中で退室した女の人大丈夫だったのかな・・・
にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫

にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫

クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)

Heiz Ginza(東京都)

2010/09/11 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

すんなりと観ることはできる
会場の場所以外は特に目新しい感覚はなく、中身も使い古された保護(会)者像だなあとぼんやりと拝見。
伏線が張られるべくして張られ、落ち着くべく所に落ち着く。そういう意味ではウィルメイドな安心感があるのだが、後半への展開までの前半のダダのこねあいの割合が大きすぎて、バランスが悪かったように思った。ごにょごにょと長いわりに後半に活きるのは「なかなか決まらなかった」という事実と少々強引な伏線ぐらいで、個々のダダこねもうすらぼんやりしてパッとしなかった印象。
あとあの会場の規模であの声量は鼓膜の振動的な意味で耳が少々痛し。空間の日常感とミスマッチングに見えた。声張らなくても全然届くのになあ。

一人芝居 Gay Sprits

一人芝居 Gay Sprits

劇団フライングステージ

さっぽろテレビ塔2F ライラックの間(北海道)

2010/09/19 (日) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

ゲイ・スピリッツ
夏前に学校で観劇したこの演目がすばらしかったのだけれど、その時は書き込むスペースがなかったのでこちらに書き込みを。
軸は変わらないだろうが、まだ模索中らしく公演を重ねるごとにスタイルが少しずつ変化しているらしい。
自分が観た時は、一人の演劇人の演劇とジェンダーにまつわる実存が、観客席側にいるはずの見えない相手との対話として、ユーモアも交えながら丁寧に語られ、表現と自分と身体の関係までを描いていた。
つまるところは語らざるをえないものを抱えた人間の「私語り」であって、それゆえ非常に強い舞台。人によっては視野が一変する体験かもしれないし、また人によっては混乱を招く体験かもしれない。けれどこれを観てどんな感想を持つにせよ、まず観て知ることこそが大切なのだと思う。
そしてこの演目に関しては、真摯に真っ正面から向き合っているからこそ、固定観念の糸に絡めとられている者にさえ一つ一つ対話していくことを諦めない度胸があるように思う。
また、語るべきことを持たない演劇作品が多い中、語らざるをえないものを語る手段としての演劇の有効性をしなやかに観せてくれたという意味でもすばらしいものだと思う。
これからももっとあちこちで上演してもらいたいし、多くの人に一度はとにかく観てもらいたい公演。応援しています。

ネタバレBOX

演劇という虚構の服を着た疑似的な対話を傍聴する、というスタンスに観客を置くことで、聞きかじった中途半端な知識をして好奇心に前のめりになる(それにより誤読可能性が大きくなる)ことを無効化しつつ、語る主体であり語られる対象である、ザワザワさせるような身体が目前にあるというリアル感のバランス感覚がこの演目の鍵なのだろう。
「講演」ではなく「公演」だからこそ感じ取れるものが多いように感じた。
みだれ髪・公演終了!ご来場ありがとうございました!

みだれ髪・公演終了!ご来場ありがとうございました!

処女航海

ザムザ阿佐谷(東京都)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★

黒髪万歳
性的な、あるいはラストのソロダンスの女性のようなスキャンダラスなシーンと舞台美術の使い方にはゾクゾクする。しかしダンスが基本的にこういうものなのか、それとも演劇的な緩急の付け方に慣れているせいなのか、観ていて結構早くに飽きてしまった。
匿名性の高い身体を獲得していく傾向のダンスよりも、感情に突き動かされる身体を指向していくと謳うわりには、根っこの情動があまり読み込めない身体が多かった感触。「ああ動いてるなーと」思うシーンがけっこうあり。

闘争×ホルモン TackleBagタックルバッグ

闘争×ホルモン TackleBagタックルバッグ

グワィニャオン

俳優座劇場(東京都)

2010/09/11 (土) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★

せっかくの大人数が無駄に思える
脚本にしても演出にしても役者にしても、あと微妙な音量で延々と流れ続ける音響にしても、残念ながら自分には焦点がブレた散らかった舞台としてしか認識できなかった。久々に時間が死ぬほど長く感じた。むしろ最後の試合シーンだけでよかった。しかしそこすらカタルシスが削がれていて残念。

「黒塚マクベス」【ご来場ありがとうございました!!】

「黒塚マクベス」【ご来場ありがとうございました!!】

劇団アニマル王子

ブディストホール(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★

ロック風味の和装マクベス
セリフの速度に滑舌が絡んでなに言ってんだかわからない部分が多々あり、隙間なくハイスペースで展開されたりもするので詩情を感じるヒマもないのだけれども、観せ方がきちんと整理されていて長時間の観劇でも案外疲れを感じなかった。

おにもつ

おにもつ

東京マハロ

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ウチ的共同体
普通に楽しく観れはするものの、苦手な空気。
よき時代幻想というか、なんとなく昭和のかほりのする舞台だなあと。

ネタバレBOX

家族型経営のウチ感覚の歪さがラストになって思いっきり顕在化して引いてしまった。飲酒運転していて人をひいたという事実が二の次にくる感覚はよくわらからない。
忘却曲線

忘却曲線

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2010/09/06 (月) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★

いい作品と思う
しかしすこし昔の文学作品のような、静かにじわりと観せる作風がちょっと好みに合わず多少体感時間に長さを感じた。舞台にはもっとガチャガチャしたものを期待してしまう性質なので。

東京アメリカ

東京アメリカ

範宙遊泳

STスポット(神奈川県)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★★★★

「演劇」プレゼン
思わず唸る。第一弾「山梨」はストーリー物だったが、今回は演劇に対する「suki to kirai」入り交じる感情でメタとベタの狭間で織りなす、「演劇」のプレゼンでありパロディであり批評であり演劇におけるリアルの考察。
それでいてよく陥りがちな頭でっかちにならずにあくまで舞台表現として観せる絶妙のバランス感覚に舌を巻く。前から薄々感じてたけどセンスがパネぇわここの作・演。「演劇」が大好きで大っ嫌いなんだろうな。
また作・演の考えだけじゃなく役者も演劇を相対化する眼とそれを身体にアウトプットできる力を持っていることが、舞台に強力な説得力を生み出している。多分自分達の位置づけに自覚的なんだろうなと思ったり。
演劇を創る現場(特に学生演劇)に足を踏み入れたことのある人やかなり演劇を観る人でないとこのニュアンスは汲み取りにくいかもしれないかなと思ったので、演劇初心者にあまりオススメはしないが、演劇関係者には必ず観にいって欲しい舞台であることは確か。

ヴィジョン

ヴィジョン

ミームの心臓

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度★★★

声明のとんがり具合の割に
案外想像の域を出ない出来だなと。
世界に感じている窮屈さが、10代っぽい陰謀論的で観念的な視野で構成されてる様は、ほほえましくもあり、はずかしさもあり。
ある種の人の意識変革には有効になり得るかもしれないが、文化や芸術のだだっ広い懐を知ってしまっているような人間にとってみれば、こんなもんかと思うやも。その点どうも前作の方が地に足着いてそうで興味がある。
とても若いので、これからどうなっていくのか期待。

役者の演技がほとんど中途半端でキツかった。やりきってないのはともかく、芯の通ってないフラフラとした身体は特に外国設定だと説得力が見えない。
自己陶酔的な演技に向かいがちな役を、時々ハッとさせるようなシビアな演技で演じた主人公の少女役の子はちょっと気になった。

街【公演終了!ご来場誠にありがとうございました!】

街【公演終了!ご来場誠にありがとうございました!】

ヲカシマシン

タイニイアリス(東京都)

2010/08/27 (金) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★

あれれ?
100年ばかしの時間と可能世界を駆け抜ける疾走感を味わせてくれた前作にはとても想像力をかき立てられた。それだけに今回、肩すかし感が大きい。
観劇態勢が万全でなかったせいもあってか、何人かの役者のセリフが、聞いていて全く意味として認識できないという珍現象が起こったので、内容まで踏み込んでの感想が思い浮かばない。
内容よりも観え方の段階での違和感を感じた。
前作よりも、(イタい的な意味で)ハラハラする言葉を演技力でバランスを取っていくような、演技で風景を埋めてゆく余地が大きかった舞台だったと思うのだが、多くの役者から風景が全く見えてこないかったのがキツかった。セリフが意味として認識できないというのもそれ故だと思う。
作・演はやじろべえのような言葉を演技でいなしてただけに(彼のセリフはきちんと意味として把握できた)、そこから想像される、おそらく全体をこういう風にしたいんだろうという雰囲気との距離を余計に感じた。

あと照明。前回は地明かりつけっぱ同然のルデコだったので気付かなかったが、今回はどうも悪い意味で大層気になる照明。カットインカットアウト&役者をスポットのように追いかけるようにすることで不格好に視線を引導するくらいなら、地明かりの方が断然スマートだと思うのだが。

ダミーサークル

ダミーサークル

花まる学習会王子小劇場

王子小劇場(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

強度のあるテクスト
「書かれたものを読む」ことを拡大させた、リーディングの発展型で新鮮な感覚。
演技がまあ想定内な分、脚本と演出の強度が目立つ。
白々しいものだとか暑苦しいものだとか、そういった演劇しか眼の前に現れてこなかった高校の時にでもこれを観ていたら、自分の現代演劇観も大分早くにマシなものになってただろう。
60分の尺でリーディングスタイルという、演じ手にとってハードルが低いにも関わらず、構造の面白さと現代っ子が受け入れ易いシビアさを兼ね備えているという、学生演劇の入門かつ演劇に固定的なイメージを持っている(故に普段演劇を観ない)人の「演劇」の観念を広げるに足るテクストの強靭さがあるように思う。
なのでぜひこれは中高校の新歓とか学祭とかで上演したり、あわよくば新人公演のスタンダードぐらいにしてもらって、高校の時の自分のような「演劇とか(笑)」と思ってる連中に演劇の面白さを知らしめることに一役かってくれないものかと思う。お願い中高生演劇部。
それにしても内容が身に覚えがありすぎて恐ろしい。高天原高校の部活動はどこも破滅型(笑

八月花形歌舞伎

八月花形歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2010/08/07 (土) ~ 2010/08/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

中村屋!
第3部、「東海道四谷怪談」のほぼ全幕を観劇。
最初歌舞伎を観に行ったときは「すごいなー」とかぐらいしか感想がなかったが、何回か観ているとなるほど歌舞伎にも上手い下手があるのだなとそれなりに算段がついてくる。
勘太郎の熱演が今回の公演の全てと言ってもいいくらいすばらしかった。メインのお岩役にはいくら拍手をしても足りないぐらい。一つの作業だけで10分ぐらい平気で観させてしまうことができる役者がはたしてどれだけいるんだろう。
(サーコさんに習って)AB(笑)は立ち姿は素敵なのだが、びっくりするような演技力で、ラスト以外の殺陣に関してはまるで観るに耐えなかった。

ネコ目 HYPHY!! 鎮魂歌【ご来場ありがとうございました】

ネコ目 HYPHY!! 鎮魂歌【ご来場ありがとうございました】

桃尻犬

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

白く高くぶちまけて
予想外に根本的な話で、予想外に笑った。
なんと言ったらいいのか、笑いか失笑かどちらに転ぶかギリギリな平均台上でなぜか三点倒立をして、何ごともなかったように前者に向かってしれっと降り立ったような作品。
下ネタ、というよりシモの話を題材にしている舞台で、しかも歌やアングラといった要素を取り入れた上で笑わようというのは個人的には背水の陣同然なのだけれど、
スピーディな間のセンス、無駄すぎる動作群のあまりの静かで自然すぎる過剰さ、なによりシモの話への真剣な取り組みが、いろんな意味で「イヤラシさ」を感じさせず、むしろ清々しくさえあった。

男優がのびのび演技をしていていいリズムを作ってた印象。特にまめ太?の人の、どう動いても笑わせる抜群の笑いセンスと、ごん太?の人の飛び道具加減は観ているだけで楽しい。

バラシて終わりと思うなよ

バラシて終わりと思うなよ

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2010/07/28 (水) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ピンからキリの
キリの方にいる劇団の解散公演のバラシ風景は、さすが劇団が演じる劇団、思ってたよりもハードな演劇舞台裏に頬が引きつる。
終始「観客」の立場から観ていたが、公演を打ってもトントンでなまじ劇団として継続できてしまうという状況が、劇中のダメ劇団のようなダメ劇団を、現実にも数多産み出してしまうんだろうなと思うとムカムカする部分もあった。
前半のハードさを中和する構成上のバランス感覚として、また劇中の劇団の「表現者」としての慰みとして後半20分のファンタジーは必要だったと思うのと同時に、その甘いファンタジーの中に小劇場演劇という円環型のやさしさ共同体の虚像が見えるようで気持ち悪くもあり。
一番のびっくりは箱馬の収納場所だったかも。
OPの音楽が非常に好みで心地よかった。

夜も昼も -Night and Day-

夜も昼も -Night and Day-

文月堂

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/17 (火)公演終了

満足度★★★

東京・・・
客入れの音楽チョイスでこの劇団苦手かもと思っていたら案の定。
時間の長さの割に、含みを予感させないでただ拡散していくだけの脇道が多く残されていった様子があり、ことばもキャラクターも展開も、古さすら感じる数多のベタなもののコピペの域から出ているとは思えずに、結局何がしたいのかよくわからないままに、気がついたら終わっていたという感覚。

BARAGA-鬼ki- 再演

BARAGA-鬼ki- 再演

演劇集団Z団

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2010/08/06 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

そうだったのか!池田屋以降
軽妙なテンポとロックな盛り上げ方で、飽きずに池田屋以降、函館五稜郭までのおおまかな新撰組通史が身に付いた3時間。
TVや映画やマンガや演劇やらで色々新撰組関連の作品は観てきたものの、いまいち全体の流れを把握してきていなかったので、池田屋以降の展開の前後の因果関係を初めて理解できた感じ。なるほどあの映画はここらへんの時代なのね!とか今ならわかる。
新撰組の土方を一応軸にはしていたが、新撰組の内情をメインにするよりも時代や政治の動向から新撰組という立ち位置を把握して構成されていく物語だったので、新撰組モノに食傷気味でも意外に入りやすいかも。

express

express

PLAT-formance

王子小劇場(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★

解けない未完の話(笑
うん好きな笑い。お笑いアプローチの関東コント文化の偏愛者の立場からして、正直今お笑い側で彼らの年代でこれだけ意識を持ったコント師は見受けられない。
総合的な意識くばせや作品のスタイルにラーメンズへのリスペクトを感じさせつつも、「演劇」の身体を武器にするやり口は単なるフォロワーであることを越えていく可能性をすでに掴んでいるな、という印象。
意外とカルチャーショックだったのは、演劇文化にありがちな野暮ったさがない、こじゃれたセンスが空間や作品の外側の細部まで行き届き会場全体を覆っている舞台空間。雑誌に出てくるオシャレ空間にいる気分で舞台が観れるというのは、考えてみると演劇にももっとあってもいいと思うのになかなかないのだなと。
充分に笑い楽しみはしたのだが、照明や脚本の中に、芯を効果的に観せるためによりスマートにしていくべき余地がみえたのと、今後への期待を込めて☆4。

ネタバレBOX

夜光塗料入りのものがあたかも星のごとく散りばめられたクリップつなぎがあったり天体望遠鏡を配置してたりと、ラストの「銀河鉄道の夜」に滑り込んで行く作品の流れを補完する小道具のこだわりようににやにや。
そういえばもしかして完全に暗転にしたのってラスト一回だけだったのかな?
こういう趣向大好き。

(ほぼ)一人芝居の空想夫婦の作品、柿喰う客の一人or二人芝居を思い出させた。一緒にオムニバス公演してくれたら面白そう。
01272125★たくさんのご来場ありがとうございました。★

01272125★たくさんのご来場ありがとうございました。★

ソテツトンネル

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

第一回公演とは思えぬ
今後の展開が楽しみな完成度。人というものは基本的にすんなりと残酷なのだ、と淡々と説く脚本に、役者の演技が上手く行間を醸し出している。語りすぎない美学が非常に好み。
脚本も演技も安定度が高く、人と人とのあれやこれがメインとなりながらも緩やかに数式の謎が全体を牽引していて、2時間の長丁場を集中力とぎらせることなく観させる。
しかし見終わった後の印象がなんとなく地味だったので、もう一瞬ほど、なにかえぐりとるようなものが欲しい気もする。
役者では当て書きのようにも見える役を演じていた吉田啓子の個性がひときわ目に付いた。

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