満足度★★★★
鑑賞日2018/12/13 (木) 19:00
圧倒的な会話劇。圧倒はされるが、翻訳劇特有の問題はあるように思う。ロンドンのさびれたアパートに住むキラ(蒼井優)の所に、元不倫相手だったトム(浅野雅博)の息子エドワード(葉山奨之)が訊ねてくる。妻が死んで、不安定な父トムを助けてほしいとのこと。その夜、トムもキラの所を訊ねて、2人の出会いから関係からを振り返るが…、という物語。何と言っても、2幕休憩ありとはいっても2時間半ほどの間、出突っ張りの蒼井優が凄い。ほぼ、その相手を剃る浅野も凄いが、蒼井はスパゲッティを作ったりしながらの演技で、確かにそこには圧倒される。
ただ、ロンドンの物語なので、今キラが住んでる場所がどういう場所か、かつてトムや家族といた場所がどういう場所か、キラとトムの階級がどう違うのか、それがどう影響されたのか、等々、文化的な差を埋められているかと考えると、ややそれは疑問だ。プログラムで説明されてはいるが、翻訳劇にありがちが文化や宗教の差が重要な意味を持つ作品だと思えて、残念な気持ちが残る。