満足度★★★★★
ワンツーワークスさんの事を知る以前の過去公演の中で、最も観たかった作品。
観る事ができて本当に良かったと!心から思える公演でした。
「将来癌になるのでは」という思いは自分にもあって、保険もしっかり癌になる前提な入り方をしているくらい。
自分自身だけでなく家族も含めれば「癌」と全く無縁のまま生涯を終える。なんていうのは、現代の死亡原因の割合から考えてもかなり難しく、それだけに非常に関心の高いテーマでした。
最期の場所は自宅を望む「在宅治療」講演やセミナーとは全く違ったアプローチでもっての説得力と迫力。
演劇テクニックの宝石箱か!というくらい上質な魅せる工夫が駆使されているのがビシバシ伝わってきますが、難しい事抜きに引き込まれてしまうのは、その全てが登場人物の心情表現に繋がっていたから。
「家族に負担をかけるのでは」という理由もあって、自分の中で在宅治療という考え方は無かったし、観た後もそれ自体には変わりないのだけれども、いろいろ問いかけられたり参考になったり、何より実在の医師と家族で紡がれた物語として心揺さぶられ、とても実の多い観劇になりました。
演出・演技力をはじめとした公演に関わる全てのクオリティーの高さはもう言わずもがな です。