騎士ブルース
無頼組合
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2017/12/08 (金) ~ 2017/12/11 (月)公演終了
満足度★★★
このシリーズ、初観劇だったのですが、冒頭にこれまでのダイジェスト紹介があったとはいえ、10作にも渡るシリーズの最終作ともなれば、これまでの登場人物をいろいろナニしたりするのが、こういうハードボイルドもののお約束的展開な訳で、やはり初参戦の身には、そこから観るのはちょっと敷居が高かったかなあという気が。
カーチェイスのシーンの演出とかおおっと思わせるところも多かったのですが、何せ初めて観るキャラクターばかりなので、何故この人はこういう喋り方なんだろうとか、ついつい余計なことを考えてしまい、なかなか集中できないところも。せめて昨年ぐらいからでもこのシリーズに接していれば、また違った感想になったかと思います。
『熱狂』『あの記憶の記録』
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2017/12/07 (木) ~ 2017/12/19 (火)公演終了
満足度★★★★
『熱狂』
どちらかというと軽薄な性格なもんで、今回のような重厚そうな作品は普段なら敬遠するところだが、あまりの評判の高さについ足を運んだ。なので、期待に胸を膨らませたりとか、熱狂に巻き込まれたいとか、問題意識を持ったりとか、そういう思いはほぼゼロの状態で観始めた訳だが、冒頭から、これはその辺の舞台とは「力」が違うなと引き込まれた。その後の彼らが何をしたか、どうなったかを知っている側としては、「面白い」などという言い方は不謹慎なのかもしれないが、それでもこの舞台、とても面白かった。学生の頃に読んだ『詭弁論理学』なんて本のことも思い出してしまった。
サンタクロースイントーキョー
羽生一家玉組
劇場MOMO(東京都)
2017/12/06 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★★
予想外にという言い方は大変失礼なのですが、正直こんなに楽しませてもらえるとは思いませんでした。いろいろ詰め込みすぎて、後半はちょっと説明めいたやり取りが多くなったかなと思ったものの、それでも私はこの芝居大好きです。気持ちよく拍手させてもらいました。ドアノブが外れるアクシデントはご愛嬌。
踊る会議室
ショーGEKI
小劇場B1(東京都)
2017/12/06 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★★
初日。初めてこの劇団の舞台を観ましたが、お客さんはいっぱい入ってるし、開演前も客席から舞台への期待感のようなものが伝わってくる空間で、何だか嬉しくなります。イントロにあたる部分の演出もテンポがよく、序盤から引き込まれ、会議の内容もムダにテンションが高くて(=褒め言葉)、笑わせてもらいました。表会議(善)・裏会議(悪)、それぞれ濃いシーンが続くので、初観劇の身としては後半少々疲れてしまいましたが、楽しかった。
ホテル・ミラクル5
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/12/01 (金) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
『ゴールデンバット』『セブンスター』
うさぎストライプ
アトリエ春風舎(東京都)
2017/11/29 (水) ~ 2017/12/09 (土)公演終了
満足度★★★
『ゴールデンバット』
70分熱演でしたが、歳のせいなのか、中で使われる曲の年代的な関係性とかをつい気にしてしまい、深く入り込めなかったところも。ラストはほろっとさせられました。
~ 上海ラプソディ ~ ミステリアス・ミス・マヌエラ
サンハロンシアター
テアトルBONBON(東京都)
2017/11/29 (水) ~ 2017/12/03 (日)公演終了
あのチラシとタイトルで、和田妙子さんの波乱万丈の物語をやるのかなと勝手に想い描いてしまったのが悪かったのか、こちらの期待が過大だったのか。初日でいろいろあったのだろうということを割り引いても、ちょっとね。李香蘭は知っていても和田さんの名は知らない、本を読んだこともないという人が観るとどう思うのか分りませんが…。モノローグの音響も違和感。赤いドレスのマヌエラはきれいでした。
Utopia
Fallen Angels
APOCシアター(東京都)
2017/11/24 (金) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★★
「Better half」「Open the door」「System KANACO」「Utopia」という二人芝居4作品。観たあとで気持ちが落ち込んでしまうような舞台なのかしらと半分覚悟(?)していましたが、説明文にある「小さな闇」はそれぞれ見え隠れするものの、暗い気持ちで帰途につくようなことはなくて助かりました。会場は四方を客席で囲まれた小さなスペース。お気に入りは「System KANACO」で、女優さんの声もよかった。好みとしては「KANACO」→「Utopia」→「Open the door」→「Better half」の順。
『青いポスト』/『崩れる』
アマヤドリ
王子小劇場(東京都)
2017/11/04 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了
満足度★★★★
勤労感謝の日に『青いポスト』を鑑賞。女性12人による舞台。通常の舞台側が客席になるというのは、今年これまでこの劇場で観た舞台3つのうち2つがそうだったので、そのことに特に驚きはしなかったが、通常の出入口ではなく楽屋を通って客席に入ったのは初めて。
この劇団の舞台は初めてだったが、役者さんの各シーンのレイアウトや交差する度の芝居の変化、ダンスの素晴らしさなどが印象的。性格の悪い双子のうち1人がブロンドだったので、昔観た『小さな悪の華』という映画を思い出した。こちらに出てくるのは双子ではなく、黒髪とブロンドの、やはり周りから嫌がられることばかりする15才の少女2人で、話の展開は違うけど。
グランパと赤い塔
青☆組
吉祥寺シアター(東京都)
2017/11/18 (土) ~ 2017/11/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
135分とやや長尺ながら、それを感じさせない。特に終盤のある一日、あれを描く為にもこの時間は必要だったように感じる。何ら事件らしきものも起きず、ただ日常の風景が綴られるこの舞台。上っ面の「刺激」的事象や演出などなくとも、私には充分刺激的だった。
蒲田行進曲
“STRAYDOG”
明石スタジオ(東京都)
2017/11/22 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
初日・Bチーム。これまで映画版しか観たことがなかった『蒲田行進曲』。今回の公演は、基本的に’82年の紀伊国屋ホール上演版を踏襲したとのことだが、相当にスレてしまったこんな歳の自分でもぐっときたのだから、あの頃こんな密度の高いものを20才そこそこで観てしまったなら、そりゃ魂をもっていかれた者が続出したのも無理はない。
主役どころの3人はみな良かったし、監督役の人にもぞくぞくさせられた。映画版『蒲田行進曲』が、あそこやあのシーン等を膨らますことで、舞台に対抗するしかなかったこともよく分かった。
「15」
雀組ホエールズ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2017/11/15 (水) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★★
「ギャグのない吉本新喜劇」と書かれている方がいましたが、私の感想だと序盤は「嫌味のある吉本新喜劇」のような印象です。自分勝手にどんどん事態を悪化させていく人たちがいて、吉本新喜劇だとそれを演者の「芸」で笑いに昇華させるのですが、本作ではちょっとイラッとさせられました。暗転後の展開は、いろいろ伏線回収などもうまくまとまるし、面白かったです。あと、舞台に立ってる15人、脇にいようが後ろにいようが、みな気を抜いてないのが感じられたのは好感度大。
ペルセポリス。そして、
かもねぎショット
ザ・スズナリ(東京都)
2017/11/16 (木) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★★
イランの女性を迎える小さな町の日本人たちの姿、国外へ避難した2人の少女、そして母国を離れる道を選んだ少女、この3つの物語が交錯。2人の少女を演じた笠久美、栗栖千尋のお2人の声が素晴らしくて、冒頭からぞくぞくさせられた。ケテルビーの「ペルシャの市場にて」をあんな大音量で聴いたのなんて、何十年ぶりだろう。
結人~むすびと~
劇団黒胡椒
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2017/11/15 (水) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★
女優さんはみな可愛かったし、着物姿も変じゃなくてよかった。ダンスをほめてる人が多かったので、それに期待しすぎたのがいけなかったのか、最初のダンスの印象は今一つだったものの、それ以降のダンスは舞台のいい効果に。ただ、笑いの部分は少なくとも私には機能せず、いっそのこと一度全部取っ払ってしまえばいいのにと思いました。
穴ザワールド
発条ロールシアター
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2017/11/16 (木) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★
もっと見ちゃいけないような世界に突入するのかなと思えば、意外にまともでしたが、それってこちらの期待が高すぎたのか、それとも初日でまだ充分仕上がってなかったのか。
ポーランドの人形遣い
劇団昴
Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)
2017/11/09 (木) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
まず場内に入って、セットの素晴らしさにびっくり。フィンケルバウムの台詞量と狂気、シュワルツコフが出る前あたりからのザワザワ感。あと音響もよかったなあ。
取引
オフィスコットーネ
シアター711(東京都)
2017/11/10 (金) ~ 2017/11/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
シンプルなセットだけど、効果的な配置とライン。FBIおとり捜査官の内情や孤独を、重厚且つ軽妙な(というと何だかヘンですが、そう言いたくなる)タッチで描かれ、政治家との駆け引きを含めて目が離せませんでした。
二進法の砂
劇団 バター猫のパラドックス
劇場MOMO(東京都)
2017/11/08 (水) ~ 2017/11/13 (月)公演終了
満足度★★★★
Bキャスト版を観劇。某クラウドファンディングのサイトに載っていたプロジェクションマッピングの出来と効果は、正直なところ予想を超えるものではなかったですが、幾つかおっと思わせる箇所がありました。X21のメンバー2人は健闘していたと思います。
みごとな女
SPIRAL MOON
サブテレニアン(東京都)
2017/11/08 (水) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★★
上演時間は約60分。昭和初期、ある家庭の夏の夕暮れの一幕が、素晴らしいセットの中で濃密に描かれます。これはスタッフ・キャストの方々には全く責任のないことではありますが、開演前から終演まで、止まったかと思えばまたゲホゲホを繰り返す「Mr.咳込み君」が1名いらして、少なくとも序盤はなかなか芝居を観るのに集中できなかったのが残念。
『50ans,j’yvais!(サンコントン ジヴェ!)50歳の私が20代の彼と結婚する方法』
Sky Theater PROJECT
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2017/11/07 (火) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★★
あのワンシチュエーションで話を展開させるためとはいえ、序盤の(主人公の思惑を無視した)彼の半ば確信犯的なKYっぷりというか、本人の一方的な善意の行動が、個人的には少々不快だったのです。28歳にもなったいい大人が、もう少し物事を上手く運んであげることができないのかよ!?という、完全に主人公側に立った反感ですが、もしかしてこれって、すでに作者の掌の上に乗せられてしまってたのかも。実際、観ているうちにどうでもよくなりましたしね。
しかしこれだけ出入りが激しいのに、登場人物それぞれにちゃんと見せ場があって印象に残るし、かなりデフォルメしたキャラの人が多いのに、浮いて見えるような人もいない。90分、あっという間でした。