1
荒人神 -Arabitokami-
壱劇屋
*壱劇屋さんのワードレス殺陣芝居は総合芸術だと思うので、アクションなんて興味無いよって人にもぜひ一度見てほしい*
五彩の神楽第五弾。
あんまりにも良すぎて、もう少し観ようかなって思ってた今年の他の観劇を全部取りやめました。
この余韻のままで年越しまでいたいと。
ここまで興奮させられたのは、やはり前4つの芝居を追ってきたってのが大きいとは思います。
4ヵ月連続で凄いもの、しかも芝居の色がそれぞれ違うものを見せられて、高まりに高まった期待を更に超えて見せられたんだから。
そんなわけで単体作品とての正確な評価は出来ないってのが本音ですが。
決して『荒人神』単体でも置いてきぼりにされるような作品では無いです。
光と闇。絶望と再生。英雄たちと闇の軍団の最終決戦。
でも描かれるのは、寄り添えるシンプルで大切にしたい気持ち。
言葉にすると陳腐になりそうだけど、圧倒的な身体表現、照明、音響。
ワードレスでセリフが無いからこそ、呼び覚まされる想像力。
それは確かに舞台上に”出現”するのです。
2
犬の刺客
大川企画
これ、傑作だと思ってます。
脚本・演出の友池さんはお笑い芸人であり、ここ10年くらいは小劇場で演劇をやられてるんですが。
そんな経歴の方が初めて、お笑い芸人を題材にした4人芝居。
だからこそ書けるリアルさが詰まってる。
役者4人とも素晴らしいのですが、国崎恵美さん演じるヒロインには泣かされました。
3
だからビリーは東京で
モダンスイマーズ
コロナ禍以後、演劇そのものや演劇にかかわる舞台って増えたと思うんですが、そんななかでも上質だったなあって印象に残ってる一作。
4
グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース
Mo’xtra Produce
自分は好きですが今となっては古色蒼然としてるヴァン・ダインの古典ミステリーを、鮮やかな新鮮味もある舞台として、令和の時代に見せてくれたのは、本当に素晴らしかったです。
5
最果てのシュラ
劇団ゴールデンタイム!
これは面白かった。
濃いキャラたちが入れ替わり立ち替わり、色んな関係性で戦いまくる。
ジェットコースターのように進む。強烈にドラマチック。
殺陣も本当に頑張ってて良かった。
6
十三月の混沌
中野坂上デーモンズ
めちゃんこ面白かったです。
自分はこういう訳わからないけど、一生懸命でパッションがさく裂してるのって大好きなんだよな。
ある意味、凄いピュアな物語かも。自分は泣けた。
7
空蝉
あやめ十八番
誤解を恐れないで書くと、こんなにも豪華で巧みで繊細で……なのに中身無いのが最高だった。
8
「青空トコロにより」「夜空トコロにより」
ハグハグ共和国
4つのオムニバス×2なので、人によって刺さる物語が違うかと。
「青空トコロにより」「夜空トコロにより」出来れば両方観てほしい作品。
両方観ると、非常に繊細な構成の美しさが浮かび上がってきます。
ハグハグ共和国さんの長編に比べるとインパクトは弱いけど、じわじわとした良さがある感じです。
9
瞬きと閃光
ムシラセ
自分が観るには……まぶしすぎるんじゃって思いつつも、結構感情を持っていかれた。
当事者意識を持てる人なら、更に響くんだろうなって。
日常の描写、写真関連の細部描写、そのあたりがしっかりしてるから、深刻な部分もより真に迫ってくるのかな。
10
怖え劇
劇団スポーツ
今、この12月の時点で振り返ると、コロナ禍とパワハラ、忘れたいけど目をそむけられない現実に直球勝負の芝居だったなあって。
舞台と客席を反転させたりとかも意欲的でした。
見逃さないで良かった芝居だったと思います。