雨の一瞬前(再演)
ユニークポイント
ザ・スズナリ(東京都)
2009/08/14 (金) ~ 2009/08/16 (日)公演終了
満足度★★★
終戦記念日にふさわしい
事前にあらすじをざっと見て、想像していたとおりの内容。
この作品に意外性などの要素を求めるものではないので
それは全然問題ないのですが、もっと現実の不条理さに
切り込んでくれても良かったのに、と感じました。
これでは、少し戦争が美しい記憶のように感じられてしまう。
連日の空襲、明日は身の上かもしれないという恐怖、
劣勢な日本、言葉も行動も、思想までお国のため、
そんな抑制された半狂乱な時代っぽく描かれていないのが
ぼく的に、リアリティに欠けて見えたのかもしれません。
でもこの作品を終戦記念日に観れてよかったと思いました。
斎藤幸子【作:鈴木聡 演出:河原雅彦】
パルコ・プロデュース
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2009/08/14 (金) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★
ああ、なんて清々しい気持ち
たぶん鈴木聡さんの、脚本の賜物と思われるのですが
何度も打ち寄せる波のように見所が押し寄せてくるリズム、
すごく心地いいのです。3時間という長丁場でも楽々観劇。
斎藤由貴さん、舞台役者としての動きはまだまだな感じも
否めませんがとにかく魅力的に描かれています。
キャスティングが個性派揃いで埋没するかと思いましたが
上手に持ち上げられ、主演「斎藤幸子」に収まってました。
ラストはよかったなあ。
遙かなる時空の中で 朧草紙・再演
オデッセー
なかのZERO(東京都)
2009/08/12 (水) ~ 2009/08/16 (日)公演終了
満足度★★★
異文化も楽しい
たぶん(行ったことないけど)北島三郎とか杉良太郎座長公演とか
そういう古典的公演の若い女性版、というところでしょうか。
音響と照明を効果的に取り入れ、女性を楽しませる要素も満載。
暗転も極力減らして初心者にも飽きさせない構成。
これはこれで勉強になるなあ、と感心させられることしきり。
しかし、カーテンコールかと思いきや出演男性陣が歌う、踊るw
ちょっとーこれは遠慮したいなあーなんて男のぼくは思うのですが
会場の女性はやんやと沸いておられたのでニーズなのでしょう。
はねゆりさん、おつかれさまでした。
グッバイ・マイ・ダーリン
世田谷シルク
小劇場 楽園(東京都)
2009/08/06 (木) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★
椎名豊丸さんの引退公演
椎名さんは上手かった。
複数人、同じ衣装で二役演じるので見分けが難しいのですが
椎名さんだけは空気が変わるというか、演じ分けできてたように
思います。
この公演で役者さんを一時休止されるそうですがもったいない。
堀越さん、いい役者さんなのに、ああいう際物的な役どころは
ちょっと外側ばかりに目がいってしまって好きではありません。
ストーリーが読めないお芝居も平気な方ですが、理解できそうな
シチュエーションに置いている分、理解できないことが途中から
腹立たしくなってきました。飛ばすなら遠くへ飛ばして欲しかった。
五人の執事
パラドックス定数
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2009/07/31 (金) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★
おもしろかったんですけど
序盤、主人が死んだといったり、消えたといったり
生きているといったり、現状が理解できないうちに
どこを不審に思えばいいのか判らないまま話が
進んでいくところは、うとうとしてしまいました‥
いろいろな要素が盛り込まれているのですが、
A and ( B or C ) ならまだしも A or B or C だと
どれでもいいから話を進めてくれという気持ちに‥
4人の執事が主人の妄想であるというのは面白い、
けど、もう少し演出面で伏線を打ってくれていると
もう一度観て確かめてみたい気持ちになるのかな。
カスパー彷徨
unite d'Habitation
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/08/04 (火) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★
なんだか
森田匠さんの演技は際だって自然に見えましたが
なんとなく全体的にお芝居お芝居しているような感じが。
しかし一番気になったのがやっぱしストーリーです。
不遇な環境のカスパー・ハウザーと、過保護な親を持つ
引きこもりの甘えたな17歳少年をダブらせることなんて
とても出来ないし、被害者の娘の言動も理解不明。
ぼくはリアリティを全く感じることができなかったので、
それぞれの役がどのような感情にあるべきなのかが
全然想像できず、あまり楽しむことが出来ませんでした。
残念
常に最高の状態
財団、江本純子
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/07/28 (火) ~ 2009/08/02 (日)公演終了
満足度★★★★
全力発揮!観て良かった
正直、観る前はちょっと苦手な分野だったらどうしようと
思ってたりしましたが(ちなみに毛皮族が苦手なんです‥)
これは良質のシチュエーションコメディ。感動です。
誰かがボケて誰かがツっこむ、誰かが攻めて周りが守る
というものではなく、全員がボケて全員が攻め込んでくる。
とっちらかりそうな作り方なのに、絶妙な会話劇できちんと
話を前に進めてる。ずっと笑いっぱなしでした。
出演の5名がそれぞれの持ち味を出し切れてた感があり
これはもう一度観たいと思いました。楽日に観て残念。
算【永野宗典×本多力×ムロツヨシ】
muro式
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/07/29 (水) ~ 2009/08/03 (月)公演終了
満足度★★
ムロさん主宰の文化祭のよう
ムロさんの特異なキャラあって成り立つ舞台。
アイデアは出演者で出し合うのはいいけど、脚本は
どなたかにお願いした方が良かったのでは‥
過去2作よりも、オムニバス的な作り方で一本通った
筋もなし。作ることが楽しくなって、観客のことを少し
忘れちゃったかな?という印象は否めませんでした。
muro式.4があるならば、今度はどなたかの長編で
ムロさんを活かして欲しいです。カーテンコールの
トークが一番印象に残ってるような気がします。
ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2009/07/29 (水) ~ 2009/08/04 (火)公演終了
満足度★★★★
これはおもしろい!
「空気正常」「もっと見る」とも異なるテイスト。
今回は明快におもしろかったです。
「劇中劇か?過去の出来事か?」と疑問を持ち始めた頃に
絶妙なタイミングで忘れたお茶を取りに帰ってくる観光客。
これで観客は今観ているものは90分の劇中劇だということが
理解でき、すっとお芝居に入り込んでいくことが出来ました。
しかし観光地でこんな本気のお芝居やられたらウケますねw
小笠原さん、ボスカレよりもよかったなあ。
血縁~飛んで火に入る五兄弟~【10周年記念公演】※本日千秋楽!
モダンスイマーズ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2009/07/17 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了
満足度★★★
確かにお祭り
これまで数作品観てきたものとは全く異なる番外編的作品。
巧みにいくつも張られる伏線など、緻密な計算がみられない分、気楽に
楽しめる作品となってました。以前からのファンはきっと意外性で楽しめ、
初めての人でもおもしろかったんじゃないかな?
乱暴に作っているようで、会話の間合いや息の合わせ方などは流石。
10年という期間で築き上げられた、信頼みたいなものが感じられました。
小椋さんが超カッコいい。室伏さんの二役はすごいです!
cover
ペンギンプルペイルパイルズ
本多劇場(東京都)
2009/07/17 (金) ~ 2009/07/26 (日)公演終了
満足度★★★
結果的にはおもしろかったんだけど
見所はすべて後半~ラストに集中という感じ。
頭の中で登場人物の相関図がなかなか描けずに
中盤にさしかかるまで、かなり辛抱した気がします。
とにかく、頭15分で確実に話に引き込んで欲しいです。
ぼくもとさんと近藤さんの役には助けられました。
前回の「審判員~」とはまったくテイストが異なるので
単純に比較は出来ないけど、前回の方が好みかな。
アルバトロス
ホチキス
王子小劇場(東京都)
2009/07/23 (木) ~ 2009/07/28 (火)公演終了
満足度★★★★
おもしろかったなあ
「おわりのいろは」は登場人物も多かったこともあり、突出して
小玉さんだけが印象的でしたが、今回はとてもバランスよく、
それぞれの良いところが相まって素敵な舞台になってました。
舞台セットも無駄がなく、すごく造形が美しい。映像も○。
加藤さん、すごく可愛いおじさんだった。
「おお、みるみる漫才が上達してる」とか馬鹿な錯覚さえ覚えw
料理本の朗読はツボだったなあ。もう一回観たい作品です!
- 初恋
世界名作小劇場
シアター711(東京都)
2009/07/15 (水) ~ 2009/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★
愛すべき住民達
幕が開いたとき、ぎょぎょっとしましたが、慣れるにつれ
少しずつ愛おしさが芽生えてきました。皆さんすごいね。
酒巻さん、はじめ誰だか分からなかった。笑
津留崎さん、今回もひょうひょうとした役がハマってます。
開演までに流れてた、工藤夕貴の愛少女ポリアンナ物語。
懐かしさもあったけど「よかった探し」の話にも通じました。
明けない夜
JACROW
サンモールスタジオ(東京都)
2009/07/17 (金) ~ 2009/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
これは★5!
地下のこんなところ(サンモールスタジオさん、すみません)で
こんな重厚で骨太なお芝居に巡り会えるとは!小躍りしました。
なにか臭わせる全配役、次第に解き明かされていく真相。
最後に「あれ?ちょっと解決していないとこない?」と思わせて
最後の最後にすべての疑問も伏線も一気に回収していく巧みさ。
いやーもう文句なしです。
ちょっと含みすぎな部分も気になりましたが、これは外伝に
続くのだろうとそこはぐっと堪えました(笑)。
外伝観たいなあ。24日金の2000、会社抜けて行こうかしらん。
ジプシー
ゲキバカ
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/07/11 (土) ~ 2009/07/20 (月)公演終了
満足度★★★
これまでのファンはとまどうかも
これまで「痛快体力コメディ」色が強かっただけに、劇中劇の
不条理なエンディングにとまどう人は多かったのではないかと
思います。(特に「コーヒー牛乳」なら応援するファンにとっては)
シェイクスピアを選べば、悲劇的な要素は織り込みずみでしょうし
ハッピーエンドな「コーヒー色」にしなかったところを評価してます。
ブスコーの配役も、容姿を売りにしていない女優さんにやらせず
鈴木さんが演じたのがせめてもの観客への思いやりかと。
観劇後に疑問だったのは、劇中劇である必要があったかというとこ。
舞台表と裏に強い引き合いもなかったので、劇中劇をそのまま
公演してもよかったのに、とか考えてました。
一皮むけたコーヒー牛乳の一片を覗かせて貰ったような気持ち。
改名後、名前だけではなくあらゆる試みを楽しみにしています。
73&88【満員御礼!】
カニクラ
アトリエヘリコプター(東京都)
2009/07/15 (水) ~ 2009/07/19 (日)公演終了
満足度★★★★
ああ、やっとわかった
公演見終わって帰ってきてから 73&88 の意味が分かり。
なるほど、でも意味を知らなくても充分楽しめました。
相手の顔も知らない 声。
本音やグチをこぼしたり、時には気遣ったり心配したり、
なのに身近な人とのやりとりでは、ギクシャクしてしまう。
携帯メール文化の今と重ね合わせると、妙にリアルに感じ
すんなりと受け止めることが出来ました。
しかし今回は玉置さん以外、スターダストで固められた配役。
坂本爽さんて大丈夫なの?とか要らない心配してましたが
ところがどっこい、彼が実質ストーリーの進行役となってました。
とてもさわやかな作品で好感が持てました。楽しかった!
机と椅子
ロックンロール・クラシック
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/07/15 (水) ~ 2009/07/19 (日)公演終了
満足度★★★
もうちょっと観たかった
前半、二人の男の置かれている状況が見えず。
幼友達のようだが、同じブランドのシャツ、靴を着用していて
絶対にただの再開ではない、と疑いながら話は進む。
実際、ただの再会ではなかったのですが、ちょっとこの部分が
感覚的に長いのです。(上演時間からみて相対的にというか)
そこが残念。今度は本公演を観てみたいです。
スメル
キリンバズウカ
王子小劇場(東京都)
2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★
役者さんがみんないい
役者さんが実力派揃い、ということもありとても楽しめました。
ただ、どうしても後を引いてしまう違和感が一点。
12年振りに再開する母娘が、お互い強情っぱりってのはあれど
あんなに確執なく会話できるのかな?と。
ぼくだったら、どんな風に話していいのか、なにから話せばいいか、
話ができてもどこか心から会話できていないような、そんな感じが
想像できるのですが、意外とすんなりうち解けていたので
「こんなもん?」ってひっかかって仕方なかったです。
しかし稲川さんはすごいなあ。
箱を持っている
劇団あおきりみかん
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2009/07/10 (金) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★
箱
おもしろくなかったという訳ではないのですが
見られたい自分と見られてる自分、という誰もが経験する
テーマに対して、新しい発見がなかったような気がします。
誰もが箱を持っているという設定はすごくおもしろいのに、
それもあまり活かし切れていなかったような。
最後のシーンも、これをやるために箱を使っただけなんじゃ
ないかと疑ってしまうほど、特に意味を感じませんでした。
似てる人が同じ箱、ではなく、それぞれの人生が刻まれた
箱を持っている、ある人は汚れた、ある人は形のいびつな、
‥という意味の持たせ方の方がしっくりくる気がしますです。
ケモノミチ
ブルドッキングヘッドロック
ザ・ポケット(東京都)
2009/07/08 (水) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★
次々と
巨大怪獣出現はなんだったんだろう?という感じも否めませんが
その事件により、この物語の関係者が一カ所に集まって、次々と
現れてはつながってゆくストーリー達。
180分という長さも感じずに、夢中で観劇できました。
結果、母子が同じサガを持っているのも運命のケモノミチなのかなと。