UNIQUE NESS(ユニークネス) 公演情報 劇団青年座「UNIQUE NESS(ユニークネス)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    虚勢もまた素晴らしい
    舞台中央にベッド、そしてランダムに吊るされたような額縁や鏡枠、その傍らに椅子が置かれ、常時役者が座っている。このGADGET(ガジェット)?が面白い。”枠”のみは、まさしく虚そのもの。
    さて、主人公(ハロルド)に関わった者が時と状況に応じてベッド周辺で絡むという演出だ。それまでは舞台上にいるが、あくまで傍観者を装っていたようだ。なにしろハロルドが台詞を噛んだ時にはニヤニヤしていたのだから。
    さて芝居は、死期が近づいているにも関わらず…

    ネタバレBOX

    梗概は、 未確認動物“ネッシー” 1934年ネッシーの姿を捉えた写真、通称「外科医の写真」が新聞に掲載され、外科医は一躍有名人になった。 この写真の関係者のハロルドの死期が近づき、入院し次々と人々が見舞いに訪れる。 そうハロルドに人生を狂わされた人々だ。 妹で看護師のハンナは複雑な思いで見舞客を迎える。 そして彼の人生が終わりを迎えようとしたその時、真実の姿が現れていく、というもの。

    普通の人が目立ちたい、人生に何らかの足跡を、と考えたことによる悲喜劇。誰もが思うような絵空事であるが、その内容(ことの重大性)の影響が大きければ...そのアイロニーがよく表現されていた。その観せ方が、色々な角度から見ることができるよう枠・鏡が配置されている。内心のありようが具象化されるという感じである。

    自分の人生が身内・友人を巻き込み...その予想外だったかもしれない反響は、満足だったのか、それとも後悔だったのか。その生き様が役者の演技によって十分体現されている。ここが青年座の演技・表現力の素晴らしいところ。
    この脚本・演出・演技と、その技術効果の完成度の高さが、この公演を面白くしている。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2014/08/12 18:44

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