雨模様の観てきた!クチコミ一覧

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ストレンジ・ジャーニー

ストレンジ・ジャーニー

サムゴーギャットモンテイプ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

人生はストレンジ・ジャーニー
題名が英語の理由が分かりました。

ネタバレBOX

おばあちゃんが亡くなって田舎に帰ったときのことを思い出しているって感じの話。

お姉ちゃんは英語ばっかりしゃべっているし、おじいちゃんはお昼過ぎの時代劇の再放送に出て来るお侍と親しくなっているし、でもこれは傍から見るとボケたようにしか見えないのが可哀想。

海外勤務の多かったお父さんにはタイに若い愛人がいるのが分かって、お母さんはお父さんときちんと話し合って離婚を決めそうになったけど、おじいちゃんがお侍と一緒に出掛けてしまったために、人はこれを徘徊と呼ぶのですが、そんな騒動に紛れて離婚話はウヤムヤになってしまったのでしたみたいな。

お姉ちゃんは本当に英語ばかりだし、本物のお侍は出て来るし、斬新でした。

それにしても、オリンピックもあるし、英会話ぐらいできないとお芝居が観られない時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。

いいこともあれば悪いこともあるとお母さんが言う人生。長男の人生の切り売りみたいなお芝居、面白かったですが次回が大変だと思いました。
治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

二代目
大正天皇の人となりを知りました。昭和天皇への見方が少し変わりました。

ネタバレBOX

皇太子(後の昭和天皇)を大正天皇の摂政に就かせようとする動きに皇太子本人が積極的に関与していたのでしょうか、昭和天皇に対する見方が少し変わりました。本当だったとしたら、昭和天皇自らが初代回帰、即ち明治の勇ましさへ回帰しようとしていたことになり、戦争への道に進んだのも納得できます。

丸めてポカリの大正天皇と、軍部にいいようにやられましたとばかりにマッカーサーと並んで写真を撮り、地方への行幸でニコニコしていた印象の強い昭和天皇のイメージが変わりました。

三代目の徳川家光然り、金正恩然り、昭和天皇然り、初代回帰を目指しての頑張り、暴走は共通ということになります。そして、徳川秀光、金正日、大正天皇は治世の期間も短く、つくづく二代目だなと思います。

天皇機関説で、誰が天皇でも一緒かなと思っていましたが、やはりその個性は否定し切れないと思いました。一緒に怒って、一緒に笑って、一緒に悲しむ、大正天皇はそんな夫婦像を目指したアットホームな人でした。大正天皇が健康で長生きしてくれていたら昭和も変わっていたかもしれません。非常に悔やまれます。

原首相の暗殺死も摂政問題に影響したことも分かりました。歴史の妙、巡り合わせが悪かったですね。

大正天皇の姿はほとんど記憶にありませんが、明治天皇、昭和天皇は良く特徴をつかんでいたと思います。大正天皇のお妃役の松本紀保さんも歌舞伎界というちょっと近付き難い世界の出身であり、高貴さを醸し出していました。皆さん素晴らしかったです。
Present for me

Present for me

SORAism company

d-倉庫(東京都)

2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★★

命が軽い
パラレルワールドか、RPGか、それにしてもやり過ぎでしょう。

ネタバレBOX

自分に都合のいい結果になるまで何回も繰り返すパラレルワールド、あるいはロールプレイングゲームでゲームオーバーしても、次の回に薬を飲んで目一杯ライフを回復させ、魔法を使って直前まで戻ってやり直し、そのうちクリアできるだろうといった話。

小さい子どもが最前列で観ていましたが、自分が死んでも、仲間が殺されても簡単にやり直しの利く展開に、あまりにも命が軽く扱われているように感じられ、この子らに見せて大丈夫かいなと思いました。
(morning sun...)

(morning sun...)

第27班

北池袋 新生館シアター(東京都)

2013/12/13 (金) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★

色んなケース
盛り沢山でしたが、丁寧に描かれていました。

ネタバレBOX

異種類性愛症候群でしたっけ、ウサギでも、ニワトリでも、セミやクマノミ、アサガオにまでズキンと恋愛感情を抱いてしまう症状は面白かったです。

学生による学生のための恋愛群像劇ということだけあって、前述の症候群の他、学費を浮かせるための偽装学生結婚からの恋愛移行、そこには他の男との間の子を妊娠したという事件を経てがありました。さらには、記憶障害の女子との恋愛、ゲイの話も、童貞に悩む学生もいて、バイトも色々あって、それらが学生たちの繋がりの中で丁寧にリアルに描かれていました。

ゲームを作っていた女性の、男性に対するダメ出し的タメ語が耳新しく、女子大生は学内でこういうしゃべり方をしているんだと新鮮な気持ちで受け止めました。
珈琲法要

珈琲法要

青年団若手自主企画 河村企画

アトリエ春風舎(東京都)

2013/12/12 (木) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

歴史の一コマ
よくぞ津軽藩士の日記が残っていたものと思います。そして、よくぞ掘り起こしてくれました。

ネタバレBOX

蝦夷地警備に駆り出された津軽藩の人たちの話。

そこにはロシア人であれ和人であれ、土地所有という概念を持ち行動する人間を憎むアイヌ民族の思想があったことを忘れてはいけないとつくづく思いました。

津軽藩士や同じく駆りだされた津軽の農民は冬場味噌と白米で過ごし、脚気に罹って大多数が死にました。アイヌの女の父親は和人との戦いで死んだという過去がありましたが、今回の出兵では特にもめた様子はなく、アイヌの人を世話係として雇っていました。であれば、せめて干物の魚とか買えなかったのかと悔やまれますが、彼らは必要以上の動物や魚は捕獲していなかったのでしょう。

女が脚気でいずれ死ぬことが分かっている津軽の男の口をふさいだ行動は恨みからなのか、楽にしてやろう的な考えからなのか悩ましいところでした。殺し切れなかったところをみると、和人に対する恨みはあるものの、冗談の一つも言い合った男には最終的には手が下せなかったということでしょうか。

元気なご老体は樺太まで行ったとのこと、土地所有に拘る和人で申し訳ないですが、彼らが斜里や樺太まで行ってくれたお陰で今の日本が形作られているのだと思うと感謝の念に堪えません。

すり鉢ですったカーヒィーはいい香りでした。
空想、甚だ濃いめのブルー

空想、甚だ濃いめのブルー

キ上の空論

新宿眼科画廊(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★★

【Aチーム】観劇
即興劇風に演じた役者さんたちはとても良かったと思います。

ネタバレBOX

ハッピー風エンドとリアル風エンドのパラレルワールドを見せるために、わざわざ即興劇風に仕立てたお芝居。

ハッピー風エンドでは、できちゃった婚でめでたしめでたしと思ったら夫が交通事故で死んでしまいました。それじゃあつまらないというので、付き合った相手には妻がいたことにして再スタート。一人で産んで育てることになり、久し振りに会ったクウちゃんが同居して子育てに協力してくれました。そして、クウちゃんはたまたまお母さんに会いに行った先で地震と津波に遭遇、おおリアル。惨状を映し出すテレビを見て、当然死んだかなと思ったら実は生きていましたという悲しみと喜びが交互に訪れる正に悲喜こもごものお話に変更してみました的な。

確かに順風満帆プラス悲劇は面白くありませんでした。初めから後半でやればいいのではないかとも思いますが、あからさまに悲と喜が交互に来るのもやはりつまらないものでした。

脚本の完成度の低さをごまかすために、即興劇の流れでたまたまそういう結果になっただけと言い訳をしているようでした。
目頭を押さえた

目頭を押さえた

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/12/12 (木) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!!!!
演劇の力を見た思いです。

ネタバレBOX

目頭を押さえたとは、修子の笑いながらの話にもあったように、悲しみで涙が流れるのを抑える遺族側の古い因習に由来する言葉だとばかり思っていただけに、途中高いところから落ちた場合の説明があったものの全く気付かず、その場に臨んで、「目頭を押さえてー、目頭を押さえたー」、そういうことか、具体的な作業のことだったかとガツンとやられました。

ワンパターンのカレー攻撃で笑いを誘い、油断させられました。素晴らしかったです。

馨も単に新しい葬儀の方法を持ち込んでいたわけではありませんでした。林業従事者が少なくなって、喪屋を使う機会がほとんど無かっただけのことでした。喪屋を使う機会があれば使うということでした。

それにしても、同じような環境で育った私が木から落ちるとそうなるということは全く知りませんでした。タブーだったため聞こえてこなかったのか、全くの作り話なのか気になりました。

才能のある者と凡人の間における嫉妬、亀裂、そして和解の描き方、凡人修子がどんどんオシャレになっていく様や、ゲームばかりしていた少年が辛い体験を経て一気に跡取り息子として成長した様子の描き方も素敵でした。

修子だってスクープ写真が撮れました。才能とは好きなものに対する持続性の問題なのかもしれません。

拍手が鳴り止まず、カーテンコールは当然の成り行きでした。いいものを見せてもらいました。
ザ・ランド・オブ・レインボウズ

ザ・ランド・オブ・レインボウズ

天才劇団バカバッカ

六行会ホール(東京都)

2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★

壮大なグダグダ
いい加減にしてと思ったのですが、ラストのオチで少し救われました。

ネタバレBOX

子供を連れて日本に帰国した妻を追いかけて米国から来た夫が、妻の言い分を聞いてしばらくおとなしくしているという映画の原案に、ハーグ条約を無視したような内容だと思っていると、さらに米国人俳優が来なくなって、それでもギャラが発生して大赤字、逃げようとするスポンサーに迎合してコンクリート人間や宇宙人が出たりするグダグダさに、どこに映画への思いがあるのかともういい加減にしてほしいと思ったのですが、ラストで「虹の国云々」の方は上映三日でコケたものの、メイキングムービー「虹を追って」の方がドキュメンタリー部門で最高賞を取ったというオチに、壮大なグダグダはこのためだったのかと少し納得しました。

全体にテンションは高いのですが、高いままでメリハリがありませんでした。

美しい女優さんが多いことには満足でした。
KUDAN  ~この地球(ほし)の汚れた片隅で生まれた命~☆無事終演致しました。ご来場ありがとうございました!☆

KUDAN  ~この地球(ほし)の汚れた片隅で生まれた命~☆無事終演致しました。ご来場ありがとうございました!☆

TOKYOハンバーグ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/12/11 (水) ~ 2013/12/16 (月)公演終了

満足度★★★★

大人のおとぎ話
壮大なモー想

ネタバレBOX

大震災が起こる前、自然エネルギーに移行すべく政府は原発廃炉を決めていたというそんな日本で起こった震災後の原発事故現場付近の牛たちの話。

なぜ生まれる牛にマリアと名付けようとしたのか分かりました。除染した土や落ち葉の中に汚れたぬいぐるみが混じっていた理由も分かりました。件(くだん)が生まれたのは、牧場主のマリアの死に対する悔しい思いが牛の胎内に伝播したかのようです。

観客には伝わりましたが、にんべんに牛のマリアには伝わっていません。そりゃ、存在理由について悩むのは当然のことです。せめて長の長老牛ぐらい世話してくれたバイトの娘さんに似ているなと気付いても良さそうなものでしたが、そこは畜生の浅ましさで、無理でした。

森の木が伐採されることは彼らには悲劇ですが、放射能で汚染された廃棄物の中間貯蔵施設の設置場所が決まったということで、已むを得ない面もあります。

白と黒の世界、牛は皆黒毛和牛でした。
ボンボン

ボンボン

みどり人

北品川フリースペース楽間(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/10 (火)公演終了

満足度★★★★

お、も、て、な、し、もありました。
特にオチというものはありませんでしたが、途中途中が面白く、役者さんの堂々とした立ち振舞は見応えがありました。

ネタバレBOX

オーディションで、ここはどこだの質問に、品川ですとか、オーディション会場ですの回答には大笑いしました。体操をすると偽って会場を押さえるなど、苦労されていることも分かりました。主宰さんの気持ちを汲む処世術、またそれに乗せられる主宰さん、みんな人間臭くて良かったです。

一転して、イケメンの男性とデートできるデートクラブにはまり過ぎた女性の悲劇はリアルで強烈でした。

宮本愛美さんのおばあさんは素晴らしかったです。あまり甲高い声にもならず、O脚具合がおばあさんらしく、何より話す内容や夫のあしらい方が正におばあさんでした。

ベランダの植物たちを前半は盛夏、後半では初冬になって枯れていく様子を描いた続き物で終演。演目の構成上こうなるのかなとは思いましたが、少しうら寂しい終わり方でした。

北品川フリースペース楽間は初めてでしたが、舞台と客席の間にある柱が少し気になりました。
『どこか遠くへ行く日』 たくさんの御来場ありがとうございました!!! 次回は4月中旬★

『どこか遠くへ行く日』 たくさんの御来場ありがとうございました!!! 次回は4月中旬★

シアターノーチラス

RAFT(東京都)

2013/12/07 (土) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

同じ舞台装置で
気の利いた小編集。素敵でした。

ネタバレBOX

背後に段ボール箱が置かれた中で引っ越しにまつわる短編が三話。

『東京タワーと傷口』  同棲を解消する男女が引っ越しをする話。女性には心が痛いときに現れるもう一人の自分がいて、言いたいことが言えない本人に代わって本音を吐いたりしてくれますが、もちろん心の中だけの対話ですから相手に伝わるわけではありません。リストカットの回数だけ現れるような存在で心身ともに痛いです。

やはり常に会話を持ち、本音で話すことが重要で、そういう意味では会話の材料になる東京タワーを隠した男性の責任は重く、金に細かい男ですからこの際2,500円×月数分を返してもらいたいところですが、せめて彼女の引越し費用分ぐらいはチャラにしてほしいところですね。

『標本箱と嘘』  標本作りに夢中だった兄を殺した妹が引っ越そうとしているときに、真相に辿り着いた引越し業者が標本にされる昆虫のように酢酸エチルで毒殺されるブラックな話。

標本作りの豆知識が得られました。段ボール箱を持っただけで中身が分かるなどと能力の向上は凄いですが、他人の領域に入ったことが悲劇の原因でした。

『ジャムと筆跡』  三姉妹が荷造りの最中に見付けたメモから、17年前の母の死の真相が明らかになる話。当時二歳児だった三女が朝食のジャムを欲しがってした無邪気な行為が母が交通事故に遭う遠因となりました。

記憶は三者三様。三女は何も覚えていません。次女は出て行ったとしか覚えていませんでした。まるで夫婦仲が悪く、家出でもしたのかと思ってしまいました。長女は覚えていました。黙っていれば良かったものをと思います。やはり長女にはどこかに恨みがあったのかもしれません。
Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★

『クロッシング・マナー』観劇
バタ臭さが似合っていました。

ネタバレBOX

レニーに足を洗わせるために伯父さんが中心となって仕組んだ大きな罠。殺人者として疑われたことに恐れおののいて逃げ出すかと思ったら真相には辿りつけなかったものの、脳天気なレニーは何となく解決し、またやくざな日々に戻るという、血は流れたけれど人は死なず、伯父の心甥知らずの60分の小編。

実力があった上での淡々としたアドリブは見応えありました。

それにしても、当劇団の舞台を一日3本も観る遠征者と思しき女性が多数、大多数と言っていいくらいいるのには驚きました。
アクアリウム

アクアリウム

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了

満足度★★★★

カツカツとガサツ
両極端、それがどうしたって感じ。

ネタバレBOX

生活力の弱い人たちが集まるのがシェアハウス。1982年生まれがジャスト酒鬼薔薇世代で、この年代の人たちは結構気にしていたことが分かりました。

ごっつい体型でがなり立てる売春捜査官にでも出てきそうな刑事が来ましたが、練馬区の人が犯人ではなく、結局港区の人が犯人だったってなんだよーって。やはり遠隔操作でもやられたのでしょうか。

生活保護を受けて貯金までして、そんな違反までしている引きこもりが急に家賃が払えなくなる理由が分かりません。

温度管理と酸素と僅かな餌で魚や藻が住める永久環境が維持できるのがアクアリウムですが、微妙なバランスの上に成り立っているシェアハウスも大変です。それにしてもOLの大家さん、不動産経営を甘く考え過ぎです。入居者不在リスクを忘れています。
ナイス・コントロール

ナイス・コントロール

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしいスタートダッシュ
いきなり、そう来たかあでした。

ネタバレBOX

つどいに集まった面々。記念写真の後、いきなりスイッチオン。素晴らしいスタートダッシュでした。

ホークスの育成選手という微妙な立場の彼は、途中あまり絡まなかったのでいずれ表に出てくるとは思っていましたが、まさか恋人が殺されていて、犯人がいて、そこまでやっていたとは驚きでした。

生の世界に戻るか、死の世界に行くかを選択するにおいて、最初は戻りたいと思っていても次第に死を受け入れていく過程が、彼らの場合様々な事情はありますが、不治の病に罹った人が辿る心の動きを数字の変化で表しているようで興味深かったです。

飲み物の種類で、一応マイナス思考者と呼びますが、その人数が知れるのはグッドアイデアでした。インチキ宗教で儲けるよりも、老いを食い止める方が嬉しいという本音も良く分かります。アイドル歌手の蝿の歌も良かったです。

最大の疑問、それぞれがここに来た理由も明らかになりました。全員一致で地上に戻るのオチは分かっていましたが、過去を清算しないといけない人もいて生きていくのもシンドイですね。とても良くできていました。面白かったです。
『回雪ノスタルジア』

『回雪ノスタルジア』

ラチェットレンチF

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

テンポ良く進み
新しい事実が次々明かされ、そう繋がって来たかと驚きの連続でした。

ネタバレBOX

テンポがあり過ぎて、心臓移植が終わっていたときにはあまりにも省略し過ぎと思ってしまいました。

それが最後まで貫く一連の出来事の伏線だったことが理解できると作品の面白さが急に分かってきました。

そして、テンポがありつつも、なぜ妹がシャブ中になっていなかったのかなどの疑問や、なぜ犯人が撃たれることになったのかなどの経緯について丁寧に再現されていました。

ラストのキャラメルボックスみたいな時空を超えた全編をひっくり返すような解決法は唐突でした。記者仲間の青年は怪我もせず、妹もチンピラの若造に共依存することもなく、その代わり本人は心臓の病でいずれ死亡する、そりゃないぜでした。

主人公は正義の男です。記憶が蘇り、犯した罪を自覚したなら償って然るべしです。正義を貫く悲劇ならそれはそれで良いと思いました。
トリコロールバッドエンド

トリコロールバッドエンド

劇団MAHOROBA+α

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

【Aキャスト】観劇
雰囲気を楽しみました。

ネタバレBOX

三編のエピソードはどれも良かったです。

-赤- レスラーの墓  最近知り合った女性とホテルにいるときに勝手に自殺され、取り繕った男の悲劇。

恥ずかしいから明かりをつけては嫌と、如何にも暗闇を使った意味のある出だしでしたが、実際は初めからドレスを着ていて、それはいいのですが、せめて衣擦れの音くらいはさせて気配を感じさせてくれても良かったのではないかと思いました。

-白- 見知らぬ、花  怖い話。彼女との恋の行方を花占いならぬ蜘蛛占いをする話。蜘蛛がこの男に恋しているのが哀れで、かつ、この場合蜘蛛の足は八本という初めから花占いの結果が出ているのも痛ましい限りです。

白と黒の衣裳をつけた女性が二人くっついて蜘蛛を表現したところが素晴らしかったです。昆虫なら内側の腕を隠せばいいなとアイデアをもらいました。

-青- クドリャフカ  人間に可愛がられ、訓練され、何も知らずにロケットに乗せられ、初期の宇宙開発のために殉じた犬たちの話。行きっ放しのため安楽死させられたり、酸欠で死んだり、行きか帰りに熱で死んだり、そもそも無重力状態で生命が維持できるか試されたりと、今があるのは無邪気な犬たちのお陰です。

しばらくして犬と気付きました。ワンワンは不要かなと思いました。

暗闇の中だとつい目を閉じて耳だけで楽しもうとしがちですが、すると薄明かりになっていて様子が窺えることもあり、こりゃいかんと目を開けたりしました。

暗闇、薄明かりの効果については、-赤-は最初だけ暗闇が有効、-白-は全編の薄明かりは有効でした。-青-は、暗闇と薄明かりのメリハリを付けることで地上と見えない宇宙が表現できていました。

幕間に、気分の悪い人はいませんかと声を掛けて頂く配慮はありがたいのですが、そのまま静かに余韻に浸っていたいという気持ちもあります。大川興業のように、係員の方で暗闇でも見えるグラスを用意しておき、気分の悪くなった人はいつでも手を挙げて合図するというのが良いのではと思いました。
がらくたのスキマ

がらくたのスキマ

雀組ホエールズ

OFF OFFシアター(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

おとぎ世界の活劇
決してブラック企業の話ではありません。

ネタバレBOX

ゲーム会社に勤める目立たない男が、仲間を得て、リーダーシップを取って、みんなでアイデアを出し合って面白いゲームを作ろうと積極的に考えることができるようになれた不思議なお伽話の世界の話。

ゾンビゲームのアイデアを出させるために、ゾンビの気持ちになってみろと社員たちを切り殺す社長の姿に究極のブラック企業を見ました。

もう一人の自分と対峙するまでの物語が長く少々疲れましたが、狭い空間での格闘は迫力がありました。気を失った者を思いっ切り叩くグレーテルが可愛かったです。
虹色の涙 鋼色の月

虹色の涙 鋼色の月

企画演劇集団ボクラ団義

SPACE107(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★

長い活劇
役者さんたちは楽しんでいました。

ネタバレBOX

周りを海で囲まれた小さな国に船に乗った男が流れ着いたことで、外にも別の世界があることをひた隠ししていたいわゆる島の長がもう政権が持たないと判断し、一族支配を放棄しようとしたことから起こった殺人事件を含む一連の騒動。そして、若者たちは新しい世界、具体的には彼らの祖先の国である日本を目指して新造船で出発するという話。

長一族は直近を予知する超能力と色彩が識別できないハンデを併せ持っていますが、きょうだいの中でもそれらの能力が消えることがあり、能力を最終的に保持した者が後継者になるというのが本来の掟のようでした。

ですから、後継者争いを防ぐためにといって生まれたばかりの次男を島民に預けたことが間違いの元でした。最後、長の娘と次男のどちらに能力が残っているのか、まだ決着は付いていないようにも見受けられましたが、その後が気になるところです。

長殺しの解明については、トリカブトを飲むように仕向け、飲ませて刺した長男が犯人であることには間違いなく、苦しんでいる長を最終的に死なせた長の弟を真犯人と言うのは言い過ぎだと思いました。

そろばんパチパチ、いつも確率をはじき出す計算娘が可愛かったです。
ホフマン物語

ホフマン物語

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

一見バラバラな
それぞれの幻想的恋物語はそう繋がってくるのかという思いでした。

ネタバレBOX

元々は歌手ステッラが詩人ホフマンを好いていたのに、全幕を通してマーク・S・ドス演じる様々な悪役にしてやられ、思い出の中でも恋は実らず、現実世界でもステッラはリンドルフ議員に持っていかれ、落胆したホフマンが拳銃自殺を遂げるという話。

ミューズの言った「三人の女が一人の女の中にいる」という言葉は、第二幕の自動人形のオランピア(幸田浩子)、第三幕の不整脈娘20歳のアントニア(浜田理恵)、第四幕の高級娼婦ジュリエッタ(横山恵子)の三人の要素、具体的には芸術家であり、若い娘であり、高級娼婦であるという要素を、ステッラが全て持ち合わせているという意味でした。

理想の女性に振られ自殺したように見えますが、結局のところは、ホフマンの詩の才能に惚れたミューズが彼を連れて行ってしまったということなのでしょうか。

三人のソプラノの競演は、幸田浩子さんと浜田理恵さんが特に良かったです。

当時の科学者と時計職人に共通点があるとすれば、自動人形の衣裳におけるゼンマイ模様の巻きの方向は逆の方が良いのではと思ったりもしました。
ゆびに のこる かおり

ゆびに のこる かおり

大人の麦茶

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/11/29 (金) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

美男美女
みんなスタイル良かったですね。

ネタバレBOX

みんなツンキャラやデレキャラな美男美女で、あまり現実感のない世界でした。

みんな上手く行ってハッピーエンド、めでたしめでたし。

6時間しか持たない記憶、毎日毎日新鮮な恋愛ができます。おむすびの握り方が上手なように、彼は指遣いには長けていて、かつ指の記憶も日々蓄積されているようで、大人な題名通りのオチでした。

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