はるこが投票した舞台芸術アワード!

2017年度 1-7位と総評
ダズリング=デビュタント

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ダズリング=デビュタント

あやめ十八番

これが見たかった。これを待っていた。わたしが欲していた『あやめ十八番』が、遂に誕生した。西洋画版で主演をつとめる島田大翼はオペラ俳優であるため、ストレートプレイは本作が初挑戦とのことだったが、まるで何十年も前からずっとこの作品の主演であったかのような圧倒的貫禄、よそ見する隙さえ与えない濃度で、この物語を語り切っていた。

三英花 煙夕空

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三英花 煙夕空

あやめ十八番

座・高円寺1の広い舞台空間を生かした「ダズリング=デビュタント」の次に、民家のアトリエという狭い空間での作品。主演・島田大翼の圧倒的なパワーに満たされた場に居合わせることができた奇跡。

身毒丸

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身毒丸

演劇実験室◎万有引力

陶酔エキサイティング!プログレッシブロックオペラ丑の刻参り!2015年版も拝見し、その衝撃に頭蓋を割られたような快感だったが、その心地よさ再びだった。今後もう再演は無いとのことなので惜しまれる。何度でも生で感じたいものだ。

ピカイチ!

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ピカイチ!

梅棒

梅棒おおおおおおおおおおおおお最高だぞおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!ブルーシアターであれだけ長いリピチケ列を初めて体験したよ。外に再整列したよ。だよね。分かるよ。何故ってわたしも梅棒を見たからね。そしてリピチケ増やしたからね。わかるよ。
w-inds.の曲が流れたときのサワサワッていう感じとか、千葉涼平さんがキメたときキャアッてなる感じが正真正銘まじりっけなしの本物の客席で(?)そこが最後のピースとして組み合わさることによって青梅英雄学園が完成するんだなって体感しました。

黒蜥蜴

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黒蜥蜴

花組芝居

30周年ラスト作品!黒天使組、黒夫人組ともに堪能。黒蜥蜴を追い詰める明知探偵のミステリ展開をスリリングかつ豪奢で絢爛に見ることができてたぷたぷに大満足。
美斉津恵友による黒夫人組の小林少年役の練り上げぶりに感嘆。推理するときに、シャーロック・ホームズと同じポーズをするなんて、探偵という職業をどれほどのリスペクトしているか一目瞭然。素晴らしかった。

『艶漢』第二夜

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『艶漢』第二夜

CLIE

初演の幕が閉じたその日から、ずっとずっと待ち続けていた極彩色の宴を再び拝見することができた。脚本・演出ともにほさかよう、出演者も初演のまま続投という願い続けたかたちがそのまま現れて、ほんとうにほんとうによかった。第三夜も、引き続き同じメンバーで拝見できることを願ってやまない。
原作のエピソードを巧みに縒り合せた物語は、唸るを通り越して感動してしまう。「合わせ鏡」の姉妹と、春澄&明人を一緒に食べ合わせるとこんなにも深みが増すのか…と鳥肌が立つ思いでした。

塾の捜査に関連して登場する警察関係者の筆頭は原作だと早乙女であったが、初演キャストである堀越涼が所属団体・花組芝居の本公演へ出演中ということもあってか、野田裕貴(梅棒)演じる若林にバトンタッチした形だったが、このアレンジもコメディパートを若林が務めてくれることにより息抜きでき、最後まで集中して見ることができた。
早乙女の役者を変えるのではなく、キャラクターを差し替えたことがナイスアイデア。これはぜひ、野田・若林と堀越・早乙女の競演を期待したいものだ。

15 Minutes Made Anniversary

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15 Minutes Made Anniversary

Mrs.fictions

梅棒、吉祥寺シアター演劇部、Mrs.fictionsを目当てに拝見。柿喰う客「フランダースの負け犬」のロング版は見たことがあったので、ショート版が見られることも楽しみにしていた。
蓋を開けてみれば、地蔵中毒に抱腹絶倒の大興奮だった。絶対に単独公演は見に行かないであろうタイプの団体だったため、セレクトしたミセスへの感謝とリスペクトが増した。

総評

昨年と比べると観劇総数が約半減した。原因としては引っ越ししたためだが、地方民デビューしてしまったためにどうしても見逃せない団体や作品に絞らざるを得なかった。その中でも、あやめ十八番の目覚ましい活躍ぶりが光った。
2016年12月の東京芸術劇場での公演を経て、座・高円寺へ進出した「ダズリング=デビュタント」、東京・大阪2都市ツアーを果たした「三英花 煙夕空」。初の大阪公演だったが、大阪での初回公演を見た観客の口コミで、千穐楽には満席。あやめ十八番の魅力を実感する、印象深い出来事だった。

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