Maybe a Crane~鶴かもしれない~
EPOCH MAN〈エポックマン〉
yoshidamachi Lily(神奈川県)
2020/02/10 (月) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
1月の駅前劇場版は日程的に見にいけず、未見。最終日の11時、横浜関内版を観劇。
ライブbarというのだろうか、そのステージ上でたった一人、ラジカセ、映像を相手にあたかもそこに人物がいるかのような自然な対話と存在感。
鶴の恩返しがモチーフだが、冒頭とラストに「なんで助けてくれるんですか」というセリフ、同じセリフなのにこうも意味が違ってくるとは。
自らの羽を織り、着物を拵える鶴子、鶴の恩返しというより羽衣伝説のように切ない。
ETV「おはなしのくに」大人版といった感じでもあったが、一人3役?でも瞬時に性別がわかるわ、一挙手一投足の身体の運びも見事だった。
タブーなき世界そのつくり方
アブラクサス
サンモールスタジオ(東京都)
2020/02/12 (水) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
コタン虐殺
流山児★事務所
ザ・スズナリ(東京都)
2020/02/01 (土) ~ 2020/02/09 (日)公演終了
満足度★★★★
江戸初期のアイヌ民族と昭和にあった実際の町長殺傷事件をリンクさせた展開。
出演者急病につき配役変更などもありつつ、場内満席な回を観劇。舞台から通路まで大活躍。多少のセリフ噛みは許容範囲で観た。
狭い舞台でありながら、劇場内がやや寒く感じたのは舞台が蝦夷地ゆえの劇場効果だろうか(嘘)状況を説明する場面は詩森さんの芝居だなぁと思ったり、イオマンテの夜歌唱場面は流山児芝居だなぁとserial number meets 流山児事務所を実感。
アイヌの場面は迫力あり、そこだけ野外劇見ているような迫力だった。
アイヌ語含む、その地の背景を理解するには難しかったが、タイトルの「コタン」が「村」とわかってのあの場面は納得。
アイヌ時代の杉木さんと田島さん、伊藤さん、音楽と舞台セットも印象に残った。
*誤字記載あって修正
FORTUNE(フォーチュン)【北九州公演中止(2月28日~3月1日)】
パルコ・プロデュース
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2020/01/13 (月) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/02/01 (土) 13:00
座席2階
悪魔と契約して成り上がり堕ちる男の陰鬱洋物地獄変。結末に滅入るわ重いわ。一幕の山場からの盛り上がりが意外と静かめだった気が。
ステージ上で3人並んだ姿はなんとも可愛く、狂気を覚えるような不気味さが薄く見えてしまったのは残念。
主演女優さん、まとめた髪形だと映像の印象が強くてその延長の作品を見てるみたいで、せめて舞台用になんか変化つけていいような。
観客が選ぶ助演女優賞なんてものがあるなら、今回の田畑さんに一票投じたい。
悪魔の存在が根付いた国の人や宗教感が徹底しつていると、もっと深い理解が出来るんだろうな、と口惜しい気も。
真紅の幕の使い方がなんとなくデヴィッド・リンチ風で、舞台の奥行きを活かしながら簡素でシャープなセットはなんらかの気配を感じて良かった。
それは秘密です。
劇団チャリT企画
座・高円寺1(東京都)
2020/01/23 (木) ~ 2020/01/30 (木)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/01/25 (土) 14:00
再演だけど初見。
「秘密」のついた曲目で客入れに、つい口ずさみそうになる。
初演時とは劇場の使い勝手が違うのか、舞台セットはともかく、登場人物がほぼ横一列の立ち位置でセリフを発しており、動きに変化が乏しかったような。大事な固有名詞で一部聞き取りづらさもあったり、お笑い部分はどうも微妙で取り調べ場面との対比に、より舞台の流れにチグハグさを感じてしまったが、主役の他2役を演じられた熊野さんの演じ分けはわかりやすくてよかった。
特定秘密保護の冤罪逮捕という本筋の展開は、芝居の枠を超えて現実味ありそうな舞台でした。
アルトゥロ・ウイの興隆
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2020/01/11 (土) ~ 2020/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/01/20 (月) 14:00
1階は桟敷席というか、唾かぶり席のような劇場使い。3階より俯瞰で観劇。
転換時にト書きのような文面が出てくるが、次の場面では一瞬で登場人物の死んでたり心替わりしてたり、とめまぐるしい変化はあるが、舞台の上から圧倒される力を持った人の魅せ方に、そんな違和感は薄らぐ。
最後のあの文面の締め方の元、それを見ている観衆=観客の興奮ぶりに背筋がうっすら寒くなる苦い感触を味わう。
せめてカテコではそれを払拭させて劇場を後にしたかったが、年の始めから強烈な印象を残した舞台だった。
七転抜刀!戸塚宿
日本テレビ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/31 (金)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/01/19 (日) 13:00
今年最初の観劇。タイトルロールに「明石家さんまの」と繋げても違和感ないような芝居。
2時間50分近くの舞台、個人的には休憩を設けて欲しかったが、「笑」に追求する人なので、その状態を停止させるのは無粋なんだろう、休憩入れないのは仕方ないことか。
仇討ちからの清々しい幕切れかた、どこかの舞台で見たような疑似感を彷彿とさせたけど、後腐れなくてよかったです。
怪談 牡丹燈籠
オフィスコットーネ
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2017/07/14 (金) ~ 2017/07/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/07/30 (日)
最終日観劇。
極限の灯の中で、邪気、悪気、怨念の陰陽さをブレヒト幕ならぬブレヒト回転幕とでも例えればいいのか、その使い方で話がわかる見事さよ。結末以外、話のあらすじはあまり変えてなかったような気がするが、下男の遺恨はそうきたか、と面白く拝見。
発端/お露新三郎/お札剥がし/孝助の槍、などなど
怒りをこめてふり返れ
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/30 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/07/26 (水)
気持ちの振り幅がプリプリ怒るを通り越し、常に怒怒怒のペース。怒りの沸点と鬱屈さ加減が若い、というか青いな〜というか。時代が違ったら好きな子に向かって「尼寺へ行け!」って言っちゃいそうなタイプか、ジミー。自問自答的拷問思想から階級圏で生きるしんどさに、見ていて、ああ辛い。
気なった点は、あの時代のアイロンがけを含む家事仕事って、家電とかに取り扱い大変で重労働だと思ったし、アイロン持って人の周りであんなに戯れあったら、大やけどしちゃうんじゃないのかなー?中流クラスのお嬢様だとしてもあまり家事などはした事ないだろうし、極貧生活に慣れちゃったかアリソン。生活に疲れちゃった感じは見えたけど、衣装とかもう少しくたびれた感があってもよかったのかも。ステージの近くだったら差異もわかったのかな。
よくよく考えれば舞台の世界観とはミスマッチとは思うが、閉塞感を感じる舞台だったので、今回のようなあの広がる天井と奥行きある舞台セット好きだ。あんなに立派な屋根裏に住んでみたいw。なんとなく男性目線で見ればよかったのかな。20年位前だったら、今回の演出担当した千葉さんがジミーやってそうなイメージがふつふつ。そんな演出の個性も少し思った。
penalty killing
風琴工房
シアタートラム(東京都)
2017/07/14 (金) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/07/22 (土)
初演はあんなに立派なステージ作って、よくスズナリの床が抜けなかったもんだw今回も立派な霧立アイスアリーナのステージリンクが出来ていました。
初演時同様、面白かった。
アイスホッケープロ競技者達の試合の躍動、選手間で起こる焦燥と攻防、試合の白熱さに、次第に芝居を観劇しているのか、試合を観戦しているのか、熱戦と興奮具合がダイレクトに伝わってきて、初演時同様どちら目線で見ていいのか錯覚に陥る。全選手のエピソードが入るため、盛り上がった気持ちに一旦歯止めがかかりそうになる場面も多々あったが、全編通して楽しめた。劇中サウンドに負けないくらいの手拍子や声援を、選手というか役者に向かい、それが極めて自然に送る事が出来るなんて稀な事だし、アイドル参加型のショー舞台のようだけど、それらの舞台に匹敵するようなスポーツ男子達への敬意とスポーツ観戦のお祭り多幸感に溢れた舞台だった。
個人的に嬉しかったのは、いろいろあって活動を休止していた田島くんが帰ってきた、という事。
その彼とシンクロするような台詞にもやや涙したが、カテコの笑顔はさいっこうに眩しかったよー‼︎
イヌの仇討
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2017/07/05 (水) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/07/20 (木)
昔々から続く娯楽作では、ヒールな役割の立役者だが、実際は認識を変えてあげたい歴史上の人物、吉良上野介義央。
生きてた時代が悪かったのか、おイヌ様を奉った挙句、大殺生な事件に発展させたお役人達が一番のワルなんじゃ、、、。
辞世の句すら詠めなかった吉良様と仕えるお侍さん達も不憫。
カテコで素に戻る殿様もキュートでした。
音楽劇『魔都夜曲』
キューブ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2017/07/07 (金) ~ 2017/07/29 (土)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/07/19 (水)
CUBE版異国の丘と上海バンスキングリミックスエンタメ舞台といった趣。
MCコングさんの流暢な説明についコクーンでも物販案内が聞けるのか、と思いきやさすがにそれはなかった。
90年代から00年代初期の関西系劇団公演を映像で集中して見たいた時期があったので、その雰囲気に懐かしい気分にさせられたり。今回の戯曲書いたマキノさんの個性が色濃く出ていたという感じか、でも河原演出は王道な見せ方だったので意外だなーと感じたり。
出演者全員達者なので、美男美女メイン2人の行方より、劇場支配人と男装の麗人の2人の顛末を見届けたかったりして。それにしても宝塚出身の女優さんて、どの舞台で見てもカッコいいのな。
SCRAP
公益社団法人日本劇団協議会
Space早稲田(東京都)
2017/07/01 (土) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/07/17 (月)
中央が主舞台となり、そこに客席が取り囲む。あまりの近さでやるやり取りに酸欠になりそう。
1959年の大阪、日本人のヒノマルがアパッチ族と称する在日朝鮮人たちと交流を持ったとこから始まる「今は昔」なお話だったが、この手の問題というか対応は現代でも続いているし、一人一人の人生尺度が重すぎる。彼らの誰も責められないし、現代まで、のほほんと生きていた自分にはどうにも身の置き所が見つからず困った。
2時間近く密閉された場内で見ているのも、少しきつかった。
子午線の祀り
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2017/07/01 (土) ~ 2017/07/23 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/07/16 (日)
平家物語。静寂さの中、コロスを含めた両陣営が勢揃いする場面の荘厳さに美しく身震い。
美しい照明使いなのに、モノクロというか水墨画のような色合い、そんな中でアクティブな義経に迫力ある弁慶、壇ノ浦の場面は今作に限らず、どの舞台で見ても切ない。
ヤング&ワイルド&フリー
入江雅人
劇場MOMO(東京都)
2017/07/12 (水) ~ 2017/07/17 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/07/13 (木) 19:00
今回も一部の映像とニューミュージック歌謡曲などを多用した、笑いと哀愁と胸キュンとリスペクトに溢れた7作品。タイムトラベル物のあの人物は30数年の変化の中、トイレのウォシュレットなんか体験したら!ものすごくたまげるんではないだろうか。過去発表した作品をひっくるめて上演する進化系独り舞台でした。
場内満席、体休め的な休憩ありの約130分。
髑髏城の七人 Season鳥
TBS/ヴィレッヂ/劇団☆新感線
IHIステージアラウンド東京(東京都)
2017/06/27 (火) ~ 2017/09/01 (金)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/07/13 (木) 13:00
誰が言ったか知らないが、思いの外、レッツゴー!髑髏城‼︎だった。
アラフィフアラカン多い座組なのに、天魔王に蘭兵衛の踊ったら向かい所敵なしの、ある意味踊れるバーサーカー2人を相手に捨サダヲ達よう頑張ったなぁ、と舞台の隅々まで面白おかしく楽しめました。初めて髑髏城の7人を見終わった時の清々しさも感じたが、今回も面白すぎて楽しすぎて、ずっとトリドクロの世界に浸っていたかった。
なんども上演しているとネタ切れの不安も出てくるけど、今回のような人物設定と物語の背景、好きだ。今回のダンス監修がMIKIKOさんになり、腕使いの振り方やフォーメーションがそれなりの個性が見えて特長的だった。
太夫の衣装が孔雀柄でとても華やか、他、煙幕の流れが綺麗だった。
春の観劇時に比べると前方席に恵まれて舞台上がよく見えたのも幸運だった。
泥の中
VAICE★
駅前劇場(東京都)
2017/06/27 (火) ~ 2017/07/02 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/28 (水)
公演2日目、女・サリーさん版を観劇。
客席対面式舞台。中年おじさん達の機微模様、サリーさんは風来坊的な存在かと思いきや。屈折人生境遇者の存在には気をつけたくてもうまくいかないのが人生なのな。客席観劇視点で多様な想像は湧くが、観劇後の余韻が薄いのはまだ自分が登場人物達ほどの泥沼人生に陥っていないからか。
観劇した日は始まって間もない頃。演出の松本さんも後の男版サリーさんで出演するため、客席におられたが、その後半の印象はまた一味違うのではないかな、と思った舞台。
それにしてもサリーさん、つい2日前まで自分ちの劇団公演をやっていたにも関わらず、日数開かず別物の舞台に出るなんてどんだけ器用なんだ。驚愕、そして、感嘆するばかり。
郵便屋さんちょっと2017 P.S. I Love You
劇団扉座
紀伊國屋ホール(東京都)
2017/06/21 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/25 (日)
再配達版最終日観劇。
劇団関係者ではないが、個人的にそこそこの観劇歴、紀伊国屋ホールの重要性はよくわかってはいるつもりだが、これまでここでの観劇は自分の身の丈もあって座席運に恵まれず、あまり好意的な印象の持てない劇場であった。それが祟ったのか、今回、舞台位置のちょうどセンターに当たる座席からの観劇だったにも関わらず、当日は前列観客数人の体格が視界を遮る形となり、ほぼ、そのかたがたの後頭部を見ながら観劇する事に。今回の舞台の前評判の高さからかなり期待はしていたのだが、そういった事があり、初演観劇済みで話の展開は理解しているとはいえ、再演版の上書きが出来ず非常に無念。
再演ゆえか、役者さんの声の限りに時に叫びながら喋るも、台詞の流れは良くも悪くも滑らかに聞かれ、却ってそれが、つか舞台の足掻きながら観る熱量を上げるような舞台に感じなかったのは、口の悪い一般客の感想になるのだろうか。
ただし、今回も つかー幻冬舎見城氏ー横内さん の横並びの情熱は随所に感じた。惜しむらくは公演日程の短さと作品の性質上、もう観る事が出来ないという事か。
怪人21面相
ウォーキング・スタッフ
シアター711(東京都)
2017/06/19 (月) ~ 2017/06/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/06/21 (水)
以前、渋谷の廃屋さながら工場跡みたいな、なんかのアジトかと思わせるような芝居小屋で同作を見たが、役者と少しの演出の違いで作品の毛色も変化するんだなぁ。どちらも甲乙つけがたし。事件の真実は関わった人しか知る由もないが、この話も近い線入っているのかも、と思わせた舞台。場内が暑くて、ややバテたが今回も面白く拝見。
約130分。
ブリッジ
サンプル
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2017/06/14 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2017/06/21 (水)
観客も10周年記念セミナーイベントに参加する仕組み。劇中劇であろうがトコトン突き詰めた自分達の思いを訴えかける。側で見れば、特殊変態行動満載なんだけど。胡散臭い掌の上で主催者に転がされながら見ていたような感じ。あんなにリラックス出来ないヒーリング音楽も初めて聴いた。なんとも特徴的な面白い芝居でした。