mistaの観てきた!クチコミ一覧

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「ボードゲームと種の起源・拡張版」

「ボードゲームと種の起源・拡張版」

The end of company ジエン社

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/05/29 (水) ~ 2019/06/09 (日)公演終了

満足度★★★

思考の内に静かに沈むいつものジエン社
インストを受ける観客、見立てやルールの創造に思いを巡らす
他者を見抜くにはまず自分自身をよく知らなければいけない
自分を伝えるには他者をよく見なければいけない
0から生まれて全てが0に収まっていく作品

ハッカ

ハッカ

ハダカハレンチ

王子小劇場(東京都)

2019/05/31 (金) ~ 2019/06/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

野外演劇場のような舞台美術はこれから起こることは全て演劇なのだと明示して、月明かりを浴びる観客だけがリアルなのだと笑う
流れるビートルズのナンバーは、使い古されて残ったものの強さを教えてくれる
素手でフルスイングでぶん回して自分の拳を傷めつける演劇
文学的な演劇における劇作家の箱庭治療的なテーマはありがちなのだけど、そのありがちさを徹底した演劇のパワーで覆い尽くして裏返してしまった作品
絶え間なく埋め尽くす言葉に脳が揺すられて感傷と回想を体感する
ただただ演劇を見たと思った。演劇の楽しさを見たと思った

膿を感じる時

膿を感じる時

ゴキブリコンビナート

北千住BUoY(東京都)

2019/05/30 (木) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

逃げ惑い付きまとう観客が囲むランバージャックデスマッチ
歪な石同士をぶつけ合って飛び散る火花を楽しむがごとき、悪趣味と耽美の重なった光景
パワーにはパワーを超パワーには超パワーを、エネルギーと生命に満ちた心地の悪い薄笑いの空間
今回も無事生還した
普段のゴキコンではそこまで一人のアクターに目がいくことはないんだけど、今回は我修院さんが素晴らしくて凄味を感じた
ミュージカル部の主役感というか物語を背負ってる感が堪らなくて、躍動感と剥き出しの生命、今回の舞台を体現していた
屋内ということで水物は控えめでカッパが無くても運良ければいけるなと
BOuYを上手く使ってて、高さを封じられてる分、機動性でカバーしていた
上からの恐怖が無い分、普段より危険は感じなかったけど、誰かのパニックに巻き込まれる怖さは有った

自由を我らに

自由を我らに

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2019/05/28 (火) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★

戦後の憲法草案を口語に直すというシチュが面白くも考える媒介にもなっており秀逸
特に終戦直後の価値観で意見をぶつからせていることで
どんな立場・考え方の人でもそれぞれの思考で色々な部分に気付かされる良い会議劇だった
役者の台詞の入り(イージーミスが多かった)が微妙だったのが残念

恋と5月病

恋と5月病

ゆるふ酒

十色庵(東京都)

2019/05/25 (土) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

満足度★★★

ねてもさめてもと同様のショートコントが紡がれて一つの物語に集まる形式
サトモリさんや梁瀬さんは盤石で
ショートコントも物語も全体としては面白かった
「演技やコントをしている人」の演技の役者さんがいてちょっと残念
LGBTに関する価値観も0.5歩遅れてるかな…
BLをやっていることがBLコンテンツの楽しさの表面に触れているだけだし
それが意味を持つ作品にもなっていなかったし
つまり食材を料理しきれていなかった

一人芝居&自主企画発表会2019

一人芝居&自主企画発表会2019

虚構の劇団

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2019/05/25 (土) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

研修生が一人芝居を発表する会

那須康史さん「バブル」
一人芝居は見えない人をうまく想像させるのが必要だったりするけど
那須さんの場合はキャラ作りの上手さと強さでまかなっていた印象
3人の動機がもうちょっとわかりやすかったら良かったなと思った

吉原桃香さん「ハーフ・ムーン」
等身大のテーマ一つに絞ってたのはわかりやすかった
逡巡する部分は良いコメディ感でやり方次第で笑いが増えそう
照明音響がちょっとフィットしていなかった
吉原さんは表情や場面を静止画みたいに焼き付けられたら勝ちだなと

山越大輔さん「想いは誠に影法師」
コントちっくな作品で完成度は高かった
身体能力の軸がしっかりしてたし、笑いのツボの押さえ方は流石に上手かった
なのでもっとストーリーに重みの有る作品やテンションのOFFON、メリハリが必要な作品も見てみたいと思った

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

10分間2019~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

中野劇団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/05/24 (金) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

映像では何度も見てたけど、生でみたこの作品の面白さ、完成度、脚本の上手さ
これはタイムリープものの傑作でありつつ、確実に日本コメディ史上に残る大傑作
とにかくずっと面白いし、タイムリープ物の謎解き的要素や伏線回収
タイムリープを使ったネタなど何もかもが上手くハマっていて
それでいて取り逃しもないし、ストレスも感じない上手い構成で
本当に一部の隙きも無い作品
今年この作品を越えられる作品が出てくるだろうか…

「頭に尻を乗せてくれ」「最後の奇蹟」

「頭に尻を乗せてくれ」「最後の奇蹟」

ヨッタイキオイ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/05/14 (火) ~ 2019/05/22 (水)公演終了

満足度★★★★

「頭に尻を乗せてくれ」
初演はDVDでしか見たことなくて
やっぱり生で見るのは違うし、役者二人の雰囲気も違って
二人の距離感の違いが感じられた
お互いに話すという行為は、相手の話のどこかを切り取って自分の解釈にするもので
言葉尻をとらえながらルールを定めていく行為

「最後の奇蹟」
初演をこよなく愛する僕なので
中盤まではニュームラマツさんと上岡さんの声や姿がゴーストのように浮かんで
それでも名前や思い出のなど初演から変わったあたりから
星さんや室田さんの姿が見えてきて
二人の分厚いキャラで演じる最後の奇蹟もまた一つの偉大なる破壊

蛇足。

蛇足。

むろちろ

新宿眼科画廊(東京都)

2019/05/18 (土) ~ 2019/05/21 (火)公演終了

満足度★★★★

役者4人のワンシチュエーション会話劇
物語慣れした観客には多少先が読めるところもあるけど
くっきりしたキャラクターと言動に笑わされ
よしそうこなくっちゃ!と二転三転する展開に
きちっと心を掴まれた
七秋さんはやっぱり場に出てくるだけで、面白そうと思えるのが魅力

「遠くまで来たんだ/朝をつれてこい」

「遠くまで来たんだ/朝をつれてこい」

劇団晴天

シアター風姿花伝(東京都)

2019/05/18 (土) ~ 2019/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

「朝をつれてこい」
大阪のノリから始まって楽しく物語に引き込まれて
いつしか晴天から曇天に
ドラマには曇りが必要だし、人生にも曇りはある
人生があって役者がいて作家がいる
本当に現実にいるのは誰なのか?
なぜ僕らはいないものを求めるのか
虚構を見て見上げたら現実があった
とても演劇的な作品なのだけど、主人公の作家という役割が、現実と演劇が重なっていく世界を俯瞰して観客に視点を与えてきて
やがてその視点は僕らに、自らの現実以上の虚構をなぜ求めるのか問いを与える
現実ではない人々と出来事、それを観て起こる感情のギャップが答え

「遠くまで来たんだ」
第27班以外でこんな素晴らしい群像劇をやるところがあるなんて…
とにかく人と人の間に流れる言葉の交わい方の良さ
選び方がフィルターのかけ方が天才的で
たぶん作品の源、P点からしっかりと伸ばされた言葉だから
統一感と受け取った時の愉しい感情が生まれるのだと思う
劇団晴天「遠くまで来たんだ」
きずきさん演じるまもりの状況が
過去の自分や過去の誰かと重なって
とにかく呼吸が乱された
それでもまもりの表情の変化に救われた気になった
僕も旅が好きで、旅に何度も救われて、作品も僕を掬い上げてるようで
久々にこれは僕の作品だといえるような好きな作品

お気に召すまま

お気に召すまま

ヌトミック

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/05/12 (日) ~ 2019/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★

言葉や場面とズレたちぐはぐな動きと
ひねくれた戯曲への接触方法を見せる本作が
難解な前衛芸術と決定的に異なるのは観客へ見せる愛情、それ
何を演っていたって愛があれば大丈夫
個人的にはしあわせ学級崩壊を思い出す作風
矢野昌幸さんが徹底的に素晴らしい

バンブー・サマー

バンブー・サマー

アナログスイッチ

駅前劇場(東京都)

2019/05/15 (水) ~ 2019/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしいコメディを見た
笑いを絶対諦めず、コメディのラインがしっかりと主軸にあって
だから他にどんな設定や物語があってもブレない
舞台美術の良さも相まってコメディとしてのストーリーが完璧に展開されていた
本作で描かれてる感情のギャップというのは、実は笑いの本質であるかもと
ギャップの無い会話の楽しさは内からのもので
ギャップの有る会話は外側から見た楽しさ
思春的思考も、宇宙人的思考も内外のギャップを顕にすることで笑いになっており
役者はその通訳係

東京ノ演劇ガ、アル。#2「BAR女の平和」

東京ノ演劇ガ、アル。#2「BAR女の平和」

オフィス上の空

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2019/05/03 (金) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★

女の平和さながらの下ネタいっぱいのコメディ

観劇して僕の心に残ったのはモヤモヤした感情
それはきっとどうしても理解しきれない心がそこにあるからで
理解してるつもりのことや、同じ気持ちのことなどの中に
「女だから~」と性をひとまとめにして語れないものがあって
作中のように色々な性格・立場・考え方があるわけで
違うことをわかったうえでどう尊重し合えるか

戯曲としては花園が酔っている設定とは言え狂いすぎてる印象
ちょっと主題がブレる気がする
木下の置きどころのわかりづらさも難点かなと
役者さんはQ本さんがやはり素晴らしい

カケコミウッタエ

カケコミウッタエ

日本のラジオ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2019/05/25 (土) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

屋代さんが人間ドラマを書いたなと思った
これはフジタタイセイであるし宝保里実でもある作品で
二人という人間がこの世にいなければ存在しない物語
それぞれがそれぞれであることに苦しくなって居場所を無くすし
二人であるからこそ救われる物語が有った
とにかくみんなに見てもらいたいのが宝保さんその人
中性的な役柄の宝保里実が自分のことを「僕」と言って微笑んだりほくそ笑んだり
奔放だったり純信だったりする姿、みんな想像してみて欲しい
そうそこに舞台にいるのそれが!
誰もが胸を鷲掴まれるようなそれが!

本作には舞台を言葉で埋める美しさがあって
坊園さんや安東さんや辻さんが橋をかけて
横手さんや沈さんや岡野さんが石を投げる
大きく静かな河のような空間に居心地の良さと劣情が同居する

「日本国憲法」を上演する

「日本国憲法」を上演する

die pratze

d-倉庫(東京都)

2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★★★

中野坂上デーモンズの憂鬱 No12
いつものように言葉と動きで間の無い隙間無い空間
浴びせられる台詞とパワーと意味の有るような無いようなやりとり
でもその間も意味を考え続ける
なんナンだろうって考えさせられる
それっぽい言葉を大きく出してみてもそれが正解だとは限らない
世界はわからない
僕はデーモンズ凄い好きなんだけど
なんかデーモンズっぽい役者さんってのが自分の中にあって
今回だと榎本さんと櫻木さんが凄いデーモンズっぽいなぁって
てか、にこにこちゃんで三森さんと矢野さんを観てきた後にデーモンズを観た僕の中の世界観のぐちゃぐちゃさ

IDIOT SAVANT「忠恕。放る。線上。」
僕の思う前衛的演劇そのままの作品
詩的な言葉と表現
こういった作品だからといって観劇側が決まったような見方をする必要もないのかなと
動きとか突然の展開とか自分は凄い笑ってしまった
てか、デーモンズのモヘーさんを差し置いてあの表現とは笑

きく

きく

エンニュイ

SCOOL(東京都)

2019/05/08 (水) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

アメトークの立ちトークの様に言葉から言葉へ
母の病気についての話を柱にエピソードが流れ続ける
お経の意味がわかる話とか凄い頷いてしまったのだけど
まさしくお経のように流れる言葉の中に時々意味を見出していく
話を聞くことで生まれてくる作品
言葉や会話というものの原理的な意味を考えさせられる
言葉とは伝えるもので知識を共有するもの
会話は前後左右上下、360°、球体の様なもので
捉える部分や向きで意味合いも変わってくる
重ね続ければ知識も経験になり、その場の意思になる
この作品を通して僕は役者の経験をした

すごくうるさい山

すごくうるさい山

劇団スポーツ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2019/05/10 (金) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★★★

漫才のようなコントのような会話や設定が物語に溶け込む
その妙に笑わされて
熱さと真っ直ぐさと優しさが凄い勢いで向かってきて
せいのしゅんが降り注ぎ、心にシュワシュワ泡を立てる
古賀さんやタナカさんなど、目を引く存在の配置も絶妙
なんともクリアな作品

納期が私にもっと働けと囁いている

納期が私にもっと働けと囁いている

怪奇月蝕キヲテラエ

新宿眼科画廊(東京都)

2019/05/10 (金) ~ 2019/05/14 (火)公演終了

満足度★★★★

知の楽しさってのがあって、知らない世界や物事について知ること自体がエンタメであり
本作はアニメ業界についての知という土台の上に人間模様のドラマがあって
うんちく系の楽しさを得られる作品はありそうでなくて良い鉱脈だなと
丸山さんが主役として上手く引きつけるキャラを好演
あとは滝口さんも良い演技
情報を楽しむ作品という部分ではやや人間味が薄れて感じるが
主人公を中心とした個々の関係性のシーンはなかなか良かった
あとはテーマ性を強くするのかエンタメ性を強くするのかどっちに行きたいのか
公演としては制作や受付、場内対応などのホスピタリティが素晴らしかった

死んだら流石に愛しく思え

死んだら流石に愛しく思え

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2019/05/09 (木) ~ 2019/05/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

返しの付いた針のような言葉が心を引きずっていって
この作品はなんて気持ちが良いのだろうと思った
共有できない頭のおかしさや狂気がそこにあるのに
引き算されて出てきた舞台上の光景に自分を重ねてしまうどうしようもなさ
いつだって正しいことを言う人が嫌い

尾を咥えたり愚者の口

尾を咥えたり愚者の口

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2019/05/07 (火) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ルールの明示がある完全なるシチュエーションコメディ
しかしミステリーのような小説のような物語性がとても強く
笑いながらも序中盤に振りまかれた伏線要素がどう収束するのか引き込まれる
帝銀事件をモチーフにしながら謎を解き謎を残す良い作品

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