歳岡孝士の観てきた!クチコミ一覧

21-40件 / 85件中
未必の故意

未必の故意

激弾ショット

pit北/区域(東京都)

2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

懐かしい感じがした。
終わった後の最初の感想は「懐かしいな」でした。
どっぷりと昭和の演劇に浸った感触。
昔の、携帯電話もネットもなく、嫌でも顔を突き合わせてつながらざるを
得なかった濃い人間関係。
いまのように、家の中にこもっていても生活できるような便利さはなく、
人はそれぞれが属するせまい集団の中で
どうにか自分の居場所を見つけなければ生きる事ができなかった。
登場人物たちの持つ障害が、さらにそれを歪め、卑屈にさせ、必死にさせる。
暑苦しくていびつな、発酵していそうな、なにかが臭ってきそうな、
そういうある種の、集団が発する独特の雰囲気が練り上げる狂気をはらんだ作品。

この脚本は、便利になってしまった現代人が演じるには非常に難しい上に
若い人の共感を呼ぶのも難しい題材。掘り下げるのに限界はないが、報われづらい。
「楽しむ事が優先」「観客に優しい提示」に傾いている
現代のエンターテイメントとしては成り立ちにくいかもしれません。
個人的にはそこが好きだし、それがこの舞台の良さでもあります。
ただもしかしたらもう少しだけ、
物理的に観客の眼を引く瞬間の演出が増えると
見やすかったのかもしれないと思いました。

人間の生態から生まれる濃厚な演劇。面白かったです。

「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)

「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)

劇団6番シード

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★

個人的に
これは特徴なので好きな人はとても好きなのだと思うが
演技がディフォルメされたコメディで、途中で展開に慣れてしまって
全体的にあまり好ましく思えなかった。
もちろん笑えたところもあったし、
あの台本あの展開ならあの演技がベストなのだと思います。
だからこれは完全に私見。
その勢いで言うと二話構成はちょっと長く感じてしまった。
転換はスピーディでとても良かったと思います。

ドリルチョコレートのテーマ:2012リミックス

ドリルチョコレートのテーマ:2012リミックス

MCR

駅前劇場(東京都)

2012/07/31 (火) ~ 2012/08/01 (水)公演終了

満足度★★★

「演劇」とはちょっと違うスタイル
演劇と呼ぶようなものではなく、役になりきるというより、状況を演じるもので
シチュエーションを面白い手法で見せる、という公演。
演技力というよりも、お客さんの気持ちをぐいと持っていける力があるかないかが勝負で、
素が見えるだけに、出演者の温度の差があることが気になった。

これは出る人そのものの魅力が試されるような演目で、
出演者にとってかなりシビアな公演ではないかと思いました。

ネタバレBOX

最後の方は、まわりのお客さんたちも、今どのあたりだろうと
パンフレットで演目の順番を確認してしまっていたので、個人的には
終わりに近づくほどスピード感が増していくようにシーンを配置してほしかった。

好みで言うと、オープニングがとても好きで、
セックスレスになってしまった男女二人に岡本さんがまじった三つ巴のやりとりが
一番ひきつけられました。
顔が赤い、鬼になってしまった話も面白かったです。

ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★★

笑えた
内容は複雑でなく、悪ノリ要素が強かったので
これは役者のノリのバイオリズムによって、
回によっては満足度にかなり差が出るのは
ある程度仕方がないことなのかもしれない。ちなみに今回はとても面白かった。

ところどころ、音や動きや台詞できっちり演出のインパクトを決めてくれるので
めりはりがつき、間でさんざん馬鹿やってても見やすかったように感じた。

ルドルフ ザ・ラスト・キス

ルドルフ ザ・ラスト・キス

東宝

帝国劇場(東京都)

2012/07/05 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

久しぶりのミュージカル
とても久しぶりに本格的なミュージカルを見た。面白かった。
徹夜明けで、どうしてもウトウトしてしまったけど
それでも随所でハッとさせられて話に引き戻された。

難しいことを考えずに純粋に楽しめた。
突然歌いだしたり、ただのショー的な感じになったりするような、
歌に違和感のあるミュージカルはたまにあるけど、
ルドルフは歌が芝居に融和し、とても見やすかった。

ネタバレBOX

最後はとてもシンプルに終わって、それだけに印象も残った。
久しぶりに舞台で素直に涙が流れた。
歌詞もとても胸に響いた。よかった。

断脈

断脈

熱帯

サンモールスタジオ(東京都)

2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

人間関係の芝居
人間関係が緻密に構築されていて、
見る方は常に頭の中で誰かと誰かが結びついており
今起こった出来事で、そこにいない人間関係のズレを想像する。
興味が尽きない舞台でした。
俳優さんがみんな達者で、演出に無駄がなく、
テンポも気持ちも途切れずに最後まで見ることが出来ました。
ハイレベルで面白かった。

ファウスト

ファウスト

モナカ興業

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/04/04 (水) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ファウスト第一部
雑遊という場所が
前、見たときとぜんぜん違って(今回はほぼ素舞台)
個人的にその変わりようがなんか面白かった。

一番最初のファウストの台詞でもっていかれ、
演出も好きだったので、最後まで興味深く見ることができました。

ネタバレBOX

一番最初に女性がドアから入ってきたときは、なんの前振りかと思いきや
それがファウストだった。まさかの女版ファウスト。
最初の台詞で思いっきり持っていかれた。間のあやつり方が素晴らしい。
ちょっとまわりとの実力のバランスが違ったけどひきつけられる、とても素敵な演技だった。
キスも色っぽかったし、最後の血を口からしたたらせているところも
色気とかっこよさが良かった。
物語の構成や役者の配置、動かし方も良かったです。

遠吠岬は夕曇り【ご来場ありがとうございました!】

遠吠岬は夕曇り【ご来場ありがとうございました!】

劇団ぺブル(ペブル・グラベル)

中野スタジオあくとれ(東京都)

2012/03/30 (金) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

温かい物語
舞台にのめりこんで見る、というよりは
出来事を鑑賞していく、というイメージ。
120分のお芝居で、ずっと同じペースで進んでいくので、
最後の方は少し長く感じたかも。
それぞれの俳優さんは上手かったのですが、
それぞれの役があまり深く関わりあっていない印象があり、
全体的にちょっとあっさりしすぎだったかなと思いました。

白夜王アムンゼン【観客動員数1000人突破!】

白夜王アムンゼン【観客動員数1000人突破!】

劇団バッコスの祭

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/01/25 (水) ~ 2012/01/30 (月)公演終了

満足度★★★

今回は
はじめてBIG TREE THEATERで観劇。
席の勾配が急で、後ろの席に座った人のことを考えなくても良いので見やすかった。
内容は序盤はちょっと平板で、入り込めなかったが、
終盤はいつもの勢いでグッと持って行かれたなーという感じ。

展開や演出にユニークさを感じ、
いつも通りクライマックスの迫力は素晴らしかった。
ただ、初日だからか、どこか役者のぎこちなさも見えた気がする。

ネタバレBOX

初日だからということもあるかもしれないが、個人的な印象では、今回は今一歩だった。
この劇団が好きだからこそ、思うことをすごく正直に書かせていただくと、
序盤30分程度、葛藤がなくて上に書いたようにやはり平板な印象だった。
もっと殺陣ややりとりがショーのように、連携が昇華されていればノって見られたのかも。
どうも舞台が広すぎるように思えた。どうしても過去の公演と比べてしまうのだけど
「センの風とムラサキの陽」では凝縮した空間と集中力を見せてくれて、
それはとても素晴らしかったのだけど、それに比べると今回は散漫に感じた。

動物が喋る、明確な意思を持つ、などのファンタジー要素を入れるのなら
話の流れももっと大胆に変えてしまっても良かった気がする。
ライバルとの関係、政治や権力者との関係が伝わりにくく、
キャラクターの行動の必然性が薄いような気がしてしまう。
また、恋愛に重きを置いた結果だと思うのだけど、南極の厳しさがいまひとつ伝わらなくて
自分にとってはそれが序盤で入り込めない理由でもある。最後の吹雪の音響は
自然の恐れを感じさせる迫力があったけど、序盤でも使ったら良いのではと思った。

命のやりとりを目的とした生きざまを描くような、
ぎりぎりの極限状態や、追い詰められた役の物語での葛藤の描き方は
いつも迫力があり、それは劇団の優れた持ち味だと思うのだけど、
今回は話が平和なエピソードが多く、その分進行も平和だった感じがする。
誰にでも受け入れられる王道の作りなので、その分
無意識に劇団四季など老舗の劇団の完成度と比べてしまうのかもしれない。
しかし、立ち返ればなんだかんだ言っても値段は相対的に見て2800円はお手頃。
また、常に新しいモノに真剣に挑んでいる姿は素晴らしいと思います。
自分のところを棚にあげての投稿、失礼いたしました。
これからも応援しています。

しみじみ日本・乃木大将

しみじみ日本・乃木大将

東京農業大学 農友会演劇研究部

農大劇研アトリエ(東京都)

2011/12/15 (木) ~ 2011/12/18 (日)公演終了

取り組みは素晴らしい
若さはいろんな事の免罪符だなと思った。
勢いと怖いもの知らずが若者の良さである。

井上ひさしの脚本は豊かで難しい。
ましていろんなことを経験していない若者がやるには非常に難しい。
大学生はやっぱ難しいことに挑戦したくなるものなのだなあー。
俺にはできん!井上ひさしは。

ネタバレBOX

無料だったけど、お金、もらってもいいんではないか。500円でも。
責任を背負うという意味で。
無料だから、または学内だから、という油断があるように感じる。噛みすぎだし。
また、若さが溢れているのは良いが、情熱を役にしまい込む事が必要だと思う。
駄々漏れすぎているので、それは稽古で収斂しなきゃいけない。
しっかりした脚本では、特に。

そしてもっと大学生の研究熱心さを、その情熱に混ぜて欲しい。
情熱オンリーは高校演劇。大学生の演劇は「真剣さ」+「研究成果」である。
農大劇研の井上ひさしへの取り組みの成果を、もっと舞台ではっきり明示してほしい。
じゃないと客も良い悪いが明確に判断できない。
井上ひさしをやりました、だけで終わってしまったらもったいない。

いまこの時だからこそ、やれることがあり、やれる環境があるのだから
(それは傍から見ると羨ましいが本人達は気づいていない類のもので、
だから老婆心ながら言っておきたいのだけど)
叫んで泣いて笑って、悔いのないよう突き抜けてやってください。若さをもてあまさないで。
もっともっともっと頑張れるよ。おつかれさまでした。

ビリジアン

ビリジアン

アカネジレンマ

劇場HOPE(東京都)

2011/11/16 (水) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★

盛り上がりに欠ける
最初のセットの置き方と光の当て方は良かった。
ただ、話の盛り上がりに欠ける。

劇場HOPEは初めてで、
間口が広く、奥行きもあって良い劇場でした。

ネタバレBOX

話が始まった時からビリジアンはもう安定していて、恐ろしくもなく、
演技も脚本も日常的でドキドキすることがない。
いきなり人間関係のもつれが出てくるのだけど、
それもどこにでもよくある二股の話だったり、
どこにでもある望まない仕事に就くという悩み事だったりして、
特に大きな運命に動かされているということもなく、季節だけが過ぎていく。

「ビリジアン」はいろんなことを想起させる(最初の曲で分かる)ために
あえて輪郭をぼかしたのだろうけど、ぼやっとしすぎて
ビリジアンを取り巻く環境を描いているのに、話自体がぼやっとしてしまう。
妊娠して子どもが生まれるというところだけが生々しいが
どうせ危害を加えないとわかっているので(腕は折れるらしいが)、
展開が予定調和だと感じる。そうこうしているうちに終わってしまう。

ちょっと主張不足な印象。
「ビリジアン」について見せたいなら、
もっと観客をビリジアンにくぎ付けにさせる手法をとるべきだし、
人間関係を見せたいならもっと綿密に描くべきだし
これが現実でなく舞台であることを折り込んだ小ネタはいらないと思う。

A-1グランプリ予選Vol.4

A-1グランプリ予選Vol.4

劇団福耳

四谷アウトブレイク!(東京都)

2011/11/11 (金) ~ 2011/11/11 (金)公演終了

満席
11年11月11日の日に予約数が111人だったとか。超満員で盛況でした。
気になっていた劇団を見ることができたので良かったです。

鳥取イヴサンローラン

鳥取イヴサンローラン

ロ字ック

シアター711(東京都)

2011/11/08 (火) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

ファンキーな感じ
女のうっとうしさやめんどくささがとてもよく出ていて、
ひとりひとり、嫌な感じが出ていて良かった。
男から見ると実にうっとうしい。見たくない姿である。
しかしそれがよく描けていて、生々しく刺激的で良かった。
いつもこの劇場で舞台見ると思うが、ソファに座る芝居が多いのだけど、
前の人の背が高いとちょっと見え辛いかも。なるべく前の席が良いです。

主人公の田実陽子さんの演技がとても繊細で
綺麗な顔なのにコンプレックスが顔に現れて時々ブスに見える。
そこがとても良い。魅力的な俳優さんでした。

ネタバレBOX

気になっていた鳥取は、出身地ってだけでそれほど大きくは関係してこなかった。
けど、鳥取の出身の女が田実陽子さんというだけで、満足した(笑)

ラストの包丁騒ぎは、そんなことでここまで盛り上がれるのかと
(男の身としては?)共感できなかったけど、全体的に面白かった。


壊れた風景

壊れた風景

劇団CRACKPOT

荻窪小劇場(東京都)

2011/10/20 (木) ~ 2011/10/23 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇的な面白さ
別役実と聞いて「不条理かぁ」と構えて見に言ったのだけど、
勉強不足でした。わかりやすかった。
観客を喜ばせようというサービス精神とは逆の演劇。
それだけに評価が分かれる。
自分は面白かった。

ネタバレBOX

35年前に書かれた台本だそうで、やはり味わいも現代とは少し違う。
「もどかしさ」が魅力の舞台。
執拗な繰り返し、露骨なすれ違い、
言葉にできない日本人特有の責任のなすりつけ。
現実を切り取って特化された役は、日常には存在しない人間だが、
確かにいびつな人間の心理と特性を表している。脚本が素晴らしい。

登場人物が多くなく、台詞もシンプルなので、個々の役者の魅力がモノを言う。
そこをもう一歩踏み込んでいただきたい。

我が儘な巨人の足音【千秋楽当日券はキャンセル待ち】

我が儘な巨人の足音【千秋楽当日券はキャンセル待ち】

ノアノオモチャバコ

サンモールスタジオ(東京都)

2011/10/19 (水) ~ 2011/10/23 (日)公演終了

満足度★★★

主人公の魅力が…
最初の入り方が自然でよかったと思います。
そしてダンスが良かった。
劇場の雰囲気も良かったです。

ネタバレBOX

致命的なのは、主人公が好きになれないこと。
劇中には主人公を慕う後輩や、恋人が出てくるのだけど、
正直、どこが好きなのかわからない。
そうなるとストーリーの骨子である恋愛の話がすべて共感できなくなる。
辞めていく親友を止めるも、主人公自身にやる気と才能がないので虚しい。
父親が電話をかけて地方のラブホテルについて語るくだりも
終盤で、物語に関係するキーワードを言うのかと思っていたのだけど
結局最後まで蛇足で、ただ主人公の魅力を半減させる要因になってしまいました。

それらがすべて最後でひっくり返るラストを期待したのですが…。
巨人の足は主人公の内面を表すものだったようだけど、
主人公はずっと空っぽなのに、クライマックスでいきなりいろんなことを悟って、
やる気を出して回転しはじめたのです、という展開は
それまでのキャラクターと矛盾していて残念ながら受け入れがたかったです。

「ベルナルダ・アルバの家」

「ベルナルダ・アルバの家」

ウンプテンプ・カンパニー

シアターX(東京都)

2011/09/01 (木) ~ 2011/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★

まさしくこれぞ「演劇」
舞台装置の配置、垂らした紗幕で繊細な雰囲気。
開演前の注意事項のお知らせの時から、静かで厳かな雰囲気作り。
その中で籠の鳥が鳴く。世界観の徹底。演出の解釈とアイディア。見習いたい。
シアターXという劇場の良さも、今回再認識しました。

ネタバレBOX

新劇調の台詞は、雰囲気で喋れない分ごまかしが聞かず、
俳優の実力が如実に現れる中で、さすがの演技力だと思った。
ただ上手いだけに、逆に噛んでしまうところが気になった。
観に行った回だけなのかもしれないが、すごく噛んでいた。
これは酷な話だけど、ベルナルダ役の新井さんは飛びぬけて演技が上手く
世界観そのものを作っている柱のような存在だけに
他の人が噛んでも「まあ、仕方ないのかなぁ…」と思えるのだけど
ベルナルダが肝心なところで噛んでしまった時、かなり現実に戻ってしまった。
丁寧に世界を積み重ねているだけに悔やまれる。

ラストへの持って生き方、抑えるシーンと盛り上げるシーンのコントラスト。
季節や天候、昼夜などの環境と状況を重ねた真理と心理の吐露。
脚本と演出の技術。勉強になりました。素晴らしかったです。
久しぶりに「これぞ演劇!」という舞台を見させていただきました。

レジデント

レジデント

Gooday Co.

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2011/08/31 (水) ~ 2011/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★

脚本が良い
お笑いとかドキドキハラハラするとかそういう面白さではなくて、
大人の話として面白かった。

序盤はエンジンがかからなかったのか、緊張のせいか
噛みはしないものの、ぎこちなさが目立ちましたが、
終盤にかけてだんだん良くなっていき、
脚本の良さもあって、結末まで興味をもって見ることができました。

ネタバレBOX

置いていった人間と 置いて行かれた人間の
擦れ違いのさみしさとフット感じる良い脚本でした。
マイがamazonの袋を開けて泣くという終わり方もとても良かった。
特に何が解決したわけでなく、それぞれが傷を持ったまま
大きな変化もなく、ただある未来を生きるのだろうという
もどかしさとやるせなさが逆に魅力に感じる舞台でした。

ただ男性役の演技が全体的にドライかな、と。
また、タクヤが死の告白をするところが、少しあっさりしすぎているように感じました。
あともう少しテンポがあると見やすいかも。

最初はぎこちなかったものの、
女性二人の演技が良く、個人的には小清水さんが
綺麗で、役にぴったりな雰囲気を出していてよかったです。
言葉にできないものを感じさせてくれた芝居でした。

これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、

これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、

劇団エリザベス

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★

違和感とセンス
照明と装置が綺麗でセンスを感じた。
話は分からないながらも、分かる。
だた、90分の舞台なのに長く感じた。

全体に漂う変な違和感があるが、
これが、大成する劇団に感じる違和感なのか?
つきの石でピクシーになるが如く。
今後、挑戦し続ける姿勢に注目していきたいと思います。

ネタバレBOX

自分にはないセンスで違和感があり、どうなるか興味深い。
高校演劇上がり的な演技の仕方は演出の狙いなのだろうか。
定めた世界観はきっちり守られていた。

主人公の男子の雰囲気は、好き嫌いがある。
自分はどっちかというとあまり好きではない。なんかくすぐったい。
このくすぐったさが、ある人には魅力になのかもしれない。
平田オリザか…そうか…。
未完成でふわふわして、デリケートで、それが良さであり悪さであるような。
これだけの注目度であるし。行く末は気になります。

個人的には下地尚子さんが非常に好きです。

Nazca -ナスカ-

Nazca -ナスカ-

劇団銀石

吉祥寺シアター(東京都)

2011/08/18 (木) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

話が分かりづらい
劇場に入ってステージを見た瞬間から、
何かやってくれそうな感じがした。
広い吉祥寺シアターのスペースを全部使っての演出や演技は良かった。
音も装置も照明もよかった。

ただ話がちょっと分かりづらかった。

ネタバレBOX

2時間を超える長い芝居なのに話が分かりづらいとちょっと苦しい。
台詞が聞き取りづらい事もあるのだけど
いくつか並行する話と世界が、混ざりきらない。
ナスカと手紙と生きた人間と死んだ人間と星と蝉と想像と現実。
ちょっと詰め込みすぎかも。頭の中でなんとか繋げようと思うのだけど…。
最初説明を読んだ時、テーマとナスカがどう関係するのか明確に想像できず、
そのまま舞台に答えを求めたけど、舞台を見ても明確にはわからなかった。
広がった話をひとつのテーマに向けて収束していく感じがもう少し欲しいと思います。
長い話なら余計に腑に落ちたい。

音楽はとてもよかったし
装置も映像も演技も演出も照明も良かったし劇場も良かった。
さすが吉祥寺シアターでやる劇団は制作もしっかりしていて素晴らしいです。
他の舞台も見てみたいと思いました。

いよいよ決戦です、その際の心構え。

いよいよ決戦です、その際の心構え。

タイガー

OFF OFFシアター(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

ぐだぐだを愛せるかどうか
登場人物の目的はいたってシンプル。
その中でのぐだぐだ。脱線につぐ脱線。話は一向に進まない。
そのぐだぐだ感を受け入れられるかどうか、それがすべて。

ネタバレBOX

戦士たちは登場の時すでに、見た目からぐだぐだ、
話がまったく進まないので、その間もぐだぐだが舞台を支配する。
しかし、このぐだぐだで笑っている人は意外に多かった。

物語性はなく、ずっと宿屋でぐだぐだして、
最後は決意して魔王を倒す、というシンプルな話。
設定やストーリーの面白さを求めていくと肩透かし。
ゆる~くグダグダ感を楽しみにいける人向けだと思います。

このページのQRコードです。

拡大