罪
Dangerous Box
浅草六区 ゆめまち劇場(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/10 (月)公演終了
満足度★★★★
大変楽しい、賑やかで華やかな舞台でありました。お父ちゃんの奮闘ぶりも良かった!ただどうしても気になるのが、(私だけかもしれないけど)台詞の明瞭度の悪さ。なぜ歌だけでなく、セリフにマイク遣いのあるものとマイク無しがあったんだろう?しかもマイクを通した声が膨らんで聞きづらい。最初のうちはセリフが舞台の上から劇場の中に広がらない気がした。あのサイズの劇場なら台詞はマイク無しで充分ではないのかと思うのだけど・・・。また、その場の状況と動きにに違和感を感じる部分がいくつか・・・ちょっとしたことなので気にならない方が大半だろうけど・・・。大所帯なので仕方ないとは思うけど、出演者の演技力にムラがあったことも少々残念。衣装も頑張っていたし、スピード感もあったし、ダンサーの動きも良かった。ゆえにどうしても気になったいくつかがもったいない気がした。
ごめんなさい、もひとつおまけ、ストーリーからしてこの「罪」というタイトル、これも何か違うような気がしてならない。
君死ニタマフ事ナカレ 零_改
舞台「君死ニタマフ事ナカレ 零_改」製作委員会
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2018/11/29 (木) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
ここまで壮絶な展開だと、ちょっときついのだが、それでも、どうなっていくのかに引っ張られてしまった。そこにある狂気が禍々しく舞台に浸み込んで感じられる。刹那の悲鳴を上げるもの、自分の想いに囚われもがき苦しむもの、かなりの迫力の演技でした。それゆえか、ラストには憤りを感じてしまった。ただのコロシアイではなく、抱えるものと追い込まれたもの、科学に事故に戦争、スパイスが効きすぎるくらい聞いている舞台でありました。
舞台『DAME×PRINCE』歌劇派ステージダメプリ
DAME×STAGE製作委員会
【閉館】AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京都)
2018/12/01 (土) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★
出演者には悪いが、ストーリーはあってもなくてもいいような・・・つまりはダメプリのダメっぷりが楽しいわけで、観客へのサービスたっぷり、イケメン君たちを楽しむための舞台ですね。これはこれでいいと思います。結構アニメのキャラには近い感じしました。
世界の終わりに君を乞う。
エムキチビート
博品館劇場(東京都)
2018/12/01 (土) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
銀河鉄道の夜と不思議の国のアリス、まったく違うストーリーが違和感なく、病んでしまった心の中に存在する。罪の意識と、誰かを想う心が交差する展開。ファンタジックであり、語られない被害者の心の傷が、切ないくらい感じられる作品。じんわりと涙が出たのは演技力、歌唱力の有りのキャストのお陰かもしれない。ここ何年かの間に見事に成長しているキャストが何人かいたように思う。
思い出すならAnotime
演劇集団 Z-Lion
シアターサンモール(東京都)
2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
劇場入った瞬間から、セピアのレトロチックなセットに、これはなかなかと、良い舞台の気配を感じた。細かなところにも気配りが感じられる。また照明、これがかなりモノを言っていると思う。柔らかだったり、穏やかだったり、とてもデリケートな灯りが計算されている。暗転もブツッと言う切り方ではなく、ふわっと消えたり
想いを残すように、ゆっくりじんわりと消えたり・・・。いきなりガンと明るくなるということもない。灯りが入ってふわっとやわらかく明るくなる。ストーリー通りの優しい優しい照明。
さてストーリー、実にやさしい、やさしい物語であった。この人たちとこの場所に居たいと思う心が理解できる温かい家族と仲間。人はこうであって欲しいなと思わせるやさしい人たちがいた。
特に誰の演技がというのではなく、全体が作り出す世界が素敵なのだろう。演出の腕の良さはもちろんである。
プレゼンという形で始まるこの舞台、もちろんあなた方の伝えたいことは、確かに観ている私たちに充分伝わってきたと思います。
最初に舞台を観た時に
なぜか少女時代
新しい本を開くときのような感覚があった。
ワクワクするような
ドキドキするような
それらを懐かしく感じているような・・・
こんな物語なら
あと何本でも読みたいものだと思う。
人造カノジョ~あるいは近未来のフランケンシュタイン~
劇団鋼鉄村松
萬劇場(東京都)
2018/11/28 (水) ~ 2018/12/02 (日)公演終了
満足度★★★★
お初観劇。最初からなかなか楽しい趣向でありました。面白いのは面白いのですが、途中どうにも納得のいかない部分がいくつもあり、気になってムズムズした。それが最後で“そういうことですか”と納得させられる・・・なんかずるい気がしないでもない。また、ここまでデフォルメの演技でなくても良いんじゃないかなと、観客をむり無理にでも引き込もうという強気が感じられる。もっとナチュラルな演技なら、もっと自然にリアルに迫ってくるものがあったように思う。
こっちとそっち
劇団時間制作
萬劇場(東京都)
2018/11/14 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
ある程度生きていると、当然いろんな感情や体験の数が増えるわけで、芝居観ていても自分の記憶の中に眠っていた感情が急に溢れ出すことがある。というか、ある程度のことは感情というものの感覚が我が身をもって感じられるわけで・・・しかし、これはそれなりに生きてきたからのことで。この脚本があんなに若い方に書かれていたとは・・・そういうセンスを初めから持っている方なのか?それともそういう資料を読み漁って作ったのか?まさかあの歳で考えられないくらいの体験をしているのだろうか?と狐につままれたような気がした。
さよなら鹿ハウス
OFFICE SHIKA
座・高円寺1(東京都)
2018/11/08 (木) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
なんなんだろうなぁ、この感覚。じわっと感動的なものがこみ上げる。馬鹿でアホで愚かで向こう見ずで、アクティブで立ち直りが早い。我が子だったら、とても頭が痛い存在であろう七人。ただただ必死でただただ夢を追いかけて、自分たちを追い込んでいく。それを越えるか超えないかは各々の生き方なのだけど、そんな風に生きてきた彼らに、この歳になって"自分で思い込んでいた自分の立ち位置"というものを考えさせられていた。それを言い訳に本当になりたい自分から何もせずに逃げて来たんじゃないかと今更ながら考えさせられた。それくらい舞台の上に自分たちの夢に対する熱が満ちていたという事なのだろう。
信長の野望・大志 -冬の陣-
「信長の野望・大志」製作委員会
THEATRE1010(東京都)
2018/11/08 (木) ~ 2018/11/12 (月)公演終了
満足度★★★
SIDE武田・上杉を観た。
原作というか、ゲームをやっていないものには何が何だか?どういう過程で現代人が戦国時代にいるのか?いやいや戦国武将になぜ平成の記憶があるのか?まったく説明がなく話が流れていく。家に帰ってゲームを検索して"ああ、そういう事ですか"となったが、舞台作品としてだけ観たら、わけがわからない。客席にもついていけない内容と長いストーリーにうつうつしている方々があちこちに見受けられた。かくいう私も危なかった。せっかく出演者たちが頑張って、舞台には良い熱が溜まっているというのに・・・。脚本に説得力がなくてはどうにもならない。観る側にも想像力は必要だが、基本設定ははっきりさせる必要があるのでは?
ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑綺譚
「ニル・アドミラリの天秤」製作委員会
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2018/11/01 (木) ~ 2018/11/11 (日)公演終了
満足度★★★
2.5次元と言えば、映像がモノを言うのが最近の主流。この舞台ではそれがまったくなかった。演出の好みか?予算の問題か?その辺りは不明だが、個人的な意見でいえば、この舞台、映像は有効だったんではないかと思う。照明だけでは世界観が広がらない気がする。
話の流れもどうも流れがすっきりしない。場面場面の繋ぎがぎこちない。原作の持ち味がうまく活かされていない気がするのは私だけだろうか?出演者が悪くないだけに、もったいない気がするのだが・・・。
朝日のような夕日をつれて【STAGE COMPANY】
株式会社STAGE COMPANY
本所松坂亭(東京都)
2018/11/06 (火) ~ 2018/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
昔昔、この作品を初めて観た時"大の大人がおもちゃ箱ひっくり返して遊んでいるような"
そんな印象が残った。オバサンも若かったし、小劇場通い始めて、まだ何年も経ってなかった頃。さて観劇歴?0年経って、そこにいたのは"おもちゃ箱の中で必死に遊びつくそうとしている男たち"だった。汗だくになって、真っ向からこの作品にぶつかるように遊んでいる男たち。遊んでいるのに"一生懸命"という言葉が印象に残る。素の演劇人としての彼らの演技が観れたような気がする。もう少し"抜け"があるともっといいバランスではないかと思わないでもないが・・・。少々力が入り過ぎている気もする。それでも、その姿勢にかなり好感度を持ってしまったので、☆5つ!
紅姫物語【ご来場ありがとうございました!】
劇団えのぐ
萬劇場(東京都)
2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
大変楽しい舞台でした。ストーリーも面白いし、ラストに向けての盛り上がりもイイ!劇団全体の雰囲気もイイ!小劇場としてはかなり満足なのですが、それだけにあえて、もうひと頑張りして欲しいなとついつい思ってしまう。ここというところ、もっとハリが欲しいし、もっと出ると思う。さらにまくしたてるだけでなく、セリフにもっと緩急あれば情緒が出る。妖怪と人間に見てそれとわかるはっきりした区別のある方がストーリーに入りやすい。等々、もったいないと思いつつの部分も感じてしまったオバサンでした。
じくりじくりと蝕まれていく
Antikame?
シアター風姿花伝(東京都)
2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了
満足度★★★
音響・照明、とても良い雰囲気を醸し出している。シンプルだが説得力のある台詞。なかなかいい舞台だったとは思うのだが・・・。先の音響・照明は眠気も呼んでしまう。観たい・聞きたい・理解したい・と思いつつ、欝々してしまったことが残念でならない。
秋の超収穫祭
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/10/01 (月) ~ 2018/10/02 (火)公演終了
満足度★★★
この感想はあくまで、個人の好み的な話。実は今まで短編集を観て、満足したことはめったにない。なんというか、短いものには粗さを感じてしまう。演技にも練り込みの足りなさを感じてしまう。今作も出演者の“やる気”はムンムンと感じるが、造りの甘さにジリジリしてしまった。短いからこそのえぐってくるような感覚が突き刺さってこない。それでも最後の作品の女子高生の存在は秀でていた。飾り気なく、その年頃の女の子の美しさがあったように思えた。
第30回池袋演劇祭参加作品『ギンノベースボール』
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/09/20 (木) ~ 2018/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★
ストーリーのわかっている作品は厄介だ。これからどうなっていくのかという"引き込まれ"がない。どうしても、セットやキャスト演技に目が行き、客観視して観てしまうのはつらい。と、淡々と観ていたが、最後の井保さんの台詞にじわっと来るものがあり"ああ、やっぱり井保ちゃんにやられちゃったなぁ"と感じ入るのであった。
ちなみに後ろのスコアボード、話の流れに対して、動きがあった方が、臨場感があるんじゃないかと思うのだが・・・。
明日ー1945年8月8日・長崎ー(2018年@シアターKASSAI )
演劇企画イロトリドリノハナ
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/09/19 (水) ~ 2018/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
一番印象に残ったことは、質素でつつましやかな生活の中にある喜び。戦時中はそういうものだと、経験者の話に聞き、映画にドラマ、舞台にも描かれている。知らないわけではない。が、この舞台の中にあるそれはとても表情良くキラキラと輝くように感じられた。物のない生活がもたらす、美しさを感じた。
二番目に感じたことは、母に娘たち、父とその弟、キャストが家族として成立しているという事。よく感想として、"カップルとして成立していない"と書いていることが多い私であるが、この家族は見事に成立している!そういうキャストを探しぬいたのか?それとも稽古するうちに、一種の同化があったのだろうか?
ただ登場人物とキャストの年齢的な違和感、早すぎる煮小豆など、細かい部分には多少気になる部分はあったが、良く仕上がった作品だと思う。
おとながたり
ハグハグ共和国
劇場MOMO(東京都)
2018/09/20 (木) ~ 2018/09/24 (月)公演終了
満足度★★★
とても素敵な話です。みんな心根の優しい登場人物ばかりで、片寄遭いながら生きている話です。芝居もしっかりしている方が殆ど、安心して観ていられる作品だと思います。なのに
あんまり良い人ばかり、優しさばかりで、少し物足りないのです。
大人のファンタジー、それに関わらず、お伽噺には隠れた毒がないとと思うのです。特にこの場合、場所も場所ですから、もっと切実にその場に生きる者の辛さや悲しみがあってこそ
ファンタジー的な要素が引き立ってくるのではないかと、思ってしまうのです。綺麗綺麗の話に感動はないというか・・・・・やっぱりきつい現実や悲しみ、そういう毒が隠れていてこそ、救いが欲しくて、報いがあるわけで・・・・・。そこに流れる空気に、男女の場にある据えたような匂いも無く、娼婦の悲劇もなく、台詞では“らしき台詞”はありますが、それを実感させるまでには至らない気がします。芸能界も水商売も、その世界の匂いというか色というか、そういうものが染みつくもので(そういうものが女優陣に付くのは良いことではないのだけど)、この世界のそれが出せなければ、他の設定でも良かったじゃないかと思ったのでした。
戦国夢想曲 花連鬼生伝
夢劇
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2018/09/14 (金) ~ 2018/09/17 (月)公演終了
満足度★★★
ストーリー的には悪くないが、なんというか平坦な演出。“魅せる”“観客を引き込む”という点が弱い。二段になったセットの上下での芝居が上手く絡んでいない。売りの和楽器、もっと前に出すべきだし、殺陣はまだまだ未熟さを感じる。時々出演者が良い芝居を見せてくれるだけに、“もったいない感”は半端なかった。わたし的には秀頼はやはり男性キャストの方が説得力があったように思うが・・・。
恋するアンチヒーロー
羽仁プロデュース
劇場MOMO(東京都)
2018/09/06 (木) ~ 2018/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
嘘に嘘を重ねて、どんどん深みにはまっていく主人公。コメディーとしてはよくある手法ではあるが、観ている側の胃が痛くなるほど、切羽詰まる主人公とその先輩たち。確かにきついくらい笑える。わからないのは彼らの存在の境界線が見えない事。あくまで映像作品の登場人物なのか?それともリアルにそういう人物たちなのか?途中ヘルタイガーの行動でどうにも理解できなくなった。
かくりよの宿飯
株式会社ADKアーツ
シアターサンモール(東京都)
2018/09/05 (水) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
演技力的にはムラがあるが、ストーリーが面白い!ついつい引き込まれた。まだ謎が多く残っているので、続編の上演希望。若手の頑張りを感じられる舞台だった。