劇王XIアジア大会 関東ブロック代表決定戦
劇王関東制作部
山手ゲーテ座ホール(神奈川県)
2017/08/26 (土) ~ 2017/08/27 (日)公演終了
満足度★★★
Aブロックを観劇
チームがらくた、たすいち、チリアクターズの3団体はどれもそれぞれの個性が出ている作品で楽しめた
劇場の椅子の配置がちょっと見にくい感じだったのが残念
〜その企画、共謀につき〜『そして怒濤の伏線回収』
Aga-risk Entertainment
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/09/15 (金) ~ 2017/09/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
とにかく普通に面白い会議物コメディ+怒濤の伏線回収部という構成であり、コメディの観劇経験や好きな芝居の趣向によって感じ方は色々あると思うが、これだけの熱量を感じられる舞台はそうそう観られるものではないと思う
何かを考えたくても、こちらの脳味噌や身体に無理やりでも台詞や情報を詰め込まれてくる感じで、一種の洗脳行為じゃないかと思うくらい
これはやっぱり破壊行為がメインの作品であって、保守的な自分と野次馬的に「壊せ!壊せ!」と叫ぶ自分をくすぐり、囁き、そそのかす悪魔的作品。その悪魔の誘惑に身を委ねるのも悪くない
NAGISA 巨乳ハンター/あたらしい「Lady」
サムゴーギャットモンテイプ
RAFT(東京都)
2017/08/23 (水) ~ 2017/08/27 (日)公演終了
満足度★★★★
「NAGISA 巨乳ハンター」。大真面目に馬鹿馬鹿しくて、遊び心満載でくだらなくて、こういうの大好きな俺とか俺とか俺が超楽しめる作品。ともするとチープになってしまいそうな部分をギリギリでバランス保つ山並さんの演出力が素晴らしい
田中渚さんのキレ味の有るフラットな表情とフラットな体型を活かした作品で、田中さんならではの舞台の泳ぎ方が笑えるし魅力的に映える。塚田さんや高橋さんのキャラと魅力も余すとこなく展開。
『あたらしい「Lady」』。中学レベルの文法とか滅茶苦茶な英語劇なんだけど、英語の下手さとか滅茶苦茶さで笑わせるわけではなく、ややイノセントすぎる物語を成り立たせるための道具として使用している感じ。間違った言葉は伝わりやすく、優しさは伝わりにくい
バルバトス
TABACCHI
小劇場B1(東京都)
2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了
満足度★★★★
神が存在するがゆえに神などいない話。枯葉舞う舞台に立つ川島さんはフェルメールの「牛乳を注ぐ女」のような重厚な存在感。緊迫した証言が飛び交う展開はスピード感があって面白かった。悪魔なんていないけど悪魔がいる舞台
みっちゃんのことは死ぬほど好き だけど、生きてていいかな
べろべろガンキュウ女
APOCシアター(東京都)
2017/08/14 (月) ~ 2017/08/15 (火)公演終了
満足度★★★
劇・作品として考えると役者の言葉がほとんど聞こえなかったり、自由に動き回れる分、物語としての展開がわからなかったり、お話を素直に楽しめたかというと疑問が残る。
そのかわり舞台・演劇としての体験としては十分興味深く、こういうのが好きな自分が悔しい
音楽も流れ、台詞も聞き取りづらい中でも、場面場面で聞こえやすいデカイ音声で、パンチラインをどこかに打ち込むだけで印象が凄い変わるとは思うんだけどなぁ
解散
江古田のガールズ
サンモールスタジオ(東京都)
2017/08/12 (土) ~ 2017/08/20 (日)公演終了
満足度★★★★
音楽とか踊りとか、細かいくすぐりや小ネタとか、速いテンポでの小気味良い展開とか、なんか小劇場のエンタをびっしり詰め込んだお祭りのような、楽しませたいという気持ちが溢れて伝わってくるコメディ。
登場人物がその場しのぎでドタバタ取り繕う舞台裏物のシットコムというと食傷気味感あるけど、場面場面のネタが強烈だったのでありきたりな感じはしなかった。真面目な場面でもささくれを残す後味も楽しい。まぁでも劇中のような惨状の劇団は観に行くのは遠慮したい笑
ナイゲン(2017年版)
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/08/11 (金) ~ 2017/08/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
劇が終わった後の客席の’面白い劇を観た’という、ワサワサした雰囲気。去年のやアガリクス版、DVDも含めたら何十回と観ていて、展開も台詞もわかっているのにそれでもなお面白いこの作品。今年の座組も各役者のキャラが濃い
2回目観たら、台詞の強弱や掛け合いのタイミング、言い方など笑いが取れる部分を強化してきている感じでさらに面白くなってた。あとは序盤の笑いを取れる部分を逃さないようにすればさらに面白くなる
脚本も台詞も同じなのに座組や座席、観る日が違うだけで受ける印象や笑いが起きる部分まで変わってしまうのが本当に面白い。つまり、この作品を一度も観ないのは凄くもったいないし、一度しか観ないのも酷くもったいないってこと
『凡庸』
遠吠え
王子小劇場(東京都)
2017/08/09 (水) ~ 2017/08/11 (金)公演終了
満足度★★★★★
喪失感を得たことが有る人たちと、未だ通過していない人、青い春ではない、緑青の夏の物語。分解された場面が紡いでいく作品の筋と台詞が何故だかやけに心地よかった
見上げたブースで薄暗い弱い光に当てられた、顔も見えないその人が僕には綺麗に見えたから、これは綺麗な物語
作品終盤の展開は多少ベタかもしれんが、凄い好みで楽しかった。あのキャラたちはやっぱり不幸にはならないよ
あと、花村役の永田さんが非常に魅力的で繊細な役どころを好演していて凄い印象的。てか、6人の役者さんみんな良いハマりっぷりで魅力的だった。あと、お園さんはいい女
幸福は今日もヒトゴミを歩く
劇団5454
ザ・ポケット(東京都)
2017/08/09 (水) ~ 2017/08/13 (日)公演終了
満足度★★★★
春陽さんらしい単なるファンタジーとは言い切れない、人の心や言葉をスムージーにしたような舌触りの作品。この湿度の作品空間にカラッとした笑いを上手く混ぜ込める板橋さんのキャラの貴重性。幸せは、気づいたら覚める夢のようなもの
幸福の深淵を覗く時、幸福もまたこちらを覗いているのだ。的な弄られかた。後は何とは無しに、ドラえもんのヘソリンスタンドを思い出したり。
幸せと口に出して幸福を求める人ほど、周りから見ると幸せには見えない法則
ワンマン・ショー
やっせそ企画
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2017/08/02 (水) ~ 2017/08/06 (日)公演終了
満足度★★★★
ぐるぐるぐる脈絡や感情が跳びながらピースが揃っていく内にその世界を受け入れハマってしまう巧妙さ。音と光の使い方が上手い作品。こういう観終わった後に頭を整理して再構築する感覚は意外と久々。緑と言う人物はこれはイイもんだね、カッコよくも楽しい
ハイバイ、もよおす
ハイバイ
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2017/07/29 (土) ~ 2017/08/12 (土)公演終了
満足度★★★★
筋だけを追えばそのものにも見えなくはないのに、観客に決してそうは観させない不純物が混じっているのがハイバイ。3本の作品はくだらなくて馬鹿げた部分で物語が照り隠される、川原の石で作ったピラミッドのよう。岩井さんの1人喋りは鉄板で面白い。ラジオ岩井思い出す
グランディ氏の穏やかな遺言
電動夏子安置システム
駅前劇場(東京都)
2017/08/02 (水) ~ 2017/08/06 (日)公演終了
満足度★★★★
すれ違い、勘違いがこれでもかと浴びせかけられるコメディに少し不思議テイストなSF要素が加わる電夏の味付け。MCRでお馴染み志賀聖子さんの振り回されざまで大爆笑。誰が今何を勘違いしているのかの理解力が試される作品ともいえるかな
新宿コントレックスVol.17
Aga-risk Entertainment
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/07/28 (金) ~ 2017/07/29 (土)公演終了
満足度★★★★
今回は、壱劇屋、小西耕一、日本のラジオ、アガリクスと3団体+1名がそれぞれ25分ほどのコント作品を上演。表現方法はそれぞれ違えど、共通してみんな腹に一物感というか、ちょい裏テーマのある作品に思えた。まいど観終わった後の幸福感が半端ない
継母特製!!ニュルニュル蓋なしタジン鍋
劇団「地蔵中毒」
ひつじ座(東京都)
2017/07/22 (土) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★
9本の短編集。AMラジオの投稿職人的センスを凝縮したようなワードチョイスと、電気グルーヴやバカドリル的な世界観の笑い。拒絶の無い全てを受容する舞台が暴力もインモラルも包み込んで心地よい面白さを感じさせてくれる
楽屋ちゃん2017
中野劇団
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2017/07/21 (金) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★
大阪まで初の観劇遠征。大阪まで来た甲斐のある面白さ。東京だったら繰り返し観に行くのに観られないのが悔しい。
開演中の楽屋を舞台としたコメディというありがちなあらすじなのに、世界の構造自体が異なるから観終わったあとに頭がグルングルンする余韻を味わえる。とにかく笑えたし、大阪は二度漬け禁止と聞いてたのに人も台詞もバシャバシャ重ねて味を付けてくる作品
預言者Q太郎の一生
(劇)ヤリナゲ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/07/14 (金) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★
狂言回しである娘を通して見る母親の人生を通して見るQ太郎の人生。理解者が必ずしも自分の心を理解してくれているとは限らない。演劇的表現も織り交ぜながらサービス精神のある演出だと感じた。みちるやQ太郎の流れはフォレスト・ガンプを思い出した
呪いならいいのに
たすいち
シアター711(東京都)
2017/07/23 (日) ~ 2017/07/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
とにかくまず楽しい。笑えて、驚いて、ちょっとジンときて、様々な感情を起こさせながらも、つまりのところ面白いと思える舞台。
登場人物自体の個性は特段珍しいものでも、飛び抜けて奇怪なものでもないのだけど、それを演じる役者さんたちの個性や見せ方、そしてたすいち的な演出により、とびきり個性的なキャラたちが飛び回る舞台となっている。
劇場の関係か、今回はオープニング映像もなく、そこまで凝った舞台装置ではないのだけど、それが逆に役者さんたちの個性を浮き彫りにし、輪郭のはっきりしたキャラとして魅力的に見せられている気がする。
観終わった後の幸せな感覚は、タイトルからは想像つきにくいが、舞台から様々に投げかけられた台詞が響く心の縛りもまた一つの呪い
シンクロ・ゴッサム・シティ
シンクロ少女
シアター711(東京都)
2017/07/14 (金) ~ 2017/07/19 (水)公演終了
満足度★★★★
呪縛の物語
ファンタジーほどに現実からかけ離れているわけでもなく、かといって今僕が居る現実でもない場所が舞台。ゴッサムだからで全て説明できる(する)潔さ。先がわからない面白さを味あわせてくれる劇団って稀少。この空気が好きな人とわかちあいたい作品
言葉の呪縛の怖さをひたひたと感じさせながら、終盤に観客に未来を想像させ悟らせる場面に背骨が冷えた。「正しさ」の暴力性も身勝手さも描き、もがくことに美しさも救いも残さない無情もまた心を動かす情景。小日向星一さんがとにかく魅力的だった
愛しのマーレ ~海の家、はじめました~
チーム・ギンクラ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/16 (日)公演終了
満足度★★★★
新喜劇的展開の真っ当なコメディ。大どんでん返しや見事な伏線回収とかじゃなく、まっすぐな優しさに包まれた、劇中に出てくるカレーみたいなコメディ。ひねくれすぎたコメディ脳の僕には夏の海の太陽みたいに熱くて眩しく刺さる
出演者は多いんだけどキャラに無駄が無く、もうちょっと各キャラを掘り下げて見たいと思うほど。この間のかもめんたるもそうだけど、お笑い芸人出身の人が作る作品はキャラ作りが上手な気がする。特にツッコミ役の配置がちゃんとしているので快適に観られたと思う
なんかすごいSF的なやつ
ゴジゲン
小劇場B1(東京都)
2017/07/06 (木) ~ 2017/07/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
劇中の装置の仕組みにより見せたい部分だけ見せて、それを外野からツッコめるので非常にリズムが良くて笑いどころも外さない上手い構造。特に高校生パートの楽しいノリとエモさ漂うひと夏の青春感が至高の空間だった
いじめというデリケートなテーマを扱っているので、人によって受け止め方も差がでてくる作品だと思うが、僕が得られた楽しさも観測された結果の一つ。番外編ということで普段とは作も演出も違ったみたいだけど、本公演もこれくらい面白いなら観に行きたいなと