mistaの観てきた!クチコミ一覧

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ガラ版シェイクスピア 李氏アドン三世

ガラ版シェイクスピア 李氏アドン三世

ガラ劇

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2018/06/20 (水) ~ 2018/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★

現実社会の極東情勢を借景にシェークスピアや歌舞伎などの古典的スタイルや語り口
はたまた唐十郎から派生したような表現をぶち混ぜたステージ上のドラマ
様式それ自体を楽しめる作品であったし、混ぜっ返された要素を見立てて遊べる箱庭のようでもあった
昨年の事件を模した場面で全部繋がって笑ってしまった
あと、過去の作品や様式というのは結局その時代に生きた人間の論理・感情に基づくものなので
共有できる部分はあっても、それこそ自然の一部を模した庭園を見た時の感情のように
受け取れるものの意味が変わってくるなと

ダイアナ

ダイアナ

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/06/21 (木) ~ 2018/06/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

とにかくブラジリィー・アン・山田さんの脚本が素晴らしい
序盤は関係性や言葉の意味などを観客側に委ねて想像を膨らまさせておいて
護身術のようにヒラリとかわしつつ最終的に無駄なく拾っていく展開にキリキリ舞い
演出や演技によって味も解釈も変わってくる良いテキスト
坂本七秋さんの味付けがこの公演の味付けになっていて、なんか仕草とかに面白みを感じる雰囲気を作品全体に付けていた
王里さんの雰囲気も智子さんの設定もまさに配役の妙だなと
~リピート観劇~
全部わかったうえで再度観たら、また全然違った種類の面白さを味わえた
開始5秒で重要な伏線のネタバレしてたり、七秋さんのミスリードとも言える言動もちゃんと辻褄があってたりと本当に良くできた作品
七秋さんの表情がめちゃめちゃ良くて楽しいしやるせなかった

ネタバレBOX

役者さん3人とも味があって好きだったんだけど特に坂本七秋さんは秀逸
「浮かれねえ恋なんてあんのかよ!」って文字だけじゃきっと心が動かない台詞も、積み重ねた空気と七秋さんの演技とあの表情で爆発させられたらめちゃめちゃ心に直撃して死にそうになった。ラストも完璧
冷たくてブラック・コーヒー

冷たくてブラック・コーヒー

埋れ木

スタジオ空洞(東京都)

2018/06/13 (水) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

ヒーローと責任の物語
前作もそうだったが大きな嘘が背景や存在に混ざっていることで逆に細かい会話などにリアリティを持たせている
物語がだいぶしっかり作り上げられており、無駄を含んだ会話など独特の面白さ
会話劇でありながらエンタメ系の感覚
持つ者と持たざる者の立場を軸に責任の扱い方を上手く掘り進めていた
どちらかというと理論的な会話劇だが超能力を使った場面は逆に感情あふれる見せ方ばっかりで良いバランス
議論の整理をちょっと観客に預けすぎてる気がするけど全体としては好きな作品だった

ゆとりアルバイター山田くん

ゆとりアルバイター山田くん

劇団おおたけ産業

RAFT(東京都)

2018/06/15 (金) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

ゆとり世代をストーリーテラーに団塊Jrと社会復帰な物語
ゆとりの言い分も十分にわかるが考え甘いし、苦労人の言い分も普通人にはダルくて垂れ流し
結局浮かび上がるのは同じ時代に価値観をぶつけて、全力使い感覚の差や後悔しないやり方をくっつけてく事

ただいま、あきちゃん。

ただいま、あきちゃん。

おかわり

ギャラリーしあん(東京都)

2018/06/16 (土) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

作演が主宰、出演者が劇団員という作品なので
それぞれの役者の良いところをわかったうえでの見せ方だなと
能澤さんの繊細かつ切れ味鋭い表情や、平野さんの急にホップするような感情の出し入れなどそれぞれの魅力を堪能できた
客入れ曲の相対性理論にらしさを感じた

ナイゲン

ナイゲン

ILLUMINUS

浅草九劇(東京都)

2018/06/12 (火) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

過去にアガリスクやfeblaboなどで再演されてきたこの作品
長年かけて磨き上げられた台本だけ有って筋書きを知っていても面白い
アガリスクのメンバーも4人ほど出演しているが座組が違うとやはり全然別物
ばかばかしい場面で笑うこともあれば、緻密に計算された伏線回収、青春を感じる熱い場面など
とにかくテンポ良く面白さがギュッと詰まって弾けてあっという間の2時間

Paranoia Papers〜偏執狂短編集Ⅳ〜

Paranoia Papers〜偏執狂短編集Ⅳ〜

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2018/06/09 (土) ~ 2018/06/18 (月)公演終了

満足度★★★★

赩Verを観劇
殺人鬼から伝わってくるのは美学や生き様ではなく
綺麗さや汚さ、美しさや醜さ、そのどちらにも感じる劣等感だった
そうして舞台上で彼らが振り回すのは痛みが伝わってくる
相変わらず見せたい場面がはっきりとしているのでじっくりと堪能できる

ラン・フォー・ユア・ワイフ ~Run for your wife~

ラン・フォー・ユア・ワイフ ~Run for your wife~

ファルスシアター

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/06/07 (木) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

真面目に演じれば演じるほど面白いコメディというより
窮地が重なれば重なるほど面白いコメディだと感じた
それまでについた嘘で出来上がったその人の中での相関図がだんだん複雑になっていって、終盤の勘違いでは一瞬で考え意味を捉えて笑うのが
パズルを解いているようで面白かった

ネタバレBOX

現在の小劇場界隈の作品が各方面にめちゃくちゃ気を張って作っている中で
茶化したり、ヤバイよねというネタにするんじゃなく
ストレートにゲイとか性的なネタで笑いをとってるのって
ある意味一番尖ってるんじゃないかとも思った
ツヤマジケン

ツヤマジケン

日本のラジオ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/06/05 (火) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

毒が入っているかもしれないカプセルが有って
シーンが進むごとにカプセルを渡されて僕はそれを飲み込んで
作品が終わってもまだ僕は生きてて安堵するんだけど
やがて誰かのカプセルの毒が身体の中で溶け出して
帰り道とか寝る前とかにもがき苦しむ、そんな作品だった

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しあわせ学級崩壊

ART THEATER 上野小劇場(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

祝福の誕生と虚無への回帰、そうか、だから1と0なのかと
何でもない日常が特別となって生まれて、特別であるが故にどこにも無くなっていくこの世界
線が引かれて行く、永遠に有るものと無いものの間に大きく太く、舞台上がそうなっていく

今回のタイトルにもある阪神淡路大震災に生まれ東日本大震災を生み出すというような
破壊と再生の営みの循環、生まれては死んでを繰り返す輪廻的世界観はどの作品でも一貫しているなと
あと最近の作品では演算装置である役者たちがより複雑な装置と化してきている気もする

寿

寿

やまだのむら

スタジオ空洞(東京都)

2018/06/02 (土) ~ 2018/06/09 (土)公演終了

満足度★★★★

Bチーム「ふじみちゃん」を観劇
どうせいつかは死んでしまう人をなぜ好きになるのかという
演劇作品においてもよく扱われるテーマを軸に
時に鈍重に、時にコミカルに楽しく深く優しい物語
小島さんの爆発のシーンなんかはまさに木村さんのテキストだなと

森に棲む魚とハルニレのウタ

森に棲む魚とハルニレのウタ

salty rock

プロト・シアター(東京都)

2018/05/31 (木) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★

終盤の手術室のシーンはずるいけど素晴らしい、あんなのしびれるに決まってる
下手をすればただ難解であざとくなってしまうかもしれない作品をブギーポップな手法でまとめあげたフジタさんの演出に唸りまくった

Last Night In The City

Last Night In The City

シンクロ少女

ザ・スズナリ(東京都)

2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

誰かが僕を作ってくれていて、誰かの中で僕が幸せでいるのなら
そういったことがあれば確かに僕は生きていけるなと思った
かぼちゃを投げたり投げられたり待ち望んだり、そんな生きにくい世界でも
そういう誰かがいれば生きていけるなと思った

情欲戦士ロボ単于

情欲戦士ロボ単于

ゴキブリコンビナート

某所(東京都)

2018/05/26 (土) ~ 2018/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★

都内某所のテント内で繰り広げられる体感型演劇
客席は無く全方向に注意を向けながら物語の進行を見守る
テント内でのルールはただ一つ「自分の身は自分で守る」
本当に恐怖を感じるし感嘆の声もあげる空間
安全で舞台とは線引された客席とか自然と頭で囲ってしまっている倫理や論理とかの境界をぼやけさせて
ツルハシを振りかぶりながら彫刻を作り上げるような作品
形は歪でもツルハシの音色はリズム良く心地良く
汚い液体とともに僕の全身に降り注いできた

はこぶね

はこぶね

劇団おおたけ産業

新宿眼科画廊(東京都)

2018/05/25 (金) ~ 2018/05/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

すごく面白かったし好きなタイプの作品だった。リピートできるスケジュール組んでなかったことを後悔
屋代さんの脚本に漂う「死」の匂いが薄められた演出
しかし可笑しみという部分は強調されていてプランとしては凄い成功していた印象。何回も吹き出してしまった
日本のラジオが好きな人はもちろん、日本のラジオはちょっと苦手って人も一度こっちは観てほしい

殉情わりだす演算子

殉情わりだす演算子

電動夏子安置システム

赤坂RED/THEATER(東京都)

2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

トンチキな登場人物たちが論理の中で踊り狂うミステリーコメディ
セットのパターンは一つなのに目まぐるしく入れ替わる場面
そして物語のバックボーンや別世界への奥行きも垣間見ることができる深み
完成度高けぇし考察とか反芻が楽しい作品

ニジイロ ニンゲン カガク

ニジイロ ニンゲン カガク

劇団ミックスドッグス

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/05/24 (木) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

自分らしさとは?をテーマにした空想科学系エンタメ劇
世界を創る設定や会話が凄いテンポでどんどん飛び込んでくるミクドクのスタイル
その中でやっぱり見米さんという主役として感情を乗せられたり画として安心できる存在がいるのは大きい
主役として舞台に栄える見米さんと幾世さんがいて、世界を引っ掻き回す伊藤さんというトリックスターがいる
これだけで物語ができあがるというミクドクの強み。たすいちのカウンターパンチャーとも言える
見米さんと幾世さんが感情をぶつけ合う会話のシーンが凄く良かった
演劇パートの比率をもう少し多くして、それぞれの世界での自分色というのを対比して観たかったと思ったが
テーマと感情を寄り添うべき人物がはっきりしているエンタメなので物語へ引き込む吸引力が強かった
これがミクドクの代表作じゃなくてスタートラインとなってほしい

ハミンンンンンング

ハミンンンンンング

劇団子供鉅人

Vacant(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

何もかもから逃げてきたあの娘は
でも逃げられなかった
蝶道のように
いつも同じ道を歩く
いつか自分の全てがわかるまで

生演奏、生歌、吹き抜ける空間
叙情的な物語がフィルムのコマに焼き付くようにパラパラと点いては消える
ネガもポジもある子供鉅人の佳作

東京マトリョーシカ

東京マトリョーシカ

ゆるるか

RAFT(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

四人の作・演によるオムニバス公演
作・演には「東京」「四季」「五十嵐沙紀さん」というテーマが与えられており
特に五十嵐さんの使い方でそれぞれ色が出ていて凄い楽しい公演だった

○坂本鈴さん作演「さきちゃんは電波が届かない」
五十嵐さんを出演させずに存在を上手く使う
会話で理を詰めてコミュニケーションを止めない
坂本さんの本は登場人物を一方的な正義にしないのが好き
みんなそこに生きていてその人なりの正解を持っている
アンテナに見立てた存在するためのグループが
あぁそれだって感じに上手く心にハマった

○屋代秀樹さん作演「スイートホーム」
作品は山に死体を埋めようとする兄妹(兄はヤクザ)という屋代さんらしい(?)作品
そんな状況にも関わらず可笑しみあふれる会話と五十嵐さんのキャラ
そして埋めるための土を掘り返しながら、糞みたいな過去と現実も掘り返す

○夏見隆太さん作演「迎春」「お花見協奏曲」
うって変わって馬鹿馬鹿しく笑えるコント的作品2本
お花見の佐々木さんのようなキャラって単純に好き
五十嵐さんが一番ハマっていたのはこの2作かなと思った

○吉岡歩さん作演「灯」
こういった公演を締めるのにふさわしい雰囲気の一作
情報の出し方とか説明がないのにわかるようになる部分とか
これは上手いし面白い
自分的にはえんどコイチの「死神くん」を思い出した

堀が濡れそぼつ

堀が濡れそぼつ

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2018/05/18 (金) ~ 2018/05/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

テーマと哲学がしっかりと示されたうえで笑わせて泣かせて伝えてくる、相変わらず至高の存在
MCRの型は吉本新喜劇や歌舞伎と同じくもはや様式美
ヒロ・じゅんや・トモ、佐藤さん、伊達香苗さん、美佐江さんとかがそういった役で出てくるだけで「待ってました!」ってなる
信じるってのは自分が信じたいことを信じてるという独り善がりなもので信じる行為ってのは結局は自己愛なのか
好きな人・物と、好きになってもらいたい人・物の大きな違い
こういったテーマも虚構の大きな暴力で包み込み感情を揺さぶって与えてくれるMCRの作品の素晴らしさ

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