憂鬱なロケット
シネマクトステージ
シアター711(東京都)
2017/11/22 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★
ちょっとばかり書きづらい感想になった。もしも演出が“憂鬱”というところにこだわったのだとしたら、この舞台は上手く行ったのだろう。観劇した感想を一言でいうならまさにそれだ。主人公の固執は独りよがりで、観ているものをうんざりさせる。それなりの歳になっても学生の頃のトラウマに囚われ、すべてを受け付けない様は、どうにも不可解。舞台上の空気も良い循環をしていなかったように思われた。キラキラ光るようなキャラクターもいたが、その空気に飲まれてしまったのは残念。
「15」
雀組ホエールズ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2017/11/15 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★
日本人は優しい人種なんだね・・・と思わず思ってしまう。残念ながら誉め言葉ではない。こういう話、舞台には多すぎる。せめて舞台の上ではなのか?そうあって欲しいのか?出来過ぎのお伽噺のように感じ、イライラした。もう少しリアルな展開の方が観ていて興味惹かれたのではないかと思う。始まってすぐにラストが見えてしまうようなものでは面白みが足りない。しかし、それでも出演者の熱気やキャラ作りの面白さは十分感じられた。次回はもう少し脚本と出演者のバランスが取れることを期待したい。
二進法の砂
劇団 バター猫のパラドックス
劇場MOMO(東京都)
2017/11/08 (水) ~ 2017/11/13 (月)公演終了
満足度★★★
確かに素敵な話だが、突っ込みたい部分が多い。出演者も悪くはなかったが、年齢的に無理を感じるものも有り。映像センスは良かったが、インパクトが足りない。全体的にゆるゆるとした感じで、話に切迫感や緊張感、スピード感が無い為、インパクトが足りない。ここはというところでガンとぶつけてくるような演出が欲しかった。とても好印象はリサ役のお嬢さん、とても愛らしく、この役にはぴったりに思えた。
ミュージカル「魔界王子 devils and realist」 the Second spirit
CLIE
新宿FACE(東京都)
2017/11/04 (土) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
少々わちゃわちゃし過ぎで、聞こえない部分もあったが、久しぶりに2.5次元で“面白かった”ではなく“大満足!”。2.5次元系のミュージカルの場合、歌はねぇ・・・という場合が少なくないが、しっかりミュージカル畑の方たちもいて、聞き応えのある歌が多かった。また、以前から他の舞台で、ちよっと気になっていた出演者たちの演技の面白さも楽しめた。特に山中健太君、ここまで凄い芝居を魅せてくれるのかとワクワクさせられた。演出も観客を楽しませる作り出し、衣装も目に嬉しいものが多い。続編、絶対観たいです!
HELPMAN!
株式会社オフィスインベーダー
俳優座劇場(東京都)
2017/11/08 (水) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★
最近、舞台は介護もの流行りで・・・今年も何本もそれに関わる作品を観てきた。その多くが介護されるものと介護するものの物語。この作品は、少し角度を変え、介護するものを支えるはずの行政というもの表している。役所というものは“事なかれ主義”で、決まりきったこと以外、なかなか手を出さないものだという実態。そして、介護施設の違い、民間の施設の落とし穴、まったく知らない事ばかりだったことに驚かされた。原作も出来るならぜひ読みたいものだ。ただ舞台上は少々流れが悪い。メインの頼りなさが最後まで前に出てしまった気がする。塩崎こうせいさんがガッと締めた存在だったのが、救いだった。
青の鳥 レテの森
ハグハグ共和国
萬劇場(東京都)
2017/11/01 (水) ~ 2017/11/05 (日)公演終了
満足度★★★★
劇場入ってすぐに感じたセットの森の感覚、オープニングの映像、ダンス、実にそそられ感があった。この劇団、小劇団としては動きの美しさはなかなかのものだと思う。ストーリーとして、少々無理があるが、出演者に引っ張られて観てしまったように思う。衣装も完成度はそう高くないにもかかわらず(ラストの白い衣装は別物!)、動くことに合わせ、また個人個人ではなく一体として美しいものがあった。しかし、殺陣だけは(殺陣と言っていいものか?)あまりにも稚拙。あれでは相手を倒す前にやられてしまう。もちっとそちらの方も力を入れて欲しいものだ。とは言え、楽しめた作品である。
父母姉僕弟君
キティエンターテインメント
シアターサンモール(東京都)
2017/11/02 (木) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★★
思い出というもの、心の中の引き出しに入っていく。新しいものが入ってくれば、それはどんどん奥の方に入ってしまい、取り出すのにはきっかけが必要になる。決して消えていくわけではない。などということを思いながら観ていた。基本好きなタイプの脚本ではない事に始まってすぐ気づいたが、出演者の演技に釣られてみ観てしまい、なぜかラストにはじんわり来てしまった。
燃えあがる荒野
ピープルシアター
シアターX(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/24 (火)公演終了
満足度★★★★
感想を聞かれると困る・・・そんな感じだ。広がりのある薄の舞台。すべてがそこで演じられる。満州の平原のイメージは解るが、入れ代わり立ち代わり、人と場所が移動していくので、それを理解するのに一瞬戸惑う場もあった。また、聞きなれない人名や地名などが多いので、そちらにも耳が対応しきれない部分もあったように思う。大作ではあるが、文章のそれを素直に感じられることが出来なかったように思う。
THE SPOOKY LAND
劇団ベイビーベイビーベイベー
王子小劇場(東京都)
2017/10/25 (水) ~ 2017/10/29 (日)公演終了
満足度★★★
随分と、フライヤーの雰囲気とは違ったように感じられた。ので、期待がずれた分(こっちの勝手な想像ですが)、どうも違和感が・・・。導入部からインパクトが感じられず、繋がる話もeasyな気がしてならない。パワーはあるが、強弱が弱く、繊細さに欠ける。人の心理描写の細かさとか、話の重みとか、ほんの少しスパイスが加わると、もっと違う印象になるのではないかと思わないでもない。
野畑の飼ってた宇宙人
VACAR ENTERTAINMENT
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/10/25 (水) ~ 2017/10/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
保木本真也さんの演出作品、以前に観て無茶苦茶楽しかったので、この作品にもかなり期待して観に行ったが、予想を上回る面白さに終始笑いっぱなしで終わった。若い出演者たちの吹っ切りにも拍手したい。
死神と9月のベランダ
東京カンカンブラザーズ
ザ・ポケット(東京都)
2017/10/11 (水) ~ 2017/10/15 (日)公演終了
満足度★★★★
バランスの面白い舞台でした。リアルな日常に現れる非日常的なもの。それが人々に深くかかわっている。違和感なく感じられた。子供が傷つけられるものは母心が痛みを感じ、大人の事情という情けないものには腹立たしさを感じた。舞台のどのあたりからかはわからないが涙がこぼれた。
光の帝国
演劇集団キャラメルボックス
THEATRE1010(東京都)
2017/10/04 (水) ~ 2017/10/05 (木)公演終了
満足度★★★
初代メンバーの作品はそれなりに観たと思う。で、しばらくぶりに観た感想として・・・なんというか演技が変わらないというか“キャラメルボックスはこういう演技”という風に決まっているのだろうかと、誰がやってもこういう話し方、動きになってしまうのかと、思わずにはいられなかった。ストーリーは深く考えさせられるものがあったが・・・。
ロイヤルホストクラブ
ミュージカル座
光が丘IMAホール(東京都)
2017/10/05 (木) ~ 2017/10/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
ミュージカル座さんだけに、歌もダンスも安心感がある、とても楽しい舞台だった。だが、一番印象的だったのは“反応の素直なお客様”がとても多い事!拍手にしても、笑いにしても、ここでというところで大きく反応がある。こういうファンが多いのは劇団の大きな財産ですねぇ!確かにファンの方への対応もマメだなぁと感心した。ちなみに女性の衣装は個性があって、華やかなのだけど、対し男性の衣装はちと垢抜けないかなぁ?という気がした。
ペコロスの母に会いに行く
三越劇場
三越劇場(東京都)
2017/10/05 (木) ~ 2017/10/10 (火)公演終了
満足度★★★
普段なら観に行かないジャンルの舞台だったが、出演者の中に昔の友人の名前を見つけて観劇。とても分かりやすい舞台は観客の対象年齢に合わせたものだろうか?わかりやす過ぎて、少々物足りない気がした。しかし、藤田さんのお母さんはかなり可愛らしい!
囚人
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2017/09/27 (水) ~ 2017/10/02 (月)公演終了
満足度★★★
2.5次元でお見掛けしていたいた村田さんが小劇場に出る!その存在感と独特の演技力を持つ充さん。どんな凄いものが観れるのかと、期待大で拝見。しかし、掟破りの林灰二さんの存在に圧されて終わったような気がしないでもない。舞台の上は自由である。こんな演出があってもいいだろう。たらたら話しているようで、しっかり計算されているし、その発想は面白い。しかし、見応えのある役者を使うなら、それを最大限に使うことも考えて欲しい。
レインメーカー
劇団ショウダウン
南大塚ホール(東京都)
2017/09/23 (土) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
愚か者。たがらもの
獏天
Geki地下Liberty(東京都)
2017/09/22 (金) ~ 2017/10/01 (日)公演終了
満足度★★★★
まさに“たがらもの”という登場人物たち、そして生き様。面白い作品でした。オープニングから劇中でキーワードのように語られる「スモーキースマイル」、この影すら見えなかったのは(シリーズの先にはいつかがあるのでしょうが)ちと物足りない。あの劇場にとても雰囲気のあった作品だったと思います。
メビウス‐201709-
リンクスプロデュース
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2017/09/27 (水) ~ 2017/10/01 (日)公演終了
満足度★★★★
A:田代圭佑×今池由佳
(全部で4パターンあり)
とにかく“可愛らしい愛の物語”でありました。若い二人の作る空間は、どこかお伽噺めいていて、純粋でまっすぐな想いが、観客の心に響いてきます。とても初々しさのある二人でありましたが、これがもう少し年上の方なら、もっと違うニュアンスも含まれ、違う印象にもなってくるでしょう。愛とか恋とかいうものは、それを背負った人の生き様を反映するもので、まだ真っ白な二人なら“純粋な愛”。様々な経験を積んだものなら“すべてを受け入れる愛”なんて感じに(あくまで一部の話)変わって来る。そういうのがひとつの作品で表現できる、うんうん!良い脚本であります。Bバージョン観たかったなぁ!個人的に言えば、各プロセスが前半もっと丁寧に作られていれば、後半のほどけていく記憶がもっと効果的に感じられるのではないかと・・・・思わないでもないです。
【第29回池袋演劇祭「大賞」受賞作品】成り果て
ラビット番長
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2017/09/14 (木) ~ 2017/09/18 (月)公演終了
満足度★★★★★
前作とかなりイメージが変わった。ストーリーはそのままであるが、全体的に“泥臭さが抜けた”とでも言うのだろうか?井保さんとしてはかなりスタイリッシュな絵を作ったなぁと感じた。何より驚かされたのは雪島さら紗の成長!前作では“お嬢ちゃん”だった彼女が凛とした、勝負に向かう覚悟を感じさせるようになっていた!これは嬉しい!気になったのはラストの対極の際のコメント、舞台上に障害物が多いので文字が読み取れず。多分舞台正面からはちゃんと見えたのだろうが、上・下手寄りの席だとかなり見づらい。あれもストーリーにとってはスパイスとなるものなので、もう少し見やすいと良かったと思う。
かっぽれ!〜締〜FINAL
green flowers
シアター風姿花伝(東京都)
2017/09/21 (木) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
お初でしたが、良い舞台を観せて頂いたと思っています。一門という独特の世界と絆、押し付けでなく、じんわりと感じさせてくれる舞台でした。最後という事でしたが、登場人物たちの過去もそれとなく織り込まれた細やかさのある舞台でもありました。番外編、続編、観たいです。