tamagawaya_ucの観てきた!クチコミ一覧

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少しはみ出て殴られた

少しはみ出て殴られた

MONO

テレピアホール(愛知県)

2012/02/29 (水) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★

MONO「少しはみ出て殴られた」観ました。
 本来自分とは関係ない情報に頼り、振り回され、変わっていく人々。些細なバイアスが積み重なり加速し、取り返しがつかなくなる…少しずつきなくさい空気が積み重なっていく過程が丁寧に描かれる。同じく閉鎖環境を舞台にした映画「S」を連想。一旦引かれた線は、もう完全に消える事は無い。国境も人も…。間抜けな笑いを通過して、苦い後味が後に残った。

カラス/Les Corbeaux

カラス/Les Corbeaux

世田谷パブリックシアター

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2012/02/21 (火) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★★

ジョゼフ・ナジ「カラス」観ました。
 ジョゼフ・ナジと音楽のアコシュ・セレヴェ二、二人でひとつの作品。二人の、色々試すイタズラ感と厳かな儀式の空気がひとつになった予想外の舞台。特に、音の重要性に注目。セレヴェニの奏でる音から感覚が鋭敏になり、ナジが次々示す絵や身体に、何度も死んでは甦るイメージが見えてくる。冒頭シーンや最終的な背景のためか、絵巻物や地獄草紙を観ながらずっと連想…あと、ナジの全身から垂れる滴の音が、身体の動きと異質で印象的…。

よ こ み ち ~三毛猫のさんぽ~

よ こ み ち ~三毛猫のさんぽ~

よこしまブロッコリー

モノコト(愛知県)

2012/02/19 (日) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★★

よこしまブロッコリー「よこみち-三毛猫のさんぽ-」観ました。
 19日の回を観ました。団員が自分で能力を伸ばす機会として、劇団が公演を行う魅力的な恒例企画。経験不足で拙いところがあっても、本番舞台でチャレンジできる事がすばらしい。場所も、劇場ではなく雑貨屋を使っているためか、舞台上まで開放的なムード。私見では、後半のショートショート2本が特に見応えありました。現実は残酷だけど、一筋の救いを残す大人の愛憎劇…。

女王の器

女王の器

サンプル

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

サンプル「女王の器」観ました。
 独特のセットと、丸見えの舞台裏。常時舞台を通過する、大量のノイズ要素があえて観客の集中を削ぐ。
 一つの光景にない交ぜになった遠近感や時系列。ひとりの妄想と壮大な人類史がリンクし、性的な明喩、暗喩、変態(アブノーマルとメタモルフォーゼ)がてんこ盛りの壮大な世界へ。
 観客が脳内で再構成する不親切な楽しみに、うりんこ「お伽草紙/戯曲」を連想しました。なんかすごい。

不機嫌な子猫ちゃん

不機嫌な子猫ちゃん

水素74%

アトリエ春風舎(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★

水素74%「不機嫌な子猫ちゃん」観ました。
 自分に都合いい世界しか見ない人ばかりの、思い込みの関係性が少しずつ開陳されていく快感と不快感。
 快適さのために、それまで積み上げてきた自分すら書き換える、自己への歪んだ愛。
 人の出入り、パワーバランスの変化の度に、依存ー被依存が目まぐるしく入れ替わり、グロテスクな笑いと絶望がこみ上げてくる。
 下手すると、若い人には一人ぐらい、これ観て真剣に自殺考えた人いるんじゃないかな。。。
 【注・初めて舞台を観る人、ハイバイや本谷さんがキツい人は観ちゃダメ!(笑)】

田園に死す

田園に死す

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2012/02/09 (木) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

流山児☆事務所「田園に死す」観ました。
 故郷を離れた者の、置いてきたのに捨てきれない過去が錯綜、反復。再構成するうちに虚構をはらみ、当人の無意識を反映したカオスを展開。
 多数の文脈を持った、異なる個性の際立ったキャストが、寺山+天野ワールドで渾然一体となり、みな欠かせないピースに。合唱だけで泣けてくる(笑)。
 ラスト、確固たる存在にみえた主人公が、ある場所に佇む後ろ姿の虚ろさ、寂しさは、演劇に関われば誰でも体験するものかも。 寺山修司だけでも天野天街だけでもない、不思議な世界。

奴婢訓

奴婢訓

演劇実験室◎万有引力

シアタートラム(東京都)

2012/02/12 (日) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★

万有引力「奴婢訓」観ました。
 高さのある空間をふんだんに使い、綿密に構成されたライブショーというイメージ。
 訓練された肉体に異様な衣装、道具が絡み合い、どことも知れない世界を立ち上げる。物語が進むにつれ、複雑に入り組んだ館自体が、巨大な主人の椅子、ひいては存在しない主人の手のひらの上にも見えてきた。
 若手オーディション組を多数配し、意外と陽性なムードの中で、マッチを擦った灯りと匂いが満ちる、原始的な刺激が印象的。

びんぼう君

びんぼう君

五反田団

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2012/02/01 (水) ~ 2012/02/02 (木)公演終了

満足度★★★★★

観劇「びんぼう君」
  ふたりの押し引きするパワーバランス、場の、ピースが欠けた部分に第三者が収まって、流動的に安定した関係が生まれた。
 人間性がむき出しになる遊びの場面は、集団での箱庭療法にも見える。じかに向き合うよりも、相手のことがたくさん分かる(自分のことはよく見えないけど)。

 みじめな境遇がまず笑えて、それから切なく見える。笑えて切なくて身に覚えのある、何重にも質の高い芝居でした。

ある女

ある女

ハイバイ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2012/02/04 (土) ~ 2012/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

観劇「ある女」
 今まで観たハイバイ作品に較べ、珍しい匂い。生々しさと幻想的な雰囲気のミックス。岩井さんの劇作の、観せ方が変わってきてるのか?

 愛にアイデンティティを求める女、彼女の話をなんでも聞いてくれる隣人、彼らの、絶望の中で一筋の細い糸をたぐって歩くようなラスト。どこへ行き着くのか、終わっても見通せない…
 
観る人によって笑いの有無、場所、タイミングが大きく異なりそう。特に女性にはかなり応える人も。

劇王IX

劇王IX

長久手町文化の家

長久手市文化の家 風のホール(愛知県)

2012/02/11 (土) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇王Ⅸ・決戦終わって
 「劇王Ⅸ」観ました。

 平塚さん「鹿」で勝利、第9代劇王に。人物の抱える心理、ことばでの世界づくり、空間仕切りが見事。昨日は劇世界のシュールな全体像が、今日は個々人の抱える事情が際立って見えました。やはり深い。

 塚田さん「シュガーレス・ガール」は、これをやりたいという動機の強さが純粋に光って見えました。厳しいテーマに対し、ある意味危険なまでの直球勝負。審査員講評での示唆が興味深かったです。

 宮谷さん「ハウス」、名古屋で他に類を観ない独特なスタイルを確立。ただ、心情面ではいまいちのめり込みにくい(KIMYO前回公演を観た時もそう)。これは芝居に求めるものの違いだと思います。見せ方は巧み。

 他の地域から来た方々は、劇王について「アットホーム」「一丸となってる」
「いいユルさと真剣さ」などコメントされてました。来年は第10回記念、全国から勝ち抜いたつわものが集まって、歴代劇王と戦うそうです。皆さま注目を!

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