遺産相続。
LEMON LIVE
駅前劇場(東京都)
2010/10/23 (土) ~ 2010/11/03 (水)公演終了
満足度★★★
そんなことだろうと
たったひとりの女優さんが、やっぱり良い味。主演の佐野瑞樹さんって、J事務所なのですね。後から知りました。そういえば、ひとり演技が浮いていたかも。でも、脇が達者な方ばかりですので、安心して観ていられる・・・かな?
地域演劇の人々
弘前劇場
スタジオ・デネガ(青森県)
2010/10/09 (土) ~ 2010/10/11 (月)公演終了
満足度★★★★
台詞まわし
公演を控えた弘前の劇団。稽古という劇団の日常と稽古という劇中劇。主宰の作家兼演出家は闘病中。淡々とした進行の中から立ち上がる事情と事実。津軽弁の中に混じる、外国(中国)人の独特のイントネーション。なぜか安心感のある役者さんたちの台詞まわし(なまり)が、私は好きなんだなぁと気づきました。
滝の白糸
松竹
三越劇場(東京都)
2010/10/07 (木) ~ 2010/10/26 (火)公演終了
満足度★★★
実力
歌舞伎役者が新派へ。主役として幹部1名なら、今までにもいくらでもあったのでしょうが、今回は中堅が四人。それぞれに仁にはまり、しっくり溶け込んでいたのは素晴らしかったです。ただ、春猿丈はビデオででも研究したのでしょうか、玉三郎丈ならこうだろうと予想できる(実際の公演は未見)様子で、あたかも「型」のような演技に少し疑問を感じました。猿之助一門にはこれからもなかなか大舞台への声がかからないかもしれませんので、いろいろな試み(来年2月には右近丈でシラノ)があるようですが、確かな実力を持っているのですから、その「使い方」を松竹には誤って欲しくありません。
山火
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2010/10/17 (日) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★★
歴史
日本からの解放後、朝鮮戦争最中の小さな村。争いの中で、いちばん苦しい思いをするのはいちばん弱い人たち。悲しいけれど、直視すべき物語と感じました。翻訳の木村典子さんはこれまでにも韓国語の戯曲を翻訳されてこられたようですが、ちょっとシェイクスピアっぽい(=小田島調?)感じで、リアルな会話劇のはずが、少しまわりくどい印象を受けました。もちろん、作品の出来に影響するほどではありませんが。
ポテチ
BS-TBS
青山円形劇場(東京都)
2010/10/14 (木) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★
美術
「叔母との旅」で久しぶりに青山円形劇場のシンプルさに満足した目には、この美術は作り込み過ぎるように見えました。それと、いくらなんでもチケット代が高過ぎます。が、ベテランおふたりのさすがの貫禄に、星ひとつずつです。
カエサル
松竹
日生劇場(東京都)
2010/10/03 (日) ~ 2010/10/27 (水)公演終了
満足度★★★★
お腹いっぱい
原作者の塩野七生さんは、カエサルを描くために全15巻(単行本で。文庫本だと倍くらい。)の物語を書ききったと仰っているようですが、それだけ魅力ある、そして、〝ローマ帝国〟には重要な人物(本人は共和制を推進)。
回想の中でさらに回想が差し込まれるので、できれば観る前に舞台の構成を知っておくと、途中で置いていかれないで済むかもしれません(パンフレットは少々高目の1,500円)。
ほとんどの人がカエサル(シーザー)の最期は知っているわけで、ルビコン河やクレオパトラとのエピソードも有名過ぎるし、外せないしで、2時間半でもとうてい足りない感じですが、よくまとまっていると思います。
大劇場で大役者(幸四郎)主演なので、脇役も豪華過ぎてもったいない。そんな中、青年座の檀さんと佐藤さんの健闘に拍手です。
ヴァニティーズ
古川オフィス
こった創作空間(東京都)
2010/10/12 (火) ~ 2010/10/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
オフらしく
正確に数えたわけではないので間違っているかもしれませんが、50人も入らないのではという狭い小屋で、オフというよりオフオフに近いかもしれません。そんな空間でこそ「ヴァニティーズ」の良さは発揮されるような気がします。みっつめの場面で明かされる諸々を知っていても、そこへたどりつく3人それぞれの個性を楽しむ芝居。何度観ても、やっぱりまた観たくなる。ロングラン(オフで1785回らしい)するだけの面白さ、何年経っても色褪せない面白さです。
月が水面に忍び来るがごとく
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2010/10/15 (金) ~ 2010/10/21 (木)公演終了
満足度★★★★★
凝縮
1時間20分という短い時間でしたが、緊迫した台詞劇でした。冷たいエリート然とした役どころが多い印象の横堀さんが、50過ぎの冴えないおじさん役で、それでも妻を愛しながら苦悩する男を熱演。もちろん妻役の小暮智美さんの堂々たる演技も素晴らしかったです。
「天保遊俠録」「将軍江戸を去る」
国立劇場
国立劇場 大劇場(東京都)
2010/10/03 (日) ~ 2010/10/27 (水)公演終了
満足度★★★★★
台詞劇
真山青果作品はやっぱり骨太。「天保遊俠録」(勝海舟のおとっつぁんの話し)と、「将軍江戸を去る」(無血開城と慶喜)を一度に観られるなんて、さすが国立劇場ですが、次は誰で何十年後?という感じです。吉右衛門さんはどちらも素敵ですが、ここでもやっぱり染五郎さんに感心。「天保遊俠録」ではまさに役の上でも叔父甥の関係なので、もう二度と観られない組み合わせなのかと・・・。吉右衛門さんの娘さんか、紀保さんか、たか子さんの子供が歌舞伎役者にならない限りもう観られないのですもの。
葬送の教室
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
満足度★★★★★
今年のいちばん
あの事故から25年。ずいぶんと年月が経ったのだと思いますが、25年経ったからこそできた舞台なのかもしれません。いくつかの小説になり、それを原作にいくつかの映画が作られましたが、そのどれも読んだり観たりしていませんでしたが、この舞台ひとつで、私は満足です。「天皇と接吻」の衝撃と同じ衝撃を感じました。恐るべしスズナリ。
フツーの生活 宮崎編
44 Produce Unit
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/11 (月)公演終了
満足度★★★
三部作
これを最初に書かれたということで、やはりという印象です。沖縄編、長崎編それぞれ良かったですが、宮崎編がいちばん完成度が高く、納得できる内容でした。他の二作とは違い〝戦後〟の話しということもあるので、喜劇の場面でも素直に笑える感じです。
カラムとセフィーの物語
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/14 (木)公演終了
満足度★★★★
タイトルロール
シェイクスピアの国イギリスで、かなりの評判だったそうで。架空の国ではありますが、世界のどこかで同じ物語は繰り返されているのだろうなと。タイトルロールお二人の瑞々しく、真摯な演技に引き込まれました。悲劇的な結末を想像しながらも、最後まで見届けたいと思わせる舞台でした。
ヘッダ・ガーブレル
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2010/09/17 (金) ~ 2010/10/11 (月)公演終了
満足度★★★★
意気込み
宮田さんの並々ならぬ意気込みを感じました。演出家としても、プロデューサーとしても、今後に期待します。新訳なので、以前観た「ヘッダ」の古めかしさは感じられず、そのせいなのか〝ここで笑うか〟という場面で客席から爆笑が上がってしまうのが残念でしたが・・・。国立の劇場ですから、パンフレットが充実していて当然だと、私は思います。
日本人のへそ
劇団テアトル・エコー
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2010/09/18 (土) ~ 2010/10/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
先見
これが井上ひさしの舞台戯曲処女作(?)。1969年当時はかなり過激な内容だったと思うのですが、評判をとりながらある意味「問題」にならなかったのは、テアトル・エコーが弱小だったからなのでしょうか。「アイウエ王」「カキクケ侯」に始まる数々の言葉遊びも、後の戯曲に繋がる感じです。また、音楽が服部公一さん。こちらも後の音楽劇と遜色の無い感じ。また劇中、見舞いの果物籠が届く場面があり、故人・存命を問わず実名だったのに少し驚きました。ブラック、シニカル、下品でドタバタな内容ですが、きちんと成立させる劇団のパワーはお見事です。ストリッパー役の女優さんたちの思いっきりの良さに役者ってやっぱりスゴイと思いました。同性同士のシーンも、よくぞ40年前にこのシーンを差し込んだものと、井上さんの先見に脱帽です。
樫の木坂四姉妹
劇団俳優座
シアターX(東京都)
2010/09/20 (月) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
満足
ベテラン女優さんと若手女優さん。確かな演技に裏付けられた劇団の見事さ。まるであて書きの様に嵌まりこむ安心感。贅沢なひと時でした。名誉のために申し添えれば、各時代の脇を固めたみなさんもまさに嵌まり役。さすが俳優座です。
窓
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2010/09/16 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了
満足度★★
ZZZ
もろもろ惹きつけられて観劇を決めたはずでしたが、どうも私には合わないようでした。始まりから諦めムードで、睡魔に勝てず・・・。そんな中、高橋一生くんの「エネミイ」同様の演技に、良い意味で安心してました。
秀山祭九月大歌舞伎
松竹
新橋演舞場(東京都)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
満喫
昼夜通しで贅沢な演目揃い。
昼夜ともお目出度い舞踊で始まって「沼津」「荒川の佐吉」「俊寛」「引窓」。これだけで国立劇場歌舞伎鑑賞教室2年分です。
ここに昼夜、藤十郎丈、芝翫丈、富十郎丈と、3人の人間国宝の舞踊がおまけのように観られるなんて、今(歌舞伎座休場中)ならではかもしれません。
もちろん、座頭として吉右衛門さんは大活躍ですが、しっかりと寄り添うように修行する染五郎丈に嬉しくなりました。
それと、このところめっきり老け役が増えた歌六さんですが、「佐吉」の成川のようなお役、ぴったりだと思うので、これからももっと観たいものです。
トロイアの女たち
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2010/09/07 (火) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★★
新しいビル
古めかしいアトリエはそのままに、新しいビルが建っていて、びっくりするやら安心するやら。
アトリエを十二分に活用したセット(舞台機構)が印象的でした。
膨大な台詞に1時間25分、緊張感が途切れることなく、圧倒されました。
ビリーバー
シーエイティプロデュース
世田谷パブリックシアター(東京都)
2010/09/03 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
意外な
チラシの感じでは、よくあるアメリカンハートウォーミングな感じかなと勝手に想像していましたので、作者が、9.11テロをきっかけに書いたと知って、少し驚きました。ひたすらサンタクロースを信じる主人公を前に困惑する妻と子供。草刈さんと風間さんが兎に角好演です。もちろん、川平さんも魅力全開。
心の止り
劇団俳優座
シアターX(東京都)
2010/09/09 (木) ~ 2010/09/15 (水)公演終了