あの女
猫のホテル
ザ・スズナリ(東京都)
2013/02/22 (金) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★
ノゾエさんの演出がよくわかる舞台運び
猫ホテのメイン男優3人以外の役者さんは、上演前に携帯電話マナーお願い前説有り。毎回内容が違うのかな?観劇日のお願い出演者はヨロ企の本多力さん、強者役者に巻き込まれて頑張って声張りあげる姿が可笑しい。
狭いスズナリの舞台上に、客席に接近するかのような白い背景、それに映し出された影絵。身体の動かし方や効果音の使い方がいかにもノゾエさんらしい、と思った。
千葉さん特有の女の事件簿、といった話の筋だけど、ノゾエ氏が加わった事で今までとはひと味違い、重い内容をマイルドに変化させつつ全力投球の猫ホテ、という感じだった。約100分。
まことさん、今回も男の色気を振りまいてた。素敵だ。
しんぺーさん、声大きいw。近くで観ていると、終盤、鼓膜が破れそうになるよw。
ガンツさん、このままおじさんになっても弄られまくってほしい。
国語の時間
風琴工房
座・高円寺1(東京都)
2013/02/22 (金) ~ 2013/02/28 (木)公演終了
満足度★★★
観終わって複雑
風琴工房20周年記念舞台は、昨年の「記憶、或いは辺境」に続き、戦前から終戦直後を舞台にした話。
日本の統治下にあった京城(現ソウル)の朝鮮小学校で日本語教育を行っている。その時はそれが当たり前だったから。
それを観客に見せつけるかの様に、舞台の板張りの床にも朱色の円が浮かんで見える。
時代に放浪された所為、とは出来ないが、教える事と伝える事の両立の難しさ、国が主導して教育や人を作る事の複雑さは、現代にも似通っている様にも思える。
久しぶりに舞台で見た加藤虎ノ介さん、貫禄ついて(太った、とかではなく)立派になっていたなー。
休憩込みの約3時間。
後ろの正面だあれ!
椿組
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2013/02/27 (水) ~ 2013/03/05 (火)公演終了
満足度★★★
初日観劇
育った家が道路工事の為、実家取り壊しの知らせを受け、成人した姉弟がそこへ帰省してくる場面から話が始まるが展開を理解するのに時間が掛かった。
冒頭全員が歌う童謡が何気に良い。
50代以降の方には子供時代の流行遊びや唄は懐かしく回想され易いのでは。
昭和ノスタルジアな優しい舞台だな、と思っていたらラストのあのシーンに椿組を見たって気がしたw。約95分。
デキルカギリ
G2プロデュース
本多劇場(東京都)
2013/02/21 (木) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★
ちょっと真面目なホームコメディ
G2プロデュース最終作は、過去の歴史から伝えられた事例と、今日的な内容でマジメでデリケートな話だったけど、笑える箇所もあり。
最後のお父さん/久保さんのセリフがいろんな事を想像し、深い余韻を残す。
公演は始まったばかりなので、これから更に舞台に勢いがつきそうな印象。
久保さん重鎮芸、テキパキ岩井さんとキビキビ動く中川さんがよかった。約2時間。
つか版・忠臣蔵-スカイツリー篇 Returns-」
劇団扉座
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2013/02/19 (火) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★
リターン!
昨年の感想投稿で語り尽くしちゃった感もあるけど、今年もソラノキの膝元へ出向きました。
今回も舞台中央花道を活用、番傘差して歩いてくる山本亨さんのシブい事!テンションの上り下がりが変幻自在な武田義晴さんも良い。
つか作品の戯曲への愛がビシバシ感じられ、泣きながら笑ってしまうけど、出演者全員がカッコ良くて見せ場ばかり。
小ネタとか多少の変更は見られたけど、再演にも関わらず今回も情熱的でパワフルさは健在。
今回も興奮冷めやらぬ、勢いある舞台でした。面白かった!
星5つにしたいけど、時間が無くてポスター資料展示の見学出来なかったのが心残り。って自分が悪いんだけど。
トリオ
LEMON LIVE
OFF OFFシアター(東京都)
2013/02/14 (木) ~ 2013/03/05 (火)公演終了
満足度★★★★
浅野雅博さんゲスト回
三人娘が身体を張ったやり取りに劇場内がお茶の間みたいな盛り上がりでした。常連さんが多ったのかな?
70年代前半の歌手や有名人の詳細は(その世代ではないので)多少わかるようなわからないような。でも置いてきぼり感はなかったな。
西牟田さんの粋で男前な姐さんぶり、野口さんの破壊力満点の爆発ぶり、武藤さんの真面目でトボケる小悪魔ぶり。
男を前にすると、女が豹変する素振りをまざまざと見せつけてくれる名場面ばかりで笑った。あんなに暴れまくっているのに、着物が着崩れしない!凄いわw!
ビフォートーク約15分+本編約90分。
2013年・蒼白の少年少女たちによる「オイディプス王」
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)
2013/02/14 (木) ~ 2013/02/24 (日)公演終了
満足度★★★★
小久保オイディプス王/川口クレオン 回
蜷川さん、狭心症で1/24に入院されて演出補の井上尊晶さんへ引き継ぎの注意事項の説明有り。しかし、随所に蜷川さんテイストがほとばしっていた。蜷川さーん、お大事に!
ネクスト・シアターではおなじみの、大ホール内に常設されたインサイド・シアターでの公演。「コ」の字方の三方囲み舞台で、舞台全体を楽しむなら両サイドかな、中央部の階段は頻繁に王様達の花道。
オイディプス王とクレオンは小久保寿人さんと川口覚さんのダブルキャスト。
情熱的な小久保オイディプス王に対し、クールに見えるが血の通った川口クレオン。二人の距離から見える関係と覚悟、娘達への吐露に思わずホロリときそうになる。ああ、両方見たい!
そいでもって、この手の作品の予言者って余計な事言い過ぎ、ってツッコミをいれたら話が成立せんか。コロスほぼ出ずっぱり、熱を発するような一言一言と行動がエネルギッシュ。セットが無くても充分舞台成立する空間。
最後の日まで声が届きますように。いい舞台でした。
約2時間。
笑う通訳
電動夏子安置システム
上野ストアハウス(東京都)
2013/02/15 (金) ~ 2013/02/20 (水)公演終了
満足度★★★
2日目 Member班
初見。
二組の通訳を介して話が進むが、どちらも意訳を通り越して見事なポンコツ訳になり、収拾がつかなさそうで、ちゃんとオチまで辿り着く。
交互に演じる場面の役者配置と演技の繊細さに興味湧く。楽しかったけど、ちょっと疲れた。約2時間。
舞姫
直也の会
笹塚ファクトリー(東京都)
2013/02/13 (水) ~ 2013/02/17 (日)公演終了
満足度★★
小難しかった
終戦後の昭和23年が舞台だが、言葉遣いや生活行動が昭和レトロを通り越して中途半端に現代的。失踪した小説家が体験した異人たちとの交流、観ているこちらも耽美でパラドックスな空間からパラレルワールドに踏み込んでいたかのよう。
小説という言葉にリンクしている為か、話の構成を三章に区切っていたが、現実と劇中劇と作家が迷い込んだ虚構の区切りが却って曖昧に見えて混乱しそうになる。役者さんは気になる人が多かったんですが・・・。
休憩込みで約2時間10分、全体的に少々長いと感じた。
『モジョ ミキボー』再演
モジョミキボー上演委員会
OFF OFFシアター(東京都)
2013/01/30 (水) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★
解説付き当日パンフあります
前回にはなかった北アイルランドに関する解説ありました。
出演者2人なのに、合計19役を映像込みで入れ替わり、時には対等、時には対峙と早替わり。だけど、全て別人に見えてしまう素晴らしさ。
かなり重い題材なのに、生き生きとした子供の目線で見る抗争とそこで生きる事の可笑しさと哀しさと無常さに惹き込まれる。
狭い劇場ここまで使うか、っていう位、使っているので前方席で見る場合、映像は一部見えづらい箇所もあり。但し、ある場面で前列ならではの汗被りは堪能出来ますw。
東京コンバット2013
ハム・トンクス
ザ・スズナリ(東京都)
2013/02/05 (火) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★
敵は誰だ
9年ぶり、4回めの再演らしい。
2004年版の公演を見ていたが、前作は廃校の一室が舞台だったような気がする。キャスト名と物語の細部は一部変更しているけど、設定はほぼ同じ。
沈黙と緊張の間がやや多く感じられ、もう少し短く変化あっても良かった気も。
敵か味方か、不信感と疑惑と不安が増す緊迫した中での銃撃シーンは迫力あり、照明とモヤのかけ具合が上手い具合に緊張感を増幅させて見えた。
千葉の軍曹さんがやかましいけど面白おじさん。でもそばにいて欲しくはないw。
最後の場面まで誰がどうなるのか予想を覆す展開ばかり。約145分。
世界を終えるための、会議
タカハ劇団
駅前劇場(東京都)
2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★
初見です
今より機械文明が進化している別世界の未来の話か。密室に集まっている11人の男女がある事について議論、キーパーソンの人物を交えた後、答えが出てからも話は続く。
審議内容の件、演じ手の力量の具合で色々転ぶか、と思いきやそうでもなく、教訓めいた展開も見え隠れして古典的要素も多かったように思う。
終演後当たり前の様に、スマホの電源操作しているのに何とも言えず苦笑い。
祈りと怪物 〜ウィルヴィルの三姉妹~
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2013/01/12 (土) ~ 2013/02/03 (日)公演終了
満足度★★★
演出って大事なんだな
世界の蜷川w!!演出に見慣れている分、血みどろ感が強くても、死に方があっさりし過ぎのような印象もあったが、大して気になる事もなく、すぐに納得。
しかし出演人物は同じなのに、役の印象は全く違って見える。
簡素化された背景も終盤のステージ上は余白の美みたいなのを想像し、次第にステージ上に吸い込まれるような感覚だった。
蜷川版は初見だけど話の構成はケラ版と同じなので、そのためか今回の登場人物の心理描写等が理解出来やすかったのも。
メメさんとパキオテのシーンは、ケラ版の方が好きかな。
ドン・ガラスの灰汁の強さはどちらの配役も甲乙つけ難く、カッサンドラの野乃すみ花さん、初見だけど印象に残る。
冬物語
劇団AUN
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★
ロマンス劇
舞台奥に風景画あり、その正面に場面事にテーブル等出てくるが殆どセットらしいものはなし。
プリンスとプリンセスは美男美女と相場が決まっている。
冒頭から激しく嫉妬に狂い、妊婦の王妃に向かい罵詈雑言を浴びせる王の鋼太郎さんの迫力は見もの。
渋いながら、品格と愛情を感じさせるポリクシリーズの大塚さんも素敵だった。
一幕目が王室の愛憎劇、二幕目は牧歌的風景と羊飼い親子と道化やらにぎやか展開。
終結させるまで存分に楽しめた。
上演時間約3時間、休憩1回10分。
第32回手話狂言・初春の会
社会福祉法人トット基金日本ろう者劇団
国立能楽堂(東京都)
2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
古典芸能+手話言語
狂言の基本的な動きはそのまま、演者セリフは手話で表現、その手話に声のセリフをアテレコしての演目。出演者は日本のろう劇団のパイオニア?日本ろう者劇団と三宅狂言会が混合出演。特に難しく見る事なく、笑いに徹した狂言演目。正面から見た方が手話の台詞がスムーズに見やすいが、台詞と動きがピタリと合うアテレコ込みなので話の進行を妨げるような不安はなし。
古典芸能の喜劇作品の面白さがよくわかる三作だった。
「髭櫓」の演目で当初は米内山氏が出演予定だったが、体調不良の為、三宅近成師に変更、手話が出来る狂言師による舞台も見応えあった。
歌舞伎とは違う大胆な柄デザインの衣装の組み合わせも素敵だった。
狂言は一つの演目上演が約20分前後という事、その為、手話通訳の田中清さん付きで黒柳徹子さんによる40分程の前説からスタート。そちらも流石に話術が達者。
冬の短篇
昨日の祝賀会
座・高円寺1(東京都)
2013/01/17 (木) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
満足度★★★
気まずい空気が蔓延
男女混声合唱の素直な歌声から始まる短編5作、エロとブラックユーモアとシニカルさがいい具合に見えて失笑するやら苦笑いするやら。
熱烈なお薦めは出来ないが、脱力感満載の静かな成人指定舞台で魅惑の面白さ。
「流れる」の描写に、思わず「あるある」と苦笑い。
パブリック・リレーションズ
JACROW
OFF OFFシアター(東京都)
2013/01/07 (月) ~ 2013/01/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
幸先よい今年の初観劇
上司だけど働き盛り、上司と部下の間で自己スキルの計りあい、性差の適性を見誤ったチームの仕事具合とか、見入れば見入るほどどこか合致する部分も多く、自分とは縁もゆかりもない業界のお仕事だが、仕事をする職業の根底はどこも同じ。理想と現実の狭間で仕事をする事がいかに普通で大切な事であるかを見せてくれた舞台でした。面白かったです。
上演前と終演後のスタッフの細かい対応や、もちろん役者さんも全員が上手過ぎて素晴らしかったです。
音のいない世界で
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2012/12/23 (日) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
詩の絵本を読んでいるような感覚
静けさとうら淋しさの中にもクスッとさせる楽しさもあり。音が「ない」ではなく「いない」という言葉の使い方が確かに合っている。
踊れる出演者ばかりなのに、極力動きは控えめ、だけど隅々まで細やかな演技を見せてくれる。お松さんが可愛い!
冬の夜、思い返せば気持ちよく眠れそうな、美しくて不思議なお話。
客層は大人多い。冬休みの時期だから子供への鑑賞アピールをもっとすればいいのに。約90分。
ZIPANG PUNK ~五右衛門ロックⅢ
劇団☆新感線
東急シアターオーブ(東京都)
2012/12/19 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了
満足度★★★
マンガ雑誌を見ているかの様
新しい劇場を遊び空間に徹し、歌でセリフがてんこ盛り。演技よりも映像仕掛けで見せる話ぽかったかな。若手出演者with新感線の舞台という印象。
エアロビみたいなあのダンスは一緒に踊りたくなったけど、それ以外はあまり印象に残る曲はなかった。出演者全員、歌唱力は聴き応えあったんだけどなー。サントラCDを聴き直せば好きになる曲も出てくるかな。
当日、マイクトラブルの為か所々でセリフ聞こえない場面があり。
ⅠとⅡを踏まえた上で見ると楽しさ増。
面白かったけど、「1」の時より五右衛門の存在が薄いのが残念。
祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2012/12/09 (日) ~ 2012/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★
時間を置いてまた見たくなる作品
ケラさんの過去作「東京月光魔曲」や「百年の秘密」と、対に見えたような作品だった。両A面アルバムみたいな淀みない舞台。
音楽、映像、共に良し。三姉妹の衣装も素敵だった。
純な青年トビーアスが徐々に暴力的に変化していく過程や、裕福な家庭で不自由なく生きて来た三姉妹の末っ子マチケの眩しさが良い。
ケラさんは、毎回この手の役者さんを上手に見せてくれるので、役柄にハマって役者さん自体にも好印象を持った。