満足度★★★★
侵食する虫
それはアグネスと元兵士のピーターの二人だけが見える幻覚なのか・・。
それともピーターの言う軍の仕業なのか・・。
ピーターのいうのも何となく納得してしまう。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
モーテルで暮らすアグネスは、過去を背負う元兵士のピーターと出会い心を通わせる。ピーターは部屋に小さな「虫(バグ)」が存在し、虫に刺されたとアグネスに訴える。
当初、あまり重要視していなかったアグネスもやがてピーターと同じ虫が見えてくる。彼らが見える小さな「虫(バグ)」は蠢きながら彼らの皮膚から肉体を侵食し、増殖していくと考えていたピーターは、自分は軍の実験台になっている。とアグネスに秘密を教える。
それはピーターの体にアリマキという幼虫を植えつけて人間に寄生し増殖させて人間自体を滅びさせるという研究だった。その使用目的はバグダッドに寄生虫を撒き散らす為だ。要はバグ戦争だ。
なんだか、ここまでくると枯葉作戦や細菌戦争じゃあないけれど、現実味を帯びてて軍の考える人体実験もありうるような気もする。
そんなある日、「善意の訪問だ」といって軍医が訪ねてくる。彼はピーターが幻覚と妄想を伴うパラノイアの患者だと説明した矢先、ピーターは、アグネスの前でこの軍医こそが情報をプロミングされたロボットだと主張し刺し殺してしまう。巨大な組織による陰謀だと訴えるピーターの説得力のある言葉にアグネスは、誘い水を吸い込むように、「私たちが知り合ったのも実は綿密に練られた計画の元に遂行し、私たちの周りの人たちはみんなグルでミッションは確実に行われた。そうか・・私達二人が結ばれた事によって雌の虫と雄の虫が交尾して増殖することに成功させた。虫を作ったのは私たち!私がスーパーマザーだったんだわ!」と解釈してしまう。
だとしたら、虫を殺さなきゃ!殺すしかないわね!
と二人は裸になってガソリンをかぶって火を放つ。
「愛してる。」
「愛してるわ。」と最後に契りながら。
虫の存在は本当のところ軍の差し金だったのか、妄想だったのか明確ではないが、虫は確実に皮膚から奥へ奥へ奥へと侵入し、彼らの脳味噌の中をやたらと這い進んだに違いない。
その虫は軍という特殊な環境で病んだ兵士の産物かもしれないし、実験と称したバグ戦争の為の人体実験だったかもしれない。
それでも彼らは自分を破壊することでこの戦争を終わりにしようと考えるあたり、実にアメリカ的だ。
当初、舞台に登場したアグネス(西山水木)のぴっちりとしたシャツから見える上を向いた乳首のラインを観た時、これは脱ぐな・・。(期待を込めた遠い目)
脱いでくれるな・・。(確信に満ちた煌く目)(^^)と直感したが、やはり脱いでくれた。そんな頑張り屋さんの西山は終演後、口を押さえて泣いてた。
そう、貴方達がいい舞台を作るのです。
満足度★★★★★
意識を持った双子
2010年の日本と未来の2049年の宇宙での物語。双子の市川姉妹をこの物語に起用したのが当たりだと思う。
非常に綿密に練られたストーリーに息つく暇もないほど感動した作品。
ものすっごくお勧めです。
池袋演劇祭の賞を狙ってるんじゃないかなー。
たぶん、取るでしょ。その位、高レベル。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
2010年、大容量の情報を超高速で受け渡しができる通信技術『光ソリトン通信』では、光ソリトン通信網の中に通信の障害や接続された端末をも破壊してしまう可能性を秘めた「ソリタリーパケット」と呼ばれる正体不明のノイズが存在していた為、問題を解決するべき対策チームが作られる。
「ソリタリーパケット」とは自立的に自己増殖が可能な独立した情報だ。それがどのような経緯で生じたものなのかをチームは研究していた。
一方で巨大な廃墟の中に少女は居た。「もうすぐよ。もうすぐやってくる・・。」未来を予言するようなその少女は「やがて世界は焼き尽くされる。」と、か細き声で警鐘する。この少女とは探索機だ。そしてもう一方は発射基地の地下深くに設置された。双子の片割れだ。この双子の少女はテレパシーのようなものが存在し、何光年離れていようと情報伝達が可能だった。双子は2049年、太陽系の外を探索するという目的で地球から打ち上げられた。
そして3つ目の舞台はサイバーフォース2057だ。彼らは電脳戦の為に組織された特殊コマンドだった。
舞台は3か所のブースを同時進行のように操りながら演出する。少女は与えられた自分の任務を遂行しながら爆発を危惧されたシリウスのデータを送り続ける。
電脳空間から脱出できなくなってしまった特殊コマンドは空間のある領域で繋げることを思いつく。しかし定体化するためには誰かを殺してその体に自分を入れることが必要だった。そんな折、『光ソリトン通信』の職員1人と配達員の佐藤が電脳空間にトリップしてしまう。二人を助ける為に職員の岡は電脳空間に自らトリップするのだが・・。
やがて岡は自分の記憶の奥から未来のサイソルという名のコマンドだったことを思い出してしまう。そしてサイソルは少女の「か細き声」をはっきりと聞くのだった。
「ハロールーシー。やがてこの世界は焼き尽くされる。時の揺らぎの中で終わりを見た。」
少女は叫び続ける。人類の滅亡を光よりも速く警告するために。
そして・・やがて双子は死ぬ。
時間のズレの描写が上手い。高度な音楽と映像を駆使した舞台の演出はまるで映画を観ているようでものすっごくレベルが高い。双子の少女が登場した時は鳥肌が立ったほど!(@@!)
要するにニンゲンじゃないような感覚。この世のものとは思えない異次元の双子。その雰囲気がまた抜群で表情と目がいい。
芝居が終る最後のシーンでは死んだ双子がカクカク、カタカタと生き返るような動きに魅了される。
ホント、素晴らしい!拍手喝采でした。
余談だけれど・・この双子の物語って電脳サイバーアニメで見たような記憶があるのだけれど・・・デジャブでしょか? ってかアニメおたく。笑
それほど良く出来た物語でした。
満足度★★★★
毎回のことながら、
分かりやすくベタな作品。このベタさが大衆に受け入れられる作品なんだよね~(0^)
更に家族愛を軸としたハートフルな物語ってんだから、観客はまんまと笑って泣いて温かな心持になるのでした。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
普段、小劇場で公演してる劇団を大きなキャパの劇場で観る場合、やっぱ前の方で観るのがベストでしょ?ってことで前列で観劇。
有希は、幼かった頃に離ればなれになった父親がニューハーフパブ「暗いアヒル」を経営するゲイ(しのぶママ)になっていた事を知り、ゲイバーで働くことになる。有希は戸惑いつつ働きながらもそんな中で「暗いアヒル」で働くゲイたちがママを中心に家族のように温かく労わりあいながら働いていることを知る。
一方でお店存亡の危機に関わる大規模な都市計画を企むエンデバー総帥・沢村が自分の実の父親だと知る事になった有希は、実父だとばかり思っていたしのぶママと有希の母親・絵美、沢村の3人の関係と有希の出生の秘密をも知ることになる。
かつて絵美と沢村は付き合っていたが沢村が自分の夢であるメジャー進出でアメリカに渡る決意をしたことから、当時妊娠していた絵美は沢村の為に身を引いたのだった。そして恵美と沢村と生まれてくる子の為に、しのぶママは恵美と形だけの結婚を決意し、有希が生まれた。
3人は深い友情で繋がっていたのだ。
舞台はニューハーフパブ「暗いアヒル」とキヨミズ建設、エンデバーが主な設定で、お店を存続するために闘うゲイ達と、なんとか大規模な都市計画受注しようとやっきになるキヨミズ建設、スラム上がりの亜里沙を養子に迎えてるエンデバー総帥・沢村の家族関係を露呈しながら、物語は血のつながりのない家族愛を主軸にクライマックスを迎える。
ダンスあり、生演奏あり、コメディあり~の、ちょっぴり切なくホットな物語でした。導入音楽も素晴らしかった。
それにしても・・・しのぶママ役の宮内利士郎って、フライングステージの関根に似てる・・
あまりにも似てるから、じーーーーっと穴のあくほど観ちゃったのでした。笑
個人的に、これからの時代は他人で構成される家族が増えると考えているうちの一人だから、お互いを思いやる心さえあれば、水は血よりも濃くなるかもしれない・・。
満足度★★
『風の又三郎』を題材に
今回の芝居の内容は宮沢賢治の短編小説 『風の又三郎』だ。
宮沢賢治が好きなワタクシとしては、まあ、飛びついたわけです。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
『風の又三郎』は、谷川の岸の小さな小学校に、ある風の強い日、不思議な少年が転校してくる。少年は地元の子供たちに風の神の子ではないかという疑念とともに受け入れられ、さまざまな刺激的行動の末に去っていく。その間の村の子供たちの心象風景を現実と幻想の交錯として描いた物語だ。
そんな物語だから、キャストはどーしたって小学生の雰囲気を出さなくてはならないのだけれど・・、どー観たって大人なんだよね。。まあ、実際大人が演じてるんだけれど、こういう場合、じゃりんこチエじゃあないけれど、じゃりんこハゲが居てもいいわけよね?要するに坊主頭に横っちょ10円ハゲに半ズボンとTシャツのガキんちょが登場したなら、もうそれだけで雰囲気は満点なわけ!
そんなヤツが舞台に上がってたら、ワタクシなんか直立不動で井上陽水の「夏休み」だって歌っちゃう!
しかーし、そんな意気込みとはうらはらに舞台は芝居というより、クイズ出題が主なパフォーマンスで「夏休みの宿題」的な雰囲気満天、マウンテンでした。ずっとクイズ・・・笑
キャストは汗かき汗かき一生懸命、演じてるんだけど、ワタクシの好みではなかった・・ww。
天気のいい日にずっと君の後を付いてるのはな~んだ!
「はい!先生!それは影で~~~っす!」
さって・・・星へ帰ろう・・(。。)
満足度★★★
季節外れの海の家
なぜ、今なんだろ?と考えた。秋に海の家ってww・・。
アルバイトをしに集まった海の家での出来事。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
夏満載の雰囲気にぽつねんと浮かび上がる「ビーチボール800円」の貼りちらし。その下にはなんと、「シャチ有りマス」なんて、おまけのように書いてあっから、おちゃめじゃね?笑
ビーチボールを楽しむのも命がけなビーチで突然事件が起こる。下着泥棒だ。犯人は誰だ!の号令の元、ゴリラが吊るし上げられる。アネゴに口の中にクラッカーを入れられてパンッ!という音と共に口から煙が飛び出す。(ここでヒク。)やり過ぎじゃね?笑いを取るどころかシーン・・。
良い子はマネしないでね。
ゴリラが犯人じゃないと解ると次々に怪しいメンツに疑いをかけ、犯人探しが始まるも、そんなに深刻ではない。舞台の空気はコメディ一色だから。
夏なのに色白すぎる横山やデブの三浦、ハゲの五十嵐、アニマルランドみたいなナリの海の家は彼らのひと時のバカンスなのだ。
リーマンはピエロだという岸は「彼らは本当は泣きたいのに笑った顔して、本当は笑いたいのに泣くマネのふりをしたりして、虚勢をはっている。どっかに本音をしまってる。お前が他人としてみてるうちは相手もお前を他人とみる。」とどこか迷いのある表情の安藤を励ましたりする。
どれほど弁が立とうと知識があろうと、ウソをついてる人間は所詮弱い。世の中で最も強いのは正直に行動する人間だ。
結局薬局、おパンツとブラジャーを盗んだのは警察官だった。というオチ。
そのオチのついでに笑いを取る大層な仕掛けも登場するが、これは見事にはずしちまった!
ああ、父さんの背中って結構小さかったんだね・・・みたいな気持ちになって、ちょっと冷たい風が吹いてました・・。
同級生や知人が集まる海の家が彼らの休息の場であり人生の放課後なのかもしれない。
それにしても・・・笑いに誘う仕込みネタが古いのと引っ張りすぎだった舞台。
満足度★★★★
3部を観た!壮年の革命家たち
激動の中で生きた彼らも壮年になって自分の人生を振り返れば・・。
最終楽の後半は悟ったようなゲルツェンの表情がいい。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
失意の底にあったゲルツェンはロンドンに亡命。自宅をまたもや革命に失敗した亡命者たちの社交場として開放する。そこで新しい人脈を得てロシア・ポーランド自由印刷所を立ち上げる。以前から革命とは計画だ、自由な精神だ。民家の内的本質が形となって表れたものが革命だ。と考えていたゲルツェンは個人の自由こそが絶対的であるべきだと論じた『向こう岸から』のロシア語版を出版。この記念すべき一冊目を、亡き妻ナタリーとの息子に熱い想いとともに手渡す。
やがて、盟友オガリョーフと共に大衆紙『鐘』を創刊する一方でオガリョーフの奔放な妻・ナターシャとの情事に走るも、心にはいつも亡き妻ナタリーがいた。
1861年、ついにロシア皇帝・アレクサンドル二世が暗殺未遂され、ロシアは農奴解放を実現する。喜びもつかの間、自由になったと思いきや土地を使用するのにお金を支払うという矛盾のある不徹底な改革に落胆したゲルツェンは、流刑地から逃亡しテロを企てる強硬派のミハイルと決裂。暴力革命に反対するゲルツェンは、次世代の革命家たちにセンチメンタルな夢想家だからと批判され「死人」であると罵られる。
壮年期を迎えた彼らとゲルツェンの胸に去来する長い間求め続けた「革命の意義、本当の人間の幸福」とは何だったのか?を思うとき、やっとゲルツェンは悟るのだった。
「人生には1000の扉がある。その扉は偶然という名の門だ。どんなことがあっても前に進むこと。楽園の城を目指しても、そこにたどり着くということはないのだと知ること。ユートピアに向かって殺戮を繰り返すうちは幸福はない。この不完全な世界を我々が時代をいかに生きるかにある。」と。
いあー、ホントすんばらしいでしょ?(^0^)
最後の〆のゲルツェンのセリフには感銘して鳥肌が立ちました。全部は書ききれなかったけれど、人間は人生の後半になるとこのように悟ることが出来るんですね。
革命家の誰しもがそれぞれのユートピアに向かって船出するのだけれど、彼らの理想や行動や団結が時代という波に揉まれて難破する。それでも前を向こうとして夢と絶望の間で思考し続ける彼らの姿に感銘しながらも、一方で、そんな理想を掲げる活動家である彼らが、同時に気弱で滑稽で不倫しまくりの自堕落だったりする。ヨーロッパって不倫が文化みたいな国ですわね、笑
そんな生臭い人間ドラマが漂着した先は地に足のついた家族の幸福こそがユートピアなのだと気付いたのです。
満足度★★★★
2部を観た!
やっぱ、1部を観ないと当初、戸惑う。
続編としていきなり、舞台は始まるから人物設定が把握してないとフライヤーとにらめっこしちゃうよね~(^^;)
物語は1部から3部まで繋がってるから、やっぱ3部を全て見ての物語だ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
理想社会実現の夢に燃え、祖国ロシアからパリに移住したゲルツェン一家の元に集まる仲間達は王政打倒の革命に期待をしたがその挫折を目の当たりにする。希望を喪失したゲルツェンは友人の詩人・ヘルヴェーグとその妻・エマを迎えニースで共同生活を始めるが、流行するロマン主義に影響を受けたゲルツェンの妻・ナタリーはヘルヴェーグとの情事に走る。ナタリーは「大いなる愛は全ての人を包み込むの。けっして下劣で馬鹿げたものではないの。」と愛の理想を語り、情事を正当化する。
一方で、コーリャ(ゲルツェンの子供)とヴァルヴァーラ(ゲルツェンの母)の乗った船が沈没してしまう。絶望の淵に立ったナタリーは失意ののち心労で死んでしまう。愛する者をを失ったゲルツェンはイギリスへ向かう船上で、無政府主義者となり投獄中のミハイルの幻を見る。破壊と革命への情熱を説くミハイルに「今、自分が幸せになれないのに、未来の人を幸せにしようなんて思い上がりだ。」と語る。
舞台は更紗の白いカーテンを開けたり閉めたりしながら、セットの移動をする。場面が変わるたびに更紗は引かれ、うっすらと見える舞台の情景も美しかった。上品な舞台セットと衣装に満足し、時折見せるスローモーションな役者の歩き方はもう決して斬新ではないが、ヨーロッパの貴族を感じさせる雰囲気は充分に効果があったと思う。
船の先端のセットは素晴らしかったし、そこに立つゲルツェンの姿は本当に素敵だった。
それにしても・・・殆どのシーンにゲルツェン(安部寛)が出ずっぱりで・・通し公演なら9時間、ずっと長いセリフがあるわけよね。(・・!)
よく覚えたな~。。と尊敬の眼差しと拍手を惜しみなく送りました。(たぶん、解らないだろうけれど)
満足度★★★★★
素晴らしい!
女性ながら、女性を捨てちゃってこれだけのコメディを見せる劇団は史上初かも。
笑い転げて至福の時を過ごしました。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
新設された庶務5課は応援課と名づけられ、元気をなくした社員達を可笑しな手段を使って熱く応援してくれるという筋。
相談者は山之内・営業三課27歳、相談内容・成績が上がらない
松田課長・企画課41歳、相談内容・家庭と仕事の両立について
三沢(イケメン)・受付24歳、相談内容・25歳年上の朝日部長との不倫問題
野村・資料管理室54歳、相談内容・仕事への生き甲斐
伊藤・清掃45歳、相談内容・青春を取り戻したい
日本社長・会社の社長72歳、相談内容・社員の給料を下げたい
以上の相談者に8人のスタッフがコミカルに対応しながらも会社にとって必要なのは人材!とばかりに仕事に対してやる気を起こさせ相談者に元気と勇気を与える内容だった。どれもお見事!
特に三沢(イケメン)・受付24歳の相談には全員が正気を失うほどのイッチャッテル対応ぶりぶり。笑
女性はいくつになってもイケメンが好きなのだ!
でもって三沢自身がかなり年上のジミ目な女性が好みっていう設定だから、8人のスタッフは、「とにかく朝日部長のようなおばさんとは別れて私と付き合って!」なんて話になっちゃう。好きな人を忘れる為には新たに誰かと付き合ったほうがいい、なんてこじつけて三沢に8人の中から選ばせる。笑
三沢は三沢で意外にも本田課長がタイプだと言い出してメアド交換なんかしちゃったものだから、本田課長は舞い上がる!笑
舞い上がった本田課長の表情がいい。とにかく笑いっぱなし!
そうこうしているうちに最後の〆で日本(ひもと)社長の相談にまんまと乗ってしまった8人は社員の給料値下げに向けて励ましてしまう。
社長が出て行った後に、ふと考えた彼女たちは、この新設された応援課こそが社長の始めからの企みだったと気付く。というオチ。
本当に楽しくてバカバカしい芝居でした。8人全員が汗だらだらで気合が入ってた。どのキャラも面白い。
個人的にはやっぱ本田課長(横澤摩美)のキャラが好み!(^0^)
☆余談ですが・・
本日、実家に来ております。
お彼岸のせいもあって裏の墓場には、花や果物を持った人々が行きかっています。
お墓の近くに自宅がありますと、怖くない?なんて聞く方がいらっしゃいますが、私は霊が見えない体質ですので恐くないですね。笑
むしろ時折匂う線香の香りが好きだったりします。蟋蟀や鈴虫が競いあうように奏でる音楽も素敵です。
たまに、お墓の中の人に話しかけながら、そこでひながに時を過ごすお爺さんもいらっしゃいます。お酒と少しの食事とシートを持って。
人はそれぞれ憩いの場所がありますが、このお爺さんにとっては此処が憩いの場所なんですね。
もし私がこの先、パートナーを見つける事が出来たなら、そして、その愛しい人が先に墓に入ったなら、私もお爺さんと同じように唄を歌ったり話しかけたりしながら時を過ごしたいと思っています。
満足度★★
劇評が高かったので期待したのだけれど・・
ワタクシが投稿した以前の劇評はやたらポイントが高い。満点だ!しかし、よくよく見ると関係者じゃね?(・・)
以前から思っていることだけれど、関係者が劇評を投稿したらダメだってばっ!身びいきするに決まってるんだから!ってかダマシだよね。要はさくら。
そんでもって劇評を見て間違ってチケットなんか購入しちゃったら「金、返せ!」なんだってばっ!さってばさっ!(・・)
ワタクシのように大きな期待を裏切られ落胆させられると、投稿ポイントがこうなるのは世の中の流れです。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
出演所のメインは男5人。ダンサーとしてちょっとだけ出演する女子2人。しかぁーーしっ、ダンサーっつっても、チアガールだから大したことはないです。
5人の男が幼稚園から現在までの生きてきた足跡を表現した舞台。
幼稚園の思い出、ごっこ遊び、文化祭、修学旅行の思い出など、どこにでもあるような思い出を表現した芝居だった。コメディかと思いきや、そうではなさそうで、しかも冷めた客をアドリブでもって、どっか~ん!と一発笑わせなけりゃいけない場面で彼らは思いっきり外してしまったわけだ!
中々当たろうとしないギャグは、ホームランを狙ってきっと地球の裏側にでも、飛ん出っちゃったんじゃないの?っつーくらい見えないギャグ!
こうして大人になった彼ら5人は、眺め続けた展望のゆくえが、今、シアターグリーンの舞台に立ってることだってんだから、夢は叶ったわけだ。
と同時に、「きっと楽しいに違いない!」というワタクシの思い描いた展望は見事に砕け散ったわけだよね。
舞台説明で「5人の男たちがただ舞台の上で遊んでるだけです。」とおっさってたけれど、ホンマ、その通り。自分たちが楽しんでたんじゃないか。っつー舞台でした。
まあ、人生はこんなもんですわ。次の公演に望みをかけよう・・。
満足度★★
長すぎる
2時間を越えた作品なのに内容は薄い。必要ない箇所を間引きして1時間30分にしたら違ったかもしれないが、それでも必要ないキャラが出すぎ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
2時間を越えた作品なのに内容は薄い。必要ない箇所を間引きして1時間30分にしたら違ったかもしれないが、それでも必要ないキャラが出すぎ。
以下はネタばれBOXにて。。
「高校生になってもランドセルを背負っている美幸。美幸がランドセルを背負っている理由とは?」がキャッチフレーズだったが、どうやら、主軸は妹の咲子の方なんじゃないか?と思わせるような舞台。
つまり、誰が主軸か?のポイントがはっきりしてないもんだから、物語全体が間延びして締りがない。それでも開演30分くらいまでは、コメディ的要素があって楽しめたのだけれど・・後半がキツカッタ。
高校生になってもランドセルを背負っている小石川美幸、「ピーヨ!」しか言わない登校拒否の小学生の小石川咲子、彼女らの自分勝手な行動を温かく笑って見守るコーヒーショップを経営する父親。しかし、小石川家の3人は一様にさわこ(美幸と咲子の母親)が死んでしまってからさわこを慕うあまり心に闇を持っていた。
この父親のコーヒーショップに集まる面々が小石川家に絡むという人情劇を脚本家は見せたかったのだろうけれど・・、とにかく盆じいとコーラ兄の掛け合いがウザイ。盆じいはただただ大声でどなるだけで、でんでん面白くない。コーラ兄もしかり。いや、キャストの問題ではなく、やっぱ脚本なんだけどね。
皆で盆おどりを踊る設定にも無理がありすぎて引きまくり、中途半端な笑いしかとれない場面で引きまくり、更に、高校生になってもランドセルを背負っている美幸というシリアスな設定(これがコメディなら評価も違った!)にも引きまくり、そんでもって咲子のヒヨコにも引きまくる。
やりすぎじゃね?
姉妹の二人ともが異質だったら物語はそこで「変人」になって終わるよね?
普通の人たちの中に、「異質」が一人だからこそ、異質になるわけで、それぞれの心の闇を表現したいシリアス芝居なら、本質が違うように思う。
全編がゆるくて可笑しいコメディなら、全員のキャラが変人でも良かったんだけどね。
満足度★★★★
4篇のオムニバスというと・・
どうしても過去の公演「寸劇役者に花束を-秋の唄2008-」と比較してしまうのだが、今回は後半の2編が中途半端な笑いしかなかったように思う。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
4篇のオムニバス。
「高校教師」
二人の高校教師が不良学生の金子を相手に指導をしているさまをシュミレーションしている。シュミレーションでは金子を相当に脅かしながら教師としての威厳をみせつけていたのに、実際に金子が生徒指導室に入ってくると、教師たちはびびりまくり何も言えない。人生は練習ほど上手くいかないのだ!笑
この極端な差が面白い。個人的には最高の得点だった。
「ジョニー」
ホストクラブ「ラミアンローズ」では15年も勤めてるジョニー(ホスト)の成績が全く上がらない。どんどん若手のホストに追い抜かれて指名が入らないのだ。原因はなにか?を探る経営者。しかし、ジョニーは無口な事が男の価値とでもいうように、「自分は客を目で落とす、雰囲気が大事でしょ?」とのたまう。しかしそんな大事な雰囲気からして、ジョニーはどことーなく気持ち悪い!笑
そんな折、女性客と他のホストの会話の中でのりぴーの話題が出る。「夫の「自称サーファー」って何よ?大体、自称という前置きはプロじゃないってことでしょ?後に続く単語を自分しか認めてない。って事よね?」なんて盛り上がってる矢先、一方では経営者が「お前がなぜ指名が来ないのか、わかったよ。気持ち悪いんだよ。」とジョニーに毒づくが当のジョニーはそれでも薄気味悪い微笑を浮かべる。笑
そしてジョニーを女性客に紹介するとき「自称ホストのジョニーです。」といわれてしまう。
「HERO」
強盗の経験が無いズブの素人がネットで呼びかけて集まった、これまたズブの素人たちが銀行強盗の相談をしにカラオケBOXに集まった。どうやって強盗するか?の会合だったはずなのに、元々気の弱いメンツたちはハンドルネームで呼び合うというショボイ話になってしまう。中でも亀仙人みたいなじっちゃまがオリジンでおにぎりを盗もうとして見つかったのを、強盗をした事があると自慢する設定はゆるくて可笑しい。吉牛で予行練習と言い出したり、ストッキングを被っての練習をしたりと、ショボさはますます加速して、5人のメンツは妄想だけが先走ったのだが、結局薬局、メンツの一人が馬券を当てたので強盗はしなくて済んだ。というお話。
「あい」
愛とは何か?みたいなテーマを自称失恋したという男がヤクザに慰められながらも、その内容を解き明かすと、キャバクラ「ピンクエンジェル」の加藤愛似のキャバ嬢に入れあげて通い詰めたが落とせなかった、というのだ。泥のような世間を歩いてきたヤクザは分相応の女性を見つけるように説得するが「それでも加藤愛がすきなんです。」と失恋した男は譲らない。失恋した男に「男の価値」は外見じゃない、と慰めていたヤクザはその男の根本こそ「女の価値は顔」が根付いていることが解り、唖然とする。導入音楽の冬ソナがこの芝居に合っていて笑えた。
統括・「HERO」「あい」は落としどころが弱いような気がした。それでも充分楽しかったが・・。
客席の配置の仕方だが、「関係者席」と張られた席が入り口付近の段差のある席を確保してあり、ぎりぎりに到着した観客がその座りやすい席に案内されていた。早めに来た観客が桟敷席に座らされて遅く来た観客が特等席なのはオカシイ。劇団側はそういう常識がないのだろうか?
関係者席は桟敷席の入り口付近を確保すべきなのに。
満足度★★★★
あのころ・・
廃校になった田舎の高校に集まった同窓生たち。
土居裕子の歌って案外、上手いのね。曾我泰久のピアノでの愛の弾き語りも素敵!
同窓生たちが胸の奥に秘めている学生時代の甘い恋や、辛く苦い経験を思い起こしながらの青春群像コメディ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
23年前の第一期生の同窓生は6人しか居なかったが彼らは虹ファイブという戦隊ユニットを組んでいた。彼らは地域でも人気があってそこそこ有名だった。その中の紅一点、オレンジこと潔子は男勝りの美人だったが、彼女は6年前に他界してしまっていた。今日の集いは学校の存続の為、奔走した先生方を労う会になるはずだったが、校長先生も他界してしまい急遽、潔子の七回忌となる。
同窓生たちを出迎える松代、竹代、梅代の蛙顔3姉妹のコミカルな動きが楽しい。
続々と集まってきた同窓生たちに懐かしさのあまり幽霊となって出てきてしまった潔子はかつて付き合っていたレッドこと高林の「潔子がしつこく好きだと言って来たので付き合った。」の嘘の一言にキレテ、梅代に乗り移って高林をやり込める。その後、竹代、松代にもすし屋にも次々と乗り移りながらも自分は潔子だと主張をし始める。乗り移る歳のコメントが可笑しい。。
物語は虹ファイブを結成していた頃のエピソードを織り交ぜながら現在の彼らの生き様を吐露しながらも、もう一度虹ファイブの再結成に向けて動くのだった。
パープルこと近藤(曾我泰久)の潔子への変わらない愛を打ち明けられるシーンでは、ピアノでの弾き語りの告白が甘く美しい。
それにしても・・・死んだ後に告白してどーするんよ?(・・!) バカだなぁ。。
生きてるうちにしろよ。(・・)
なにげにすし屋と坊主の表情がインパクトがあって良かった。
甘く切ないセピア色の青春物語。
満足度★★★★★
面白い!
前半は殆どコメディ。後半はシリアスで戦争における不条理さを描く。
前半のコメディでは、殆どが殴り合いの喧嘩シーンだけれど、まるで少年ジャンプに登場する高校生同士の喧嘩シーンのごとく、女の取り合いでの殴りあい。海軍と陸軍とでの殴りあい。アニメチックな暴走に笑いっぱなし!
シリアスなシーンでは兄弟や同朋を思いあう果ての展開に胸が打たれる。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
怒涛のお芝居!冒頭、白と赤のフンドシ姿で登場する。のっけから目に焼きついたそのお姿は白のフンドシ姿のお陣が海軍、赤が陸軍。
赤は鬼塚家の長男が、白は鬼塚家の次男が長となり顔を見れば殴り合いの喧嘩のシーンだが、このシーンがあまりにもバカバカしく爆笑する。
物語は昭和20年、太平洋戦争のさなかであった。
戦況は悪化の状況で本土では連日空襲の被害にあっていた。沖縄はアメリカ軍の上陸を許したことから、基地にいた彼らは神風特別攻撃隊を再び編成し、海軍、陸軍双方の共同作戦天一号作戦が行われようとしていた。
海軍飛行兵と陸軍飛行兵に分かれた鬼塚兄と弟。兄闘次郎は陸軍で弟義三郎は海軍にいた。
彼らは以前アメリカで暮らし、そして、二人には、アメリカ国籍を持つ弟が二人いた。それが原因で日本に帰国した彼ら兄弟は世間から冷たい視線が注がれることになる。三男繁夫は婚約者のハルが長男の闘次郎に想いを寄せている事が暴露し自害してしまう。四男英信は世間からの冷たい言葉「あの家はアメリカ人だから・・。」という噂を覆すためにも、鬼塚家を汚さない為にも、学徒出陣で自ら海軍予備学生へ志願、海軍に配属されてしまう。
戦争という悲惨さを誰よりも熟知していた闘次郎は、彼らの特攻志願を反対するも、鬼塚兄弟や部下までもが志願してしまう。時代に運命を翻弄され、大儀という名のもとに散っていった男たちの物語。
ひじょうに素晴らしい芝居でした。それぞれのシーンの展開がリアルで血を吐くシーンや血のりが付いた服や手がまるで本当に怪我したようでばばりました!(ビビリの最上級!)
この戦争に負けたら、「同朋たちは血を流し女は辱めを受け、子供は泣く。」という暗号のような言葉に自分たちは命を厭わず飛ぶであろう。と誓いその通り散っていくのです。
音響効果と照明効果によって舞台は大迫力の上にキャストの演技も秀逸で大満足でした。
前半のコメディと後半のシリアスの見せ方も上手い!愛のシーンも織り交ぜ
可笑しくも哀しい物語。
満足度★★★★★
ポップでキュートなファンタジー
新装オープンした本屋さんを舞台にしたコメディ。
こころあったまるファンタジーな舞台は色々な仕掛けが満載で印象の強い舞台でした。
主人公ジェーン役の元宝塚歌劇団月組娘役トップスターの麻乃佳世もコミカルで可愛い!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
とある古い本屋の新装開店の日、新しいオーナーのジェーンは子供の頃からの夢が叶って希望に溢れていました。しかし、そこにはこの本屋のかつてのオーナーのヴィクター(幽霊)が住み着いていたのです。ジェーンは幽霊のヴィクターを見て驚きますが、聞けば、大切な本が見つからない、と必死に店内を探し回ります。それは片思いのまま別れてしまったウクライナ人のぺトラへの思いを綴った本でした。あと3日のうちに最後の章を書き上げないとヴィクターは成仏できないのです。
ひょんなことからヴィクターの本屋に住むことになった陽気なぺトラとの生活はヴィクターにとって人生はバラ色に変わった瞬間でした。ワルツが奏でる夜もぺトラとの会話も、内気な男にとって愛する人と結ばれたいと思う狂おしくも絶望的な恋をしたのでした。
やがて・・ぺトラは国に帰ってしまいます。しかしヴィクターは「私は貴女が必要なんです。と言えなかった。ありとあらゆる言葉でテトラに愛を伝えたかったのに出来なかった。臆病者の私は一言も話せなかったんです。ぺトラを引き止めるのに何の努力もしないで、送り先のない手紙を書いたんです。手紙がチャプターになって、そして一つの本になった。」と話す。
一方でジェーンも隣のチョコレート屋のサミュエルにときめきながらも極端に内気な為に、思いを伝えられないでいました。そんなジェーンにヴィクターは「自分のように手遅れにならないうちに自分が言えなかった言葉、自分が出来なかったことを勇気を持ってサミュエルに想いを伝えるように励まします。
ヴィクターに背中を押されながらやっとのことで想いを告白したジェーンはサミュエルと結ばれヴィクターも最後の章を書き上げぺトラとの恋物語は完結します。黄泉の国のぺトラと再会を果たしたヴィクターは「私達は本当にバカだった。そしてこれからも愛してる!」とあの世で結ばれるのです。めでたしめでたし。という内容。
女性からの視点からは、やっぱ男性から告白してもらいたいよね~。
甘えるんじゃない!と言いたい!男性に(^0^)
セットはカナダと全く同じで、スペイン、カナダ、日本、フランスの4カ国で同時に上演されるという。舞台セットには沢山の仕掛けがあってヴィクターが幽霊だっていう印象を強くしていました。ストレートプレイなのにファンタジックで夢があり現代的なエッセンスも加味してロマンティックな雰囲気もありました。子供の頃読んだ飛び出す絵本さながらユーモアが溢れ可愛らしい舞台です。
満足度★★★★
山の幸バージョン!を観た
父の跡を継いで探索隊結成した兄弟4人の物語。
ペンションオーナーの妻・暁子(赤荻純瞬の演技が自然でいい。
全体的に楽しめた舞台。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ペンションを営む望月のところには奇妙な客が宿泊しにくる。
父の跡を継いで「つるごん」を探索する橘4兄弟は今日も訓練と称してペンションでドタバタしている。そこに妻に離婚されそうな暁子の兄・梨本が行く場所を失ってペンションに転がり込んでくる。梨本の娘・琴美はペンションで勉強しているがこの父親がウザくて仕方がない。何かにつけて反抗的になってしまう。
そこにラジオDJ「サンタとマリの暗黒地帯」という番組をやっているサンタとマリが「つるごん」の噂を聞いて取材に訪れて来るのだった。
サンタ役の高野ゆらこ(毛皮族)とマリ役の林佳代がとにかく面白い!^0^)
この二人の登場から舞台の空気が一変するほど!
ペンションに集まる人たちの情景を描いた作品だったが、主軸は橘4兄弟にある。彼らは父親の果たせなかった「つるごん発見」に向けて日々訓練をするのだが、彼らの中ではそんなものは実在しない。と解っている。解っているが、止められない。人生の目的が欲しいだけなのだ。
かつて彼らの父親が架空の「つるごん」を見つけた!と妄想したとき、そこには幸福感ではなく絶望感があったのだった。
「ああ、僕は見つけてしまった。見つけたくなかったのに・・・。ああ、この絶望感はなんだ!僕がいなくなっても妻と4人の子供たちは生活するのに困らないだろう。だってお金は有り余るほどあるのだから・・。」
そういった矢先、父は山から二度と戻る事はなかった。
こうして4人の兄弟は「はだかの王様」だったく父の跡を受け継いでつるごんを探索する為のトレーニングをする。彼らは父の幻影をみて父が何を考え何を見ていたのかを知りたかったのだろうか?
やがて彼らも現実を見ることになるのだが、願わくば死ぬまでずっと妄想していたかったに違いない。
舞台セットといい、導入音楽といい、楽しい舞台でした。
やっぱ、サンタとマリが見所でしょか!(^0^)
満足度★★★★
主役は女中!
何が面白かったって、終演後の岩田のボケた紹介はサイコーでした!(^0^)
ツボにはまって笑った!笑った!
一方、芝居はっていうと、これが中々面白い!とにかく6人の女中の会話が哲学的でいて楽しい。。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
民衆が欲しているのは頭に王冠を乗せたマクベスだと、マクベスをその気にさせたマクベス婦人は、夫の為にダンカンを殺してしまう。
マクベス婦人は夫に従順に仕える妻こそが美徳だと乳母に育てられた。そのことに疑いもせず、両親の言いなりになって自分というものがなかったマクベス婦人は、女中にも、その他の民にも偽善の優しさを投げかける。
「この者を許しておあげなさい。育ちが卑しいが為に心が貧しいのです。もっと心を広く持ちなさい。」と優しく微笑みながら冷たく言い放つ。
一方でダンカンが殺された現場の掃除をしていた女中たちは、ドレスで引きずったような血の痕を見て不信感を抱く。様々な推理から、マクベス婦人が怪しい、と考えた彼女たちはダンカンの亡霊で幽霊騒ぎを企てる。そのことによって恐怖に怯えたマクベス婦人の自白を期待したが、その呼び水をたっぷり吸い取ってしまったのは、マクベス婦人に仕えていたオフィーリアだった。彼女は夫人の血のついたドレスを燃やしたことから、良心の呵責に苛まれて狂人になってしまう。
しかし、女中たちは手負いの鹿を追い詰めるがごとく真実という名の断罪に向かってマクベスを追い詰めていく。女中頭のヘカティはマクベスを精神的に追い詰めることで、この国の戦争を止めようとしていたのだった。
それはスコットランドとイングランド、ポーランドの和合こそが争いをなくす手段と考えていたからだ。
やがて、マクベスはダンカン王の息子マルカム王子に殺されてしまう。
マクベスの妻には名前がない、という声のない抗議を聞いたような物語だった。当時の世間が持つ女性に対する偏見に縛られて窮屈な思いをしているマクベスの妻を媒体に正義とは?生きることに対しての誠実さとは?主張する女を問いかけた作品。
最後にヘカティが何故、自害したマクベスの妻を狂人と偽ったか?が明かされる。「『マクベスの後を追って従順に自害した』という噂は私たちの娘にも覆いかぶさるのよ。」という未来を想定した心中は・・・う~~ん・・、深い!
そして、えっと・・・ジュリエットの小芝居は面白くなかった!無い方がいいかも・・。笑わそうとしてるんだけれど、むしろ、くどくて笑えない。(すみません正直で)
舞台衣装共々楽しめた。6人の女中の会話は本当にいい。。
満足度★★★★★
高度な異質さ
ひじょうに素敵な作品でした。演出・照明・音楽、どれをとってもセンスがいい。舞台は無機質な、どちらかというと淡白なセットなのに照明で更に幾何学的なラインを作り出し、更に音楽で盛り上げるという視覚も聴覚も満たされた芝居。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
いきなり白いマスクを被った妖しい輩が登場。彼らは口々になんやら他の惑星かr来たような濁音を発する。クチャクチャ・・・カツカツ・・・みたいな・・。異様な雰囲気で始まったその舞台に直に呑まれる。
やがてそれは後半の展開から陪審員だったことが解る。
ムルソーのママン死んだ。しかし彼は涙も見せず淡々と埋葬を済ませ、翌日には海へ行き彼女と遊び喜劇映画をみて、SEXをした。いつものように勤めに出て何も変わることはなかった。そして知人が付き合う情婦に手紙を代筆したことが原因で諍いになり情婦の兄をピストルで撃ち殺した。ムルソーが死刑判決を言い渡されるまでの物語。
ムルソーの持つ独特の倦怠感、相手のことを必要以上に詮索しないし、自分のことも必要以上に話すこともしない。そういうことに意味はない。と思っている無関心さの表現が実に上手い!彼女との情事でも単に一緒に居て息をしている関係のようなものだ。何も求めないし何も与えない。世の中というものに何も期待していないようだ。それでも精神を破綻させることもなく、淡々と日々を過ごすムルソー。いつもひどく怜悧な目をして落ち着きはらったその視線の先は何が見えてたのか・・・。
およそ何の感情も浮かべていない。その本質までは理解できないが、「生きることは死ぬことと同じだ。いつ死んでもいい。」と彼の叫びが聞こえてきそうだ。その暗さとクールさにぞっとしながらも、独特の世界観に惹かれた。
裁判中でもその姿勢は変わることなく、尋問にも今の気持ちを正直に話してしまう。それらに関心を抱く事もなく、いっさい無意味だと悟ってしまう。だから検事の尋問に「悔いるというよりもうんざりしている。」と言い放つ。
そして、それらの言動や証言から彼への評価は悪い方向へと水は流れ死刑判決がおりる。後半部分での司祭とムルソーの掛け合いが絶妙!
「ゆっくり行くと日射病になってしまう。けれど急ぎすぎると汗をかいて教会で寒気がしてしまう。」ママンがムルソーに教えた言葉がジンと沁みた。
ポップな音楽に乗せて美しく哀しいカミュの代表作をセンスのいい舞台に仕上げてた。雨の音もいい。みんな、いい仕事するなぁ・・・。
満足度★★★★★
笑いすぎて喉が痛いという満足感!
たぶん、今年のNO1のコメディかと。
とにかく可笑しくて緩い!(^0^)
この楽しさは観に行かないと解らないかも・・。
1000円という価格もものずっごく得した気分!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
4つのオムニバス。
「真夏の太陽」
海でのバカンス中の出来事。BOC世界大会!なんつってエラソーな催しだけれど、訳すとバトルオブチェアー。要は椅子取りゲーム。笑
この劇団ってなんだかね~、言葉のセンスが面白いのと、キャストがハンパない!(^0^)
「恋のいろは」
彼女がいない、できない男5人の会話劇。
恋のノウハウを大真面目に男5人がいろはにほ・・・・、と順番になぞっていくのだけれど、川村成一のネクタイにハマって笑い転げた!でもって、ここでの川村は「真夏の太陽」の役と真逆の設定で、とにかく面白い!やっぱ、役者ですわ。
「ファースト・ミッション」
子供に始めてのお使いをさせる、という番組で応募してきた過保護の両親と子供のお使い物語。
ここでの子供というのが28歳のマサシこと久高将史。彼はこういう役があまりにもハマリ役でお見事!としか言いようが無い。じぶりネタもありとにかく楽しかった。
「ルキせん」
ゴクせんのぱくり!(^0^)そしてアニメキャラ満載!
グレた生徒を更生させるべく奮闘している姿をビデオ的に演じる。最後は登校拒否の生徒を皆と一緒に卒業させる段階までいったが、出席日数が足りないという理由でのオチ。(^0^)
いやはや・・、あんなに笑ったのは本当に久しぶり!
なんだろ、この劇団は!恐るべし江戸川!
次回も観に行こうっと!(^0^)
満足度★★★★★
バカバカしいコメディ
大の大人たちが終わりなくずっと遊んでるさまを描いた物語。
とにかく可笑しい!(^0^)
この可笑しさを文章で表現するのはひじょうに難しいかも。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
下町の酒屋「三河屋」に新人の店員・脇田が入ってきた。
他の店員ら3人と酒屋の娘・サキは脇田の配達の区域や配達の仕方について、教えていたが「青木さん家の奥さん」のところには配達させまいとする。
聴けば、「青木さん家の奥さん」は町内でダントツの美人らしく、配達員たちは我先にと青木さん家に配達をしたがる。サキも同様に配達したがる。
脇田は彼らの言う「青木さん家にあがった。」とか、「コーヒーをご馳走になった。」とか、「コーヒーとケーキをご馳走になった。」とか自慢げに話す先輩店員の様子を聞いて、「青木さん家の奥さん」への妄想が膨らみ、がぜん、自分も行きたくなる。
しかし、先輩たちはやっきになって脇田を青木さん家へ配達させまいと阻止しようとする。
脇田が泣くと他のメンツは渋々と脇田の配達を認めるが、それからずっと彼らは青木さん家に配達する練習をめぐって「青木さん家の奥さんごっこ」を始めるのだった。
観てるとあまり配達らしき仕事はなく、彼らは倉庫でいつまでも、クダクダしている。全く仕事をしない。(^^;)
店員たちがはけて、脇田だけビールの持ち方で苦労していると、美人姉妹の白川姉妹が登場する。登場したかと思うと勝手にビールを盗んで飲み干しちゃったりする。ザ・ピーナッツの歌を歌いながら・・。(苦笑!)
今度は脇田が先輩たちの命令どおり青木さん家への配達の練習をしていると、「青木です。」と「ニセ青木さん家の奥さん」が登場する。しかしどうやら奥さん本人ではなさそうなのだが、脇田は「一緒に練習させてください。」と頼み込み、二人で練習を始めるが、このシーンもバカバカしくて可笑しいのだ!(^0^)
ちょっと凶暴になった「二セ青木さん家の奥さん」にビビッて、脇田が他の店員を呼びに行くと、やっぱりこの奥さんも倉庫で勝手にビールを手に取り、歯でビールの栓を抜いてゴクゴク・・ゴクゴク・・と飲み干すのだった!(失笑!)
倉庫で、「青木さん家の奥さん」がビールを飲んでいると白川姉妹が現れ、これまた一緒にビールを飲んでキャンディーズなんか歌って、ちょっとしたプチカラオケ状態!になっちゃって、そんでもって逃げちゃう!(^0^)
相変わらず、店員は本物の「青木さん家の奥さん」の綺麗さは半端じゃない。と未だ「青木さん家の奥さん」に会った事のない脇田に吹きはじめる。
「青木さん家の奥さん」の周りには何羽もの小鳥が飛んでる、とか、「青木さん家の奥さん」が歩くと海とか割れちゃう、とか聞いた脇田の妄想は妄想を呼び、いよいよ疑心暗鬼になりながらも、サキの指示に従って「青木さん家の奥さんごっこ」を3倍速、7倍速、16倍速、32倍速なんちって、まるで回転人形のように、永遠に遊んでいるのだ!(^0^)
大人が幼児返りをして遊んでるような風景にバカバカしくも笑わずには居られない懐かしい香りのした舞台でした。。
前半よりも後半のネタが絶妙!
満足度★★★★★
愛がテーマのファンタジー
舞台セットが面白い!見た目は岩の地層のように見えるが、シートでそのように作ってあり、シートを剥がして役者が出入りできる仕組みになっている。衣装も毎回のことながら、楽しめる。
あの衣装、舞台が終わったらどうするのだろうか・・。
物語は古代鉱物をめぐってのファンタジーで脚本も良く練りこまれてあり、素晴らしい内容でした。なるべく前列がお勧め!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
鉱物学者・木崎雄太郎は山脈の奥深くで、りん(ミロクンミンギア)から新種の鉱物「クレネリウム」を貰う。その時りんは「この世の終わりは近くから来た。」というキーワードを残し、「山のうねりを一つ、もう一つ超えてもずっと想っています。私は帰ります。近くの遠くに。」といって行方不明になってしまう。
愛するりんを失った木崎は錯乱状態になって家に篭ってしまい、りんから貰った「クレネリウム」を学会に発表することを嫌ったため、大学準教授の職を奪われる。
その「クレネリウム」とは危険なエネルギーを生み出し、地球を焼き尽くすような未知の元素から成る脅威の原石だったのだ。
そんな鉱物「クレネリウム」をEMEC(エネルギー資源開発機構)とトレボウ化粧品が狙う。そしてテレビ局もネタになると踏んで特番を組む為にやっきになる。
一方で轟ヶ丘には5億年前からカンブリア化石一族と地核の使者セキエイが住んでいた。カンブリア一族とセキエイは人間の姿に化けて人間を滅ぼし以前のように生物界のトップを狙うべく動き回っていた。
このセキエイの妻がりんだったことから、りんはいつしか愛してしまった木崎の為に、人間を滅ぼす計画を中止させるべく、木崎を救おうと木崎に「クレネリウム」を渡したのだった。
そういう意味からりんはこの世の終わりの変わりだった。
「クレネリウム」は手に持った人の希望を叶えることができる力もあり、人間は強力な破壊者だから、人間から「クレネリウム」を取り戻さなくてはいけない。という指令をセキエイは出す。
やがて、りんが木崎に「クレネリウム」を渡した事やりんのセキエイに対する不実がばれるとりんの死刑は確定してしまう。りんはこの時、「例え自分の身が滅びようとも木崎を愛しています。」と、凛と告白する。そして美しい色とりどりの石で木崎に恋文をしたためたのだった。
「クレネリウム」と引き換えに人間の命を救おうとしたりんの心を想い木崎はりんと一緒に寄り添って生きることを決める。
「私達、小さな二つの命も一つの石になりたい・・。終わりはいらない、ずっと一緒に居よう。」
こうして二人は石になったのです。ずっと恋人と一緒にいたいと願って・・。
同時に「クレネリウム」は妖しい光を発して粉々に崩れてしまい、今は二人と共に地底のアーカイブに残るのみなのでした。
古代鉱物をめぐっての純愛を秘めた美しいファンタジーでした。
芝居は笑える箇所もふんだんにあり、ひじょうに素晴らしい舞台でした。
いつも思うことだけれど、この劇団って美男美女が多い。
今回のキャラで目を見張ったのは化石代表のアノマロカリス役の川根有子。彼女の悪女感たっぷりの演技が実に素晴らしいです。アメリカ映画でも充分通用するキャラと実力!
そして楽しませてくれたのが、関こと手塚けだま!けだま!!??!!随分、インパクトのある芸名ですわね。(苦笑!)
けだまの表情がいい!(^0^)
それぞれのキャストの演技力も勿論、素晴らしいです。
これだから観劇はやめられない!(^0^)