big_sis_rieの観てきた!クチコミ一覧

1-12件 / 12件中
夕顔のはなしろきゆふぐれ

夕顔のはなしろきゆふぐれ

維新派

デザイン・クリエイティブセンター神戸(旧神戸生糸検査所)(兵庫県)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

総合的な美
室内で維新派を見るのは久しぶり。野外だとどうしてもその風景とのマッチ(の素晴らしさ)が気になってしまうけれど、今回の公演はほんとうにスゴかった。

「世界模型」まさに!白い光に照らされた柱、その隙間と影、動き回る人間の影すらも夢の中にいるような美しさ。

最前列ならではの快感でしたわ。

かもめ

かもめ

地点

カフェ・モンタージュ(京都府)

2013/01/01 (火) ~ 2013/01/02 (水)公演終了

満足度★★★★★

ピロシキ!
後日投稿いたします

パサージュ1

パサージュ1

あごうさとし

カフェ・モンタージュ(京都府)

2012/11/23 (金) ~ 2012/11/25 (日)公演終了

満足度★★★

で、アウラは…
画像の中で役者と語らう字幕の上に存在するのだろうか。

あるいは役者と語らう本人の映像の中に存在するのだろうか。

舞台表現の中に画像(人間を含む)が登場することはもはやさほど珍しいことではないはず。問題はそれがどこまで複製可能か、ということであり、それが今回のパフォーマンスの意義だったのだろうと思うけれども…。

今日行われたことが明日も同様に「複製」のように行われるか、あるいはTPOが変わった場合でも全く同様な「複製」として提供できる質感を持つのか、という点については、正直曖昧でよくわからないままだった。

ポツドール『夢の城 -Castle of Dreams』

ポツドール『夢の城 -Castle of Dreams』

ポツドール

元・立誠小学校(京都府)

2012/10/25 (木) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

間接的体験として
70年代のあのような露骨な描写は、より直接的で観客を「煽る」ものであり、それ以上でも以下でもなかった気がする。

でもこの作品では、敢えてスクリーンで舞台までの距離を視覚でとらえる以上に強く仕切り、淡々と時刻をその上に刻むことによって、それがより現実的に、実際には見えていないどこかで営まれている行為であり、存在する状況であることを強く認識させてくれるような気がした。

どこかにいるであろう彼ら、食べて、寝て、まぐわって、放出し、排出し、次の一瞬のことすら考えていないような彼ら。そういう存在が「確かに」在り、それは自分たちのことでもあるのだと身体の深い内部を見せられたような気持ちになった。

Tea for Two

Tea for Two

劇団ソノノチ+トランポリンショップ

壱坪シアタースワン(京都府)

2012/11/06 (火) ~ 2012/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

ソノノチ版
で、こちらはやっぱり若いせいか、質より量(失礼!)で女優の勢いの方が圧倒的に強かった。

アクースティック・ギターの応援も虚しく、男優(阿部潤)くんはちょっと圧されてしまった感がある(下手だったわけではないのよ)。というかそういうつくりになっていたのかしらん。

いずれにしても強く感じたのは田辺剛は「書く」人間だということ。何気ない会話を積み上げていき、最後にふわり、とそれをひっくり返してみせる(新しい展開を予想させながら終わる)という技はとても見ていて心地よい。


Tea for Two

Tea for Two

劇団ソノノチ+トランポリンショップ

壱坪シアタースワン(京都府)

2012/11/06 (火) ~ 2012/11/25 (日)公演終了

満足度★★★★

トランポリンショップ版
こちらは店主の男性の比重が高い演出だったように思う。父が始めた喫茶店をそれほどの意図もなく継いで、それでも守っていこうとする息子。
幼なじみの父に対する憧憬をさりげなく交わし、かつての同僚の密かな想いにも気づいているようないないような…

でも、それでも父の店を守る、というひとつの価値観が彼を一人前に見せていて、『tea for two』の『二人』の意味は『父と息子』なのかなあ、と思わせる雰囲気だった。

はだかの王様

はだかの王様

地点

京都芸術センター(京都府)

2012/09/22 (土) ~ 2012/09/26 (水)公演終了

満足度★★★★★

コドモ向け
だとしたら、私もコドモになりたいっ!

コドモのうちからこういうパフォーマンスを見る機会に恵まれたら…それはスゴいことだと思う。

役者は当然として、最近は衣装がとても気になっているのだけれど、今回はコドモ向けでかつ「ハダカ」なのだからどういうものになるのかな?と思ったら、やはりいつものように面白い継ぎ接ぎアレンジのステキな衣装だったので、それにも楽しませていただいた。

総合的にはいつもの『地点』から、さほど新側面を切り出したとは思わないけれど(悪い意味ではありませぬ)地点の観劇者がちょっとでも増えればいいなぁ、というきっかけにはなったかな?


池田亮司『datamatics [ver.2.0]』

池田亮司『datamatics [ver.2.0]』

KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭

京都芸術劇場(京都芸術大学) 春秋座(京都府)

2012/10/20 (土) ~ 2012/10/20 (土)公演終了

満足度★★★

今ひとつ…
画面自体はとても面白かったのだけれど、春秋座のような大きな会場で、一定時間おとなしく座って見るものではないな、と感じた。

で、先日東京現代美術館で開催されている『アートと音楽』において、この作品が小さいとはいえ複数のディスプレイを使い、通路のような部屋の壁面に並べられ、その前を自由に行き来しながら見ることができる状態で展示されていたので「やっぱりこれだよ!」と思った次第。

ピーター・ブルックの魔笛

ピーター・ブルックの魔笛

彩の国さいたま芸術劇場

滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール(滋賀県)

2012/04/07 (土) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

うふふふふ
進行役の二人が長い竹を両腕に持って、それをあちこちに突き立てることによって「場」が変化していく。

特に『魔笛』という作品はいろんなヒトがいろんな場所でいろんな状況のもとに動いていくのでブルックのようなミニマルな形式で演出する場合はどうなるのかとても興味があったのだけれど、この「竹方式」はすごく面白かった。

かつての『カルメン』の時は(見てるってことでそれなりの歳であることがロコツにわかるな)もっとオペラちっくにそれぞれのアリアが処理されていて、ある意味原作に忠実につくられていたという記憶がある。

でも今回は何と言うか、とてもピュアな「エロス」に焦点が当てられていたような感じ。「愛」があり、それは難関を越えて結ばれて、豊かな子孫に継がれていって、そしてそれは万世共通に行われるべきまさに「生命」の営みなのだという理念が、とても柔らかな美しいトーンで語られていたような気がする。

というか、ピーター・ブルックの作品を見た後はいつもこういう気分になったなぁ…ということを思い出しながら考えていたから、よけいにそう思うのかもしれないけれど。

ボクと妹のいる風景 東京

ボクと妹のいる風景 東京

劇団青い鳥

ウイングフィールド(大阪府)

2012/01/27 (金) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かった〜〜
いつのまにかオカマちゃんになっているお兄、不登校から工事現場の交通整理で生計を立てている妹。

オヤジは何度目かの結婚をしていて、出来のいい異母兄からは疎まれている、ま、裏街道を生きている兄妹のお話。

とにかく相変わらずひたすら笑わせてくれるところが『青い鳥』。でも、帰りの電車でストーリーをじっくりと思い返して噛み締めてみると、そこにある、現代の、壊れた、かすがいを失った家族の姿が見えてくる。舞台の上では笑いだけで語られていたことがらも、おそらく実際に起こってみたならそこにはいろいろな憎しみや疎外がべたべたと貼り付いたおぞましい姿になるのだろうな。

でもそれを笑い飛ばすだけの余裕を持てることに、今は感謝しよう。


小町風伝

小町風伝

下鴨車窓

AI・HALL(兵庫県)

2012/01/20 (金) ~ 2012/01/22 (日)公演終了

満足度★★★

面白くはあるけれど…
演ずる者と見る者とがかならずしも同じ場所にはおらず、その出会いはあくまでも偶然にのみ任せられる、というスタイル、つまり演出家のいう「経験の裂け目」から生まれるものを重視しているというけれど、でもこの作品の意図するものとは何となく「ずれ」を感じざるを得なかった。

やはりそこにじっと居て、麺をすすり、昔を懐かしみ、老いた身体にある女の残滓のようなものをいたわりながら生きている、そういう小町をじっと見ていたい、と私は思うし、結局そうした。

他の場で何が起きていようとも、とりあえず『一人の小町』の姿だけを追っていたいと思ったのだった。


KUNIO10『更地』

KUNIO10『更地』

KUNIO

元・立誠小学校(京都府)

2012/09/27 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

すばらしく好対照!
開場から開演までの間、役者二人が地味な衣装をまとってダークな色合いの床の上をひたすらゆっくりと歩いて行く。BGMはジムノペディ。一気に何十年か前に見た太田作品の中に引き戻されるような気分になった。

ところが実際に芝居が始まったとたん、床の上はサイケデリックな布で覆われ、役者はカラフルに装いなおして「更地」に向けての旅が始まる。そこに在った場所とこれから向かう場所、そこに生まれる高揚感と不安感、それらをみごとに祝うような芝居だった。

さすが愛弟子だけのことはある。しっかりと師への尊敬をその形式に反映させ、同時にそこから解放された形での自分の方法論をくっきりと鮮やかにまとめてみせた。お見事、である。

このページのQRコードです。

拡大