タッキーの観てきた!クチコミ一覧

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【満員御礼!!終演いたしました!!】ロミミ

【満員御礼!!終演いたしました!!】ロミミ

はちみつシアター

テアトルBONBON(東京都)

2014/06/25 (水) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★

観せる、魅せる
少し気弱な人が、何かのキッカケで前向きに物事にあたる、そんなことは日常においても見かける。本公演は「アラジンと魔法のランプ」をパロディ化した場面を取り入れ、ファンタジーな観せ方であるが、その主張は自立を上手く描いていると思う。
脚本・演出は変幻自在のようであるが、奇抜さは少ない。現実と夢想という多空軸を用い、その各時空・世界感の中で対立軸(敵役)を構成する。観客としては状況設定が明確で分かりやすい。しかし、その描き方は緩く感情移入させるには至らない。ただ観て楽しむだけではもったいない(そう言えば、前説で肩肘張らず気楽に観てほしいとあったけど)。
演技は登場人物の役柄を生き生きと演じており面白かった。

劇中、観客参加型の企画があったが、楽しませるサービスは好ましいが、観劇という観点からはどうなのか?
明るく元気がもらえたのは収穫だ。今後も楽しい公演を期待しております。

Freak box -the:FINAL-

Freak box -the:FINAL-

姫君

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2014/06/25 (水) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★

エンターテイメント作品
まず、舞台衣装とヘア・メイクは奇抜で目を見張るものがある。それによって妖気漂う雰囲気が醸し出されている。演技とダンスを融合した芝居だが、刮目すべきは、その身体表現の素晴らしさである。まさにエンターテイメントな作品である。
さて、生身の人間以外が住んでいるエリアで起こる不思議な出来事、そしてそこに居る魔物、人形、獣などが自己との邂逅…しかし、過去を振り返らない、他者に話さないというのがルール。人間ではないが、人が持つ嫉妬、羨望、悲哀、孤独などの感情が次々とむき出しになる。その展開と謎めきが観客の心を掴むのだろう。そして最後に謎が覚醒する。最後までテンポ良く魅せる公演は実に見事であった。本シリーズはこれで完結(三部作目)というから残念である。
今後も本シリーズ以上の公演を期待しております。

Summer's Rain(仮)

Summer's Rain(仮)

トウキョウ演劇倶楽部(活動終了)

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2014/06/25 (水) ~ 2014/06/30 (月)公演終了

満足度★★★

オムニバス「だって好きだから!」
オムニバスで「シリアス」「コミック」調という作風の異なる2作品。
ついては、「観てきた!」を分けて登録させていただく。
「だって好きだから!」(コミック調)は、凡慮の及ぶところではない、そんな公演である。本当に自由奔放に演じており、台本があるのか疑問に思うほどである。しかし、上演後の役者(和合真一さん)の挨拶で「アドリブが多くて何回観ても違う」という発言から、やはり台本はあるのだ。ストーリーは、「謎の女教師がお前を殺しにやって来るが、その女教師はプロの殺し屋。その彼女がイケメン生徒に恋をしたが、ターゲットが彼だと知る女教師は、恋を取るのか、仕事を取るのか…」というもの。しかし、劇中「このキャラクターは本当に必要なの」とは演じている役者のセリフ。これも台本通りなのか?劇中漫才があり、当然「ボケ」「ツッコミ」があるが、これを観ている観客からは真面目にやれなどと言う「ツッコミ」は入らない(笑)。一見滅茶苦茶な公演(失礼)のような感じもしたが…。
約1時間の公演中、笑い通しだった。
実際は★2.5

Summer's Rain(仮)

Summer's Rain(仮)

トウキョウ演劇倶楽部(活動終了)

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2014/06/25 (水) ~ 2014/06/30 (月)公演終了

満足度★★★★

オムニバス「雨の中の紫陽花」
オムニバスで「シリアス」「コミック」調という作風の異なる2作品。
ついては、「観てきた!」は分けて登録させていただく。
「雨の中の紫陽花」(シリアス調)は、愛妻を亡くし、その死を受け入れられない夫の心情とその男を取り巻く家族、会社の同僚たちの思いやりと、この世に未練を残した亡き妻が…。よく観られるシチュエーションだが、情緒的な内容からサイコホラーの内容に変転させるあたりの演出は秀逸である。
また、役者のキャラクターは練りこまれており、それに応じた演技が光っていた。上演時間は1時間15分と短いが、公演全体を通して観ると「驚」と「嘆」が見事に描かれていた。
今後の公演も期待しております。

子供の時間

子供の時間

スターダス・21カンパニー

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2014/06/22 (日) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!
農家を改造した寄宿舎が舞台である。そこに居る女生徒の戯れについた嘘が、その学校の女教師二人の運命を狂わすという物語だ。この戯曲は、リリアン・ヘルマンが書いた問題作。物語は、女教師の視点から描いており、女生徒の深層に触れていない。フライヤー(チケットも同じ)デザインは、暗色に少女が膝を立て安座した姿のもの。膝の間に顔を伏せているから表情はわからないが絵柄から陰鬱な雰囲気が漂う。女生徒が何故嘘をついたのか、という核心は定かではないが戯れについた嘘が大事になり、取り返しがつかない事態になったということだろう。日常に潜む「チョットした出来心」「いたずら」が思わぬ事態を招くことは往々にある。そう考えると恐ろしい。本公演は、人間が持っている”悪意のない悪戯“を怖いまで、一方、転落時の不条理を悲しいまでに描いており、秀逸だと思った。
なお、説明に「勢いだけでは乗切れない作品を若い役者とどう作るか」とあったが、それは杞憂だったと思う。確かな演技で2時間10分を観せてくれた(Aキャスト)。今後も素晴らしい公演を期待しております。



時代絵巻AsH 特別公演 『椿姫〜つばき〜』

時代絵巻AsH 特別公演 『椿姫〜つばき〜』

時代絵巻 AsH

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/06/20 (金) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★

もう少し観たい
幕末の吉原・遊女屋を舞台に、そこで働く女性や通ってくる客達との戯れ。遊女の儚さを描いたと思うが、その想いは伝わってこない。物語は中途半端に終わった印象を受けた。公演時間は60分だったが、短かったのでは…。遊女屋に居る何人かの女性の生い立ちや身の上など、観客が感情移入できるような場面がもう少しあってもよかった。
なお、遊女屋の一室と縁側の舞台セットは夢幻感、緞子衣装は妖艶な雰囲気が漂い見事だった(あの規模の劇場では限界かも)。
演技で気になったこと…最前列中央で観たが、役者が体調不良なのか滑舌悪く、声もかすれていた。重要な役どころなので残念であった。
今後の公演を期待しております。

コドモとオトナ

コドモとオトナ

劇団ショートホープ

秋葉原アトリエ「ACT&B」(東京都)

2014/06/20 (金) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★

緩やかすぎ
旗揚げ公演…脚本・演出の渡邊希望氏の人柄だろうか、全体的に緩やかすぎる。悪徳地上屋によって衰退した商店街を再生させる物語だ。しかし、緩やかテンポは窮地感を演出できていない。ストーリーも強引というか、ご都合的で面白味に欠ける。悪徳地上屋(加害者)と商店街(被害者)が…短絡的だと思う。誰もが善人になってしまう。だから氏の人柄が出てしまったと思う。
また、タイトル「コドモとオトナ」について、禅問答のようなセリフが長々あるが、改めて説明するのではなく、状況場面をいくつか設定したほうが、印象に残ると思う。
優しい気持…底流にあるのは伝わりました。今後の公演を期待しております。

超世界終末譚ギャギャギャギャラクティックデストロイ

超世界終末譚ギャギャギャギャラクティックデストロイ

駄目なたすいち

シアター風姿花伝(東京都)

2014/06/18 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★

嫌演…
個人的には嫌いな作風だ。
先に評価した所から記す。演出は、世紀末を現す事象をシニカルに描いており面白かった。テンポは、中盤までは緩やかで退屈気味だが、後半にかけては引き込むチカラはあった。演技は、総じて若い役者が生き活きと表現しており魅力もあった。
しかし、脚本(ストーリー)が嫌いだ。為した世紀末…そして誰もいなくなった。描きたい内容は分かるが、その結末が…逆説的な落とし込みだろうか(そう感じられない)。
そぅ、集団的自衛権の憲法解釈を論じている状況下で、
自虐的な物語は嫌いだ。あくまで個人的な見解…。重
ねて書くが、演出は面白い。今後の公演に期待しております。

ミュージカル 牡丹さんの不思議な毎日

ミュージカル 牡丹さんの不思議な毎日

ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ

上野ストアハウス(東京都)

2014/06/18 (水) ~ 2014/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

好演!
日本の四季折々の景色と慣習が見えるような公演で、個人的には好きです。家族で山間部の町へ引っ越してきて起こる不思議な出来事と地域の人たちとの交流を描いた芝居である。日本の情緒あふれる風情とそこでの幻怪が見事に演出されていた。
まず、舞台は回転・暗転させることで場面転換を図り、小道具でより状況を上手く説明していた。演技も個性豊かで見応え十分である。本当に生き活きとしており、テンポも心地良い。また、地域の人との交流は心温まり、幽玄さを醸し出していた。
脚本、演出、演技の全体を通じて秀逸な公演であった。
今後の公演も楽しみにしております。

夏の夜の夢

夏の夜の夢

オールアクトカンパニー

俳優座劇場(東京都)

2014/06/18 (水) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★

古典の幻想喜劇…面白い!
ご存知のとおり、原作は、W・シェイクスピアである。錯綜した恋愛関係にある男女4人と演劇の練習をするため集まった男女6人の計10人が、夜の森へ。そこで妖精パックに悪戯されドタバタするという物語である。
原作は古典の名作で、数多く上演されている。それをどう演出して楽しませるか。本公演は、芝居と群舞を取り入れて、全体的にはビジュアルを重視した感じである。休憩時間を含め2時間30分であったが、飽きることなく楽しめた。少し残念なのは、何人かの役者が緊張のため演技が硬くなっていたこと。それは自分が見た勘違いの夢だろうか?
今後も楽しい公演を期待しております。

パプリカな夜に 〜逃亡者の館〜

パプリカな夜に 〜逃亡者の館〜

K2WALKプロジェクト

六行会ホール(東京都)

2014/06/17 (火) ~ 2014/06/21 (土)公演終了

満足度★★★

一生懸命だけど…
姉妹歌手がスキャンダルに塗れ、芸能界を追放され更に借金を負わされる。困り裏世界の「逃がし屋」に依頼し、「逃亡者の館」へ身を隠す。そこで起こる出来事とは…。
その昔にあった映画「夜逃げ屋本舗」(テレビドラマも有)があったが、本公演は「逃亡者」「追跡者」による緊迫した攻防はそれほどない。どちらかと言えば、自立、自由そして家族愛を描いた公演だろう。当日配布のパンフに演出・石原武龍氏が「勇気を持てば、未来を信じれば、必ず明日は開けると…」記している。
誤解が生じそうだが、「逃亡者」「追跡者」というレッテルではなく、人間への応援歌なのだろう。しかし、その主張のインパクトは弱い。
脚本・演出は緩い感じがする。演技は、新人(初舞台の方もいる)とベテランの技量差が歴然だ。先のパンフには、新人・ベテランがうまく噛み合ってとあるが、初日のため緊張したか。特に「歌」は厳しいものがある。
日を経れば石原氏の感じたとおりになる、と信じています。





氷のほむら

氷のほむら

エーシアター

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/06/14 (土) ~ 2014/06/18 (水)公演終了

満足度★★★★

時代劇エンターテイメント…面白い!
Aキャスト観劇。
加賀の”氷”を江戸・将軍家へ献上するための飛脚衆の物語。プロットの時代考証はしているだろうが、些細なことに捉われず、時代劇エンターテイメントとして楽しんだ。ハラハラ・ドキドキ感を出す、その効果的な演出は時間制限を設けること。本作は、4日間で江戸までという制約に妨害が入るという娯楽の王道のような作りである。当然、結果は…。
また、キャストは総じて若く、その躍動感あふれる演技は好感が持てる。
さて、作・演出の中尾知代氏は「沈没のしらぬゐ」において2012年池袋演劇祭・豊島区町会連合会長賞を受賞しており、若手ながら”力”のある戯作者だと思っている。それだけに、もう少し社会性を持たせたら、という勝手な期待を持った。例えば、江戸時代の氷は貴重なもの。江戸に運ぶまでに滴り落ちる氷水を庶民はすくったという話まである。貧しい市井の人たちの目線での場面を取り入れ、将軍の政(まつりごと)に絡めたら、もっと深みのある芝居になったと思う。
さらなる高みを目指した公演を期待しております。

everyday,甲冑武者

everyday,甲冑武者

(裸)ミチコイスタンブール

シアター711(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★

盛り込みすぎ
マタギの夫婦が住んでいる家に、商人、偽僧侶、訳あり(謎)中年女性、女子高生が集まってきて起こる事象…。SF、オカルト、亡霊などてんこ盛りにしたストーリー。
ストーリーは、もう少しわかり易いというか、場面転換によって別公演にならないよう工夫が必要だと思う。テンポも緩慢になる場面がある。脚本と演出がバラバラのようである。本作は夢想・空想の世界観だろうか…実は最後の結末も理解できなかった。
舞台装置・衣装(甲冑)は見事な作りである。この美術は見応えがある。それだけにストーリーをわかり易く整理し、それに見合った演出をすれば、と残念でならない。
今後の公演を期待しております。

困った綾とり

困った綾とり

unit SELAH

テアトルBONBON(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★

平凡な家族に…
公演のプロットは現代にも通じる…いや、この戯曲の初演(1975年)当時よりも社会状況は複雑化している。父権の低下、希薄になった家族の絆、世間的な見栄…、そんな喪失感をブラックコメディにした公演だ。世相は今風にアレンジして描こうとしている印象を受けた。
当日配布パンフレットに演出した中野志朗氏が「すでに過ぎさった時代を描くことが拓く『可能性』とは、一体何でしょうか?(中略)過去を検証することで、未来を探ること。」と書いている。その試みには賛同する。確かに時代状況は変化し、書き下ろした当時の演出では、ズレが生じる。もっと訴えを鮮明にし、その上でシリアスか徹底したコメディ仕立てにするか、メリハリある演出をして欲しかった。芝居は、少なくとも脚本、演出、演技のバランスが大切だと思う。本公演は、そのバランスを少し欠いたと思う。
次回公演を期待しております。

素人

素人

劇団天然ポリエステル

タイニイアリス(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

素人…は面白い!
劇中劇のような…お伽噺の中のお姫様達が現実の世界へ。このお姫様を含め登場人物が魅力的な個性の持ち主だ。じつに楽しいひと時を過ごすことができた。
しかし、思いがけないセリフ…「お姫様(=女性)は主役であることは間違いない。でも王子さまが現われないとハッピーエンドにならない。」…そぅ、あくまで受身なのだ。プロローグとエピローグが結婚式というのが綾か?
一方、貧乏小劇団の厄介な存在・脚本家の柳の自由奔放な行動は、お姫様たちとは正反対のような…。現代女性の結婚観を絡めた女性心理だろうか。いずれにしても表層をさらりと観て楽しめたのでよし!
次回公演も期待しております。


キャッチ・ザ・レインボゥ

キャッチ・ザ・レインボゥ

My little Shine

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

情感豊か
都心から少し離れた郊外にある新興住宅地に帰ってきた教育実習生と女子高生との不思議な関係。そこに16年前の殺人事件を追う刑事が絡み…サスペンス仕立てだが、物語は情感豊かで心に響いてくる。細部に拘ると話はご都合的で破綻しているように思う。しかし、公演全体を通してじわっと心の襞に触れてくる。
先に記したが、ストーリーはわかり難い場面(理屈の説明)があるので、もう少し状況説明を上手くして欲しかった。演技は、ベテランと若手の差が明確に見て取れるのが残念だった。
今後は、もう少しストーリーの整合というか、納得が得られるならば、もっと素晴らしい公演になると思う。
次回公演を期待しております。

同居人〜それでも朝はやってくる〜

同居人〜それでも朝はやってくる〜

劇団裏長屋マンションズ

ブディストホール(東京都)

2014/06/10 (火) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

典型的な…
大衆演劇。しかし、単なる泣き笑いだけではなく、生きていく上での示唆が散りばめられており、見応えがあった。
物語は、他人同士がひとつ屋根の下で暮らす場所…シェアハウス。そのシェアハウスの、共用スペースを舞台に、 ハウスに集う老若男女の住人と、そこに現れる人々が織りなす一昼夜を描く。 世代間の行き違いや、恋愛、親子の絆など、次々と問題が…。
自分が幼い頃は、アパートも薄い壁を隔てた先はお隣さんだった。銭湯に行って悪さをしたら、見知らぬおじさんに怒られたものだ。今は、当時に比べれば物質的には豊か。しかし精神的にはどうだろう。
本公演は、人間が持っている優しい気持をいろいろな問題(世代間を越え)を示しながら再認識させてくれたと思う。
今後の公演にも期待しております。

2014年版 BANRYU 蟠龍 ご来場ありがとうございました。

2014年版 BANRYU 蟠龍 ご来場ありがとうございました。

世仁下乃一座フェアアート/岡安伸治ユニット

座・高円寺1(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

身体表現の素晴らしさ
楓組観劇。座高円寺1の広い舞台を役者7名が出ずっぱりで動きまわる。それは素晴らしい公演だった。
現代民話…東北地方の龍脈のへそにあたる、今は過疎化した村に伝わる物語である。少し長くなるが作・演出の岡安伸治氏の文章を引用させてもらう。「人間の両の手に持てるものには限りがある。何かを手に入れるために何かを失うことを覚悟しなければならない。人間の欲に限りはなく。過疎の村は生き残るために何を選ぶのか。」と…。そこに引用した設定は”核”に関すること。しかし、この公演について言えば、あまりに現代的な問題を絡めている。確かに、今切り出すのが旬であろうが、もう少し時を経て考察しても…。
いずれにしても、役者のダイナミックな「現代版奉納芝居」は素晴らしい。
今後の公演にも期待しております。

デッサン

デッサン

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

情緒的かな
主人公は若年性痴呆症という説明文…もう少しこの問題を正面から捉えた公演だと思っていた。
さて、本題だが若年性痴呆症になった妻を温かく見守るその家族、そして夫との出会いを絡め、過去・現在を交錯しながら進展する公演である。先にも記したが、現代社会の大きな問題である認知症に関する捉え方が、あくまで個人的、家族的な視点で描かれており内包している重要性が感じられなかった。確かに家族との関わりは愛情溢れる演出であり心温まるが、やはり物足りなかった。もう少し社会性に踏み込んでいたら、さらに深みのある公演になったと思う。
タイトル「デッサン」の思いは伝わるが、今後の「デッサン」はどうするのか…その暗示となるような場面が欲しかった。
公演全体を通じてみれば、演出・演技は素晴らしく見応えは十分である。また、舞台美術も雰囲気がある作りで好感を持った。
今後の公演にも期待しております。

毒舌と正義

毒舌と正義

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/06/06 (金) ~ 2014/06/12 (木)公演終了

満足度★★★★

教師って…
大変なんだぁ~。立場と思惑が絡み合ったセリフの応酬劇…とても面白いというのが第一印象である。
さて本題だが、私立高校の修学旅行時に発生した傷害事件を現時点の問題として、さらにその高校に勤務しているベテラン教師の置かれている状況を過去背景とした”立場と思惑”が交錯したプチ喜劇のような公演である。
一般社会でも見られるようなセリフの応酬(特に責任回避)であるが、学校に設定したことで問題(テーマ性)がより鮮明になり見応えがあった。教育現場で問題となっている苛め・暴力、モンスターペアレントなどは、そのまま会社に置き換えればパワハラ・セクハラ、クレーマーと言ったところだろう。それらの問題を散りばめながら、学校経営及び教育現場に関する提起は鋭い。
しかし、誰もが責任を負いたくない。その結果…結末が安易すぎたのが少し残念であった。
今後の公演に期待しております。

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