gymnopedia
ミヤタユーヤ
中野スタジオあくとれ(東京都)
2013/11/28 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
煌めく。
まず私はサティについての知識が殆ど無く、その音楽ですら舞台が
始まってから「あぁ、聴いた事がある」というくらいの無知でしたので、
かえって自分なりのサティのイメージが存在しなかったのは
この舞台を楽しむ上では良かったのかも知れません。
良質な舞台に出会えて、ついつい長くなったので続きはネタバレにて。
ホチキス最新作「天才高校〜デスペラード〜」
ホチキス
サンモールスタジオ(東京都)
2013/11/23 (土) ~ 2013/12/04 (水)公演終了
満足度★★★★
爽快。
とにかく、何も難しい事は考えずに舞台上で起こる出来事を受け入れて、
笑って、楽しんで、ちょっぴり感動して、最後には清々しい気分で劇場を
後にする。そんな芝居だと思います。
役者さんひとりひとりのポテンシャルが高い。テンションも高い。(笑)
これだけ全編通してギャグコメディな作風だと、下手な人がいたら、
もうそれだけで笑えなくなってしまう。
そう云う意味でも一見の価値のある作品だと思いました。
お目当ての小玉さんのコメディエンヌぶりも突き抜けていて、本当に
素晴らしかったです。
SHADOW GAME-deep-
DAZZLE
かめありリリオホール(東京都)
2013/09/18 (水) ~ 2013/09/18 (水)公演終了
満足度★★★★★
深く、深く。
初演の時よりもダンスの部分はさらに磨き上げられていて、追加された
シーンも照明の使い方が面白く、美しく、動く影がまるで生きているようでした。
内容的にも、初演の時よりも観る側に委ねた部分・分かり易くなった部分が
あって、より深く作品を理解出来るようになったと思います。
DAZZLEを観る度に、彼らに出会えたことがまるで奇跡のように思えます。
こんなにも舞台で心を揺さぶられる存在に出会えて、幸せだと思いました。
変則短篇集 組曲『空想』
空想組曲
シアター風姿花伝(東京都)
2013/07/06 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了
満足度★★★★
美味しいレストラン。
遅くなりましたが、短く感想を。
美味しいレストランで、バラエティに富んだお料理を堪能できるような
舞台でした。現実にありそうな、そして虚構が混ざりこんだような、
独特の世界観。「人が、ただ一生懸命に料理を食べている」シーンで
あんなに感動したのは初めてです。素敵な作品でした。
ミュージカル『ドラキュラ』オーストリア・グラーツ版
フジテレビジョン
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2013/08/23 (金) ~ 2013/09/08 (日)公演終了
ビョードロ 終演いたしました!総動員2097人!どうもありがとうございました!
おぼんろ
d-倉庫(東京都)
2013/05/29 (水) ~ 2013/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★
月夜の真白い森で。
前回・今回と、おぼんろの公演は千秋楽の一回だけ参加しました。もし可能ならば、おぼんろは前半・中盤・後半と足を運ぶと物語の変化・進化が感じられる劇団なのでは無いかと思います。以下、帰りがけにTwitterで呟いたことを転載。
* ASTERISK (アスタリスク)
パルコ・プロデュース
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2013/05/18 (土) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
エポック・メイキング。
正にストリートダンス公演のエポック・メイキングと言える舞台でした。
DAZZLEの世界観をベースにしながらも、個性的な団体が見事に
溶け合って一つの幻想的で美しい物語を創り出していました。
ダンスと音楽、そして物語を語るナレーションによって展開される舞台は
今までダンス公演を観た事のない人でも充分に楽しめる。
出演者のダンスへの情熱が、作品全体のクオリティを高い次元で
安定させて、一場面ごとに息を飲み、ため息が漏れる瞬間が訪れた。
Twitterで纏められていた賞賛の声は、決してお世辞でもなければ、
ダンサーだから感じるものではないのだと私は知っています。
なにしろ、全力で一般人の私が言うのです。(笑)
今後の課題としては、こんなに素晴らしい舞台を創造できるストリート
ダンサーや舞台の存在を、どうやってもっと多くのダンサーでは無い
一般の人々にも知ってもらうか、と云うことでしょうか。
来年には第二弾の公演が決定しているようです。流石に気が早いとは
思いつつも、あんなに凄い舞台を魅せられては期待するしかありません。
ディズニーミュージカル「リトルマーメイド」東京公演
劇団四季
四季劇場[夏](東京都)
2013/04/07 (日) ~ 2017/04/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
海の中。
ディズニーの原作は未見。とにもかくにも「海の中」感が素晴らしい。オープニングで幕が開いた時に目の前に広がった海の深い青と、人魚姫の美しさには鳥肌が立った。フライングやパペットを使っての水中での動きは、まるで舞台の向こう側に本物の水があるかのようなリアルな浮遊感と、鮮やかな色彩。海の中では役者陣が、絶えず泳いでいる姿勢を崩さない。地上での絵本のような美術も楽しい。歌やダンス、それぞれの魚の動きなども素晴らしかった。欲を云えば、人魚姫と王子との関係がやや薄くて、どちらかというと人魚姫と父王との関係が深く描かれている物語のような気がした。もうちょっと王子が活躍してくれれば、好みの脚本だったかも。
虚言の城の王子
空想組曲
吉祥寺シアター(東京都)
2013/03/03 (日) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
DUST SHOOTERS~ダストシューターズ~【金曜マチネ完売しました】
カプセル兵団
笹塚ファクトリー(東京都)
2013/02/28 (木) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★
10年。
10年前に拝見しているのですが、その歳月はすっかり私の記憶を洗い流して「面白かった」と云う感覚しか覚えていなかったので新鮮な気持ちで楽しめました。やはり演出面での進化が一番感じられました。最初のシーンでの音響の使い方は、まさに「飛び出す演劇」を体感出来ます。ストーリー的にも難しい事は考えずに、圧倒的な世界観とパワーを感じられる作品で楽しかったです。欲を言えば役者さんの技量にバラつきがあった事と、時折挟まれる懐かしの漫画ネタのギャグがマニアック過ぎるので、もう少し一般的にも通るネタだったらな…と思うのですが、それはもうカプセル兵団では無いのかも知れない。(笑)主演の長沢美樹さんの格好良い美しさと台詞の通りの良さは流石でした!
SHADOW GAME
DAZZLE
スパイラルホール(東京都)
2013/01/13 (日) ~ 2013/01/15 (火)公演終了
満足度★★★★★
光と、影と。
ずっと楽しみにしていたDAZZLEの新作です。
一言で表すなら、素晴らしかった。
DAZZLEにしか作り出せない、幻想的で美しい舞台空間に圧倒されました。
緻密に計算され、様々なアイディアを盛り込んだ照明。
独創的な振り付けのダンスと、一体化した音楽。
最初から最後まで意識を吸い取られて、心を揺さぶられ続けました。
ダンスカンパニーでありながら、ダンスを知らない人にもダンスの素晴らしさを
伝えたい、その「伝える方法」を真摯に模索している団体です。
故に、90分に及ぶ公演はダンスだけではなく、そこに物語性の高い
オリジナルのストーリーで展開されます。
様々なメッセージが込められ、多くの解釈が出来る骨太な脚本も魅力。
「ダンス」を最大限に魅せる為に、台詞は背後に字幕のように投影され、
時にはナレーションが入ります。
今回は黒を基調としたスタイリッシュな衣装も、とても素敵でした。
何よりも彼らがダンスに人生を捧げ、生命を燃やして踊っている姿に
胸を打たれ、涙が止まらなかった。
DAZZLEに出会えて、幸せだと思いました。
どうか、ひとりでも多くの方がDAZZLEに気付いて下さいますよう。
花ト囮 Misty Mansion
DAZZLE
あうるすぽっと(東京都)
2012/04/11 (水) ~ 2012/04/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
マイ・アワード。
こちらに登録する前に観た舞台ですが、私の中では間違いなく
最も衝撃を受けて、煌めいていた作品。
再演での演出の変更により、一切の妥協のない完璧な美しさと
儚さを湛えた圧倒的な作品となっていました。
ラストシーン。赤い花びらが舞う中での和傘を使った圧巻の群舞。
あの空間・時間・感動を共有できた事を、私は一生の宝物にします。
ダンスカンパニーなので、演劇好きさんの中ではまだご存知ない方も
多いと思われるのが本当に残念です。
からくりサーカス~サーカス編~
カプセル兵団
笹塚ファクトリー(東京都)
2012/11/15 (木) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
からくりサーカス、閉幕!
物語の完結編でもあるサーカス編を、大変楽しく拝見しました。
3時間超えの長丁場の為に席にはエアクッションが。ありがたかったです。
からくり編も拝見しており、原作のファンでもあります。以下、ネタバレで。
ゴベリンドンの沼 終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!
おぼんろ
ゴベリンドン特設劇場(東京都)
2012/09/11 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
沼の底。
物語の途中で、沼の底に沈んでいる気持ちになった場面があった。
きっとこの物語に参加した人は、沼の底に沈むキラキラとした星の砂を
心にしまって宝物にするのだろう。
以下、帰り道で、ツイッターで呟いたことを転載。
オペラ座の怪人
劇団四季
電通四季劇場[海](東京都)
2011/10/01 (土) ~ 2013/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
安定した舞台。
高井怪人・高木クリス、鈴木ラウルで拝見しました。
歌声は少しお疲れ気味な感じがしましたが、その分、演技に感情が乗っていて
安定感のある素晴らしい舞台でした。
特にラストシーンの緊迫感のある空気がとても良かった。
アンサンブルの方々も、概ね好演。
オーケストラも最初は打楽器の音が大きいように感じましたが、直ぐに
修正されて気持ちよく聴いていられました。
東京福袋
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2012/09/02 (日) ~ 2012/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
競演/狂宴。
9/7に拝見しました。サスペンデッズ、ジエン社、DAZZLE、はえぎわの
4団体。DAZZLE以外は初見の団体でした。
だいぶ個性的な集団が詰まった福袋だと思いました。それぞれの団体の
カラーは短い時間の中でも感じられたので、面白い企画だと思います。
劇場はロビーなども含めて、落ち着いた雰囲気になっていました。
大好きな団体もあれば、意外な団体、肌に合わないと感じるものもありの
まさに「福袋」なお得感のある企画で今後もあれば良いのにと思いました。
以下、それぞれの団体のザックリとした感想です。
百物語
ファントマ
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/08/31 (金) ~ 2012/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
ファントマらしい、涼。
短編ホラー「家」。キャストの皆さんも演技が達者な役者さんばかりで
面白くも戦慄しながら最後まで拝見しました。
前半部分に挟まれるギャグや、そのスベリっぷりが楽しく、物語の中盤から
クライマックスは、それぞれ別の意味で非常に怖かったです。
延命さんのMAX状態が夢でうなされそうなほど怖かったです。(褒めてます)
あわ様を久しぶりに拝見できたのも嬉しかったです。相変わらず、独特な
存在感の素敵な女優さんだと思いました。
そして怖さの中にも「さまざまな人間の想い」が感じられるラストでした。
トークや企画も楽しく、小さい劇場にギュウギュウでしたが(笑)とても濃い
時間を過ごせました。また、劇場側のトラブルもあったようなのですが、
主宰やスタッフの方が丁寧に対応されていたのも好印象でした。
それから照明や音響の使い方が良くて、より怖さを引き立てていました。
また来年の夏、東京でも「百物語」が観られると嬉しいです。
アイーダ
劇団四季
四季劇場 [秋](東京都)
2012/04/14 (土) ~ 2012/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
質の高い舞台。
朴さんのアイーダ、阿久津さんのラダメス、光川さんのアムネリスの
バランスがとても良くて、久しぶりに心が震える素晴らしい舞台を
観たと思いました。脇役、アンサンブルもきっちりと作品世界を表現
していました。朴さんアイーダは王女としての凛とした美しさと女性と
しての可愛らしさ、時折見せる無邪気さなど、魅力的なアイーダでした。
歌声も美しく、ローブを纏う場面では凄みすら感じました。
ラダメスは荒々しくも、どこか少年のような印象で、二人の女性が彼に
惹かれるのも納得。ただ、少し歌声がお疲れ気味に感じました。
光川さんのアムネリスは、とにかくスレンダーで華やかで美しい。
王女としての可愛らしさと共に、心に潜む孤独や重圧を見事に表現。
特にラストシーンの、王女から女王へと変わってゆく彼女の切ない覚悟に
涙が止まりませんでした。ダンスシーンも迫力があり、振り付けも
空手の型のような動きがあったりで格好良かったです。
キャッチーで耳に馴染む音楽も素晴らしいと思いました。
舞台美術も、特に照明を使った人物のシルエットを効果的に見せる
手法がとても美しかったです。
組曲『回廊』
空想組曲
OFF OFFシアター(東京都)
2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
回廊の中に。
こちらの劇団は今回初めて拝見させて頂きました。繊細さと優しさと、
少しだけ闇を感じるような緻密な脚本は、役者さんの雰囲気や演技に
ピタリと嵌っていて、まるで宛書きされているかのように思えました。
小説で言うならば短編を繋ぎ合わせて一つの物語を形作っているの
だと思いました。一つ一つが独立しながらも、大きな物語の1ピースと
して存在している。時折、大爆笑出来るようなお話が挟まれるので、
良い具合に肩の力を抜くことが出来ました。話によっては観客すらも
回廊の中の登場人物となる演出も見事。物語の軸となる人物達の
出会うラストシーンは切なくて、温かくて、とても美しいと思いました。
ゲストさんを含めたそれぞれの役者さんの技量が素晴らしく高くて、
きちんと作品を理解して、とても丁寧に演じられていて感動しました。
これからの作品も、楽しみにしています。
ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】
カプセル兵団
ワーサルシアター(東京都)
2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了
満足度★★★★
演出の力。
一日で2バージョン拝見しました。同じ脚本で、演出・キャストを変えての
新たな試みを、楽しく鑑賞しました。
ストーリーが同じでも、かなり印象の違う作品になっていたと思います。
バカ版では、まず衣装・そしてキャスティングから既にバカを演出して
いる事に感心しました。出演者もノリと演技に対する反射神経の良い
方が多かったと思います。
ただ、カプセル兵団らしい懐かしいアニメや漫画・ゲームのマニアックな
ネタを組み込むシーンが多かったので、分からない人には不親切かも、と
感じました。あと女性的には、下ネタも笑えると云うよりは苦笑気味に。
ノーマルはいつものカプセルらしい感じで、適度にネタや笑いも入れつつ、
最後にはそれぞれの伏線が綺麗に回収されて、ちょっぴり感動も出来る
良い作品だったと思います。役者さんは若手の方が多かったのか、
少しこなれていない(特に台詞)部分が目立ちました。
2バージョン観ると、演出によってここまで違う作品に感じられるのだと
「演劇」の面白さを改めて実感出来る、意義のある試みだと思いました。