ブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド』
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2016/04/14 (木) ~ 2016/05/08 (日)公演終了
満足度★★★★
至極のミュージカル
演技陣、舞台装置、衣装、全て完璧、特に大竹氏は “さすが” の存在感でおまけにとてもチャーミング。
残念だったのは、座席位置の関係か、あるいは我が耳に障害があるのか、オケの大音量と合唱の大音量が重なりあい、響きあって、合唱の歌詞が全く聞き取れなかったこと。
聞き取りにくかったのは合唱の部分だけだったので、ミュージカルとして十分楽しむことはできた。
Be My Baby いとしのベイビー
加藤健一事務所
八王子市芸術文化会館いちょうホール(東京都)
2016/04/19 (火) ~ 2016/04/20 (水)公演終了
満足度★★★★★
傑作、好きな芝居です
楽しい、ほのぼの、大笑い、、、奇想天外な舞台装置、加藤氏、阿知波氏名優二人の赤ちゃんをあやす様子は心温まり、実生活でもあのように子供と接してるのかな、と想像してしまう。加藤氏の赤ちゃんコトバーー他では絶対見られないでしょう。とっかえひっかえ何役も演じる忍氏と栗野氏も達者で、キレの良い芝居を見せてくれる。
恵まれた容姿を受け継いでいる両ジュニアは、優秀な演技陣に囲まれているのでどうしても見劣りがしてしまうが、これから精進してくれることでしょう。
イニシュマン島のビリー
ホリプロ
世田谷パブリックシアター(東京都)
2016/03/25 (金) ~ 2016/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
みんな優しかった
古川雄輝は観ていてれ哀れさを感じるほど「びっこのビリー」をリアルに演じていて、最後の舞台挨拶の際に観られる美しい容姿を封印してまさに体当たり。
出演者はベテラン揃い、わかりやすい筋の運びで笑ってしまうセリフが多く、
楽しんで観ていられた。
欲を言えば照明、映画館の場面の照明がチカチカして少し辛かったし、暗闇の中でのビリーの独り舞台の照明ははもう少し考慮の余地はないだろうか。
平田敦子氏、得難い女優として今後もずっと頑張って貰いたい。
二人だけの芝居―クレアとフェリース―
劇団民藝
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2016/04/04 (月) ~ 2016/04/21 (木)公演終了
満足度★★★★
名優の二人舞台、しかしむずかしい
奈良岡朋子さんに惹かれて観に行った。「役者に年齢はない」とおっしゃるそうだが、艶やかさ、わがまま、冷淡、可愛らしさなど複雑な顔を併せ持つクレアになりきり、演技の凄さはただ圧倒されるのみ。86歳、信じられない!。
受けて立つ岡本健一さんも力強く魅力的な身体表現、口跡など舞台俳優としてこれからますます重要な位置を占める人のように見えた。
しかし内容は難解で、虚実、現在と過去などの転換がよくわからず、セリフを必死になって追いかけたが理解には至らず相当疲労を感じた。
舞台装置は洗練されていて、シャボン玉のシーンは美しく印象に残った。
ー2011・3・11-ふるさとは今もかわらず
劇団アルファー
座・高円寺2(東京都)
2016/03/31 (木) ~ 2016/04/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
人はもろいけどたくましい
それぞれの人生を平穏に過ごしていた人々を襲った大震災、失ったのは家族、家、仕事、そして将来に対する夢など。。
しかし絶望の中から人々はたくましく立ち上がり、希望の光を見出す。
温かい脚本、キレの良いダンス、ろうろうと心に響く歌声、全員合唱の場面では目頭が熱くなりました。
舞台がコンパクトでちょっとダンサーが気の毒に思えました。
3.11を忘れないように、この演劇が古典になるよう願っています。
舞台『里見八犬伝』
日本テレビ
新国立劇場 中劇場(東京都)
2014/10/31 (金) ~ 2014/11/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
犬士たちの戦い
美形の八犬士がくりひろげる悪との戦い、スピーディーにそして切なく耽美的に物語は進んで行く。身体能力の高い役者揃いなのだろうが、迫力ある殺陣に怪我をしないか心配してしまった。照明、音響、衣装、全て舞台の魅力を倍増させている。音楽も素晴らしかった。「サラバンド」が流れたような気がしたがおおむねオリジナル? 華やかな舞台にふさわしく開演前のロビーも若い女性たちで華やいでいた。
ラインの監視
劇団昴
座・高円寺2(東京都)
2014/11/12 (水) ~ 2014/11/16 (日)公演終了
満足度★★★★
命をかけた地下運動
オープニングチケットで前から3番目の中央付近という申し訳ないような座席、休憩なしの2時間強のセリフ劇を堪能した。
舞台装置や小道具はいかにも1940年代の大邸宅の居室らしくしゃれていて、女性たちの衣装も華やか。
前半はドラマ的展開がたいしてなく、劇に集中できなかったりしたが、真実が語られる後半は役者さんたちの力演もあって引き込まれていった。一点だけ違和感を感じたのはピアノの演奏、これは無い方が良いのでは、とあくまで個人的感想。
あの時代に命をかけて戦った反ナチ運動家について、もっと知りたくなった。
黄昏にロマンス ―ロディオンとリダの場合―
(公財)可児市文化芸術振興財団
吉祥寺シアター(東京都)
2014/11/01 (土) ~ 2014/11/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
期待通りの二人芝居
楽しみにしていた二大名優のふたり芝居、セリフは誰でも経験する何気ない日常会話の積み重ね、絶妙な間合いと艶やかな声音の2時間強の舞台に引き込まれた。明るく簡潔な装置、美佐子嬢の可愛らしい衣装やしぐさ、平幹氏のきりっとした姿勢とこれまた紳士らしいいでたち、視覚、聴覚ともに満足させてもらった舞台だった。
名優が演じる舞台には豊かな時間が流れていた。
『大江戸バックドラフト』
TUFF STUFF
紀伊國屋ホール(東京都)
2014/10/16 (木) ~ 2014/10/19 (日)公演終了
満足度★★★★
江戸の火消し
開幕前、客席で役者の方々がパーフォーマンスを繰り広げていた。
役を演じていない素顔の役者さんたちを観られ、興味深かった。
全編アクション場面が多く、見事な殺陣を見せてくれた。
きれの良い筋運びで最後までひき込まれた。
溌剌とした若々しい「動」の芝居だったがこの劇団が演じる「静」の舞台も観てみたいと感じた。
楽屋より愛をこめて
劇団S.W.A.T!
「劇」小劇場(東京都)
2014/04/03 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了
満足度★★★★
はじめての小劇場体験
こじんまりした舞台と客席、今まで体験したことのない劇場空間に身をおき、どんな芝居がくりひろげられるのか、期待と不安で開演を待った。
芝居が進行するにつれて小さな劇場という意識はどこかへ消え去り、舞台上の役者さんたちの達者な演技に引き込まれていった。小劇場は若手ばかりで成り立っているのではないか、前衛的な芝居ばかりではないか等というような先入観は完全な誤りだったと気づかされた。ユーモアの中にちょぴりただようほろにがさを感じる気のきいた台詞、目を楽しませてくれる鮮やかな色彩の衣装、最後まで舞台にひきつけられた楽しいひとときだった。