コナンの観てきた!クチコミ一覧

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ノート

ノート

ティーファクトリー

吉祥寺シアター(東京都)

2019/10/24 (木) ~ 2019/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

弁護士一家殺人事件や地下鉄サリン事件等、あの歴史的にも最悪の大事件。
主人公は、このどちらにも直接関わった犯罪者であり死刑囚。
この主人公を如何にも悪人顔の方ではなく、むしろ優し気で繊細な印象を受ける役者さんが演じており(おそらく実在の人物を特定していないのでしょう)これは既存の先入観や作品全体のイメージに独特の影響を与えていたと思います。

その当時の記憶を辿る精神的なところがメインに描かれ、何故に彼等はこんなにも凶暴で大それた行動をとってしまったのか、決して一般人とかけ離れた境遇でも性格でもないのに。
心の中にぽっかり空いた穴をとんでもない「教え」で占領されてしまった人のコトバが折り重なり、当時読んだ記事やテレビの映像をだぶらせながら見入っていました。
どこかアノ教団とはまた違った世界のような雰囲気も感じます。
照明もセットのひとつであるかのよう、舞台の表情を様々に変化させていました。

おしゃれ紳士×神保町花月 presents「オシャレ紳士のオクトーバーフェスト」

おしゃれ紳士×神保町花月 presents「オシャレ紳士のオクトーバーフェスト」

神保町花月

神保町花月(東京都)

2019/10/16 (水) ~ 2019/10/25 (金)公演終了

満足度★★★★

何だろう、パフォーマンスショーとはいえ、この敷居が低く楽しめる感じは。
会社内の合同大忘年会で有志の集まりが、この日の為に練りに練った出し物を楽しむ感じに似ているのか。
とはいえ当然ながら90分強の時間、暗転無しノンストップのオムニバスパフォーマンスは、とても素人にマネできるクオリティーには納まっておりませんでした。

上半身裸にネクタイの正装は前説時にはヘンテコに見えるのだけれど、開演したとたん妙にカッコよく見えるし、何ならちょっとお洒落(アッ!おしゃれ紳士)
観進めていくうちに・・・激しく躍動する身体に飛び散る汗・・・何だか女性専用のキャバレーに潜伏している様な妙な気分。
男性客も普通に楽しめるけど、やっぱりコレ、女性客が大興奮。
本来女性しか立ち入れない様な空間に立ち入れているような背徳感がくすぐったく、なんだかんだ女性客の方々の興奮した空気に便乗して楽しんでいました(笑)
特に良かったのは元格闘家・須藤元気さん率いる「WORLD ORDER」を彷彿させるパフォーマンスと激しめのダンスナンバー(この激しめの割合が非常に高い!)
物凄い運動量で皆さんやり切った感。
お酒を飲みに行けないけど、非日常空間に身を置いて刺激を…と思っている女性の方にお薦め。
だぶん想像以上。

Photograph2019

Photograph2019

劇団カンタービレ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2019/10/17 (木) ~ 2019/10/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

確実にカンタービレさんがひとつ高いステージに到達したという手応えを感じる公演でした。

実は今回、カンタービレさんが得意とする「コメディー」の看板を降ろしている様子だったので不安な部分がありました。
それは、劇団さんによっては、あえて自分の得意な部分を封印して純粋なストレート芝居にした結果、何の個性も無くなり記憶にも残らない寂しい観劇になってしまう可能性があると思ったから。

そうしての観劇・・・役者さんの身体を借りた登場人物達がステージ上で活き活きと泣き笑う姿に、もう釘付けの舞台だったので本当に良かった!
お馴染み、舞台セット早変わりの術もドラマの進行をしっかりサポート。
役者さんの演技力が突然上がったというより、各々の役柄に心からなり切った演技が自然と観る者の心に沁み込んでくる感じ。

辛い物語でありながら、根っこの明るさに救われる事しばしばで、嬉しい事があっては涙腺が緩み、悪い事が起こってはまた涙腺が緩む。
もうやたらポロポロ涙が出てくるのは生舞台のみが伝達可能な「生きた記録」だったからだと思います。

小刻みに 戸惑う 神様

小刻みに 戸惑う 神様

劇団ジャブジャブサーキット

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/10/17 (木) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

お葬式モノだというのに何でしょうこの清々しさ!
本来ストレートプレイのお葬式作品は故人をイメージしながらになるのでしょうが、本作では仲間をお供に本人が幽霊として出て来ちゃうのですね(笑)
早々にそれが解るようになっていて混乱もなく良かったです。

お葬式の準備には色んな事が起こり得るものだなぁと何かと勉強になったのも良かった。
大きな事件が起こらなくとも、上の階での大きなお葬式や、フリーの葬式ディレクター登場、お家の事情なども加わって感慨深い思いがどんどん積み重なっていき、やがては冒頭の感想へと繋がっていくのでした。

ネタバレBOX

参列者の数で葬式の良し悪しが決まるものではないけれど、上の階はおそらくお付き合い参加がほとんど。
自ら希望して集まった参列者からなる楡原家のお葬式は「人数」以上に勝った!っていう感じ(笑)
直接葬儀のシーンがあったわけではないけれど、家族を含めて多くの人がしみじみ故人を偲ぶことが出来た良いお葬式であった事を確信させてくれました。
『パンパンじゃもの、花じゃもの』

『パンパンじゃもの、花じゃもの』

劇団天然ポリエステル

小劇場B1(東京都)

2019/10/17 (木) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

肌編を観劇。
由緒ある家系の重荷に耐えかねた猛太郎、死をも覚悟の果てに辿り着いたのは闇市パンパンワールド。
現代ならニューハーフの売春グループと言えばいいのでしょうか、彼女?達がズラリと揃うと凄味があります。
猛太郎の目線と一緒に拡がっていくパンパンワールド。
同じ闇市の住人からは馬鹿にされつつも呼称には拘りもあり、なかなか高いプライドをお持ちのようですが、夜の暗闇に乗じてわざと顔を隠しちゃって、女性と勘違いさせる客引方法は如何なものか(笑)

とはいえ保守とセクシャリティーの重圧から逃げてきた猛太郎にとって、規格外で気のいい彼女達に居心地の良さを感じていく様子はとても自然のように思え。
心無い迫害を毒づいてやり返す逞しさは面白可笑しくも、やがてそれぞれが迎える悲喜こもごも。
主人公・猛太郎の成長と共に様々な人生(キャラクターが実に豊富)が交錯して、とても見応えある作品でした。

人間そのものが持つ妬み・嫉みの他、女装娼婦ゆえの苦悩が加味された肌編。
もうひとつのバージョン、王道?女性パンパンワールドの髪編はどんな作品になっているのか非常に気になるところですが予定が立たない(泣)
今後の「観てきた」も楽しみにDVD化を期待する事にします。

ネタバレBOX

パンパンの方々の綺麗な人とそうでない人の差が極端ではあるまいか(笑)
いかにもブサイクに寄せた髪型・化粧にするよりも、がんばって化粧しているのだけれどどうしてもブサイク風にしてもらった方が笑いは損なわれずに哀愁もアップするのではないかと。

ラストシーンで雑踏をさまよう、感じの良い女性は猛太郎の結婚相手となる人か。
そうだと良いなと思いつつ・・・終演後、確認してくればよかったのだけれど・・・まあいっか、そうであって欲しい。

バンク・バン・レッスン

バンク・バン・レッスン

“STRAYDOG”

ワーサルシアター(東京都)

2019/10/16 (水) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

Bチームを観劇。
全員主役か!?ってくらい総勢8人の役者さんが弾けまくっていました。
若い役者さん達は男女問わずの美形揃い。
これはもうSTRAYDOGさんの様式美というか、いわゆるボケるのも美形なら突っ込むのも美形(笑)そりゃあもう潔いくらいの弾けっぷり。

見る見るうちに加速していく銀行強盗シミュレーションと間に挟まれるAKBナンバーに大興奮。
思わず「今の熱演お見事っ!」と拍手したくなる見せ場も有ったり、バカバカしさもここまで突き抜けてくれると、もはやアイドルものを超えた完全なるプロ仕様。
観終わった今は、もうメロメロになってしまった腑抜け感と、沢山エネルギーを貰った充足感でいっぱいです。

Blank Blank Brain

Blank Blank Brain

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2019/10/12 (土) ~ 2019/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★

人気作家の脳内。
ひとつの脳内に3つもある書きかけの作品と、それぞれに女性担当編集者が付いているのがミソだったかと。
冒頭ではこんなに遠慮なく女性3人に脳内をあれやこれや観察されるのは裸を見られる以上の辱しめではないかと思いつつも、仕事にストイックな作家さんで良かった(笑)

とは言っても人の脳内がそうはっきり理路整然としているわけもなく、その混沌さで最初のうちはSFコメディーな感じで笑わせていたのに、想定外のキャラ登場、段々と予想外の流れへと変わっていくので、結果とても一括りにはできないと思えたジャンルレスな作品。
人の生み出す芸術がAIには決してとって代われない、人間だけが持つ「観念」それとも「意志」と言えば良いのでしょうか、その力強さと複雑さ、そしてちょっと感じる空恐ろしさ・・・何とも不思議な後味を残す作品でした。

私家版 孤島の鬼

私家版 孤島の鬼

K'srutan produce

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2019/10/09 (水) ~ 2019/10/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

美と醜悪がとぐろを巻いた様に絡みあった物語。
そのビジュアルイメージが損なわれる事ない役者陣「よくまあ揃ったなぁ」と。
見た目だけでなく、レトロで美しい日本語が心地良く、何ともミステリアスな雰囲気。

個人的にはこの原作、何十年も前に一度読んだっきり、それでも未だ強烈に覚えている事で、面白い内容だという事は観劇前から織り込み済み。
同時に、とは言っても舞台化って…そうおいそれと実現できない作品であろう思いもありぃの。
なので今回そこも含めてどんな公演になるのか楽しみな観劇でしたが、まずは見事なほど真正面から原作と向き合ったスタイルだったのに加え、80分という時間内で収め切った独自の構成力が素晴らしかった!
「そうそう、そうだった!」と記憶をなぞらえる楽しみと、新しい物語に出会えた様な新鮮な楽しみが同時に味わえました。

怪しげな「灯り」と表現してもしっくりする照明も効果的、演技力との合わせ技で舞台の場を自在に変換。
小説に生身の役者さん達が息を吹き込んだ舞台版は、小さな劇場の密室感をも味方につけ濃厚な空気を創り出し迫力満点でした。

大胆な発想の怪奇エンターテイメントな中、おぞましく(その時代での感覚では)も哀しく残酷な恋の顛末を改めて認識させてもらった類い稀なる人間ドラマ。
台風の影響を受け幾つかの回が中止になってしまうのは非常に残念ですが、13日には振替公演が設けられるそう。

ネタバレBOX

あれっ原作を変えて語り部を逆にしたんだ・・・うん確かに違和感は無いし役者さんも巧くダイレクトに伝わるし・・・やがて、おぉ ラストシーンで更に大納得。
舞台版として確かに正解でした。
『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』

『GUNMAN JILL 』&『GUNMAN JILL 2』

チームまん○(まんまる)

萬劇場(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

西部劇といえば、やっぱり大衆酒場。
広々と酒場ド~ン!なセットは如何にも面白い事が起きそうな予感でプンプン。
セットのみならず衣装や小道具に至るまで美術の全てがスタイリッシュで本格的。

こんなカッコいいのに、こんな可愛いのに、こんなにアクションなのに、こんなにシリアスなのに・・・どれもこれもシモ絡みか(笑)このギャップとスピード感が笑いを生み出していくのですね。

これってもはやガンマン対決なのか変態対決なのか。
とは言ってもイケてる感は損なわれず下品さもさほど、これなら地上波で放映してもTOKYO MXあたりならOKっぽい(参考基準は岩井志麻子と中瀬ゆかり)うん全然OK。
何より楽しいのがイイ。

ぽつねんと・イン・ザ・1K

ぽつねんと・イン・ザ・1K

劇団テアトルジュンヌ

立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)

2019/10/04 (金) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

ワンルームの汚部屋に引きこもっているのは26歳ニート女性。
「全部、全部やかましいわ」
キャッチフレーズと共に威勢は良いのだけれど、内面はデリケート。
こんなに自己肯定力、低くて大丈夫なのか。
大きなお世話だけれど何とも勿体ない。
日常のワンルーム風景、出入りする男友達や奇妙な闖入者達が彼女の意固地に一石を投じていく。

こんな感じの引きこもりが本当に増えていくのなら、もはや在宅であっても社会貢献が可能な仕組みがどんどん必要になってくるのでは。
他人が出来る事には限度があるのだし・・・そんな心配を残しての観劇でした。

こどものおばさん

こどものおばさん

ふくふくや

駅前劇場(東京都)

2019/09/26 (木) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

熊谷真実さんがふくふくやに登場。
絶対相性がいいな、と思って観に行きましたが、おぉっやっぱり!でした。
というか前作の流れを汲んだ「真実なんてクソくらえ!」シリーズ(?)、この主演を務めるにはそれ相応の曝け出す覚悟が必要。
それに応えるべく熊谷さんの弾けっぷりがあまりに見事で、あんぐりする事しばしば、こんなにも近くに感じる公演は貴重なのではないかと。
(ちなみに前作を観ていなくても何ら支障の無い人間関係の流れ、更に当日パンフには相関図も掲載されていて、そこのところは至れり尽くせり)
相性の良い客演を得て、いつものふくふくやメンバーや演出も冴えまくりで、まさに相乗効果だったと思います。

海千山千、風俗の世界。
可笑し哀しき食えない男と女の化かし合い。
そんな中、山野海さんと熊谷さんの女の生き様の対比が実に鮮やかでした。

平和三部作 一挙上演!!

平和三部作 一挙上演!!

トム・プロジェクト

本多劇場(東京都)

2019/09/26 (木) ~ 2019/10/03 (木)公演終了

満足度★★★★★

時代に翻弄されながらも我が道を行き必死に生き抜いてきた熱い男達。
その熱さゆえに滲み出てくる可笑し味と哀愁・・・それらはまさに時代を駆け抜け、代々続いていく男の生き様の集大成。
大きな舞台空間を欲しいがまま、風間杜夫さんの数多い引き出しの中を心ゆくまでたっぷり堪能できる公演でした。

一流の役者さんが織りなす渾身の一人舞台ではあるけれど、気取らず、飾らず、大いに親しみが持てる演出と、演じ分けも見事な自然体でダイナミックな演技は、もう3時間とは言わずどれだけでも観ていたかったくらいです。

僕はキヨシ。名前だけはある。

僕はキヨシ。名前だけはある。

演劇ユニットちょもらんま

北池袋 新生館シアター(東京都)

2019/09/26 (木) ~ 2019/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

おちゃらけ顔のフライヤーイメージから、てっきりコメディー作品かと思いきや、なかなかに骨太の人間ドラマ…笑うどころじゃなかったけれど、これは嬉しい裏切り。
「戸籍が無い!」どうやら漫画的設定というわけでなく、ナルホドこういったケースは確かに報道で聞いた事があります。

主人公が自分の戸籍をどうしても欲しくなっている冒頭に至るまでのあらましは当日パンフで説明されているも、現に目の前にいる彼の物腰から、これまでどういう思いで生きてきたのかじんわりと滲み出し、その長い道のりが窺い知れるものだから、どうにも歯がゆかったり、哀しかったり・・・彼のとる言動に思い感じるところはとても多かった。

確かに「私には戸籍が無いので、どうか作ってください」の申し出に役所がホイホイ応じてしまったならトラブル続出は必至なので、法的なハードルは設けるべき。
疑い深い法律の目線は冷たい様でいて、実に的確だったと思えました。
ただ主人公の場合、諸々の理由にてハードルが必要以上に高くなっているので、とても厄介。
そこにきて、あの戸籍担当職員か(笑)
主人公を取り巻く人間関係が生み出す感情のうねりに、こちらも奔放されっぱなし。
そもそもどうしてこんな面倒な人生を強いられてしまうのか、何だか妙にこみ上げてくる怒りの矛先に思いを巡らせ「これは結末次第で作品の明暗が分かれるぞっ」と息巻いて見入っていましたが、結果は★の数にて…お察しください、とても良かったです。

gift魂

gift魂

MousePiece-ree

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2019/09/26 (木) ~ 2019/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

さすが大阪からやって来た本場の関西コメディー!
自前の世界観がしっかりで吉本新喜劇にも全然負けてない勢い。
ここまでコテコテネイティブ大阪ワールドを味わえるのは本来ご当地まで行かなければ…を考えれば「本当に来てくれてありがとう!」と申し上げたい。
何が凄いかって、大阪のおっちゃん・おばちゃんのネガティブをも笑いに転換していく口汚い(笑)パワフルさと、それに負けてない若者達も混ざってのキャラのぶつかり合い。
何でもかんでもぶつかって笑いを生み出すその魂が心地良く
「ストーリー的に うん、この流れ、やらかしてくれるシーンきっと来るぞっ」といったところもズバリ期待通りでホント気持ちいい。
もちろん根底に流れる人情味もしっかりと。
今回の主人公夫婦の奥さんが関西人ではない特別?仕様なのも結果的に面白いことに。

太陽が落ちてきた~すずなりの逸声~

太陽が落ちてきた~すずなりの逸声~

劇団生命座

萬劇場(東京都)

2019/09/20 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

桂木辰郎氏(当時11歳)の被爆した一連を観客も一緒になってバーチャル体験・・・もう言葉が出て来ません。
観ていて とても辛くて堪らないのですが、決してそこから目を逸らしてはいけない想いに駆られ、舞台を必死に観ていました。
この事をずっと忘れてはいけないし、将来どんな理屈が乗っかかろうとも絶対あってはならない戦争。
ただひたすらそれを胸に刻みつけてきました。

スーパーロボットミュージカル(旧)

スーパーロボットミュージカル(旧)

宇宙論☆講座

練馬区某所(予約者にお伝えします)(東京都)

2019/09/21 (土) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

このロボットミュージカル、確か今年5月の前回公演でしっかり予告(予定)していたはず。
なのに、まるで突然降って湧いたかの様な正式発表が。
公演は明日からの全3回公演!(もうほとんどゲリラ公演)
今までも常識を散々覆してきましたが、こんな事って・・・
諸事情はホームページに書かれていたものの、う~ん、それってホントにホント?
(本当だったらごめんなさい)

運良く予定が確保できたのは本当に良かったけど、あまりに直近過ぎて、その日の降水確率が80%だという事までしっかり分かっちゃってるし(笑)

会場はきれいな和室。
座席は全て座布団席でしたが、スペースが広いので楽な感じで観劇できました。

ネタバレBOX

会場に入室すると「あれっ、ロボットがある・・・あ~スーパーロボットミュージカルだから・・・か」う~ん、まさか、まさかねぇ・・・いやっここなら有り得る(笑)

公演中「ネタバレしても全く構いません」と繰り返すも、それを本気で言っているのか、台詞として言っているのか・・・この公演、人として絶対ネタバレしちゃいけないやつでしょ(笑)
なので、ギリ感想だけ。
宇宙論☆講座さんの演劇に対しての持論がしっかり網羅・総括されていました。
過去の公演を何作も拝見してきているので、その理論の一連を理解してはいたものの、いつもの演者同士の混沌さが存在しない分、もうガッツリ。
最終的には宇宙論☆講座版ラブストーリーだったのだと認識。
宇宙論☆講座さんにしては、かなり本腰を入れたラブストーリーだと思うのでレアケースです、普通じゃないけど(笑)

ここまで書いておきながら、自分の中で「ネタバレさせたくない」に対してちょっと疑問が。
作品を観て思った感情・感想もいってみれば全部ネタバレではないのか。
本当に「ネタバレさせたくない」のであれば、全く違う感想を書いておいて(これは本当の感想ではありません)と注釈を入れると良いのでは・・・
あ~っ頭が宇宙論☆脳になってくる(笑)

総括としては宇宙論☆講座さん諸々の集大成と思える公演であり、無料公演に対しては★をあえて付けない事にしたのですが、かなりポイントの高い公演だと思いました(本当の感想)

八月のモンスター

八月のモンスター

甲斐ファクトリー

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2019/09/19 (木) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

物凄く激辛のスープを覚悟して飲み込んでみたら出汁の効いたオーソドックスな味だったので逆にビックリしたというのが第一印象。

それぞれ特有の悩みを持って集まった男女4人。
確かに生きていくうえで深刻な問題ではあるものの、ほんのりユーモラス風味な3人の中、安藤紫緒さんにだけはどこか不穏なオーラが。
フライヤーから既に漂っていたホラービューティーな感じが生舞台でより一層引き立っていました。

セミナーでの一部始終の描き方はとても丁寧で流れを追いやすく、それはそれでとても良かったと思う一方、甲斐ファクトリーさんの場合、こういった題材を得たなら、キッチュな笑いを隠し味に持ち合わせた表現力で、とことん震え上がらせる事もできただろうに、という思いも。

こういった先入観というか色眼鏡抜きに見つめ返せば良質なドラマであったし、
セミナー参加者とセミナースタッフの生き方のコントラストにも皮肉のエッジが効いて、これにはさすが甲斐ファクトリーさん!と思えました。

ネタバレBOX

セミナー主催者をして「善意ある顔で上手いこと誘導しておいて、邪悪な尻尾を一体どのタイミングで出してくるつもりだ、さぁさぁ」という目で追っていた私。
あ~ぁ、自分の中にもしっかりモンスターが棲みついているなぁ(笑)
誰そ彼

誰そ彼

浮世企画

駅前劇場(東京都)

2019/09/19 (木) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

兄弟間の仲の悪さを軸にした人間ドラマとしての面白味と、朽ちていく実家に棲みついたもののけ達の漫画っぽい面白味。
とても巧く両立しているので、最初これは足し算的に面白い!と思って観ていましたが、人間達は観進めていくほどにその人柄の理解度が増していくし、もののけ達は観進めていくほどにそのユーモラスでブラックな存在感が妙に馴染んでくる。
自然と双方が融合していくものだから増々面白くなっていく展開、もう絶妙。

浮世企画さんを観るのは今回が初めてでしたが、まさかこんなに楽しくも哀しく、繊細でパンチの効いた作品に出会える事になるとは思っていませんでした。
非現実が同居することで、より存在の現実味が増していく人の描き方が巧いし、エンターテイメントとしても素晴らしい!

家族間でのわだかまり。笑っていたのに徐々に伝わってくるその辛さ。
甘えもある中、自分だけが都合よく解釈し、なかったも同然にしてきた事。
観終わってジ~ンとした後、何か身に覚えがないか、仲は良いとはいえ思わず我が身を振り返ってしまうほど、生きていくリアルと不思議さを合わせ持った作品でした。

あつい胸さわぎ

あつい胸さわぎ

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/09/13 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

シーンの繋がりが見事にスムース。
サクサクッと秒速で入ってくる登場人物の人柄や関係性。
いや…実際には観劇中、そんな事すら意識せず、彼等の地に足のついた日常生活をただただ楽しく笑って見入っていただけなのではありますが。
高い脚本・演出力と演技力が見事に合致した舞台は、もう理屈抜きに引き込まれてしまいます。

母と娘、歯に衣着せぬやり取りが何とも大阪的で、やたらと吹き出してしまうし、取り巻く人物達との距離感、みんなみんな人間的にとても面白い。
そんな二人にやったね!恋の予感。
何だか観ている方も自然とニヤニヤワクワク。
そう、こんなにですよ、こんなにもガッツリ観る者の心を掴んでおいて、まさかあんなところ(運命)に連れて行かれるとは夢にも思っていませんでした。
まさに「ちょっマジかっ!」です
確かにほんのり気になる影はあったし、段階も踏んではいたのだけれど(伏線というより、こちらの後付け解釈としても受取れてしまう部分の演出が憎らしいほど巧い)
ガッツリ心掴まれたまま彼女等の心情と向き合う事になったものだから、非常に辛かったです。
もちろん苦情ではなく、まんまと演出意図にドはまりしたという事・・・
観終わった後、心の引き出しの中に「覚悟」という生きるうえで絶対必要なモノをそっと忍ばせてもらった、そんな気持ちになりました。

ネタバレBOX

賢明なる母娘共通の友人女性の存在が作品になんともいえぬ深みを。
男達はどうにも救いにならない立ち位置になってしまいましたが、うん、仕方ないし悪いわけでもない、むしろ良い奴、きっとこれからも・・・ただやたらと哀しい
暴力先輩

暴力先輩

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2019/09/11 (水) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

えっ暴力先輩って、この人・・・何とも良い感じに裏切ってくれました。
並み居るキャラを掻き分けスペシャルにインパクト大だったのが配役名もそのままで登場の、みしゃむーそさん。
彼女はもはや人間飛び道具でしょ(笑)

舞台セットは子供番組を彷彿させる手作り感満載のポップさ。
演技面もそれと通ずる部分がある反面、言ってる内容はなかなかエグイ。
論理的な台詞も意外と多かったりするのですが、小難しい事抜きにすんなり入ってくる仕様なので感覚的にも理屈的にも楽しめました。
特に面白かったのが人間関係の妙。
様々な人間模様のサンプル 個々の人生観、その多様性と厄介さが楽しく、悩んで迷って他人に振り回されながら、あ~結局人って自分の嗅覚でもって己の道を進んでいくしかないのだなぁと。

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