秘密はざわめく
Dotoo!
赤坂RED/THEATER(東京都)
2009/09/16 (水) ~ 2009/09/20 (日)公演終了
満足度★★★
会話がおもしろい
火サス的なオープニングに「ええー‥」と思いましたが、
本編で、ちょっとひねった演出に使うなど、これもなかなか。
やっぱし会話が秀逸です。ちょっと噛みすぎ感はあるけど。
登場人物も過去の事件も数が多い分、整理が大変です。
一番軸に起きたい事件がどれなのかがぼやけてしまう。
もう少しストーリーをすっきりさせてもよかったかなあ。
あと、数組の共犯者に意外性がなかったのが残念。
同窓生の集まりだから仕方ないか。
静かじゃない大地
G2プロデュース
本多劇場(東京都)
2009/09/12 (土) ~ 2009/09/23 (水)公演終了
満足度★★★
おもしろいというより観やすいけど
印象としては悪くない雰囲気なのですが、中盤あたりから
激しい眠気が。なんど喰いとどまっても新たな眠気が‥
いやいや、眠いのは単にぼくの睡眠不足のせいなのですが
そこまでのめり込める作品でなかったのも確かかも。
伏線に「ここ、聞き漏らさないように」的な親切な旗を立てて
くれるので、終盤の盛り上がり部分がつまんなく感じちゃう。
池谷さん、転球さん、久ヶ沢さんなどはさすがにうまく自分の
ポジションをこなしますが、後半は活かす部分も少なく残念。
ジャニーズファンだったらもっといろんなことが許せたのかな。
極めて美しいお世辞
箱庭円舞曲
OFF OFFシアター(東京都)
2009/09/11 (金) ~ 2009/09/22 (火)公演終了
満足度★★★★
安心して観られます
箱庭さんは、観ててお芝居のリズムが好きですね。
ダダダと会話の応酬があったかと思えば、次のシーンでは
二人の静かな会話に戻り‥ 隙があるようで隙がありません。
ストーリーはちょっと「恋人ができないが、もういい」とちょっと
似てるかなあ。性善説と性悪説。その上での仕事という現実。
このあたりは形を変えて同じメッセージを感じました。
伊藤さんと小野さんの、終盤のやりとりはよかったなあ。
観てるこっちが説教されているような説得力。観入ってしまい
息するのも思わず忘れるほど。
津留崎さんは最近客演で本当によくお見かけしますが、今回も。
本当に惚れてしまいそうです。
和知さん、どちらかというと、その端正なルックスを活かされて
これまでの作品では添え物的な役所が多かった気がしますが
今回はよかった。こんな役もいいじゃん!
片想い撲滅倶楽部(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)
MU
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/09/10 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了
満足度★★★★
おおお!
MU、昨年末からのルデコによる短編は観てたのですが
長篇、かつルデコ以外の劇場で観るのは初めて。
過去に観た作品は、いずれもダークサイドのストーリーで
短編故に直球にメッセージを投げられている気がしてました。
なので長篇だとどういう作り方になるのかと待ち遠しいところ
だったのですが、観てみてやられました。長篇でも面白い!
ポップにテンポ良く進むストーリーで、コメディタッチですが
根底にハセガワさんの、世間に対する問題提議の視線や、
なんていうか、ある種あまのじゃくな闘う反発心のようなものが
見え隠れ。(あ、違ってたらすみませんね)
確かにMUだけど、MUじゃないような作品。観れて良かったです。
ハッピーエンドクラッシャー
ゴジゲン
シアターブラッツ(東京都)
2009/09/09 (水) ~ 2009/09/15 (火)公演終了
満足度★★★
一カ所にとどまらないことに評価!
「たぶん犯人は父」では、巧みなストーリー展開を魅せ、
「チェリーボーイ・ゴッドガール」では、青春コメディに弾け、
そして今回はちょっと影のある群像劇で心を揺さぶる。
過去に評判が良かった作品があると、ついそちら方向に
寄りがちになりそうなものだけど、ゴジゲンさんはあえて
違う方向性のものを仕掛けてくる。その姿勢は素晴らしい。
惜しむらくは、プロットとしてはちょっと想像の範囲内。
年間上演本数を減らしても、もっと一本を作り込んだ方が
素晴らしい作品に育つと思います。ゴジゲンなら出来る!
グロテスク
国分寺大人倶楽部
王子小劇場(東京都)
2009/09/02 (水) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
グロテスクというより
グロテスクというより「歪んだ愛の形」という感じ。
ちょっとポツドールを想起させられる印象でした。
不条理のまま幕を下ろすところなんかもぼく好み。
タイムスパイラルするのですが、「え!あの時そんなことが!?」
みたいな新事実の発見要素がなく、「そうだと思ってた」振り返りに
なってたとこが、ちょっと残念。
自由を我らに
44 Produce Unit
ザ・スズナリ(東京都)
2009/08/28 (金) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
戦後の日本というもの
終戦直後の最も混乱期というときに、この緩さなのか?と
はじめ躊躇しましたが、ぐいぐい引き込まれるストーリーに
そんなことも吹っ飛んでしまいました。
とにかく会話が素晴らしい。それぞれの役柄が誰であるという
説明も一切なく、終始 大人数が舞台上に揃っているのに、
混乱させられることもなく、存在の意味を納得してしまう。
時代錯誤だなんだと言われ続けている、現在の日本国憲法。
確かにそれは否めないが、制定したあの時代、敗戦直後の
日本人が、いろんな気持ちを押し殺し、未来へ期待を込めながら
推し進めたのは事実。
このお芝居はフィクションですが、そういう「人の気持ち」に
気付かされた作品でした。これは本当に惜しみない拍手!
キツネの嫁入り 他短編
小櫃川桃郎太一座
atelier SENTIO(東京都)
2009/09/04 (金) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★
これは感想が難しい‥
開演待ち、蚊に2カ所噛まれてずっとイライラしながら幕開け。
観終わった感想は「面白かった」なのですが、これはほとんど
「キツネの嫁入り」の感想。小櫃川一座は今回初観でしたので
大衆芸能を目指しているのか、今回はこんな感じなのか判らず
第一部はほとんど珍しいものを見て「おもしろい」という感覚。
なすびに乗っていく話は、すみません、ちょっと途中で記憶が
飛んでしまいました。道具屋の話は、これは本当に落語ですね。
「キツネの嫁入り」これはよかった。
菅野さん、本当に舞台に上がるとカッコいいなあ。
堀さんも表情と仕草だけで気持ちが伝わってくる。
ほっこりした気持ちで、おせんべい食べながら家路につきました。
わるくち草原の見張り塔【男性編】
ロハ下ル
青山円形劇場(東京都)
2009/09/03 (木) ~ 2009/09/09 (水)公演終了
満足度★★★★
弱者と強者
スロウライダーから、その舞台美術も楽しみのひとつだったのですが
今回は円形劇場という環境もあってか、とてもシンプルで美しい。
環境が人を変える、というのは映画の"es"が思い出されました。
そしてその強弱関係は一種、食物連鎖の次元を観ているような感覚。
同種の中で強弱関係があったとしても、さらに強者の存在からみれば
所詮、糧になる生物の他愛な争い事。ちょっと背筋が寒くなりました。
そろそろ、SFじゃなくて実世界における人間の恐怖を書いて欲しいなあ。
池袋でやるやつ2009夏【シアターグリーン学生芸術祭vol.3 最優秀賞受賞!】
ろりえ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/08/27 (木) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
満足度★★
うーん
前回はセットを前まで出す、今回は客席にネットを張る、
それぞれ劇場全体を使うアイデアとしては面白いんだけど
それをやることありきで創作したのでは?と勘ぐってしまう。
本作品も3つのシチュエーションを折り重ねてゆくのだけど
別段共通点も伏線も見あたらず、何を伝えたかったのかが
わからずじまいでした。ぼくの感性が足りんのでしょうか?
観ていると、誰に対して楽しませようとしているのかが疑問で
「俺らが楽しいことは、お客さんも楽しいはず」前提なのかと
そんなことさえよぎってしまいました。
喜んでいる人もいたけれど、演劇仲間?学校のお友達?
すごい頑張って作った学園祭の出し物感が否めません‥
ごめんなさい
どうぞよろしくお願いします
SAKASU ZAKASU
サンモールスタジオ(東京都)
2009/08/26 (水) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
これはいい!
たまたま予定が空いて、梅里アーツさんがご出演されてるし、
ということでなにげなく足を運んだ本作品でしたが、見事に
期待以上の裏切りを見せてくれました。本当に観て良かった。
お芝居の時間軸はゆったりなのに、無理を感じさせることなく
すべての登場人物にスポットを当ててゆく無駄のない脚本。
そして見続けるほどに、すべての登場人物が可愛らしく見える
愛情溢れる演出。もっとずっと見続けていたいとさえ思いました。
アーツさん、本当に裏切らないなあ。惜しみない拍手です!
新釈 ヴェニスの呆人 2009
コマツ企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/08/27 (木) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
満足度★★★
どこまで妄想なのか
現実と妄想と回想が入り乱れて解きほぐされてゆく感覚。
観る人によって、解釈も少しずつ違うんじゃないかな。
ぼくは舞台に張られたネットもそんなに気にならず。
むしろ、解き明かされてゆくこの話自体もまた妄想なのでは?
と、そんな想像を掻き立てられました。
むしろ超窮屈な最前列、補助席で隣に座られた方の巨大さが
気になりました‥
304(サンマルヨン)【作:蓬莱竜太 演出:茅野イサム】
ネルケプランニング
あうるすぽっと(東京都)
2009/08/27 (木) ~ 2009/09/01 (火)公演終了
満足度★★★★
さすがの蓬莱作品
いやあ、演出が変わっても蓬莱作品、モダンスイマーズの
テイストが色濃く残りますね。ラストはしんみりしました。
作り込まれた舞台美術、特徴的な配役、と楽しめましたが
マツザキ(青柳)のデンパへの暴力シーンは明らかな
手加減ぶりでそこだけちょっと残念。
サマーゴーサマー
あひるなんちゃら
OFF OFFシアター(東京都)
2009/08/19 (水) ~ 2009/08/24 (月)公演終了
満足度★★★★
日曜の夜に、のどかな気持ちに
すべてのキャラクターがくせ者で、ただ見てるだけで面白い。
おうちでくつろぎながら、好きなテレビ見てるような感じ。
演者さんも大変だろうけど、楽しんで演ってるのかなあ
すっきりしたシチュエーションで、前回よりも楽しめました!
反重力エンピツ
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2009/08/19 (水) ~ 2009/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★
念願の国道五十八号戦線
もっと勢いで走る劇団なのかと勝手な想像をしていましたが
反して緻密な感じの脚本が好印象。あたまフル回転でした。
ただ、なぜ彼らが学生運動までして反抗するようになったのか
という説明が不足していて、そこがやや説得力に欠けた感じも。
演出はもうちょっと整理できたかも。照明を落としたり点けたり
意外と観客にも負担は大きいのです。
この世で一番重いものは何だと思う?
この答えは納得。この答えを聞けただけで満足な感じ。
風水七味女
タッタタ探検組合
シアターブラッツ(東京都)
2009/08/20 (木) ~ 2009/08/23 (日)公演終了
満足度★★★
不思議なこと
どこかでそんなにタッタタブームが起きているのでしょうか?
受付開始15分前から溢れんばかりの、受付待ちの行列。
前回もそうだったんだよなあ。どういうネットワークなんだろう。
お芝居の方は、不要なくらい勢いがあり、字数の多い台詞。
「お客さんに楽しんで貰いたい!」という気持ちが伝わって
それだけで多少ハズしてても、なんか許してしまいます。
レストラン ル・デコ
角角ストロガのフ×elePHANTMoon×犬と串
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/08/18 (火) ~ 2009/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★
elePHANTMoon「アイノユクエ」
ここ最近、すっかりelePHANTMoonがお気に入りなのですが
わずか3名のショートストーリーでも魅せてくれました。
elePHANTMoon色の強い部分を切り取って見せられた感じ。
劇中で殴られた芝さん、すごい鼻血を出されて、その様を
一部始終観察してしまったものだから、通常の演出以上に
生々しいリアリティを感じてしまいました。# 演出じゃないよね?
秋の本公演も楽しみだなあ。
レストラン ル・デコ
角角ストロガのフ×elePHANTMoon×犬と串
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/08/18 (火) ~ 2009/08/23 (日)公演終了
満足度★★★
犬と串「ロマンス」
まあ、よく大根だけでこれだけ話を拡げたな、と感心。
基本的にはどうでもいい話で、込められたメッセージもよくある類。
# それが狙いなのかな?
個人的には、中盤あたりからの展開がややあやしく、後半からは
話の収拾がつかなくなってきた感が気になっておりました。
どこまで劇団のカラーを出せてたのかが判らないのですが、
角角ストロガのフの次の演目だったため、ややインパクトに
欠けたような印象になったのが残念。
レストラン ル・デコ
角角ストロガのフ×elePHANTMoon×犬と串
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/08/18 (火) ~ 2009/08/23 (日)公演終了
満足度★★★
角角ストロガのフ「食皮俗」
3劇団の共同公演、ちょっと評価が割れるので面倒だけど別々に。
すごい勢いで駆け抜けてゆくジェットコースターストーリー。
「なぜそのような行動を?」などと考えてる暇はありません。
たたみかけるような展開、嫌いではありませんし、飽きることなく
観劇できましたが、それだけにちょっと印象も薄くなった気が。
狭い舞台なのにあらゆる工夫で、何層にも重ねる演出は上手。
ちょっと長編も観たくなりました。
マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人
DULL-COLORED POP
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/08/14 (金) ~ 2009/08/17 (月)公演終了
満足度★★★★
うーむ、すごいな
なにがすごいって、まだ20歳後半の谷さんがこの戯曲を書いたということ。
台詞も古典的かと思えば、突然本音が現代口調で発せられる、
そのたびに、人格の裏側を見てしまったようにはっとさせられる。
近世とか海外とかが舞台になってる作品は、ちょっと観るとき
臆病になるのですが、とまどうことなく完全に引き込まれました。
清水さんはすごかったなあ。なんて悪女っぷり。
難しい長い台詞も多かったのに、言わされてる感を感じなかった。