美女と多重
カラスカ
ブディストホール(東京都)
2019/03/28 (木) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★
「美女と多重」というタイトルが気になって観に行きました。カラスカ公演は何回か観ているので楽しみにしていたのですが、私にとっては難しかったというか、乗り遅れました。最近、演目によってはこのような自覚症状があるのは、やはり「老害」かなと思ってしまいます。柔軟な思考で、いろいろな分野の芝居を楽しみたいと思っているのですが、情けないというか、申し訳ない。隣の若者はノリノリで、会場は盛り上がっていたのはご報告しておきます。
R.U.R.
ハツビロコウ
小劇場 楽園(東京都)
2019/03/26 (火) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★
1920年に発表された戯曲、100年前です。「ロボット」という言葉が生まれた作品。そう言えば、昔、この作品観ました。その時は考えませんでしたが、「ロボットの反乱」でターミネーターを連想したり、労働という苦役をロボットにやらせることなど、この作品は時代を反映する「古典」だということを知りました。従って、話の流れは分かりやすかったのですが、100分では登場人物の真の姿を描くのには難しかったのではないでしょうか。そして何よりも、未来を暗示する終盤、なぜかクスクス笑い声が。何が原因だったのでしょうか。
クラカチット
東京演劇アンサンブル
ブレヒトの芝居小屋(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
「ブレヒトの芝居小屋」での最終公演ということで、西武新宿線 武蔵関駅まで出かけました。早く来ても会場ロビーに椅子があり、寛げます。会場もゆったりとした席、傾斜があって観やすい。舞台は白を基調とした抽象的な造り。映像を多用しながら展開していきました。話の筋を含め、もっと述べたいのですが、前半が終了すると帰らせて頂いたので後半が分からない。最後まで観ると、終演が10時を大きく超すのです。せめて6:30開演なら10:00前に終わることが出来きます。帰り道が遠い。残念。前半を見た限り、真面目な舞台作り、渾身の作品、これからも頑張って欲しい団体です。
宴もたけなわ。【当日券あり〼】
ひとりぼっちのみんな
王子小劇場(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★
この劇団や俳優陣の濃いファンがいるんですね。ちょっとしたことでも受けて、大笑い。私のような年齢層にはどうか分かりませんが、若者には楽しめたようです。やはりテンポが合いませんでした。しかしながら、作者、俳優陣、ともに演劇が好きなんですね、ということは伝わってきました。こういう舞台もある、新たな発見をしました。有り難うございます。
殺し屋ジョー
劇団俳小
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★
面白い作品というのは、最初の15分ぐらいの間にインパクトがあるかどうかで決まるものです。正に、その展開、いや驚きました、舞台に釘付けになりました。話の流れは分かりやすい。そして、どういう展開になるかがとても興味深く、楽しみました。ただ終盤の大事な場面、笑い声が聞こえたのは戸惑いました。笑える話ではありません。俳優陣は皆、熱演していたので、やや残念でした。
見よ、飛行機の高く飛べるを
ことのはbox
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★
ことのはboxが2015年(旗揚げ公演)、2018年(第6回公演)に上演し、好評を博した名作の再々演。私は本家の青年座の舞台を2公演(2014年、2017年)、高校演劇、芸術大学の学生公演など、そしてことのはboxは3公演とも観ました。3時間に及ぶ芝居ですが、どのカンパニーが演じても客を満足させる良い脚本なのです。また若い女優が等身大で演じられることも取り上げられやすい芝居なのかも知れません。
会場のせいか、私の耳のせいか分かりませんが、台詞が聴き取りにくかったこと、夜の場面をもう少し見やすくして欲しかったことが残念な点。それ以外は良い芝居でした。時代も場所も限定されているので、どの芝居を観てもほぼ同じ舞台セット。違いがあるのは、教師陣のキャラの濃さがその1つ。でも今日はやり過ぎ、マンガのようでした。優等生の光島延ぶと変わり者の杉坂初江は、いつも同じような雰囲気は仕方ないところ。一番の山場、杉坂が「飛行機が見える!」と叫ぶ場面、これはカンパニーによって色々と演出が異なります。杉坂には飛行機の飛ぶ音も聞こえますが、光島には聞こえません。そこをどう舞台で描くのか、演出の腕です。私は今日のその場面、とても良いと感じました。
数人の女子学生もそれぞれ個性があって興味深い。1年生でありながら、ストに参加する北川操の心情。その彼女に対する先輩の光島と杉坂の心遣いが嬉しい。そして気が強いと思われた初江が語ります。心変わりする前の光島への最後の台詞「うち、あんたさえおったら、何も怖くはないんだ!」本音、真っ直ぐな心が表れています。終演の挨拶後、主演の2人、光島は階段を上って2階へ、そこに新庄先生の手が。杉坂は1階の廊下を歩いて去りました。光島と杉坂は別々の道に、今後再会することはあるのでしょうか。
コマギレ
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/04 (月)公演終了
満足度★★★★
『コマギレ』(Aキャスト)、ラビット番長十八番ネタの「将棋」。前説から、将棋の世界に入れる初心者講座。しかしながら私の後ろのペアの女性客、雑談が止まりません。ついに「注意」しました。ここで集中力が切れたまま本編に突入。これが敗因でした。最近、映画館でもこの種のトラブルに見舞われています。さまざまなキャラの登場人物、魅力的な俳優陣。セットの造りも上手い。小さな舞台を大きく作り替えています。なかなかのアイデア。唯、出だしの「不運」のため、私には、今ひとつ感動が生まれませんでした。申し訳ありません。
花火鳴らそか ひらひら振ろか
劇団銅鑼
あうるすぽっと(東京都)
2019/02/15 (金) ~ 2019/02/21 (木)公演終了
満足度★★★★★
なぜ今のこの時期にやるの? 真冬でなく、お盆に観たい。そんな穏やかな気持ちにさせてくれる芝居でした。舞台上にも余計な物がなく、サッパリしていて美しい。何よりも俳優が上手い。松本祐子の台本・演出も冴えています。安心して観ることが出来ました。
台所太平記~KITCHEN WARS~
劇団ドガドガプラス
浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)
2019/02/16 (土) ~ 2019/02/25 (月)公演終了
満足度★★★★
とても良い雰囲気、前説から観客と一体化して盛り上げ、歌あり踊りありの大衆演劇風。名作、谷崎潤一郎『台所太平記』を下敷きに、見方のよってはいろいろ考えられる作品。単純に観ても楽しめる作品でした。ただ台詞を噛んだ俳優さんがいたのは若干残念。終演後は、劇団員全員でお見送り。温かい。受付の対応のきちんとしてとても好感が持てました。「目指せ。浅草公会堂!」、期待していますよ。
ストアハウスコレクション・タイ週間Vol.3
ストアハウス
上野ストアハウス(東京都)
2019/01/30 (水) ~ 2019/02/03 (日)公演終了
満足度★★★
B-Floor Theatre(タイ国)もストアハウスカンパニー(日本)も、数人の男女がほとんど言葉を発せず、力強く動き回る舞台。ダンスと言えないこともないが、強靱な身体を使ったパフォーマンス。やはり1つの演劇なのでしょうか。チラシにもう少し詳しく説明が必要。少なくとも演技のテーマや意図を書いてあれば、もっと楽しく観ることが出来きます。2本で2時間半に及ぶ舞台。観客が手探りで観るにはちょっと長いと感じました。
こちらなかまがり署特捜一係3
劇団カンタービレ
ウッディシアター中目黒(東京都)
2019/01/23 (水) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
初めて見る舞台。これまでの「なかまがり署」を知らないので、コメディの部分の雰囲気が今ひとつ分からない。実は、シリアスなサスペンス。そのギャップに、ちょっとついて行けない所がありました。10周年おめでとうございます。このシリーズ、次回ならもっと楽しめるかも知れません。
スター誕生
ミュージカル座
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2019/01/17 (木) ~ 2019/01/21 (月)公演終了
満足度★★★★
楽しいミュージカルです。1970年代の歌謡界。見たことのあるようなスター、聴いたことがあるような曲が流れます。ネタバレはしませんが、この時代を知っている人なら泣いて喜びます。制作側はもっと、もっと「遊んで」欲しい。笑いはもっと取れますよ。でも、これはコメディーというよりミュージカルですから、そこは抑えないと。最後のオチ、安心できる結末でした。
夜の来訪者
劇団Player's World
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2018/12/14 (金) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台は富豪の家ですよね。ここが、舞台セット、俳優陣の雰囲気、衣装から感じられませんでした。作品は面白い。謎解きもある。でも、なぜか近所のおじさんの家のようなのが今ひとつでした。
ベッドトークバトル プレミアム
ショーGEKI
小劇場B1(東京都)
2018/12/07 (金) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
Cチームを観劇。5本のショートコメディ、それぞれ面白かった。下品な下ネタを展開するのでは無く、きちんとした芝居になっています。脚本もキャストも良いですよ。
その恋、覚え無し
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2018/11/27 (火) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
今日も座席はもちろん最前席センター。舞台は林の中。池があります。水が流れています。本水を使った迫力の舞台が始まりました。映画やテレビだとストーリーの大きな流れの中で画面に映る人だけがスポットを浴び、他の人の動きは写りませんし、その演技はありません。しかし演劇は俳優が舞台上にいれば、(台詞が無くても)必ず演技をしているのです。それが何回観ても面白く、新たな発見に繋がります。4人の祈祷師が山の中を歩いてやってくる印象的な最初のシーン。そして最後は舞台全体に美しく染まった紅葉の中、その村を去って行く3人。「その恋」はどこに。。。彼らの運命なのか、心に響くものがありました。そして場面場面が美しい、あるいは恐ろしい絵になる舞台でした。
イキザマ3
RISU PRODUCE
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
会場は女性客が多い。それも若い方を含む様々な年代。こんなに男ぽい芝居、女性客の多さに驚きました。ほとんどの人が経験してない応援団の世界の話。でも、ひとつの部活動の出来事と考えれば、誰でも心当たりはあるかも知れません。話が進む中、目頭を押さえる観客が増えていきます。
『イキザマ3』は18歳の青年の成長物語、団員間の心の触れあいを描いています。この芝居、最初の場面と最後の場面の主役の2人は、別人のように人間的に成長した姿を演じていました。そして彼らを支える応援団員の演舞の技量と笑いを誘う真面目すぎる演技の面白さが最高でした。裏返すと、RISU PRODUCE のメンバーを中心に、主演の2人を客演で代えることで、また新たな感動が生まれる作品でもあるのです。次の「再演」の楽しみが出来ました。
お父さんの休日
劇団娯楽天国
駅前劇場(東京都)
2018/11/21 (水) ~ 2018/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
劇場に入ったとき、しっかりとした舞台セット、期待が持てました。私は常々「喜劇」は、観客を楽しませるのは難しいと思っています。予想通り、話の設定に無理がある。笑わせ方も今一歩のような印象でした。脚本の流れに多少の不満はありましたが、俳優陣の熱い演技に救われました。そして最後、洒落た終わり方に、やっと脚本にも満足。何よりも、創立30周年の劇団、よく頑張っている。おめでとうございます。
僕らはZOOっと生きている。
ACファクトリー
シアターサンモール(東京都)
2018/11/14 (水) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★
欲張りすぎですね。歌、ダンスが有り、喜劇でストーリー性のある芝居、殺陣も見所、その総集編が「幕末・アニマル・アクション・コメディ」。 時間は休憩無しで、2時間半を超えてしまっています。気持ちは分かります。確かに殺陣にしてもレベルは高い。でも、もう少し整理して、2時間程度の芝居にして欲しいなあ。敢えて言わせて頂ければ、喜劇の質をもっと高めて欲しいと思います。
遺産
劇団チョコレートケーキ
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2018/11/07 (水) ~ 2018/11/15 (木)公演終了
満足度★★★★★
戦時中の日本軍、満州で細菌兵器を作った731部隊の話。決して目新しいテーマではないのですが、登場人物の台詞、話の構成が巧みなのです。普通の人間が「組織」や「命令」を理由に凄惨な実験を繰り返した731部隊。しかし研究者としては至福の時だったと回顧する老医師の告白は科学者の性なのか。淡々と語られる中、戦争の闇の部分をこのような形で舞台化することは、とても現代性があると感じました。劇団チョコレートケーキと言えば、浅井伸治、岡本篤、西尾友樹が中心の芝居なのですが、劇団桟敷童子の原口健太郎が客演、とても存在感のある役どころでした。
太陽の棘
劇団文化座
シアターX(東京都)
2018/11/08 (木) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
劇団文化座の舞台、いつも重厚なテーマ、芯のある芝居を制作しています。文化座では、「沖縄」をテーマにした作品が多く、今回はアメリカ人の目から見た「沖縄」、事実に基づいたフィクションです。日本の一部でありながら不幸な歴史を背負わされた沖縄、それは現在も続いています。舞台の話では、アメリカの青年軍医と二シムイの画家たちとの交流を描きながら、未だ解決されていない「沖縄の苦悩」を我々に提示しています。