鳥の市 2018
なかないで、毒きのこちゃん
OFF OFFシアター(東京都)
2018/12/27 (木) ~ 2018/12/30 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/12/30 (日) 14:30
Dを観た。
「わるぐち全集」はBの「悪口…」の2年前に同じ古着屋で上演されていて、原型と言えるもの。こちらを先に観ればよかった、とは思うが、展開は少し違って面白い。
「わたしのあおぞら」は森岡未帆の熱演だが、唯一笑えない作品だと思った。
鳥の市 2018
なかないで、毒きのこちゃん
OFF OFFシアター(東京都)
2018/12/27 (木) ~ 2018/12/30 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/12/30 (日) 12:30
Cを観た。
「世田谷区在住。町田みよことその恋人と」は友人OLの結婚式を明日に控えたOL3人が、出し物で苦心する物語。バー公演だったらしく、バーテンダー役の森田ガンツがひたする眺めているのが面白い。
「芝ちゃん浜ちゃんたかなしくん。」は、せのじゅんこによる落語。2人姉妹の物語を名作「芝浜」の逆で落とすあたりは巧い。
鳥の市 2018
なかないで、毒きのこちゃん
OFF OFFシアター(東京都)
2018/12/27 (木) ~ 2018/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/28 (金) 18:30
Bを観た。
「悪口サミッドナイト・イン・高円寺」は古着屋で初演をしたそうで、店長とベテランのバイトが、年上の新人バイトに手を焼く話だが、新人役の浅川千絵がドはまりで見事。途中からの転換も興味深い展開をみる。
「そしてまたキミのユメをみる。」は、女子中学生が好きな彼に告白するところをひたすら妄想。やないさきの演技力が光る。
鳥の市 2018
なかないで、毒きのこちゃん
OFF OFFシアター(東京都)
2018/12/27 (木) ~ 2018/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/28 (金) 16:30
Aを観た。
「おせきはん、たく」はタイトルがすべてを物語っているが、できるだけそう思わせないような演技を石澤希代子が巧みに演じてる。
「そば屋のあつこちゃん」は懐かしのチャゲ・アス曲に繋がるコメディ。そば屋という所がミソ。
「ビックリハウスのこと、…」は、初演が花やしきだったということを考えると面白い。釣り橋効果を信じるカップルの物語。繰り返される「ビックリしたね」というセリフが効いてる。
日本の歴史
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2018/12/04 (火) ~ 2018/12/28 (金)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/12/27 (木) 18:30
楽前に再度の観劇。演出が微妙に変わっているが、基本はテキサスの一家の物語を日本の歴史になぞらえて、同じ悩みが繰り返される、というテーマを扱っていると感じた。シルビア・グラブの歌が巧く、宮澤エマの声が美しく、秋元才加のポジションが実に巧い。秋元に差別されるメキシコ人の役を振ったところも見事だ。年末に観るのに良い舞台だと思った。
かもぬ
演劇ユニット「みそじん」
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2018/12/26 (水) ~ 2018/12/29 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/26 (水) 19:30
番外公演は劇団員と日替わりゲストの3人芝居。かなり面白い造りの芝居で、客席がやや寂しいのは勿体ない。三十路の売れない役者が劇団を作って…、という、みそじんそのもののようなストーリーだが、35歳になり劇団を解散することになり、劇団を作るきっかけとなった大女優(日替わりゲスト)に出演を依頼する、という物語が面白い。今日の日替わりは小林さやかだが、最後に付け加わったセリフを合わせるという名目で、早口言葉的なセリフを言わせるというアイデアは、作・演出の東野の大ヒット。優しい芝居作りが売りの同劇団らしい温かい1時間だった。
なお、みそじんは次の公演も決まっていて、解散するわけではない。
夕闇、山を越える/宵闇、街に登る
JACROW
小劇場B1(東京都)
2018/12/20 (木) ~ 2018/12/27 (木)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/25 (火) 19:30
新作の『宵闇…』を観た。佐藤栄作首相の退陣後の、いわゆる「角福戦争」の発端への経緯を描く。登場人物は全て実在で、起こった出来事も外形的には知られていることばかりだが、緻密な描写と役者陣の好演でリアリティある舞台になっていた。興味深いのは、実は主軸が越山会の女王と呼ばれた佐藤昭になっていて、ここはプライベートとオフィシャルの中層をなしている。エンディングのシーンも佐藤昭をフィーチャーして、一寸泣かせる。惜しいのは、座った席からは山口淑子(役の木下祐子)の顔がほとんど見えないこと。大したことではないが…。
メタルマクベス disc3
TBS/ヴィレッヂ/劇団☆新感線
IHIステージアラウンド東京(東京都)
2018/11/09 (金) ~ 2018/12/31 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/24 (月) 14:00
2006年の初演を観ているが、その時の感想に「(客演者が中心となり)、新感線って自分達だけで公演が打ちにくい体質の劇団になっちゃったってことかな、と、少し疑問」と書いてる。その後、そういった方向に本当に行っちゃったなぁ、という感想を強くした。この回る劇場は初めてで、確かに凄いが、使い切れる劇団/演目は限られるだろうという印象を持った。物語は確かにマクベスだが、長澤まさみのマクベス夫人がカッコイイのに悪い役、というのをシッカリ演じてて驚いた。マクベスよりも夫人の方が悪党、というのもしっかり描かれ、それでいて娯楽超大作として出来上がっているのも見事だった。
サンタクロース(仮名)の死
くによし組
王子小劇場(東京都)
2018/12/21 (金) ~ 2018/12/25 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/23 (日) 18:00
國吉にしては少し珍しい純愛モノとでも言おうか。嘘ばかりつくウソ田が次々にウソをついていくが、それを信じる者、信じない者、など、混ざって、どこまでが現実で、どこからがウソ田の書いた小説の物語なのか、境目が見えなくなってくるところが興味深い。すべてが架空の話という解釈も残しつつ、最後は、ウソ田を好きな女の子のセリフが泣かせる。役者陣も虚実の境目に苦労するだろうに、熱演である。
愛犬ポリーの死、そして家族の話
月刊「根本宗子」
本多劇場(東京都)
2018/12/20 (木) ~ 2018/12/31 (月)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/12/23 (日) 14:00
根本宗子にしては、やや変わったテイストの作品だった。4人姉妹の末妹・花は22歳なのに子どもっぽく世間知らず。3人の姉は結婚しているが、どの夫も一癖あって、その3組の夫婦が花の22歳の誕生日に集まるが、愛犬のポリーが死んでしまう。3人の夫からのストレスでポリーが死んだと思った花は、ツイッターで知り合った小説家を家に招き入れて、3組の夫婦の様子を話すが…、という展開。花の役で出演予定だった青山美郷に代わって藤松祥子が花の役を演じているが、不思議なテイストに包まれながらも、少し希望を見せて終わる。役者陣は健闘しているが、何故花が子どもっぽいのか、巧く伝わってこないものの、そういうものだと思って観ていて楽しめる2時間だった。
アトムが来た日
serial number(風琴工房改め)
ザ・スズナリ(東京都)
2018/12/20 (木) ~ 2018/12/29 (土)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/12/21 (金) 19:30
詩森ろばはいつも、期待に違わない作品を作る。…と言うか、しばしば期待を超えてスゴイ作品を作る。今回もその思いを強くした。2つの時代、原子力が未来のエネルギーとして期待されていた1950年代と、2040年代(浜岡原発が事故を起こし全世界が原子力発電から撤退した世界)という2つの時代の時間軸を巧みに移動しつつ、原子力への期待と不安を、ニュートラルに描く。原子力発電、というと、反対の立場から描く作家が多い中、この「ニュートラル」という立場は見事なものだと思う。役者陣も詩森の作品に慣れた者が多く、2つの時代で数々の役割を担いつつ、詩森の脚本を具現化してる。
一つ注文を言うなら、科学と工学の立場の違いを意識してほしかった。原子物理学者と原子力工学者では、スタンスの違いがあるはずだと思う。
ミセスダイヤモンド
ろりえ
駅前劇場(東京都)
2018/12/19 (水) ~ 2018/12/23 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/19 (水) 19:00
久々に観たろりえだが、面白かった。ビッグカメラ(ビッ「グ」であってビッ「ク」ではない)の下北沢駅前店で、創立30周年を記念してソフトボール部を作る話が起こる。北北沢中時代にソフトボール部だった3人(岩井七世,徳橋みのり,斉藤可奈子)を中心に作った部の、さまざまな出来事を描いた青春スポ根ドラマ。適度にふざけて、適度に真面目で、バランス良く気持ちよく観ることができた。難を言えば、長い。2時間25分は要らない気がする。
十二月の蜘蛛と火曜日のオルガン
キコ qui-co.
駅前劇場(東京都)
2018/12/12 (水) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/16 (日) 17:00
Aバージョンを見て気になってしまい、やや無理をしてBバージョンを観劇。少し笑った。80分まではAと同じだが、Bはその後の主に男たちの物語に重点を置く。「青春」と言えない人々のもがいている姿を描いて、ハッピーエンドではないが、一応は気持ちよく終わる。しかし、とにかく登場人物が多く、行動の動機も明らかではない作劇は、小栗らしいとは思うが、分かりやすくはない。
十二月の蜘蛛と火曜日のオルガン
キコ qui-co.
駅前劇場(東京都)
2018/12/12 (水) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/15 (土) 19:30
Aバーションを観劇。切ない。小栗はロマンチストなので、ロジックで芝居を組み立てない傾向がある。死んでしまったサッカー少年と、死んでしまったバンド少女の周辺の人々の物語だが、80分までは同じで、そこから先がA・Bで変わるという。Aは10年前に戻り、死んだバンド少女が夢見たもの、そして、成し遂げられなかったものに重点を置く。エピソードの羅列に見えなくもないが、「青春」の切なさは感じる。
スカイライト
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2018/12/01 (土) ~ 2018/12/24 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/13 (木) 19:00
圧倒的な会話劇。圧倒はされるが、翻訳劇特有の問題はあるように思う。ロンドンのさびれたアパートに住むキラ(蒼井優)の所に、元不倫相手だったトム(浅野雅博)の息子エドワード(葉山奨之)が訊ねてくる。妻が死んで、不安定な父トムを助けてほしいとのこと。その夜、トムもキラの所を訊ねて、2人の出会いから関係からを振り返るが…、という物語。何と言っても、2幕休憩ありとはいっても2時間半ほどの間、出突っ張りの蒼井優が凄い。ほぼ、その相手を剃る浅野も凄いが、蒼井はスパゲッティを作ったりしながらの演技で、確かにそこには圧倒される。
ただ、ロンドンの物語なので、今キラが住んでる場所がどういう場所か、かつてトムや家族といた場所がどういう場所か、キラとトムの階級がどう違うのか、それがどう影響されたのか、等々、文化的な差を埋められているかと考えると、ややそれは疑問だ。プログラムで説明されてはいるが、翻訳劇にありがちが文化や宗教の差が重要な意味を持つ作品だと思えて、残念な気持ちが残る。
へたくそな字たち
TOKYOハンバーグ
座・高円寺1(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/12 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/10 (月) 19:00
劇団は初見だが、再々演だそうで、劇団として自信のある作品らしい。夜間中学を舞台にした作品だが、真摯に夜間中学を取り上げていて、いかにもなエピソードの連続だが、役者陣の好演もあり、飽きることなく観ることができた2時間だった。手紙を出す、という宿題を出された生徒(と言っても成人ばかり)達が戸惑う様子や、丁寧なセリフの吟味など、誠実に芝居作りに向かっているのが分かる。
SHIP
浮世企画
APOCシアター(東京都)
2018/12/04 (火) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/07 (金) 19:30
浮世企画久々の本公演は大ヒットだった。バザー出品物を作るのに集まった30代女子が4人。他愛もない会話の中で、徐々に明らかになってくる各々の過去のダークな部分が、フラッシュバックのように挟み込まれる、…、という手法で、ある意味等身大の30代女子を描いている。役者陣のフィット感もあり、本音なのかセリフなのか分からないような場面もあり(もちろんセリフなのだが)、楽しめる90分だった。
ただし、アフターイベントは余計だと思う。
逢いにいくの、雨だけど
iaku
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2018/11/29 (木) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/12/06 (木) 19:30
iakuらしい素敵な時間を過ごすことができた。10歳の時に、ある事件で加害者になった女の子と、被害者になった男の子。その現在と27年前の子どもの頃と交互に時間軸が動き、それぞれのエピソードの積み上げで物語を紡ぐのは横山らしい手法だ。加害者・被害者とその周辺の人々の誰に対しても共感できる部分があり、ある意味で悲惨な話なのだけれど、気持ちよく2時間を観ることができる。
ゼブラ
ONEOR8
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2018/12/04 (火) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/12/05 (水) 19:00
初めてONEOR8を観たのが、TOPSでの『ゼブラ』(のおそらく初演2005年)だった。そのときもすごい芝居だと思ったが、今回も見事な芝居だった。父が浮気して母子家庭となった4人姉妹の母が亡くなり、葬儀の準備をするのだが、時に時間軸が動いて子ども時代に戻ったエピソードなどが繰り返される。一人残される三女を演じる冨田直美が秀逸。エンディングが印象的だった初演とは終わり方が違っているように思ったが、勘違いか?それでも、心に残る舞台である。
日本の歴史
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2018/12/04 (火) ~ 2018/12/28 (金)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/04 (火) 18:30
『日本の歴史』を期待して観に行くと肩透かしを喰らう。単純に日本の歴史を扱うのではなく、テキサスの一家の歴史を、日本の歴史と比較して描く、という変わった手法で、歴史は繰り返される、というメッセージを伝えているように思った。しかも、それを7人のミュージカルで、というのだから、役者陣は大変だが、面白い舞台ではあると思う。