満足度★★
ミステリアスな展開ではなかった!
まあ、勝手に思い込んでたことなんだけれど、タイトルから察するとコメディかサスペンスか?みたいなノリだったんだけど・・・結果、良く解んない舞台だった。
柿食う客のミニ版!この方が解り易いでしょ。そんな感じ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ジュピ子を存在してるものだと扱う母親、池田かおるはベビーカーに乗せてうろつく。ところがこのジュピ子が見えない人が殆ど。
かおるの夫は妻が浮気をしてジュピ子を産んだと誤解し調査依頼をする。
探偵はその依頼を受けるが肝心のジュピ子が見えない。探偵たちはかおるを狂人と決め付ける。
私たち観客もかおるは狂人だから狂言してるだけ、なんて収まりそうだったが、最後のシーンで影絵のようにジュピ子のシルエットが浮かび出す仕掛け。
結果、ジュピ子は生きており、ジュピ子が見えなかった人達が狂人でかおるが正常だったという筋。多数が真実のように思われがちだが、そうではない。といいたかったのだろうか?
物語には大きな笑いも無いからコメディではない。かといってシリアスな展開もなく、ましてや火曜サスペンスどころの騒ぎもなく、なんとなく終わる。
つまり、良く解らない舞台。きっと評価は割れるはず。
若い劇団の芝居って案外この傾向が強いが、まあ、あと数年経てば、大衆が理解出来る芝居を作るはず。
今は序曲。そんな芝居。
満足度★★★
剣捌きが下手すぎ!
ロミジュリだけならともかく、シラノ・ド・ベルジュラックを盛り込むなら、もっと詩的な言葉が欲しいのと、剣の持ち姿が美しくない。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ロミジュリにシラノを盛り込むあたりの繋ぎは作品としては面白く上手いと感じた。
だけれど、シラノ=詩人、剣の達人なのだから、詩的なセリフをもっと盛り込んで欲しかったのと、あまりにもジュリエット役を演じた仲代奈緒の剣捌きが下手すぎる。
ここでのジュリエットは男勝りの剣の達人という設定でしょう?
なのに・・なのにだよ、剣を手だけで構えて腰が入ってないもんだから、何だか剣が重そうで剣を振る姿勢も弱弱しい。持ち方も違うし・・。左手の構えも違う。
あれじゃあ、観ている観客がはらはら・・。
結果、毅然とした態度を感じられないし、勇敢ではないわけさ。
女優として色んな役に挑戦するなら習ったほうがいい。
劇団としては今回はキャストミスでしょ。
物語としては上手くまとめたが、色んな要素を取り込めたい余り、締りがなかったような気がする。全体的にちょっと幼稚っぽかった。高校の卒業学芸会のノリ。そこそこ楽しめた舞台。
満足度★★★★
きっついなぁ。こういうの。
一人の女性の一生を断片的に見せた芝居。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
11歳のときに叔父から性的虐待を受けた女性の半生を、自動車運転のルールと重ね合わせて描き出した作品。
チビちゃんと呼ばれていた少女はある日、運転を教えてくれるという叔父さんの膝の上に乗って練習をしていたが、突然その格好で悪戯をされる。11歳の時。それ以降、何かにつけて18歳まで悪戯をされ続ける。
だけれどその行為は決して強制的なものではなく叔父さんの吐く巧みな言葉によってチビちゃんが流されてしまう心情や、時にはチビちゃんの方から曖昧に誘う心理などを繊細に描写する。「お前が望まなきゃ何も起きやしないんだ。」とあくまでもチビちゃんの同意を求める情景も注入しながら、男女間の性差についても描いた作品でした。
やがてチビちゃんは18歳で叔父(この時45歳)さんと別れる事を決意する。その後、叔父さんは深酒をするようになり、職も妻も運転免許も失って、ますます酒びたりのあげく7年後に階段から落ちて亡くなる。
あれから・・40歳になったチビちゃんは独身のまま、静かに時を過ごしています。公園のベンチに座りながら、走り去るランナーに「頑張れ!」と心で応援しながら・・。
一人の女性の生き様を描いた作品だったけれど、最後のシーンは映画を観てるようなイメージを植えつける言葉はやはり素晴らしいです。そして、この女性は一生独身を貫くのだろうな・・と感じさせる内容。
見えない十字架を背負って生きていかなければならない心情を思うと本当に重いテーマです。
彼女の心には、小さかった自分を理解して深いところまで受け入れてくれたのは叔父さんだけという思いと、その優しさに自分に出来る形で答えたい。と揺れる心情。
記憶の断片は夜空のように暗かったり、あるいはキラキラと輝いて眩しかったり、苦い水も、あまやかな水もあるけれど、成熟した彼女が11歳の頃に経験したそれは、熱い手で心臓を掴まれたような恐怖だったのではなかろうか。そうしてそれがその後の彼女に深く影響しているとしたら、あまりにも人生は残酷なのだ。
満足度★★★
ジャンヌ・ダルクを観る度に
毎回切なくなるのはワタクシだけではないと思う。
トップに立った女性の中で時代に翻弄され、フランスで処刑されたもう一人、マリー・アントワネットも実はジャンヌ・ダルクとそう変わらないのかとも思う。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
「最高のスタンダード」というパンフを劇場内で配布しており、目を通すと、主宰・森山の芝居に対する主張が書かれてある。そこには「独自性というか、高級であるべきだと思うんですけど、それが大衆に理解できなきゃ意味無いなって感じ。」とある。
そして、「悩んだり迷ったり呪ったり唸ったりとか、狂気だとか、頭蓋骨を開いて大脳を直接見せるようなのが芸術っぽいとは思うんですけど、そういう自分の頭だけで作るのって実は誰でも出来る事で、高級な仕事ではないんじゃないかなと最近は考えています。特に演劇って観客ありきのものなので。」ともある。
で、総合すると「大衆的じゃなければ高級にもならない。」と結論づけるわけだけれど、まったき、同感ですわ。ホントその通り。
こんなふうに自分の考えを主張してくれると、解りやすいよね。
で、感想です。裏切られて処刑されるジャンヌの物語をどのように表現するか、ってことで、たぶん、随分悩んだのだろうけれど、今回はあまりにもギャグネタが多すぎた事と、そのネタが受けなかった事だ。シリアスな部分とギャグが上手く噛み合っておらず、全体的にシリアスな展開なのに、いちいちギャグをかましてた。だから、観客はコメディ?それとも・・?みたいな受けになってしまうのだと感じる。
それでも最終的には、なんとなく「良かったなぁ・・。」などと思わせてしまうところはヒーロージャンヌを助ける為に二人の勇士が立ち上がり自らの命を投げ出して戦うシーンと最後のシーン、剣で十字架を作る風景が観客の心を満足させるのだと思う。
相変わらず丹羽の演技は素晴らしいです。辻明佳の演技もしかり。
そうして今回、新たなキャラ、皇太子シャルルを演じた上田直樹のボンクラぶり!サイコーでした。客席で見てても、イラつくほど!(^0^)
無能な皇太子役にぴったりでした。ってか、演技力!
劇中使用した音楽も良かったし、城扉を思わせるセットも良かった。そうしてジャンヌが火あぶりにされる火のこの演出はお見事!でした。
満足度★★
まったくつまらん!
正直言ってがっかり。
こんな小芝居を見せられるくらいなら、小劇団を観ておけば良かったと心底悔やむ。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
にしすがも創造舎、初めて訪れたけれど、もっと古びた、例えば木造の廃校をイメージしていたのだけれど、違った。それでも廃校をこんな風に活かせる空間はとっても素晴らしい事だと思う。
で、劇場に案内されると、そこは体育館。う~~ん。。いいんじゃね?(^^)
客席の高低も十分で観易い。前列の頭も気にならない。
そんなこんなで気持ちとしては肯定的に感情移入できたわけよね。
オープンと同時に行列のシーンから幕が上がり、幕の後方には大きな鏡が設置してあって、客席をも映し出す。ところがこの仕掛けは小劇団の芝居で何回も観てるから、斬新でもなんでもない。
そのうち、一群が現れたかと思うと、青年がひたすら30kを持てー、次は50k-、次は80k-、次は90k-・・・と延々と号令かけて、その度に重さの違う(実際は何も持ってない)袋をその重さに合わせて、担ぐ芝居を演じてる。それぞれ苦渋の表情をしながら。
なんじゃこりゃーー!!(名言!)
そんな担ぐ芝居を本当に延々・・延々・・延々・・・ワタクシもう飽きた!
結局薬局、95kgと97kgの間の2kgを人生のそれぞれの重みとして表現したかったらしいけれど、だから何?
あまりにも抽象的でそれがどーした?の世界でした。
最後は青年と若い女が刺し違えて死ぬのだけれど、これもまったく解りません。
解ったのは4000円をどぶに捨てたという感情のみ。
まったくつまらん!
今回の劇場ほど遠く感じた事はかつてなかった
地図をプリントアウトしておけば良かったのに、「東口から真っ直ぐね、案外簡単。直ぐ解る!」なんちって余裕かましてたら、元来の方向音痴に加えて東口から降りた坂道から迷ってしまった。
でやっとの思いで会場に着いたのが6:45、でも半分くらいは観られるかな~♪と思いきや、な・な・なんと上演時間1時間と言う思いもよらない上演時間に目の前が真っ暗になりやした・・。
以下はねたばれではありません。迷道中をUPしましたので、「まあ、たまにはおバカな迷いっぷりでも見てやるか・・。」って方だけ見てください。
ネタバレBOX
無事に恵比寿に着いたのが17:30。うーーん、我ながらぴったりじゃね、なんつってなんだか有頂天になって東口を降りたのでした。道は扇状に伸びていて、ふ?・・?) 確か、東口から真っ直ぐだったはず・・。と思いながらも、角の薬局で「恵比寿site」を聞いたのでした。考えたらもう、この時点で名前も違ってます。案の定、「解らない」。
まあ、それでも時間はあることだから、歩きながら・・。なんて考えが間違いの元でした。
聞く人聞く人、「住所は?電話番号は?」と聞かれ
・・うっ!--;)「解りません」と答える事、20人近く。
思わず小学生の授業を懐かしむ・・。
同じ道を何往復か繰り返し、既に6:20分。 何だか足も痛くなってきた。足を見たら棒になってる。ぐはぁっ!(==+)もうこれやヴぁい!なんて脳裏をかすめ、西口の交番へ。そこには若・中・高年齢の3人の警官が居て、同じように、
「住所は?電話番号は?」と聞かれ、
「解らないんです。東口に伸びた道を真っ直ぐ行った左側にあるのですが。」
「そこで何かあるんですか?」と聞かれ、
「はい。芝居を観に来たのですが・・、6時開演なのに・・もう6:30分になってしまいました。」とこれまでの筋を話すと、若警官は本当に気の毒そうな表情を浮かべる。中警官は淡々と地図を広げ探す。高警官は探すふりはするも探さない。
こんなところに年齢の差というものは出るもので、若警官は単に「この人、散々歩き回ったにも関わらずもしかしたら観れないかも?」と気の毒がり、中警官は「住所も電話番号も解らなかったら探しようがないでしょ。」みたいな独り言が聞こえそうだ。更に高警官ははなから諦め、地図は広げるも、しょぼしょぼする目に、「年には勝てんよな~。」みたいな雰囲気。
で、結局薬局、ここで諦めたら今までの苦労が水の泡!なんて何だかよく解らない闘志みたいなものがメラメラ~、と沸いてきて、ワタクシは振り出しに戻って東口に立つ。するとそこに階段が。素直にその階段を降りて、真っ直ぐ伸びた道を進む。進む。進む。すると・・「ギャラリーsite」の看板が。
ああ、やれやれ、一番長かった道のり。
なんだか、妙な達成感に満足して会場に入ると、すんばらしい衣装が目に付く。内容はどうやら、月のうさぎさんと月を侵略、支配しようと企む委員会の物語らしく、サイヤオが月のうさぎを助けたような物語だったような感じ。とにかく15分だから・・(^^;)
で、そそくさと退場し、また、ここでやれやれってな感じでトイレで歯を磨いてたら、高齢のご婦人が、
「あなた!そのちらかした鼻紙を端に寄せなさい。」って。
「えっ、(@@!)これはワタクシが散らかしたものではないです。」
「今、あなた、そこに鼻紙を置いたでしょ!」と嗜める口上。
「いえ、これはティッシュではなくハンカチです。」と主張した。
「・・・・・」
「だから、目の前にある散らかったティッシュはワタクシではないです。」
するとご婦人、何も言わずにトイレから出る。
をいをい!!謝れィーー!額を頭に・・もとい、額を床にくっつけて謝れィーー!!
と言いたいところだけれど、ワタクシより目上なので、言葉を飲み込みました。
やれやれ・・。
良く解らない濃密な時間を過ごしました。
満足度★★★★
揺るぎの無い脚本
この劇団の素晴らしいところは、決して観客を裏切らない本だと思う。
内容は解りやすく、ベタな内容だ。斬新でもなく、時空を飛び越えて空間を楽しむような夢見事でもない。
だからこそ、リアルでありそうな出来事なのだ。
だから、引き込まれて真剣に観てしまう。ついつい・・。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
シリーズ「東京」第一弾
都会の隣同士になった孤独な女2人がひょんな事から仲良しになる。
美帆はずっと孤独で親友と呼べる友達が居ない。
麦は、恋人と親友に裏切られ、両方を一度になくしたのだった。
やがて美帆は麦の行動が異常に気になりだす。それは一種のコレクターのように麦を監視してストーカーのような様になっていく。一方で麦はいつも一緒に居なければ友人でない、というような美帆の容赦ない執拗さが重荷になっていく。
一方が逃げ腰になると、もう一方は離れまいとするのが世の常で、美帆は麦の留守中に麦の部屋を物色するようになり、そのうち麦に近づく人を避けようと画策するようになる。こうなったら、麦は美帆の中で一人の友人ではなく自分の思い通りに出来る人形と化し、孤立させない固体は美帆の幻想の中で一人遊びさせて、また美帆自身も幻想の中で麦と言う名の人形で一人遊びしている常態となる・・。しかし、やがて、その関係にも終わりは来る。
親友という名の下に、引いた一線を越えてしまった美帆の物語。
殆どが美帆と麦とのもがくシーンの数々。長い事孤独だった美帆が初めて親友と呼べる麦に出会って、彼女に執着する気持ちは痛いほど解る。一方で見えない糸でがんじがらめにされてしまう麦の気持ちも解る。
異性でも同性でもその人を好きになるあまり、執着する。という感情も理解できるだけにズシーン!と胸が打たれるような衝撃がありました。
劇中、親友が何人も居るのはオカシイ。ってセリフがあったけれど、ホントそう思う。大体、本当に気の合う友人がそんなに居るはずはないし、むしろ、「親友は2人。友人も少ないけれど、長い事友人で居ます。」って人のほうが誠実な気がする。
第一弾ということはシリーズ化して続く、ということよね。したら、観なきゃ。次回も。
満足度★★★★
観客の向こう岸には
役者が居て、舞台には観客が座る。
幕が開いたと同時にドキリ!とした。
え?!ワタクシ達が座ってるのは舞台だったの?と。
そして本来観客が座るはずの客席で芝居が始まる。
劇場をこんなふうに近うのは斬新で衝撃。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
どうやら私達観客は映画館のスクリーンの裏側に居るらしい。(苦笑!)
だから役者はワタクシたちを観ながら「もう、始まるよー。」なんつってる!(^0^)
とある映画館に集まったエイズ患者と記者、そして厚生省医薬対策血液課の役人のお話。
エイズ患者は厚生省の役人に心からの謝罪を要求したが、役人は頑として謝罪しない。したくても出来ない事情があった。一人の意見で行政がどうにかなるものではない。という役人の主張。これはなにも厚生省に限ったことではない。民間の企業だって、似たようなものなのだ。
差別や偏見はどこの世界でもある。既に君たち感染者に対して国も製薬会社も補償はしている。これ以上何をしろというのだ。君たちは既に「向こう岸」の人間なんだ。と吐く役人。
立場の差によって向こう岸に居る感染者を対岸のこちら側で眺めていた役人は、やがて自分の愛人がエイズ感染者だったことが解る。仕組まれた愛人だった。役人は自分も向こう岸の人間にさせられた事に気付く。
最初、コメディかと思いきや、物語はどんどんシリアスな展開になっていく。
セリフの一つ一つに重みがあり、共鳴する部分も多いが役者の噛むセリフが多すぎて、瞬間、物語がとまってしまう。もうちょっと練習して欲しかったなー。まあ、舞台は生ものだし、役者も人間だから仕方がないけれど・・。
役人が自分も感染してるかも?と感じた部分の恐怖感は見もの。
楽しめた!
満足度★★★★
成長した村岡
空席が目立つところを見ると、宣伝方法に問題があるようだ。
ワタクシがこの劇団を始めて観たのは約2年前。
あの頃の青さとは違って、社会人となった村岡が描きたかった車輪の一部。
キャストの演技力はお見事!自然でした。
ネタバレBOX
アジアに滞在する国家運営コンサルタントの職員の一室での出来事。
セットがそれなりに作ってあって、案外、重厚!
前半はコンサルタント職員たちの人間関係と仕事の絡みを混ぜながら内乱のある不安定な熱帯の国の空間を演出する。ここまでは全く音楽の導入も無くセリフのみ。
後半はポップな音楽に乗せて、独特の現代社会群像劇を描く。
そこには企業戦略に飲み込まれて動かされている自分達は所詮、一本のネジに過ぎない。といってるようなもので、この表現の仕方は、村岡自身が社会人になって社会の仕組みを良く理解したからこそのものだと察する。
最後はコンサルタント職員のリーダーと官僚のクガを自滅させる脚本だが、「やっぱり殺したのね?やっぱり・・。」と思わず2年前の作品を思い浮かべた。(苦笑!)
村岡の作風は不条理劇とも違う。群像劇ともちょっと違う。破滅でもなければ絶望の中の希望でもない。人が人として生きる摩擦のようなものだろうか・・。
未来は無限に開いていて同時に無限に閉じている。そして誰かが居なくなっても、今までと同じように変わりなく世界は回るのだ。
そんな芝居。
追伸:公演後の挨拶で、「芝居は辞めません。」と強く主張していた村岡が印象的。決意表明?! 両立するって事は大変なことだけれど頑張って欲しい。相変わらず舞台挨拶の時も直立不動の立ちではない。ふにゃふにゃ立ち。(^0^) そして視線は下向き!
満足度★★★★
おもろい!
一部・慰安旅行、二部・ニューグランドホテルのコメディ二部構成。
まっさらのコメディ。
ばかばかしいし、怪しいし、変だ!だからこそ、楽しい!(^0^)
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
「慰安旅行」では宴会の出し物に「オズの魔法使い」を演じる事になったある課。ここでの「オズの魔法使い」はなんだか夢の無い、ぐだぐだのキャラで全員が怪しい・・(苦笑!)
特にライオンはめっさ、弱そうでアブナイ!しかも目の動きがイッチャッテル!このライオン役の上司を辞めさせるべく、課のみんながグルになって退職願を書かせる。
「ニューグランドホテル」では宿泊客とホテルマンとの絡みが絶妙!
無銭宿泊の客やら、ホテルで客引きをしようと企む商売女や、恋人同士の喧嘩など、ここのホテルではなんだか賑やか。
後輩のホテルマンの天然キャラに失笑する。
どちらかというと、二部の方が好みだったが隣の席の女性は一部の方が・・。とおっさってたので、これはもう、好みですね。
何の思考もなく楽しく寛げる舞台。
満足度★★★
物語として弱い
し、練りも甘い。でもって、役者の演技が下手。
画廊のオーナーと義理の妹、この画廊に通ってくる二組の男女の物語。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
とある画廊での出来事をオムニバスにて綴ったもの。
画廊を経営しているオーナーには仕事を手伝いながら密かに慕っている義理の妹がいた。この二人の絡みと、この画廊に頻繁に通う人達のストーリーなんだけれど、役者が素人?って感じられるくらい、演技が下手!
演技が下手!って書いちゃうと、「そんなに?」と思うだろうが、「そんなに」なのだ。
episode:1 「記憶」に出演したボランティア役の男1はしゃべりや目の動き、仕草、笑い方、声の出し方まで悪徳商人みたいに、なにげに悪げ!
ここでの役割は、なにげに悪げ!ではダメなのだ。
episode:2 「遺産」では、コメディみたいな楽しい場面もあったけれど、ここでも、妻役の女優が自分の役に入り込んでないし、やっぱり、素人?
でもって、結局薬局、話の展開は、妻と愛人がグルで、資産の絵画があると、夫が駄目になる。との理由で絵画を売却するように仕組む。
たぶん、脚本家の意図はハートフルなストーリーと銘打ってるように、心温まる物語を書きたかったはずなのに、結果、既婚者のオーナーと義理の妹がなにやら、出来ちゃいそうだ!という不穏な空気を醸し出しながら、愛人と妻が夫の為とは言いながら、絵を売却して慰謝料として自分の手元に入れるあたり、どこがハートフルなんだか、さっぱり解らない。
物語の結末をみると、男性の脚本家が考えるような男として都合の良い願望が見え隠れして、「そりゃー、君!随分じゃね?(・・)」と言わざるを得ないのでした。
満足度★★★
ミュージカルというよりも・・
殆どがダンスショー。
この日は、あべこうじ&2700 がゲスト。
以下はねたばれBOXにて。。
ネタバレBOX
女性の一生をダンスにて表現した舞台。
誕生から、幼児期、幼稚園、小学校、思春期・・と続き何故か、恋する乙女で物語りは途切れる。
恋する乙女から臨終の時までがぷっつりと切れてる状態。
むしろ、人生の後半部分が最も重要な気がするが、ダンスに重きをおいてる分、躍動的な感覚で終わらせたかったのかもしれない。
ショーと思ったほうが違和感が無い。
あべこうじ&2700 のトークよりも田中よしこ役の枝村明子のトークの方が面白かったというオマケ付き!(^0^)
満足度★★★★★
タナトスとは
死を具現化した神様の名前です。ギリシャ神話にも登場するタナトス!
今回の劇は、死の欲動を意味する言葉として使われていました。「切り裂きジャック」と「メデューズの筏(実際にあった海難事故)」を題材にした深層心理劇!素晴らしい!本当に素晴らしい!!
ネタバレBOX
役者は3人。
架空のネームを付けられた少女ルナ(ラテン語で狂気)、心理学者、そしてスコットランドの刑事。
ルナ役の高島の演技が素晴らしい。
記憶を失ったルナが過去の記憶を呼び起こす際に、当時の船に乗っていたアーサー、ソフィア、ビリー、アダム、ジュリアの会話を話し始めるが、テンポの早いセリフなのに見事に5人を分けて演じる。セリフだけで5人を演じるって・・ホント凄い!凄いです。
心理学者はルナの記憶を探りながら紐解いていきますが、記憶の断片をパズルのように組み合わせていく様は巧みで、物語にどっぷりの引き込まれました。心理学者とは真逆にちょっと軽そうでとぼけたおしゃべりの刑事がこの重くなりそうな空気を上手く緩和してほっとさせる空間を演じている。
まったく隙の無い脚本が素晴らしい事と、2階に設置された6体のソールがこの物語の登場人物を服のカラーで見事に演出し説明しているからこそ、分かり易いし、謎の6体目が実はここに居る心理学者だった。という謎解きにもなっています。
物語は誠実なはずの心理学者が実は狡猾で陰湿だったという、観客が見事に裏切られたようなストーリーに私たちは落胆しますが、同時にゾクゾクします。
船上で食料が無くなった時に、ニンゲンはどんな行動をとるか。
自分の手を汚さない心理トリックで偽装殺人に見せかけ、他の人達をパニックにさせたルナ。その事によって引き起こされた疑心暗鬼の心。更に殺人を呼び起こし次々に殺される乗船者。そしてやがて真犯人が解るのです。
本当に手を下した悪魔の名は「猜疑心」です。
満足度★★★★
ワーニャ伯父さん
年老いた大学教授の荘園を舞台に、教授がこの荘園を売りに出す提案をすることで引き起こされる騒動を描いている。チェーホフ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ここの劇場は本当に間近だから、観客というより、一緒にお茶を飲みながらそのテーブルに座っているような感覚に囚われる。こんなに狭い空間でのセリフだから、役者は大声を出す必要は無く、ごくごく自然に話す。
舞台もセットも衣装もシンプルだけれど、舞台の荘園を感じさせる空気はきちんと作られており、出演者もその雰囲気を醸し出す。
人生をかけて経営に従事してきた領地を売りに出すことを提案されて激昂したワーニャが生きる意欲を失い、絶望して自殺を企てる。のが本編だが、この自殺を企てる部分は削除され、優しいワーニャ伯父さんに演出を変えてるところは、この芝居の優しい流れに視点をおいたのだろうか・・。
教授の娘である不器量なソーニャが自身の失恋の痛手をこらえながら、生きる意欲を失った伯父ワーニャを優しく慰めるという結末。
「憎しみとか不平とかは世の中を滅ぼすわ、私たちは不幸だったけれど、自分の人生が自然と終わってしまうまで、我慢して生きましょうね。いつまでも続くなが~い長い夜だけれど、この命が続くまで辛くても辛抱して生きましょうね。そうして・・・やっとあの世にいけたら、その時は二人でこうやってお茶を飲みながらひと息つきましょうね・・。」
ワーニャは残された人生を耐えて生きていかなければならず、そのワーニャをソーニャが懸命に、必死に、生きることへの説得を語りかける幕切れのセリフは、最も美しいセリフです。
この舞台、ちょっと暗い照明といいカラーが感じられないのはワザとなんでしょうか?この回は、役者のセリフの噛みが目だって、ちょっと劇中に入れなかったなぁ。それでも、チェーホフ独特の空気感は堪能できました。
テレーギン役の岡崎、相変わらず凄いですね。脇役としての存在感は類をみない・・。素晴らしいです。
満足度★★★
長すぎる
妖精パックものは好きだから案外観てる。
ワタクシの観た回は初日だったからか、全体的に散漫な感じがした。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
上演時間が長すぎる。そう感じたという事は、観客を引っ張るだけの力量が無い芝居だった。
練習不足なんじゃないの?と思えるほど、セリフを噛んだり、セリフの間の取り方に問題があるように思えたし、役者達が素人っぽくて、最後まで乗れなかった。
何より主役の妖精パックのセリフの言い方が単調だったものだから、違和感が吹き出てしまって、その世界に入り込めなかった。
それでも笑いの箇所はいくつかあって、まあ、楽しめたといえば楽しめたけれど、学芸会レベルでした。
満足度★★★
クローンものを芝居として上演するには
とんでもない何かが必要な気がする。
または、物凄く泣かせるとか、物凄く感動させるとか、物凄く笑わせるとか奇抜なアイデアがないと、マンネリ化してしまう、と思う。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
福田転球だけが逸脱していた作品。
他は役者としてまだ、熟されていない感じ。そんなレベル。
世界的に有名な研究者・瀬尾元治のクローンとして作られた藤川ジン。
ジンを始末するように同僚の藤川徹に命じたが、藤川はジンを自分の子として育てることを決意し、研究室を退職する。
やがて大人になったジンを軸にジンが育った家庭や、ジンと瀬尾元治の娘・千尋との恋愛、実の父との関係を描いた作品。
瀬尾元治の身代わりとなって自分の心臓を提供して死んでいったジンの場面で観客を泣かせようとしたのだろうが、物語性が弱い為、泣けに泣けず。
むしろ、ジンの育った家庭の温かさの場面で泣ける。
脚本が甘いのが欠点。もっと作り込んで練り上げてくれれば良い作品になったはず。惜しい芝居でした。
満足度★★★
楽しめた!(^0^)
役者のキャラをみてるとやはりこれは、コメディしかないよね?(苦笑!)と咄嗟に思う。つまりは役者の仕草でも笑えるアニメ的、または、アニマル的お笑い!(^0^)
以下はねたばれBOXにて。。
ネタバレBOX
役者は男性ばかり。
案外、この男性ばかりの芝居というのはお笑いにはぴったりなのかも知れない。
しかも、出演したキャスト達のキャラは普通ではない。(^^)
普通ではない、なんて書いてしまうと、普通ではないってどんだけ?みたいな興味が湧き出ちゃったりするだろうけれど、要するにカッコいいキャラは一人も居ない。
だからこそコメディとして成り立つのであり、観客もやれやれ・・状態で可笑しくて楽しめるんだよねー。
オタク系のキャラあり、カバみたいなキャラあり、アニメ風のキャラありで、仕草といい、表情といい、全てにおいてゆるくて気持ちのいい笑いを満喫!
笑いのセンスは人それぞれ違うけれど、案外、大衆向き。
大らかに高らかに笑える舞台。お勧め。
満足度★★
あまりにも・・・
ギャグが受けなくて可愛そうなくらい・・。
観客、クスリ(^^;)ともニコリ(^-^)ともなく、会場はどこまでもシーン!!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
初見の劇団だった。
過去の評価を確認すると、ひじょうに良いわけで、ワタクシとしてはそりゃあ、期待しまくりで行ったわさ。雨の中を頑張って!
しかし、期待とはうらはら、コメディなんだろうけれど、そのネタの殆どは空振りで、まったく受けてません。シーン・・。
なんだろ?ネタが古すぎる。てか、面白くない。
全てのギャグが空振りという役者も真っ青の舞台!
んじゃ、ストーリー性はどーなのよ?
って事だけれど、これがまた、練りが甘い。
役者はセリフを噛むし、中途半端にシリアスなものだから、観客を物語りに引っ張る力量も薄い。だから、舞台と観客の間には見えない大きなベルリンの壁が立ちはだかって、なんとも・・・、乗れない舞台でした。
満足度★★
ミックスの割には
その本が生かされてないような気がした。
考えていたイメージと随分違ってしまった事にもちょっと不満が残って尚且つ、抽象的すぎて龍之介や安吾ではなく、どちらかというと恩田陸的な印象!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
愛娘を生きながら火を放たれ燃えて苦しむ形相を観ながら『地獄絵』を完成させた絵師良秀。
悪女で絶世の美少女・夜長姫と小心者で耳を削がれた彫師の耳男『夜長姫と耳男』
上記の2つを題材に書いた『ホネノウツワ』ってことだったけれど、演出がいかにも地獄っぽくないし、出だしはむしろパラダイスな感覚。
あれれ~??とのっけから落胆してしまう。
そんなだから、まったく乗り切れず、逆に眠くなる。
時代の文豪の作品を題材にする、という説明の時点でワタクシには一種のイメージが浮かび上がっちゃってるものだから、それはないんじゃないの?!と抗議したいような気持ちになっちゃってる訳よね。
だれだー、鼾をかいて寝てるのは!って、言いたい位完全熟睡モードになっちゃってる輩も居て、いやはや、困った舞台でした。
満足度★★★
どーもこうもそれもあれも
やりたい放題の芝居!(苦笑)
観ている観客はやれやれ・・!的なノリ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
観客は前列に座るべき。
きゃわいい制服(中身ではない。あくまでも制服)の中のおパンツが丸見え!
いあ、むしろ、見て見て!みたいな座り方。つまり、大股開きなんだよね。
体操でいうところの開脚!
これはむしろ有難う!(^0^)っていうべきよね。
涎を垂らす間もなく、今度は先生の胸が胸が・・胸がぁあああ・・・!
更に更に、酒巻と、男を前面に出してる筋肉質の山口航太が女子高校生役をやらされちゃってるもんだから、いい年して(酒巻29歳)制服とピンクのリボンをつけちゃってノリのりで登場するわけよね。くにのかあちゃんに見せられねーみたいなちょっと辱めな空気感漂わせながら・・。
キモサに於いては他に類をみないぞ!ってな感じで殆ど満点に近いわけ。
えっと・・・ここはお化け屋敷?それとも動物園?世界の七不思議?
なんて考えてるうちに、
バリバリ、トリッキーな女子高生達はセリフを噛んだり、セリフを忘れてしまったり、そんな時に監督みたいなこれまた弱弱しい役者がぴーっぴっぴっぴ!と笛を鳴らすように台本どうりに修正させる訳。(^^;)
そこはワザとなんだろうけれど、案外、可笑しい!(^0^)
まあ、それでもちょっと練習不足は否めない。セリフは噛み噛み、聞きづらい。
前の方で学園ドラマを演じてるかと思いきや後方では別のストーリーが始まっちゃってて、なんだかもうやりたい放題!(^^;)
ここで隣に座ってた大学生の男子は脱落!
「疲れた!」と一言、帰っていきました。(^^;)
おはぎライブと称するライブは歌は下手だし、人に見せられるようなもんじゃないけれど、これもノリで観れば楽しめる。後ろで制服をお召しになってる男優が応援団のような格好になちゃってて、その中の二人、いあ、二匹は嬉しさのあまり抱き合ったり踊ったりしてるのだけれど、なんたって制服からはみ出てる腕は筋肉バリバリのゴリラのような図太い腕。いあ、ようなじゃなくて、ここまできたら既にゴリラ!
やっと終演と思いきや、今度はアンコールの強要!(そんなに?)
いあいあ、びつくり!中屋敷の脚本だから、まあ、解るでしょ?!