エレキ鰻は泣いている?【東京公演】
雨の一座
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2018/04/05 (木) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
凄まじいパワーで溢れた舞台に巻く渦は疾風怒濤
小劇場的作品の枠組みではあるんだけど、シーンを紡ぐ1球を
ある劇団は握りを変えたり、または回転数を上げたりと工夫しているところを
そもそものボールを鉄球にして火をつけて投げているような感じ
世界で一番幸せになるためのメソッド
劇団ボンボヤージュ!
APOCシアター(東京都)
2018/04/07 (土) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
裏を読まなくていい直球な馬鹿馬鹿しさを笑える焼き肉をテーマにした短編集
歌有り踊り有り焼き肉有りの場末感漂う舞台はスナック歌劇と名付けたい
どろんこプロレスお二人の存在感は流石。アイマルさんのジタバタダンスがお気に入り
僕をみつけて/生きている
かわいいコンビニ店員 飯田さん
OFF OFFシアター(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
本公演は初めて観たんだけど、ただただ凄くてびっくりした
ベタじゃないしぶっ飛んでもない、キャラをしっかり立てたうえで関係性や言動でめちゃめちゃ笑いが起こる
鈴木研さんがいたんで笑いを増し増しにした第27班感
人狼をちりばめた構造も見事
会話に一つ余計なものを加える上手さとか
キャラの特性で作られたシチュエーションによる面白みとか
笑えない場面でも踏み越えて笑いになっている部分にとにかく感心
なお、赤猫座さんはこれまで死体か芋虫でしか観たことなかったんでギャップ感、、、
現っ、
中野坂上デーモンズ
王子小劇場(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
シンメトリーな光景とシンクロする台詞、緊張を受ける序盤からやがてぐにぁあってなってどっぷりハマって
客観視とか自己分析とかじゃなく本当にもうひとりくらい自分がいないと自分が本当に存在しているのかわからなくなる世界へ
16ビートで腰を振ってる作品
高校演劇マルシェ
高校演劇マルシェ
中野スタジオあくとれ(東京都)
2018/03/30 (金) ~ 2018/03/31 (土)公演終了
満足度★★★★★
「※この高校4年生はフィクションです。」
実在する高校の説明をすることがフィクションとしての舞台を作り上げ
誰が演じるのかが意味を持ち、登場人物が記号として扱われない
現実をちらつかせてフィクションとしての面白さと輪郭をあらわにする、構造として凄く上手く出来ている作品
「絶対恋愛王政」
去年だるめしあん版を観て、台本もDLして熟読している好きな作品
中盤からもうひたすらボロボロ泣いてしまった
それぞれ壁に向かって主張しているような現実でもあるような議論風景から
向き合って相手に向かって話し始めて、最後は自分の中いる相手に話す流れが好き
わが家の最終的解決
SOLID STAR
シアターサンモール(東京都)
2018/03/28 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
コメディとして凄い力を持ってる作品だなと
同時にヤバいところをみんなゲラゲラ笑ってるヤバい作品
演者が美男美女揃いでコメディ演技ではないからか
思ったよりもベタなコメディ感はなかった
重い場面でもしっかり笑いが取れていたのが良かった
アガリスク版でのゲルトナーさんは物語として消化されていない気がしていて違和感が残っていたんだけど
SOLIDSTAR版ではそこが改善されていて、しっかりと物語に組み込まれたキャラになっていたのが良かった
それにより最後も矛盾しなくなって作品としてもより良くなったと思う
彼女は二度ベルを鳴らす
空想実現集団TOY'sBOX
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/03/28 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
真っ直ぐに笑わせてくるし、真っ直ぐに物語を投げかけてくる
てらいの無い作品で役者も含めて完品な舞台
キラキラしすぎてて真っ直ぐ見られないのはこちらの責任
優良であり、無添加であり、爪の無い存在もまた必要
小説家が書いている虚構のキャラが現実世界に絡んでくるという、現実と虚構の2重構造舞台なんだけど
たすいちもよくこういった構造のやるし、キャラメルボックスにこういった作品があるのかな?
とりあえずこの手の作品は自分の好みで凄い好きだった
コンプソンズ×劇団「地蔵中毒」
コンプソンズ
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2018/03/24 (土) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
コンプソンズは「北九州市叙景」
この閉塞感、この負の諦念に満ちた空気
笑いなしでも成立する土台なんだけど、めちゃめちゃぶっこんでくるし
役者さん全員のキャラが良すぎる。特に細井さんと本田さんは好きすぎる
シリアスなの作っても凄いの出来上がりそう、、、
こういった諦念に満ちた作品をこのテイストで作り上げるというのは凄いし、好みすぎた
地蔵中毒は「緑の電車」
これについてはhocotenさんのGTOがとにかく酷い
もう酷すぎて好きすぎる、ノイローゼになるまで見せつけられたい、、、ポイズン
地蔵中毒の作品ってめちゃくちゃなようで後であらすじがしっかりと思い出せるのが凄い不思議
病気だからね。
冗談だからね。
OFF OFFシアター(東京都)
2018/03/23 (金) ~ 2018/03/26 (月)公演終了
満足度★★★★
とりあえず観て湧き上がったのは「知りたい」という感情
「不明」の詳細じゃなくて、散らばりまくったこの感情の意味を知りたい
要はこれを作った人を僕の頭の中に入れて会話したくて
「ここ面白いじゃん!」「なんでここ、こうしたの?」「大爆笑」って感じで
それで、どんな作品も意味は観客が創り出すものだとすると
ノセられて小難しい事とかわかったようなことを書くのは自分の裸を見られるようなもんで
だから自分だけに目を向けて単純に「わからないけど刺激を受けた」というのが一番当てはまってる気がした
また内容の要素として、youtubeやニコ動、ゲームの実況配信などが普及している中で
呼吸をするように当たり前にこういった手法を入れていく様を見るのは
作品への効果や完成度は別にしても好きとしか言えない
なお2回観たら凄い面白く観られた。この劇に僕が求めていたのは安心感だったのかも
どこで何が起こるか情報を全て知って観ると取捨選択が出来てすっきりし、ずっと楽しかった
トランスイマー
劇団5454
赤坂RED/THEATER(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
春陽さんならではの素材の使い方、5454ならではの役者さんのキャラを活かした芝居で面白い
本作はいつもより物語にクセが少なく感じた
主人公のキャラがただの人格破綻者になってしまいかねない危うさ
演出が巧くて素晴らしいんだけどそればっかりが目立つようだと危険
『天国と地獄』
遠吠え
王子スタジオ1(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
その世界は演劇というルールと、高校の部活という白い枠で出来ていて
そこから衝動と熱を持って、はみ出し始める彼女らを見て
僕の中で漠然と「やりたいのかも」と思っていたことが「やらなくちゃ」って
コトコト音を立てて動き出すような、走り出したくなるような作品だった
なお自分は高校演劇という世界を全く知らないので、この作品に出てくるディティールやワードなどが凄い新鮮で面白かった
「LOVE」 Chapter3
シンクロ少女
OFF OFFシアター(東京都)
2018/03/19 (月) ~ 2018/03/21 (水)公演終了
満足度★★★★★
本当に面白かった、、、いや違うな、とにかく好きだった、大好きだった
自分の指とかこぶしを噛みながら悶つつ、主人公たちと同じように感情揺れ動いて苦しんで
でもとにかくずっと、この劇を観てる時ずっと幸せで、そこにいる「人」が好きで幸せだった
「した人」と「された人」に分かれるキスは駄目だよね、同じ力でしたいよね
再生ミセスフィクションズ2
Mrs.fictions
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2018/03/15 (木) ~ 2018/03/19 (月)公演終了
満足度★★★★★
愛しさと切なさと馬鹿馬鹿しさと
虚構の混ざり具合が絶妙な短編4つ
どれもこれも世界の片隅に流れ着いた漂着物の哀歌って感じで
閉塞感を笑い飛ばす、でも飛ばしきれない世界
「男達だけで踊ろうぜ」はどちらも明転して視界に入った時の衝撃で悶絶した
「上手も下手もないけれど」が凄まじい
人生は舞台とか虚構とかお洒落な雰囲気とか
ひっくるめてこの短い作品でこれだけ味あわせてくるかと
完成されたパーフェクトなものってあるんだなって思った
-127birth
こわっぱちゃん家
OFF OFFシアター(東京都)
2018/03/15 (木) ~ 2018/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★
序盤から恐ろしいほどのハートフルさと真摯な圧が伝わってきて、ああこれはドラマだなと
それが背骨としてあるんでその後の展開がどこへ行こうと効果的に響いてくる(ドラマチックでも白けさせない)
この劇団は初めて観たんだけど、善い作品を巧く作るなと感心
ボス村松のラジオ
劇団鋼鉄村松・日本のラジオ合同公演
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/03/15 (木) ~ 2018/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
合同公演なんだけど、この作品の空気はどこにもない初めての空気
ボス村松さんの存在が文学なのに、舞台上の色は子供の頃に観たファンタジー的
そこにラジオがあることの心地よさがそのまま作品の心地よさになっていた
登場人物を小人とか妖精にすれば児童文学にもなりそうな装いなんだけど、振り返ると教訓も何も残らない、真面目なことも笑い話も昨日に置いてくる深夜ラジオと同じで楽しく聴き流せる作品
物の所有を学ぶ庭
The end of company ジエン社
北千住BUoY(東京都)
2018/02/28 (水) ~ 2018/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
なんか論理回路が舞台上に散らばっているかのようで、台詞や役者の動きが入力信号となり演算された思考が舞台上に表現されていくような感覚
観ているこっちも思索して、それはまるで数式の解法を求めている時のような楽しさで、心の同期がたまらなかった
考えて見るとこれは「知っている」を無くしてみる舞台
名前や命の意味を知らなくてもそれ自体を認識するのと同じで、繋がっているのかわからない言葉や場面を、観客は認識として無理やり頭の中で繋げようとする
演劇は触れないから結局この作品を知らずに帰って、心の中で認識として結合し作品として咀嚼する。そんな作品
今度は背中が腫れている
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了
満足度★★★★
客入れ曲から前説、作品内容と全てが心と身体に優しいあひるなんちゃらへ
登場人物がみんな3シーズン見たドラマのキャラ位の愛おしさと馴染みっぷり
僕の観劇生活に必要不可欠の劇団だなって思った
どうしよう 孤独だ 困ったな
第27班
アトリエヘリコプター(東京都)
2018/02/24 (土) ~ 2018/03/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
舞台上にたくさん人がいても、会話しててもまとわりつく孤独
その孤独は与えられたものでも災の類でもなく
足元に大きく広がる穴に一歩一歩足を踏み入れて、あるところでふと見上げた風景の様な責任分界点で、本当にどうしよう困ったなって呟いてしまう
とにかく演劇としての技術とセンスの高さが半端ない作品
殺しの神戯
虚飾集団廻天百眼
ザムザ阿佐谷(東京都)
2018/02/25 (日) ~ 2018/03/04 (日)公演終了
満足度★★★★
かねてから一度観に行きたかった劇団
独特な世界観は真夜中のサーカス、百鬼夜行の歌劇団という感じ
血しぶきを浴びながら浸るデビルマン的な物語展開と歌と踊りとエログロと
「よっしゃいくぞー」から六道MIXが打たれるライブ場面がめちゃめちゃ面白かった
ミラクル祭’18
新宿シアター・ミラクル
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了
満足度★★★★
たすいち「透明人間、消える」
出演者4人のコメディ感が凄い楽しい
観客に想像を投げっぱなしにする強引さと、途中から何でもありな感じに突き抜けていく馬鹿馬鹿しさも凄い好き
過去出演者の姿が浮かんでくるたすいちらしい作品
ミックスドッグス「銀河旋律」
キャラメルボックスを観たことが無い自分はミクドクのキャラメルボックスっぽさとかリスペクトの部分をよくわかっていなかったんだけど
今回作品見て凄い合点がいった。ミクドク作品の原点っぽさとか世界観の作り方とか、ミクドクが食べてきた物を見た感じ
見米さんがとにかく良くて、舞台の映え方とか幾世さんと二人だけで物語を作れる強さがあった。ほんと舞台に二人だけでも見飽きないのって凄いと思う。伊藤さんのズルい位の自由さと合わせてミクドクの強みだな
高校生3人組も良いコンビネーションだった
フジタタイセイ×アリソン・グレイス「モルフェウスの使役法」
夢と現の狭間を昇り落ち海へと向かうロードムービー
フィルムで切り出されたかのような舞台上のフレーム感
これはフジタタイセイ版マルホランド・ドライブか
舞台と客席の境界は曖昧で、観えた場面は演技だったか夢だったか
feblabo「お父さんをください」
元祖アガリスク版など色々な座組で何回も観ていて次の場面や台詞も全部わかっている作品
今回はコメディよりもお芝居寄りの雰囲気で、ちょっとスペクタルロマンス的な感じもあってオリジナルとの違いが面白かった
たすいち「しのびよるせかい」
初めて観たんだけどこれ絶対サディさんが演ってた役でしょって感じの阿魔離利須とか、國府田さんの頼りない具合がドハマリの騎士丸とか
キャラや馬鹿馬鹿しいかけあいで笑わせて、いつしか熱さを持ってまっすぐな力になっていく、たすいちらしい軽快な作品
feblabo「笛が鳴ったらたすけて」
作品凄い好みの作品。誰かと思ったらやっぱり米内山さんの脚本
3人姉妹がちゃんと長女、次女、末っ子というキャラをしてて、会話だけですべての状況が把握できて、写実的なんだけどしっかりと虚構を楽しめる演劇作品
feblabo「P3/4」
Bverの「お父さんをください」と同じくこちらもアガリスク作品
あらためてこの作品って、しっかりとした構成で面白いなぁ~と
てか、ニュームラマツさんがもう完全に塩原さん!!!
坂本さんのキャラも結構効いていたし、4人のチームワークが良かった
ExVersion「あぁ県大会」観劇
フェスのトリは総勢25人出演のお祭り騒ぎ作品
各Verの出演者が次々出てきて、もうなんか台詞のとちりにも笑いが生まれる客席を含めた雰囲気が最高でとにかく楽しかった
作品を観たというより一杯酌み交わした様な感覚