ひなつの観てきた!クチコミ一覧

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庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』

庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』

庭劇団ペニノ

シアタートラム(東京都)

2010/06/06 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

2010.06.10.1930
 

『SHIBAHAMA』  遂に本日千秋楽!!!当日券出ます!!ぜひぜひおこしください。

『SHIBAHAMA』  遂に本日千秋楽!!!当日券出ます!!ぜひぜひおこしください。

快快

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/06/03 (木) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

ある意味、伝統芸能の正統な継承
現代に置き換えた談笑の「シャブ浜」とか、嘘をつき、拾った金を隠した妻を殴打する話にしたりとか、古今の噺家たちが懸命に新たな「芝浜」作りに挌闘してきた歴史からポンと突き抜けちゃってるのに、紛うことなき「芝浜」だったなあ。

ネタバレBOX

もちろん、言葉だけで語り尽くす落語という芸には敬意を払いつつも、劇場全体を使って感応させちゃう祝祭的な力って、やっぱりスゴイよねと思う。

そういう意味でも、これは紛うことなき演劇です!

そしてまた、わりと「アリ」的な美談として描かれがちなこの噺を、あえて「キリギリス」的なダメ人間感で貫いていたのも心地よくて♪
そうそう、そんなきっぱり酒とか博打やめられるなら、最初から溺れねえよ、みたいな(笑)。

いやあ、なんか、かつて芝居小屋が、廓とおなじく、「悪所」と呼ばれていた頃の猥雑さを甦らせちゃったかも☆
ウェルダン

ウェルダン

リトルモア地下

リトルモア地下(東京都)

2010/06/04 (金) ~ 2010/06/06 (日)公演終了

洗練された野蛮
なので、ホットプレートの存在が文明的すぎた感も。生肉を喰らって欲しかった!?

恋女房達

恋女房達

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2010/06/03 (木) ~ 2010/06/08 (火)公演終了

男性受けする、北島亭的なフレンチ
教養のある年配の方(とくに男性)を虜にしてしまう、夢十夜とかを彷彿とさせる知的な作品群。なにより、昭和なお茶の間の風景が素敵☆ 反面、OL会話とか、赤い糸の若者の雰囲気はすこし弱かった感も。

ネタバレBOX

あと、個人的には、
多くの人が喩えているフレンチのディナーでいうと、
後半3本は「魚料理」「グラニテ」「肉料理」という皿だしになっていたけれど、
個人的には、デザートと珈琲、あるいは食語酒としてマールやカルヴァドスで締めて欲しかった気も。3分の小品でいいので。
まあ、カーテンコールがそうだった、ともいえるのだけど。
ペール・ギュント

ペール・ギュント

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2010/06/05 (土) ~ 2010/06/05 (土)公演終了

オーケストラがないからこその一体感に満ちた、生の音楽劇!
役者たちの台詞と身体と演奏で舞台が埋め尽くされる幸福な時間が、とても心地よかった。なかでも、指揮をする姿がときとして物語よりも饒舌で魅力的だったりも。

ネタバレBOX

だからこそ、反対に、音楽よりも台詞の比重が増える後半は、少し祝祭感が薄れてしまったのは残念。

ただそれも、おそらくあまり演劇慣れしていない観客にむけて、多様な演劇の魅力を伝えようと、ひたすら盛りこんだ結果なのかもしれない。
ああ、楽しかったね、だけであえて終わらせず、毀誉褒貶を意識的に生みだし、終演後にそれを語りあわせることで、演劇への興味をさらに広げようとした試み、にも思える。
4.48

4.48

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」(静岡県)

2010/06/05 (土) ~ 2010/06/06 (日)公演終了

死や暴力よりもなお、
「生の痕跡」への執着が強調されていた印象。あるいは病や薬物によって、人形のように自分が操られてしまう不安が。

クセナキスキス

クセナキスキス

The end of company ジエン社

d-倉庫(東京都)

2010/06/03 (木) ~ 2010/06/06 (日)公演終了

満足度★★★★

さあ、お代は観てのお楽しみ、でも先払い、返金不可♪
進化の袋小路という言葉が思い浮かぶ。現代口語演劇のガラパゴス。はたまた、手足をもがれながら、それでもなおこれは退化ではなく進化だと、蛇を指差して語るさまは、あたかも、大きな板に赤い文字で「大イタチ」と書いて客を湧かせた江戸の粋のよう。まったく違うかも(笑)。

ネタバレBOX

演劇を好きすぎるがゆえに、そんな自分がなんだかちょっと【気恥ずかしく思う】からなのか、はたまたほんとうに演劇は恥ずかしいものと感じてもいるからなのか、正攻法では愛を語れない【もどかしさ】を漂わせ、逆に、演劇って【気持ち悪い】よね~ と、自虐的に語ってしまう【屈折した素直さ】がやけに愛おしい。

一見すると小劇場的にはお金の【無駄遣い】にも思わせる、物語も役者も観客もあまり助けないようにもみえる【具象的な舞台美術】を、ある瞬間から反転させて意味のあるものに変えてしまった仕掛けには驚かされたし、
演技の質がかなり違う役者たちをそのまま舞台に乗せて、その【違和感】をも主題に巧みに盛りこみつつ、ときおり、それはもともと違う楽器たちなんですよ、だからこうやるとオーケストラになる、といわんばかりに見事に音が合わさった瞬間は心地よい。

けっこう性能のいい武器をもってたりするけどあえて使わず、でも投降もしないという【潔くない閉塞感】が【駄目】すぎるくらい溢れていて【珍獣】のような可愛いさ、なのだけど、はたしてそこはほんとうに戦場なのか、という【疑問符】はちょっと付くので、たぶんはじめて【お薦めはしない】をあえて♪
しゃぼんのころ

しゃぼんのころ

マームとジプシー

STスポット(神奈川県)

2010/05/26 (水) ~ 2010/05/31 (月)公演終了

満足度★★★★

淡く、儚く、そして。
前作よりも、論理的、技巧的な部分が薄らいでいて、もっと行間を感じられる、やわらかに綴られた素敵な物語に。その肌触りゆえに、基本的にはとても暖かで気持ちのよい時間を過ごせたのだけど、でもそれだけでなく。

ネタバレBOX

最初は、少女たちが小鳥のように囀るような会話を、どこか懐かしさや憧れをもって心地よく聞いていたのだけど、そのうちだんだんと“あの頃”の自分がかすかに甦ってきて、ようやく感じはじめた他人との距離への戸惑い、急激な身体の成長と同調するような閉塞感、まるで先のみえない不安な気持ちなどを思い出す。
それはほんとはじつは些細で他愛ないことばかりなのだけれど、それでも簡単に押し潰されそうになったことなどを。

だから絶対に、あの頃になんかもどりたくないけれど、
それが儚く消えるような一瞬の、
まさに「しゃぼんのころ」のような繊細で大切な時間、だったのは間違いない。
いまはもう、その泡はおおきな海と混じり、すこしも原型をとどめていないとしても。
寝台特急”君のいるところ”号

寝台特急”君のいるところ”号

中野成樹+フランケンズ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/05/20 (木) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★★★

生演奏に痺れる
中野成樹は、演劇の一番の魅力は「ライブ性」ではなく「ウソであること」だと昔からいいつづけてるらしいんだけど、だからといって中フラの作品にライブ感がないわけではまるでなく、今回なんか、一枚のアルバムを聴いたというよりも、一度だけのセッションを体験できた感じで、ほぼ繰り返し忠実に再現しているんだろうけど、どこか漂う即興感、という嘘(?)がたまらないのです♪

しかも、曲と曲のつなぎ目が少しガタッ、ゴトッとしていて、それだけで線路のうえを走っている旅気分を味わっていると、いつしか素敵な場所に辿り着いちゃったよ、わお!

旅、旅旅

旅、旅旅

ロロ

王子小劇場(東京都)

2010/05/06 (木) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

再見
二度目ということで観る側の理解度が数段増していることを差し引いても、初日にくらべ解像度がはるかに高まっていた印象。だからようやく、ああ、こんなにも丁寧に積み重ねていたのか、一見するとシュールとか感覚的に映るけれど、きっちりと論理が貫かれていたなあ、と納得。そして前回に書いた感想を全面撤回したいぐらい、いろいろと見えていなかったことの多さに恥じいる。

ほんとダメだね、頭の固い大人は…。

旅、旅旅

旅、旅旅

ロロ

王子小劇場(東京都)

2010/05/06 (木) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

柔らかく淡い、確固たる凝固
水彩を重ね塗りして油絵の質感を生みだそうとしているようにも、思えた。
伝えたいこと、感じて欲しいこと、惑わそうとする企み、などが色々な技法や絵の具によって描かれていたようにも。劇中、フランスの名付けがふたたび繰り返された瞬間、紛うことなき洗濯機なのに、それがあたかもエッフェル搭であるかのように立ち上がってみえたシーンがなにより素敵☆

ネタバレBOX

ちょっと、かつて「夢の遊眠社」に対して、大人たちが戸惑っていたことも、ふと、思い出す。
そう、この作品は、たとえば演劇慣れしている知識・経験豊富な観客ほど、描かれている世界のすべてを安易に手中に収めようとして失敗するような気が、する。

なぜなら、一瞬一瞬は平面的な水彩画だから。
あるいは、情報が愉快に過剰で、案外と、立体化した型状の絵画として観賞するために観客が強いられているものが多かったから。

たとえば、登場人物の配し方や照明などがかなりフラットで、強弱という視点への導線が敷かれていないあたりに少し不親切さを感じたりもした。
だから、もっと整理すれば簡単に「売れる商品」にパッケージできてしまうのに、とは思ったものの、そんなに早々と「熟れる」必要なんかあるはずはない。

もっと大きく実ればいいと、願う。

だって、これはもう、君たちの演劇なんだから。
動け!人間!

動け!人間!

鰰[hatahata]

アトリエ春風舎(東京都)

2010/04/16 (金) ~ 2010/05/05 (水)公演終了

満足度★★★★★

4時間の愛おしい愉悦
淡水魚2回目で、まずはお詫びと訂正を。前回の感想で稽古場を覗き見する面白さ的なものを強調してしまったけど、じつは大間違いでした…。楽日の今日は、もう、完璧に4時間の作品になっていたんです!!!

ネタバレBOX

最初に、前回までに作られた作品を上演し、約3時間の稽古のあとに再上演するわけですが、これがもう雲泥の差で。もちろん稽古によって練られていく部分もあるんだけど、おそらく役者の身体の温まり方みたいなものがおおきく違うので、最後の上演では、もう、一気にギアがあがる感じに。しかも、おなじ時間を共有した観客による密度、濃度も高まって、ああ、もっと観ていたい、これで終わっちゃうなんて寂しすぎる、という、あたかも千穐楽の役者が感じるかのような心境を疑似体験できてしまったんですよね。だから最後、離れがたいような愛おしい空間になっていて、ああ、気持ちいい、いい湯加減だあ、大満足♥
宇宙でマヤ印

宇宙でマヤ印

マヤ印

atelier SENTIO(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★★

好企画!
4演目11公演(4日間)を、一回チケットを購入すれば何回でも観ていいというお得な公演。ほんとに、時間があればもっと観たかったなあ、残念。とくに『致富譚』(ちぷたん)は、なにかいろいろと企まれている気配だけでも楽しく、そのうえ、atelier SENTIOの白い空間と相まって、いつまででも観ていたいように寛げる時間になっていたと思う。もちろん、舞台上に刺激的でピリピリしたなにか、とかも存在したからではあるけれど。

15 Minutes Made Volume8

15 Minutes Made Volume8

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

粒揃い
ますます企画としてのまとまりや充実度が増した印象ですが(驚くほど美術・照明・音響に統一感があったし)、
反面、完成度の差はあっても、どこも突出を感じられなかったのは残念かも。
なんだろう、たとえば胡椒は、ミルではなく石臼で挽いたほうが粒が粗く不揃いになって、香りがより立つ、みたいな感じ?
もちろん、90分での満足度は重要ですが、
自分の場合、こういう企画では15分でいい、いや1分でもいいから、
初体験な驚きを求めていたりするんですよね。
まあ、ここが入口じゃない人間の意見なんで、まったく参考にする必要ないですけど(笑)。

動け!人間!

動け!人間!

鰰[hatahata]

アトリエ春風舎(東京都)

2010/04/16 (金) ~ 2010/05/05 (水)公演終了

「淡水魚」
普段あまり観られない稽古風景を約3時間(本場含め4時間)体験できるので、初心者を含めて、演劇に興味のある人にはかなりお薦め♪ なにしろ、最初に前回までの稽古で作りあげた作品を上演して、最後にふたたびその日の修正・変更・改善などがくわわった作品が観られるなんて機会は滅多にないはずだから。途中入退場自由だというのに、最初から最後までみつづける人がけっこう多いというのも、納得ですよね?

ネタバレBOX

もちろん真剣な稽古とはいえ、演出家も観客を意識していて、それを踏まえて、その時間、空間を作品にしようとしているから、 しっかりエンターテーメントになっている点も見逃してはいけない評価ポイント。
動け!人間!

動け!人間!

鰰[hatahata]

アトリエ春風舎(東京都)

2010/04/16 (金) ~ 2010/05/05 (水)公演終了

満足度★★★★

「深海魚」
神里雄大と白神ももこのW演出による、見せ場づくしな波状攻撃が繰り広げられ、「観たことのない新しいパフォーミングアート」の海に溺れる。でも、拝見したのは初日だったから、その後にはもっと深い海の底へと引きずりこむような作品になっているかもしれず、そのときには、素潜りでは危険だったり、陸にはもどれなくなる可能性も? でも、もう一度観たい、エラ呼吸とかしながら、観る。

L0VE The World 2010

L0VE The World 2010

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2010/04/23 (金) ~ 2010/04/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

再見
初日の作品の佇まいは、自分の先入観や接し方の影響も大きいとはいえ、あくまでもこれまでに慣れ親しんでいる『L0VE』に限りなく近しいもの、だった。けれど楽日の今日は、まごうことなく『L0VE The World 2010』が、まったく新しい世界観を従えて濃密に立ち上がっていた。

ネタバレBOX

なんだろう、冒頭の、荷物を周囲に結界を張るかのように配していくシーンから、密度が違う!?  さらに、はじめて出会うふたりが遠慮がちに距離をとっているのにくらべて、背後に映しだされる互いの影の近さに、人が人と親しくなりたい気持ちを秘めていることが漂う場面でも、その思いがより強く滲んでいたり…。

たぶん、もしかしたら初日には、海を越えて渡ってきた韓国人俳優が半数の座組ということもあってか、異文化が出会うときの戸惑いがまだ全体を支配していたのかもしれない。 
けれど、どこかを境に、異文化と出会う喜びに満ちた世界へと、舞台は一気に染めかえられたにちがいない。

だからもう、ここでは国境や民族や人種という垣根はあまり関係なく。
ただ、あるのは個人の、ひとりの人間の想い。
すべてがそこに収斂していくからこそ、
『L0VE』という、大きく、ある意味とてつもなく抽象的な言葉が、
今回は、最後に『I LOVE YOU』と具体的な形で強調されたのではないだろうか。
鋭く、人のこころになにかを突き刺し、はげしく揺さぶり震わせる形、で。
L0VE The World 2010

L0VE The World 2010

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2010/04/23 (金) ~ 2010/04/27 (火)公演終了

あたかも所信表明のような、
多田淳之介芸術監督による就任第一作。

ネタバレBOX

これまで『L0VE』で繰り返し描かれてきた原初的な「愛」についての物語だけでなく、新しい「世界」へ旅立つことへの強い決意が語られていたように感じられた。けれど、人によっては、都市生活者の孤独に思いを馳せるかもしれないし、多田版『冒険王』だよとキラリの初代芸術監督の平田オリザを連想するかもしれない。つまりは、台詞がほとんどないながらも、影にすら過剰に喋らせる、ひたすら多様で饒舌な作品。
背伸び王(キング)

背伸び王(キング)

コマツ企画

小劇場 楽園(東京都)

2010/04/21 (水) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

女子必見!?
いや、もし自分が女の子だったら、舞台の上で王のように君臨する男優たちに惚れてしまうのでは、と思わされるような格好良さ。息のあった、気持ちのいい間がいっぱいあったんだよ、とは、なんだか刺激的なジャズの演奏を聴いたかのような感想だけど、おおむね女子はそれよりジャニーズが好きですか、そうですか、でも、そうじゃない“素敵女子”もたくさんいるはず! と、ちょっと信じてみたい気も。

ORGAN 【ご来場ありがとうございました。次回公演は9月中旬】

ORGAN 【ご来場ありがとうございました。次回公演は9月中旬】

elePHANTMoon

サンモールスタジオ(東京都)

2010/04/07 (水) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

ドナー編を拝見
2010.4.17.1930

ネタバレBOX

物語を語るだけの言語情報が多すぎて、逆に、舞台上での情報やノイズを減じさせることになり、薄く感じてしまったりも。
そういう意味でも、
夫婦と移植コーディネーターによる3人芝居、ぐらいの濃度で観たかった気が。

あと、
舞台前面の美術に照明が当たって、役者の顔や舞台に不要な影を生じさせていたのは、かなり気になったなあ。

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